プロダクト開発・システム開発の発注、依頼の流れとポイントについて解説!
システム開発を初めて依頼する際、多くの企業はしっかりとシステムの完成まで到達できるかという不安を抱えるものです。そして適切なシステムを選びつつプロジェクトをスムーズに進行させるためには、正確な要件定義や開発会社の選定が欠かせません。
本記事では、システム開発の基本的な流れやポイント、さらに具体的な事例を交えながら、プロダクト開発・システム開発における発注と依頼のポイントについて解説していきます。
プロダクト開発・システム開発の基本的な流れ
システム開発は、要件定義からリリースまで複数のステップを経ることで成り立っています。各ステップにおいては適切な判断や作業が求められます。ここでは、システム開発における基本的な流れや特に重要なポイントについて説明していきます。
要件定義からリリースまでのプロセス
① 提案依頼書(RFP)の作成
システム開発の最初のステップは、提案依頼書(RFP: Request for Proposal)の作成です。
RFPは、発注者が開発会社に向けて要件や仕様を明示するための文書であり、このドキュメントの質がシステム開発の成功に大きく影響してきます。
RFP作成の際は、システムの要件だけでなく開発予算やスケジュール、納期なども明確にしておくことが重要です。
また、RFPを作成する過程で自社の課題を再確認し、必要な機能や優先順位を整理することも有効でしょう。2
② 開発会社の選定と相見積もり
RFPを作成した後は、複数の開発会社に対して相見積もりを依頼します。
それにより、異なる提案内容や見積もりを比較して、自社に最も適した開発パートナーを選定することが可能となります。
相見積もりの際には、単に価格だけでなく提案内容や開発チームのスキルセット、過去の実績なども評価基準に含めるべきといえます。
③ システム設計と開発
開発会社が決定した後は、システム設計と開発のフェーズに移行していきます。
この段階では、要件定義書を基に詳細な設計が行われ、実際のシステム開発が進められていきます。
設計段階では、ユーザーインターフェースやデータベース設計、プログラムの設計などが行われ、システム全体の骨格が構築されます。
その後、設計に沿ってプログラミング、テストを経て、バグをできる限り潰し他のを確認してから本番環境へのリリースを行っていきます。
RFP(提案依頼書)の作成方法と注意点
・具体的な要件の明確化
RFPを作成する際の最も重要なポイントは、要件を具体的かつ明確に記載することです。
抽象的な表現や曖昧な指示は、開発会社との認識のズレを引き起こし、後々のトラブルの原因ともなり得ます。
・発注者の目的を反映させる
RFPには、発注者がシステム開発を通じて達成したい目的をしっかりと反映させることが必要です。
システムの機能だけに焦点を当てるのではなく、最終的に達成したいビジネス目標を明確にすることで、開発会社がより適切な提案を行えるようになります。
特に重要視したいポイントは、相手にしっかりと伝わるように断定表現で明記すべきです。
・見積もりと提案内容の評価基準
最後に、見積もりや提案内容の評価基準を設定することもRFP作成において重要な要素となります。
複数の提案を公正に比較するために、コストだけでなく提案の独自性や技術的な妥当性、開発期間などを総合的に評価する基準を設けましょう。
この基準に関しては、どれかが突出しているというよりはバランスのとれた提案先を選ぶ方が無難です。
発注・依頼の際のポイント
システム開発を発注する際には、いくつか重要なポイントがありますが、それらを押さえておくことで、発注者と開発者の間で円滑なコミュニケーションが図れ、プロダクト開発の成功が期待できます。
ここでは、そのポイントについて、具体例を交えながらそれぞれの項目で解説していきます。
コミュニケーションの重要性
システム開発のプロジェクトは、発注者と開発者が協力し合うことで初めて成功するため、両者の間で円滑なコミュニケーションを保つことが非常に重要です。
まず、発注者は自社が求める要件を明確にし、開発者に正確に伝えることが必要です。例えば、ある企業が顧客管理システムを発注する際に、顧客データの入力が煩雑で時間がかかるという課題を抱えていたとします。この問題を解決するためには、入力の効率化を図ることが求められますが、それを実現するための具体的な機能や要件を詳細に伝えることが重要です。
何をどうやって実現させるのか、開発者以外でもシステムの仕組みが理解できるように明示してあげることがコミュニケーション齟齬の回避につながるでしょう。
さらに、開発中であっても定期的な確認が必要です。プロジェクトの進行状況を定期的に確認して必要に応じて軌道修正を行うことで、開発の遅延やコストの増大を防ぐことができます。
例えば、週次ミーティングを設定し、進捗状況や発生した問題点を共有することがおすすめです。基本的には、進捗・課題管理するためのシステム開発チームでの定例を毎日開催し、業務側や別チームを含めた定例を週次で設けることで、小さな問題点も洗い出すことが可能になります。
システム開発の依頼先の選定
システム開発を成功させるためには、適切な開発パートナーを選定することが大切です。開発会社を選ぶ際には、その企業が持つ専門性と経験が重要な判断材料となります。例えば、特定の業界に特化したシステム開発を依頼する場合、その分野での実績が豊富な会社を選ぶことで、より的確な提案を受けられる可能性が高くなります。
また、フリーランスと開発会社の選択肢についても検討が必要です。フリーランスに依頼する場合、費用を抑えることができる一方で、プロジェクトの規模や複雑さによっては対応が難しくなることがあります。
一方、開発会社はチームでの対応が可能なため、大規模なプロジェクトや高度な技術が求められる案件に適しています。
仕事として作業を進める以上、家庭的なトラブルやそれぞれの作業者の身にトラブルがあった場合の対処も考えておかなくてはなりません。
実績があり信頼性の高い会社であれば、補充のための人員や新規で採用しても即戦力として作業に従事できるような人員を常に確保しているため、システム開発規模に合った企業を剪定するのも心がけておきましょう。
成功するプロダクト開発のために
プロダクト開発を成功させるためには、費用対効果の最大化やリリース後の運用・保守を考慮することが重要しょう。これらの要素を適切に管理することで、開発コストを抑えながら高品質なシステムを構築することが可能です。ここではそれぞれのポイントについて解説していきます。
費用対効果の最大化
システム開発において、費用対効果の最大化を図ることは当然のことながら重要視されます。ほとんどの場合は開発予算が限られているため、必要な機能の優先順位を明確にして、どの機能が最もコストパフォーマンスが高いかを判断することが大切です。この判断ができないと、無駄な機能に工数をかけてしまったり、機能の詰め合わせパックのような採算の合わないサービスとなってしまいます。
例えば新しい在庫管理システムを開発する際に、初期段階では必要最低限の機能だけを導入し、追加機能は運用後のニーズに応じて段階的に導入するという手法をとれば無駄を省くことができます。一番初めの段階でフェーズ1の開発内容、フェーズ2の開発内容、フェーズ3の開発内容といったように段階に分けてリリースしていくのをおすすめします。
また、開発者からの提案を受け入れる際には、費用対効果を検討することが重要となります。あくまで開発者は、システムの良し悪しや利便性を最重要項目として提案するため、それが予算やスケジュールと合致するのかどうかを判断する必要があります。
リリース後の運用・保守に関する考え方
システム開発はリリースがゴールではなく、その後の運用・保守が重要です。そのため、リリース後の運用計画を事前に立てることで、システムの安定稼働を確保することができます。
普段利用しているシステムやプロダクトはすでに何らかの形で市場にリリースされているものですが、これらの保守・運用が適切でないと、サーバー落ちや不具合、セキュリティ問題などが混在し、安心して利用できるようなサービスにはなり得ません。
また、メンテナンス契約の重要性も見逃せません。システムは時間とともに老朽化し、外部環境の変化に対応する必要が出てくるため、定期的なメンテナンスやアップデートが必要です。
定期的なメンテナンスが行えてないと、もしもの時にシステム停止に追い込まれ、結果的に大損害を被ってしまうことも考えられます。そのため、リリース後のメンテナンスにも気を配り、ルール化しておくことをおすすめします。
まとめ
プロダクト開発・システム開発を成功させるためには、プロジェクトの初期段階からの発注、依頼を含めた綿密な計画と適切なパートナーの選定をしておくことが重要です。提案依頼書(RFP)の作成を通じて要件を具体的に明確化して開発会社との認識のズレを防ぐことで、システム開発の軸を定めておくことが最も重要となります。
しかし発注や依頼だけでも、そのプロダクト開発が成功するとも保証できません。そのため、複数の開発会社から相見積もりを取り、提案内容や技術力、実績を総合的に評価して最適なパートナーを選定したり、開発段階でのコミュニケーションも重要視しておく必要があります。
さらに、リリース後も運用・保守計画を事前に立ててメンテナンス契約を結ぶことで、システムの長期的な安定稼働を確保できるため、サービスを運用していくためには必須事項と言えます。まずはプロダクト開発・システム開発の発注・依頼からの流れを知り、ポイントを押さえて計画していくようにしましょう。
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