カリフォルニア州で、コンパニオンチャットボットの運営者にAIであることの表示、未成年者への通知、自己傷害対応プロトコルの整備などを求めるSB 243が、すでに成立しています。
企業のIT・事業責任者にとっては、自社のチャットボットが、自然な言語で人間らしく応答し、複数回のやり取りで関係を維持するコンパニオンチャットボットに該当するかを確認することが出発点です。Character.AIのような未成年者が利用するサービスを検討・提供している場合は、この確認が特に重要になります。
すべてのチャットボットが一律に対象となるわけではなく、カスタマーサポート・業務用ボット、ゲーム内ボット、音声アシスタントには除外例があります。対象に該当する場合は、年齢対応や表示、危機対応などをサービスの機能と運用に組み込む必要があります。
※本記事は2026年8月時点の情報です。

SB 243の対象と主な義務
SB 243は、コンパニオンチャットボットの運営者に次の対応を義務付けています。
- 人間と誤認される場合、AI生成で人間ではないことを明確に通知
- 自殺・自己傷害コンテンツを防ぐプロトコルを維持・公開
- 運営者が未成年者と知るユーザーへAIとの対話であることを開示
- 未成年者へ3時間ごとの休憩とAI表示の通知をデフォルトで提供
- 未成年者への性的コンテンツ等を防ぐ合理的な措置
ポイント
AIであることの表示、未成年者への休憩通知、自己傷害対応プロトコルの整備は、コンパニオンチャットボット運営に共通する必須要件です。
対象外になり得るボットとの違い

SB 243の条文には除外例があり、次のボットは対象外になり得ます。
| ボットの種類 | SB 243の定義上の扱い |
|---|---|
| コンパニオンチャットボット | 社会的ニーズに応え、人間らしい関係を継続するサービス |
| カスタマーサポート・業務用 | 条文の除外例に含まれる |
| ゲーム内ボット | ゲーム関連の返信に限定されるなどの条件で除外例 |
| 音声アシスタント | 継続的な関係や感情反応を誘発しないなどの条件で除外例 |
ポイント
カスタマーサポート・業務用、ゲーム内ボット、音声アシスタントは、条件を満たせば対象外になり得ます。自社サービスがどの類型に該当するか、条文の除外要件と照らして確認しましょう。
サービス運営で整える実装項目

運営者は、次の実装項目をサービスの機能と運用に組み込みます。
- 年齢情報を取得・推定する方法と、誤判定時の救済
- AI表示・休憩通知を表示する画面、音声、ログ
- 自殺・自己傷害の兆候に対する検知、応答、危機支援への案内
- 性的コンテンツの制御と、モデル更新後の評価
- 報告データから個人を特定しないための設計
AIサービスの安全性は、モデルの拒否率だけでなく、利用者がAIと理解できるか、危機時に人や支援へつながれるか、記録と改善が行われるかで評価します。ガバナンスと運用監視を子ども向け機能に合わせて設計しましょう。
ポイント
年齢確認、AI表示・休憩通知の実装、危機対応、モデル評価、個人情報を含まない報告設計を、サービスの機能と運用の両面に組み込むことが実装の要点です。
よくある質問(FAQ)
Q. SB 243はどんなサービスを対象にしますか?
自然な言語で人間らしい応答をし、社会的ニーズに応え、複数回のやり取りで関係を維持できるコンパニオンチャットボットが対象です。条文には業務用などの除外例があります。
Q. 未成年者に必要な対応は何ですか?
AIとの対話であることの開示、3時間ごとの休憩・AI表示通知、性的コンテンツの抑制などが条文に定められています。
Q. 自己傷害の相談にどう対応しますか?
サービス提供前に、自己傷害等のコンテンツを防ぐプロトコルを維持し、危機支援サービスへの案内などを含める必要があります。運用内容を公開する義務もあります。
Q. 報告義務はいつ始まりますか?
条文では、2027年7月1日から、一定の自己傷害対応データやプロトコルを年次報告する規定が示されています。
まとめ
California SB 243は、コンパニオンチャットボットにAI表示、未成年者保護、自己傷害対応プロトコル、報告を求める法律です。対象定義と業務用ボット等の除外例を確認することが出発点です。
運営者は、年齢対応、表示、危機対応、モデル評価、個人情報を含まない報告設計を、サービスの機能と運用へ組み込みましょう。
参考情報:
California Legislative Information・SB 243条文
California州司法長官資料
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