デジタル庁DS-920を解説|行政の生成AI調達・利活用で確認すべきポイント

結論からいうと、DS-920は、企画・調達・開発運用・利活用を通じて生成AIのリスクを管理する、政府情報システム向けの標準ガイドラインです。

以下では、対象となる工程、生成AI特有のリスク、民間企業での応用方法を整理します。企業は法的義務と混同せず、自社の管理に活用できます。

DS-920が扱う生成AIの調達と利活用

生成AIの企画、調達、開発・運用、利活用を循環で示した図
工程を一巡させて管理する構成です。

DS-920は、生成AIを導入して終わりにせず、企画から利活用までを一つの管理サイクルとして扱います。

高リスク生成AIや先進的AI利活用アドバイザリーボード、AI統括責任者(CAIO)など、組織で判断する仕組みも示しています。

2025年版では、生成AIのガバナンス体制、調達、開発・運用、利活用、生成AI特有のリスクケースを扱っています。デジタル庁は、2026年6月に第2.0版を決定したと公表しました。

工程確認すること
企画目的、対象者、影響、代替手段、リスク
調達モデル、データ、契約、セキュリティ、説明責任
開発・運用評価、変更管理、ログ、脆弱性、停止手順
利活用利用者、入力情報、人の確認、事故時の報告

ポイント

DS-920は企画から利活用までを一つの管理サイクルとして扱い、組織での判断体制も示します。2025年版の対象項目と第2.0版の公表を踏まえ、工程ごとに確認事項を定められます。

生成AI特有のリスクを業務単位で確認する

業務ごとに確認する生成AIの5つのリスク観点を示した図
入力情報から事故対応までが確認範囲に含まれます。

業務に生成AIを使う際は、次のリスクを業務ごとに確かめます。

  • 情報の送信先:入力した個人情報・機密情報がどこへ送られるか
  • 生成物の影響:誤り、根拠不足、バイアス、著作権への影響
  • 操作できる範囲:外部ツールやAIエージェントに許す操作
  • 変更後の再評価:モデル・プロンプト・接続先の変更時に行う評価
  • 事故時の対応:障害・漏えい・有害出力が起きた場合の停止と報告

企業で応用する場合は、工程ごとの問いを自社のAI台帳や調達チェックリストへ移します。AIエージェントでは、回答に加えてツール呼び出し、資格情報、承認、人への引き継ぎも記録対象にします。

AIエージェントの統制やAgentOpsと組み合わせると、運用時の責任を追いやすくなります。

ポイント

生成AIの管理では、情報の送信先や生成物の影響に加え、外部操作、設定変更、事故対応まで業務単位で確認します。AI台帳に工程ごとの管理事項を反映すると、運用時の責任を追いやすくなります。

民間企業が参考にするときの使い方

民間企業がDS-920を参考利用する4つの使い方をカードで示した図
用途や更新状況に応じて確認の仕方を調整できます。

DS-920を企業で使うときは、法的義務と混同せず、自社の業務や契約に合わせて調整します。

  • 観点表として使う:法律・認証制度ではなく、調達と運用の確認に使う
  • 自社向けに追加する:業務影響と契約・法令に合わせて項目を補う
  • 高リスク用途を厚く管理する:責任者、テスト、承認、監査を強化する
  • 更新時に見直す:モデルや提供条件の更新に合わせ台帳と評価を確認する

ポイント

民間企業はDS-920を法的義務や認証制度として扱わず、自社の業務影響、契約、法令に沿う確認表として調整します。用途のリスクやモデルの更新に応じて、責任者や評価の厚さを見直すことが判断の要点です。

よくある質問(FAQ)

Q. DS-920とは何ですか?

このガイドラインは、行政の生成AIの調達・利活用とリスク管理を整理する、デジタル庁の政府情報システム向け標準ガイドラインです。

Q. DS-920は民間企業にも義務付けられますか?

政府情報システムの整備・管理に関するルールであり、民間企業へそのまま法的義務を課す資料ではありません。企業は自社の法令、契約、規程に合わせて参考利用します。

Q. 第2.0版はいつ決定されましたか?

デジタル庁は、2026年6月12日に開催された会議で第2.0版を決定したと公表しています。利用時はデジタル庁の最新ページと掲載資料を確認してください。

Q. 企業は何から応用できますか?

AIの企画、調達、運用、利用、事故対応を一枚のチェックリストにし、目的、データ、権限、評価、ログ、停止手順を記録するところから始められます。

ポイント

DS-920は政府情報システム向けの指針で、民間企業への一律の法的義務を示すものではありません。第2.0版の決定情報は最新資料で確認し、企業では企画から事故対応までの記録整備に応用できます。

まとめ

DS-920は、行政の生成AIを調達・開発・運用・利活用する際のリスク管理を整理する標準ガイドラインです。第2.0版の決定も公表されているため、利用時は最新資料を確認してください。

民間企業では、法的義務と誤解せず、AI台帳、調達チェック、評価、承認、ログ、停止手順を整える参考として活用できます。

参考情報:
デジタル庁「DS-920」
デジタル庁「生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)」

関連記事

生成AIの統制や監視、業務での活用をさらに知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。