AIサプライチェーン最適化の開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

AIサプライチェーン最適化の開発会社は、需要を予測したいのか、在庫や輸配送の計画まで決めたいのかで選び分けます。予測精度に加えて、現場の制約を守れるかも比べる観点になります。

取り上げるのは、公式情報で支援内容を確認できる6社です。掲載順は順位ではなく、検討条件との対応を示しています。

6社を比べる前に決める最適化の対象

需要量の推定、補充量と輸送経路の決定、担当者の承認や基幹連携を3つのカードで示した図。
予測から現場で使う仕組みまで、相談範囲を分けて整理できます。

サプライチェーンでは、在庫を減らすと欠品が増え、配送を集約すると納期が延びることがあります。そのため、どの費用を下げ、どのサービス水準を守るかを、相談の前に言葉にしておきます。

提案を依頼するときは、予測の対象と、予測のあとに決める行動を分けて示します。

  • 需要予測:商品・拠点・期間ごとの需要量の推定。
  • 計画最適化:供給能力や納期を踏まえた、補充量と輸送経路の決定。
  • 業務実装:担当者の承認、基幹連携、例外時の修正を可能にする仕組み。

たとえば店舗の補充と工場間の供給配分では、必要なデータも計算方法も異なります。「AIで全体最適化」という依頼だけでは、各社の見積範囲がそろいません。

ポイント

需要予測だけを求めるのか、在庫や輸配送の計画、業務実装まで求めるのかを、先に決めておきます。そろえておくと、各社の提案を同じ範囲で比べられます。

全社の需給計画・拠点連携から検討する3社

NTTデータ:複数のSCM製品を含めて構想から選びたい場合

NTTデータは、グローバルSCMサービスで業務変革とソリューション選定を案内しています。また、AnaplanやKinaxisなど、複数製品への対応が示されています。

製品を先に決めず、海外拠点や部門間の分断から整理したい企業の比較候補です。相談の際は、構想の策定と実装をどこまで一括して担うのかを確かめます。

  • 適合条件:複数拠点の需給計画や企業間データ連携をまとめたい。
  • 確認事項:採用製品、AI予測の担当、追加開発部分を分けて示す提案。

製品導入の実績があっても、自社向けの予測モデルの開発が同じ契約に含まれるとは限りません。そこで、計画機能と予測機能のつながりまで、見積書で確かめておきます。

日立製作所:制約を計画に反映したシミュレーションを行いたい場合

日立製作所の日立クラウド型SCMサービスには、在庫可視化、SC-SCO、SCPLANがあります。これらを組み合わせて、計画の評価と立案を検討できます。

SC-SCOは、仮想空間上のサプライチェーンでシミュレーションを行うサービスです。一方、SCPLANは拠点の能力や調達状況を加味した計画に対応すると説明されています。

  • 適合条件:需要変動時に、工場・在庫・調達の影響を比較したい。
  • 確認事項:自社の制約の表現方法と、AI需要予測を接続する範囲。

シミュレーションや数理最適化と、AIによる予測は同じ機能ではありません。だからこそ、予測値の入力元と、計画が成立しないときの説明方法を、デモで確かめます。

富士通:需給と輸配送を横断した判断基盤を整えたい場合

富士通のFujitsu Supply Chain Planningは、需給予測とデジタルリハーサルを掲げています。さらに、EDIなどによるデータ連携も対象になっています。

需給会議の計画と物流側の実行条件が食い違っている企業では、両者をつなぐ提案を求める候補になります。画面の統合だけでなく、計画の粒度がそろっているかも確かめます。

  • 適合条件:販売・供給・輸配送を共通データで検討したい。
  • 確認事項:対象業務、導入する構成要素、個別連携の担当が明確であるか。

統合の対象が広いほど、部門ごとのマスターや更新時刻が問題になります。このため、最初に扱う拠点と品目を絞った検証案も、あわせて依頼しておくと判断しやすくなります。

ポイント

複数製品や制約、輸配送まで含めて検討したい場合は、導入範囲とAI予測の担当を、提案の段階で分けてもらうのが目安です。

需要予測・在庫・店舗補充の課題から検討する3社

需要予測、小売店舗の発注作業、自社データに合わせたロジックという3つの検討領域をカードで示した図。
検証する商品群や売場を決めると、相談先を絞りやすくなります。

NEC:予測の根拠を現場の判断につなげたい場合

NECはAI活用例で、保守部品の在庫最適化や店舗の需要予測を紹介しています。対象業務ごとに、AIの適用例を確認できます。

また、アサヒ飲料との実証では、新商品の需要予測と予測精度の管理を扱っています。ただし、これは2023年の実証内容で、現在の契約条件を示すものではありません。

  • 適合条件:新商品や保守部品など、需要の性質に応じた予測を検証したい。
  • 確認事項:類似商品データの利用方法、予測の根拠、在庫判断との接続の説明。

新商品は販売の履歴がない問題で、既存商品は欠品によって販売実績が欠ける問題です。両者は性質が異なるため、自社の難しい商品群を先に示し、その群で検証できるかを確かめます。

BIPROGY:小売店舗の補充を既存サービスで改善したい場合

BIPROGYのAI-Order Foresightは、小売向けのAI自動発注サービスです。具体的には、販売実績、気象、企画情報などから発注数を算出します。

事前のアセスメントと店舗PoC、導入後の分析支援が案内されています。日配品や生鮮品を含む店舗補充を、実際の売場で検証したい場合の候補になります。

  • 適合条件:小売の発注作業と、欠品・廃棄の両方を改善したい。
  • 確認事項:対象カテゴリ、発注システムとの連携、店舗側の例外処理。

この選択肢は、標準サービスの導入が中心です。そのため、工場配置や全社の輸送網の独自最適化は、同じサービスが担うとはみなさず、追加対応の可否を別に問い合わせます。

ブレインパッド:自社データと制約に合わせたロジックを作りたい場合

ブレインパッドの物流・流通向けソリューションは、数理最適化、データ整備、実装支援を組み合わせた内容です。分析を業務へどうつなぐかが、検討の対象になります。

公式ページでは、適正在庫の算出や自動発注の安全域の検証を説明しています。ただし、個々の事例記載には再構成した内容も含まれるため、実名顧客の実績とは区別して読みます。

  • 適合条件:独自の制約があり、既製品に合わせる前に改善余地を見極めたい。
  • 確認事項:モデル運用の担当と実装先、引継ぎ資料、再検証の範囲。

分析報告だけで終わらないよう、現場が使う計画画面や基幹連携の担当を、発注側と開発会社で決めておきます。あわせて、予測不能な品目を人の判断に残す条件も、提案に含めてもらいます。

ポイント

需要予測の検証、店舗の補充、在庫判断のうち、どれを先に改善したいかで候補は変わります。検証する商品群と売場を先に決めて、提案の内容を同じ基準で比べます。

最終候補の比較に使う同じデータと評価条件

商品群別と繁忙期別の予測、欠品や在庫などの計画、修正記録や復旧などの運用を3層で示した図。
同じデータと条件を使うことで、各社の提案を横並びにできます。

候補を絞ったら、同じ品目群・期間・制約を使って提案を比べます。ただし、公開事例の改善率は、自社で得られる成果を保証するものではありません。

選定用の評価は、予測と意思決定の両面に置きます。

  • 予測の評価:現行方式との差を、商品群別と繁忙期別に分けて見る。
  • 計画の評価:欠品と在庫、輸送費、制約違反の同時比較。
  • 運用の評価:修正理由の記録、計算失敗時の復旧、担当者の作業量。

在庫削減だけを条件にすると、供給不足を見落とします。そこで、需要の急増や納入の遅れを含むシナリオでも、どの制約を守り、誰が計画を承認するのかを確かめてください。

見積もりは、初期導入と製品利用料、データ連携とモデル保守の区分に分けて受け取ります。ただし、公開情報では個別の価格や受託範囲を確定できないため、そうした項目は提案の段階で書面にしてもらいます。

ポイント

予測の精度だけでなく、計画の評価と運用の負担を同じデータと条件で採点します。在庫削減だけで選ぶと、供給不足を見落とすおそれがあります。

まとめ

6社への相談は、自社が最初に変える計画を一つ選ぶところから始まります。そのうえで、予測、制約付きの最適化、現場実装のどこまでが必要かをそろえておけば、提案の違いを判断しやすくなります。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。