Dr.Sum導入の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

Dr.Sum導入は、目的と対象データを決めたうえで、要件定義・設計開発・テストリリースの順に進みます。各工程に加えて、費用の内訳と見積もり時の確認点も押さえると、導入の全体像がつかめます。

本テーマに関する全体ガイドは、以下の記事をご覧ください。

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・Dr.Sum導入の完全ガイド

Dr.Sumの全体像と導入前の確認事項

Dr.Sumは、ウイングアーク1st株式会社が提供する高速集計データベースです。企業内の複数システムに蓄積されたデータを統合し、高速に集計・分析できるデータマートとして使われています。

累計導入実績は7,700社を超え、製造・流通・金融・医療など幅広い業種で採用されています。導入を進める前に、製品の特性と自社の課題を把握しておくことが大切です。

Dr.Sumの主な特徴と提供価値

Dr.Sumの最大の特徴は、特許取得のカラム型データベースエンジンによる超高速集計処理にあります。

キューブ作成やインデックス作成などの事前処理は必要とせず、10億件を超える大量データでも1秒台で集計結果を返せます。

現場の担当者が、これまで情報システム部門に依頼していたデータ抽出・集計作業を、自らリアルタイムで行えるようになります。

Dr.Sumの製品構成は、次の3要素です。

  • Dr.Sumデータベース:高速集計エンジン
  • ユーザーインターフェイス:Excelアドインで自由にデータを集計
  • データ連携機能:CSV・ODBC/JDBCなど多様なデータソースと連携

Dr.Sumは、ノーコードで設定・操作できるため、専門的なプログラミング知識がなくても導入・運用ができる点も大きな強みです。

また、ユーザー数に制限がなく、全社員が利用しても追加のライセンス費用は発生しません。大規模な展開を検討する企業にとって魅力的です。

Dr.Sumが適している企業・業務の特徴

Dr.Sumが適しているかは、集計の遅さや手作業の属人化、分析するデータ量から検討できます。

  • 集計に時間がかかる:複数システムにデータが分散している企業
  • 作業が属人化している:Excelで集計作業を行っている企業
  • 大量データを分析したい:トランザクションデータを分析する企業

活用例としては、製造業の生産・品質データの分析、小売業の販売・在庫データのリアルタイムな把握、金融業の顧客データの多角的な分析があります。

現在のデータ環境を整理する際は、次の3点を確認します。

  • データソース:どのシステムから何のデータを取り込むか
  • データの鮮度:リアルタイム・日次など、どの頻度が必要か
  • 利用者:ユーザー数と技術レベルをどう見込むか

Dr.Sumには、オンプレミス版とDr.Sum Cloudがあります。導入する企業は、自社のインフラ方針や費用感に合う形態を選びます。

ポイント

Dr.Sumが自社に合うかは、集計の遅さや手作業の属人化、分析するデータ量で見極めます。導入形態は、インフラ方針と費用感に合うものを選びます。

Dr.Sum導入の進め方・具体的な手順

Dr.Sum導入を要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの順に示した流れ図
最初の企画・要件定義が、後続フェーズの前提になります。

Dr.Sum導入プロジェクトは、大きく「要件定義・企画フェーズ」「設計・開発フェーズ」「テスト・リリースフェーズ」の3段階で進みます。

各フェーズで何を行い、どんな成果物を作るのかを発注側も把握しておくことが、プロジェクトの成功につながります。

要件定義・企画フェーズ:目的と対象データの明確化

最初のフェーズでは、発注側が「なぜDr.Sumを導入するのか」という目的と、「どのデータを活用したいのか」という対象範囲をはっきりさせます。

この段階で曖昧さが残ると、後工程の手戻りを招く最大の原因になります。そのため、経営層、業務担当者、情報システム担当者が一体となって、ヒアリングと議論を重ねることが重要です。

現状の業務課題は、次のような例から洗い出します。

  • 作業時間:月次の売上レポート作成に2日かかる
  • 集計基準:部門ごとに異なり、数字が合わない
  • データ参照:基幹システムのデータをリアルタイムで参照できない

発注側は、挙げた課題のそれぞれについて、Dr.Sum導入で見込める改善を一覧にします。

次に、データソースを調べます。ERPやCRM、生産管理システムなど、連携が必要なシステムのほか、Excelファイルも洗い出します。そのうえで、データの種類や形式、件数、更新頻度を把握します。

そして、想定するユーザーの規模(社内何名が利用するか)と、必要な分析レポートの種類を整理すると、要件定義書の骨格ができあがります。この要件定義書をもとに、導入支援パートナーへのRFP(提案依頼書)を作成します。

設計・開発フェーズ:データ連携設計とレポート開発

設計・開発フェーズは、Dr.Sum導入プロジェクトのなかで最も工数を要する中心のフェーズです。

このフェーズでは、次の3つの作業を並行して進めます。

  • データ設計:取込データの格納構造を決め、分析目的に沿ってテーブル・集計項目・更新ルールを組み立てます。
  • データ連携:基幹システム・ERP・CSVの自動取込を設定します。ODBC/JDBC・CSVは標準対応で、DataSpiderなら複雑な連携も実現できます。
  • レポート開発:要件に沿うレポートをExcelアドインやMotionBoardで作り、業務担当者とのレビューで集計条件や表示項目を整えます。

テスト・リリースフェーズ:品質検証とユーザー教育

テストが終わったら、次の順で本番リリースまで進めます。

  1. 元システムと取り込みデータの金額・数量・件数を、サンプルを抜き出して照合し、正確性を確かめます。
  2. 実際の業務データ量に近い条件で集計速度を測り、要件の応答時間に収まるかどうかを確認します。
  3. ユーザー受入テスト(UAT)では、業務担当者が実際に操作して要件を満たすかを確かめ、見つかった問題は修正してから再テストします。
  4. 利用者への操作研修を行います。
  5. 本番環境へリリースします。一定期間は旧システムと並行して動かし、安全に移行します。

操作研修では、Excelに慣れた人は短期間で習得しやすい一方、レポートの読み方や条件変更には丁寧な研修が必要です。

ポイント

導入は要件定義から設計・開発、テスト・リリースへ順に進みます。各段階で目的やデータ連携、レポートの内容を先に決めておくと、後工程の手戻りを抑えやすくなります。

Dr.Sum導入の費用相場とコストの内訳

導入構築費用の4区分と割合をカードで示す図。レポート・ダッシュボード開発は30〜40%
4区分のうち、レポート・ダッシュボード開発の割合が最も高く示されています。

Dr.Sum導入の費用は、製品ライセンス費用と導入構築費用の2つに大別されます。予算を立てる段階で、両方の費用を正確に把握しておく必要があります。

ライセンス費用と提供形態別の価格目安

Dr.Sumのライセンス費用は、提供形態によって異なります。

クラウド版は、データ量や処理能力に応じて、次のプランから選べます。

  • Entry:月額15万円(税別)・初期費用50万円(税別)から
  • Small:月額25万円程度
  • Medium:月額50万円程度
  • Large:月額200万円程度

オンプレミス版は、サーバーへ直接インストールする形態です。構成によって価格は変わりますが、一般に初期投資は数百万円から数千万円です。ただし、ユーザー数の制限がないため、全社展開を前提とすると、クラウド版よりもトータルコストを抑えられるケースがあります。

詳しい価格は、公式サイトや販売代理店への問い合わせで確かめる必要があります。

導入構築費用とランニングコストの内訳

ライセンス費用とは別に必要となる導入構築費用は、プロジェクトの規模や複雑さによって100万円〜1,000万円以上と幅があります。導入構築費は、次の4つの区分ごとに割合を確認します。

  • 要件定義・設計:20〜30%
  • データ連携設定:20〜30%
  • レポート・ダッシュボード開発:30〜40%
  • テスト・導入支援:10〜20%

ランニングコストには、次の費用があります。

  • ライセンス保守:ライセンス費の15〜20%程度/年
  • インフラ:クラウドは月額利用料に含まれる場合が多い
  • 改善・追加開発:導入後の機能改善や追加開発にかかる費用

システムの安定稼働を保つための保守サポート費用も、予算に含めて考えます。

スモールスタートで始め、段階的に機能を広げるアプローチを取ると、初期投資のリスクを抑えながら確実に効果を出せます。

ポイント

費用は、ライセンス費用と導入構築費用に分け、ランニングコストまで含めて比べるのが目安です。金額は構成で変わるため、詳しくは販売代理店に問い合わせる必要があります。

Dr.Sum導入の見積もりを取る際のポイント

RFPに記載する背景と環境、連携データ、レポート、体制と計画の4項目を示すチェックリスト
4項目の前提をそろえると、各社の見積もりを比較しやすくなります。

Dr.Sum導入の見積もりを適切に取るには、事前の準備と、複数社での比較が欠かせません。

要件明確化と仕様書(RFP)の準備

精度の高い見積もりを得るには、「何をしたいか」「どのデータを使いたいか」「いつまでに必要か」といった基本情報をまとめたRFP(提案依頼書)を作成することが欠かせません。

RFPには、主に次の情報を記載します。

  • 背景と環境:導入目的、現在のシステム構成、データ環境
  • 連携データ:データソースの種類と件数
  • レポート:必要なレポート・ダッシュボードの種類と数
  • 体制と計画:利用者数、希望時期、予算の目安

RFPの完成度が低いまま見積もりを依頼すると、ベンダーはそれぞれ独自の前提条件を置いて見積もりを作るため、各社の見積もりが比較しにくくなります。さらに、プロジェクトが始まってから「思っていたものと違う」という認識のずれが生じやすくなります。

提案依頼書の作成に不安がある場合は、まず複数の導入支援会社に相談し、ヒアリングを通じてRFPの整備を手伝ってもらう方法も有効です。

複数社への見積もり依頼と比較の方法

同じ要件でも、ベンダーの強みや体制によって見積もり額は変わります。そのため、3社以上に依頼して、次の項目を比べます。

  • 総費用と工数の内訳
  • 担当エンジニアの経験と過去の導入実績
  • サポート体制と担当者との連絡のしやすさ
  • 保守費用の扱い

ウイングアーク1stの公式パートナー(認定販売代理店)であれば、製品知識の豊富な担当者から提案を受けられる可能性があります。

Dr.Sumの導入支援実績が豊富なパートナーとしては、大塚商会、テクバン、第一コンピュータリソースが挙げられます。さらに、SCSK、TIS、内田洋行ITソリューションズも候補になります。

価格だけで決めず、導入実績、担当者のスキル、連絡のしやすさも確かめると、プロジェクトの成功につながります。

注意すべきリスクと失敗しないための対策

Dr.Sum導入で起こりやすいリスクと、その対策を整理します。

  • データ品質:欠損・重複・不整合があると、集計が不正確になります。導入前に、クレンジングの時間と工数を確保しておく必要があります。
  • 要件変更:開発中の追加や仕様変更は、工数超過と遅延の原因になります。要件を十分に議論して確定させてから、開発に入ります。
  • 利用定着:高機能でも使われなければ、投資効果は出ません。利用状況を見守りながら、研修とサポートを続けます。

ポイント

見積もりは、RFPで要件を整理してから、3社以上に同じ条件で依頼すると比べやすくなります。金額だけでなく、実績や担当者、保守費用の扱いも含めて選ぶのが基本です。

まとめ

Dr.Sum導入は、企画・要件定義、設計・開発、テスト・リリースの3段階で進みます。準備、データ連携とレポート作成、品質検証と利用者教育を押さえることが、成功の鍵です。

累計導入実績が7,700社を超えるDr.Sumは、企業のデータ活用基盤として高く評価されています。効果を高めるには、要件定義の質と適切なパートナー選びが重要です。

クラウド版のEntryプランは、月額15万円から利用できます。小さく始めて効果を確かめてから、段階的に展開する方法もあります。

本記事の進め方と確認点を参考に、計画を立ててDr.Sum導入を進めてください。

▼全体ガイドの記事
・Dr.Sum導入の完全ガイド

開発を相談する前に、次のホワイトペーパーもご活用ください。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。