Tableau導入の発注/外注/依頼/委託方法について

Tableau導入は、社内の人材・期間・データ環境に応じて外注と内製を選び、要件整理から契約後の運用まで発注者も関わることが大切です。外注の判断、発注先の選定、契約、発注後の管理の順に、進め方を説明します。

Tableau導入の全体像は、次の完全ガイドで扱っています。

▼全体ガイドの記事
・Tableau導入の完全ガイド

Tableau導入の外注前の確認事項

Tableau導入の発注前に整理する利用目的、閲覧端末、印刷の有無、PMの経験を示すチェックリスト。
使う人と進める体制を先にそろえると、依頼内容を具体化しやすくなります。

発注者は、専門人材の有無に加えて、導入規模や社内で育てたい体制を見て、外注の要否を判断します。

外注と内製、それぞれが向くケース

社内だけでは補いにくい条件がある場合は、外注が候補になります。

  • 外注を検討:社内にBIやデータ分析の専門人材がいない場合。
  • 外注を検討:短期間での導入が必要な場合、または大規模なデータ基盤構築と並行する場合。
  • 外注を検討:経営層向けなど、品質を重視するダッシュボードを作る場合。
  • 内製を検討:分析人材がいて、中長期で活用を広げる方針がある場合。
  • 内製を検討:部署単位の小規模導入で、対象データが比較的シンプルな場合。

発注先の種類と特徴

内製で進める場合も、初期設計だけ外部の助言を受ける方法があります。発注先は、任せたい支援の範囲と導入の規模に合わせて選びます。

  • 大手SIer:大規模なデータ基盤や既存システム連携に対応しやすいが、費用は高くなる傾向。
  • データ分析・BI専門会社:データ戦略からダッシュボード設計まで、一貫した支援を相談できる。
  • フリーランス:特定のダッシュボード制作などに向くが、進行管理と品質確認は自社側で担う必要がある。
  • 公式リセラー・認定パートナー:導入支援に加えて、技術トレーニングやライセンス支援も相談できる。

発注前の準備が曖昧なままだと、各社の提案を同じ条件で比べられません。そのため、依頼の前に利用目的と必要な支援を整理しておきます。

まず、誰が・いつ・何のためにダッシュボードを使うかを、発注側で決めておきます。

閲覧に使う端末や印刷の有無も、ダッシュボードの設計に関わります。

認定パートナーには、NECソリューションイノベータや日立ソリューションズがあります。なお、Salesforceが認定するTableauパートナーは、技術支援やライセンス支援も行います。

要件定義では、経営層が月次でPCから見るのか、営業担当者が日次でタブレットから見るのかを整理しておきます。

あわせて、進行役を務めるPMの経験や納品物も確認します。

連絡手段にSlackやTeamsを使うかも、決めておきます。

Tableau自体は直感的なUIを備えています。

ポイント

社内に専門人材がいない、または短期間での導入が必要なら外注が候補になり、分析人材がいて中長期で活用を広げるなら内製を先に検討します。発注先は支援の範囲と規模で選びます。

Tableau導入の発注・外注の具体的な手順

RFPで発注先を比較する4つの観点として、導入実績、体制、納品物、運用支援を並べた図。
同じ観点を提案各社に当てはめると、費用以外の違いも見えてきます。

依頼内容を同じ条件で比べられるよう、RFPには次の情報をまとめておきます。

  • 背景と要件:プロジェクトの背景・目的、業務要件、技術要件。
  • データと接続先:データソースの種類・件数、接続するデータベースやシステム。
  • ダッシュボードとライセンス:想定するダッシュボード、ライセンスの購入状況。
  • 利用者とサポート:利用者数と役職別の使い方、導入後のサポート要件。
  • 進め方と評価:スケジュール、予算感、評価基準、完了の定義。

要件整理とRFP作成

RFPは複数社へ送り、費用だけでなく対応力も比べます。比べる社数は、最低3社が目安として勧められています。

  • 導入実績:同業界・同規模での導入実績の有無。
  • 体制:担当予定のプロジェクトマネージャーの経験と、役割分担の明確さ。
  • 納品物:ダッシュボード、ドキュメント、研修などの納品物が定義されているか。
  • 運用支援:導入後の運用・改善支援の範囲。

発注先の選定と比較

契約では、発注側が成果物の範囲や変更時の扱いを具体化しておきます。特に、要件や納品内容が曖昧なまま締結すると、追加費用などの行き違いにつながります。契約形態も、この段階で検討しておきます。

ポイント

RFPの項目がそろっていて、各社の提案を同じ条件で比べられるかが、発注先を選ぶ際の目安です。費用だけでなく、対応力と納品物の定義まで見て比べます。

Tableau導入の契約時に押さえるポイント

請負契約には成果物と完成条件を定める作業、準委任契約にはPoCや試作、要件整理を対応させた比較図。
作業の見通しが立つかどうかで、契約形態を選び分けます。

プロジェクトの成果を今の段階で定められるか、試行錯誤が必要かによって、契約形態を選び分けます。

  • 請負契約:成果物と完成条件を定める形です。要件を変えると追加費用になりやすいため、事前の定義が欠かせません。
  • 準委任契約:業務の遂行に対して報酬が発生する形です。PoCや試作、要件整理などに向いています。

契約形態の選び方

発注側は、契約書の対象範囲と成果物の扱いを、条項ごとに確認します。契約後に認識の違いが残らないよう、締結前に次の条項を確認しておきます。

  • 業務範囲:ダッシュボード数、接続データ、研修などについて、含む作業と対象外。
  • 知的財産権:ダッシュボードや関連ドキュメントの権利が、どちらに帰属するか。
  • 修正対応:成果物に問題があった場合の対応期間と、その範囲。
  • 再委託:別会社へ委託する場合の承諾条件。
  • 守秘義務:業務データやシステム情報の取り扱い。

契約後も発注側の確認は欠かせません。丸投げにせず、意思決定や現場の要望をプロジェクトに反映できる体制を整えておきます。

契約書で確認すべき重要条項

プロジェクトの開始時に関係者の役割と連絡窓口を決めておくと、判断の遅れや情報の行き違いを防げます。

  • エグゼクティブスポンサー:経営側の支援と判断
  • プロジェクトマネージャー:進行と関係者間の調整
  • データスチュワード:データの管理
  • Tableau技術担当者:技術面の対応
  • エンドユーザー代表:利用現場の要望と確認

ポイント

成果物を今の段階で定められるなら請負契約、試行錯誤を含むなら準委任契約が目安です。契約書で最初に見るのは、業務範囲と成果物の扱いです。

Tableau導入の発注後のプロジェクト管理

発注側と開発会社で、会議の頻度や記録方法を合意しておきます。また、初期は週1〜2回の進捗確認を設定する例もあります。

コミュニケーション体制の構築

会議で決めた内容を実際の対応に移すため、運営ルールを先に決めておきます。

  • 議事録:合意事項、担当する宿題、次回の確認事項を残す。
  • 連絡手段:共有に使うチャットやメールの使い分けと、緊急連絡先を決める。
  • 引き継ぎ:担当変更に備え、経緯や資料をひとまとめにして引き継ぐ。

進捗は、フェーズごとの完了条件と期限で追います。一例として、契約から社内展開までを4〜5ヶ月で完了した事例があります。

進捗管理と品質保証の方法

完了条件と期限を明確にするため、工程をマイルストーンに分けます。

工程は、要件定義に始まり、データソース接続・設計、ダッシュボード開発、テスト・フィードバックを経て、本番展開・社内トレーニングで終わります。

品質は、中間レビューと数値検証を組み合わせて確かめます。

  • 中間レビュー:開発の50%時点と80%時点に、利用者を交えてレビューする。
  • 数値検証:既存の集計ツール(Excelなど)と照合して、数値を確かめる。
  • UAT:結果を記録し、完了前に受け入れ条件を満たしているかを確認する。

ポイント

会議の運営ルールと工程ごとの完了条件が決まっているかが、発注後の進め方を見る目安です。完了前には、UATの結果が受け入れ条件を満たしているかを見ておきます。

まとめ

公開後に定着させるため、データ更新やダッシュボード改善、利用者トレーニングの担当を決めておきます。

保守支援を契約に含めるか、社内に運用を引き継ぐかは、あらかじめ計画しておきます。

Tableau導入の外注は、要件とRFPを具体化するところから始まります。そのうえで、自社に合う発注先と契約形態を選びます。

発注後は、役割分担や進捗・品質の確認、UATを続けながら、導入後の運用体制まで整えます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。