業務システム更改でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

業務システム更改の依頼先は、対象業務への理解と更改規模に合う実績があるか、導入後まで支援してくれるかで比べると選びやすくなります。

投資額は数千万円から数億円規模になることもあり、業務領域や移行範囲によって必要な体制が変わります。

本テーマに関する全体ガイドは、業務システム更改の完全ガイドをご覧ください。

業務システム更改を依頼できる会社の種類と選び方

メーカー・通信系、ユーザー・独立系、コンサル系の3つのSIer分類をカードで並べた図。
会社の得意分野を見比べる入口になります。

依頼先の得意分野は、会社の規模よりも技術基盤や業界知識によって分かれます。そのため、自社の課題と予算に照らし、必要な専門性を持つパートナーを選ぶことが求められます。

SIerの主な分類と業務システム更改時の特徴

SIerは分類によって強みが異なるため、大規模基盤や特定業務への専門性を分類ごとに比べると、候補を絞り込めます。

  • メーカー・通信系:富士通・日立製作所やNTTデータ・NTTコムウェアが該当します。自社製品との一体刷新や、大規模基幹系に強みがあります。
  • ユーザー・独立系:CTCは業界知識、TIS・BIPROGYは中立的な製品選定が特徴です。
  • コンサル系:アビームなど。ERP導入と業務変革を組み合わせ、標準機能への適合を重視しています。

メーカー系は、インフラからアプリまでをまとめて任せやすい一方で、特定のベンダーへの依存に注意が必要です。さらに、通信系は金融・公共分野のセキュリティ要件に強みがあり、ユーザー系のCTCは業界プロセスを生かした要件定義を得意とします。

製品群をまとめて導入するならメーカー系、製品に縛られず比べたいなら独立系が合うなど、調達方針も依頼先の選び方を左右します。そのうえで、複数の分類から提案を受け、設計の自由度と依存リスクを並べて比べると、判断材料がそろいます。

自社の業務ドメイン別|最適なパートナーの選び方

業務によって、要件の難所や法令上の確認点は異なります。そのため、次の領域知識を持つ会社かどうかを、提案内容と過去事例から確かめてください。

  • 販売・在庫管理:流通業や製造業のテンプレート、在庫引当や受発注の商慣習への理解が問われます。
  • 会計・財務:J-SOX、連結会計、グループ間取引の自動消去など、コンプライアンス要件への対応実績です。
  • 人事・勤怠:法改正への対応速度と、給与計算エンジンの精度で比べます。

どの領域でも、同業種・同規模の更改を3件以上経験しているかが、最初の絞り込みの目安になります。近い実績があれば、要件定義での手戻りを抑えられ、プロジェクト全体のコスト低減にもつながります。

ポイント

依頼先は、得意分野が自社の業務と規模に合うかで比べます。SIerの分類ごとに強みが違うため、業務領域の実績と合わせて候補を絞ると判断しやすくなります。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発、導入後の定着までを一貫して支援します。社内DXを進めたIT事業会社としての経験を生かし、営業・顧客・生産・販売管理など幅広い基幹システムに対応しています。

特徴と強み

riplaの特徴は、自社のDXを推進した当事者として、現場の業務実態を踏まえた提案ができる点です。さらに、業務プロセスの見直しも含めて検討できるため、置き換えだけにとどめない進め方も選べます。

  • 一貫支援:コンサルから定着化まで対応します。要件定義、設計、開発を中心に、テストと導入も含みます。
  • 調整負担の軽減:連絡と責任範囲を明確にすることで、複数社間の伝達ロスを抑えます。

得意領域・実績

中核業務のシステム構築と更改を支援しています。対象は、営業管理や顧客管理(CRM)、生産・販売管理などです。特に、スタートアップや中堅企業では、成長段階に応じた刷新を柔軟かつ迅速に進めてきました。

要件定義から開発、運用定着までに加えて、DXを担う組織や人材の面も支援します。そのため、システム刷新と社内体制づくりをあわせて進めたい企業に適しています。

ポイント

riplaは、業務の見直しを含めた刷新や、要件定義から定着までの一貫した支援を求める企業に向きます。自社の課題と進め方の希望が合うかを、提案の段階で照らし合わせてください。

TIS株式会社|300社超のSAP導入実績を持つ総合ITサービス企業

TISは独立系の総合ITサービス企業で、金融や製造、流通など幅広い業種で50年以上の実績があります。サービス、公共、通信の各業種でも実績を積んでいます。3,000社以上と取引し、SAPの導入・保守は製造業を中心に300社以上を支援しています。

特徴と強み

企画構想の段階から、現行システムの課題と将来の業務像を結び付ける「基幹システム企画構想コンサルティングサービス」を提供しています。そのため、技術の更新にとどまらず、業務の変革も含めて検討できます。

  • 中立的な選定:特定のハードウェアやクラウドに依存せず、要件に合う構成を検討できる点です。
  • 移行技術:レガシー環境からオープン系やクラウドへ移すノウハウがあり、業務への影響を抑えた刷新を検討できます。

得意領域・実績

製造業向けのSAP S/4HANAの導入・移行に強みがあり、大日本塗料のSAP S/4HANA Cloud Private Edition導入も支援しました。

業務標準化とFit to Standardを進めて、カスタマイズを抑えています。さらに、東京センチュリーの基幹再構築では、Pega Infinityを活用し、プロジェクト工数を当初想定の約5割削減しました。金融・製造・流通を含む大規模更改にも対応しています。

アビームコンサルティング株式会社|SAP導入×業務改革で基幹刷新を牽引

アビームコンサルティングは日本発のコンサルティングファームで、経営コンサルティングとITサービスを組み合わせています。SAP ERPの導入実績は国内トップクラスです。製造や流通、金融など幅広い業種を支援しており、運輸交通の分野にも実績があります。

特徴と強み

業務改革(BPR)とシステム更改を一体で進める「コンサル×SI」のアプローチを採っています。このアプローチでは、Fit to Standardを通じて不要なカスタマイズを避け、保守費用と将来のバージョンアップ費用を抑えます。

アビームは、独自テンプレート「ABeam Cloud® Conversion Express Factory for SAP S/4HANA®」も展開しています。

  • テンプレート:標準手法を、専用の枠組みを使って短期間・低コストで実装します。
  • 海外展開:グローバル案件にも対応し、海外グループ会社を含めた全社統合を支援します。

得意領域・実績

実績には、長期稼働した基幹の刷新、短期間でのクラウド移行、鉄道向けテンプレートの展開があります。

  • 花王:40年以上稼働した基幹を「Blue Wolf(蒼き狼)」でSAP ERPへ刷新し、世界のグループ統一に10年をかけました。
  • タムロン:オンプレミスのSAP ERPを4ヶ月でクラウドへ移し、5年間のTCOを23%削減しました。
  • 運輸交通:SAPテンプレート「ATS」を、JR四国などJR各社と大手私鉄10社以上へ導入しています。

株式会社NTTデータ|70ヵ国以上での大規模システム更改を支える総合力

NTTデータは、70ヵ国以上でサービスを提供するNTTグループの中核SIerです。コンサルティングから設計・開発・運用までを手掛け、金融・公共、製造・流通、サービス業などの大規模更改を支援します。有価証券報告書ベースの年収は923万円で、大手SIerのなかでも高い水準にあります。

特徴と強み

銀行勘定系や証券取引、官公庁・自治体など、停止が難しく高い安全性が求められるシステムの更改経験があります。さらに、IT更新にとどまらず、業務と組織の変革を支援するコンサルティングも提供しています。

  • ユーザー視点:ServiceNowを採用した世界最大規模の自社基幹システムを運用し、大規模刷新の利用者側としての経験も持っています。
  • グローバル対応:70ヵ国以上のネットワークを生かして、海外拠点を含む全社システム統合を支援します。

得意領域・実績

金融では国内随一の実績があり、メガバンクや地方銀行の勘定系、証券会社の売買システムを手掛けています。製造では、自動車・電機メーカーの販売管理と生産管理を支援します。

NTTデータは、大規模案件を動かす組織力と、長期の運用保守体制も特徴です。

ポイント

停止が難しい基幹システムや大規模な更改を任せたい場合は、NTTデータの経験が候補になります。同規模・同業種の事例があるかを、提案の段階で確かめてください。

BIPROGY株式会社|35年以上の業界特化ノウハウで業務システム更改を支援

BIPROGY(旧・日本ユニシス)は、35年以上にわたり業界向け製品の開発と更改支援を行う独立系SIerです。流通・小売向けに「CoreCenter for DM」などを展開しています。ECや商品企画、販促と、コールセンター、顧客・債権管理をつなぐ刷新を、低コスト・短期間で支援します。

特徴と強み

ミッションクリティカルな業務を支えて、24時間365日の保守・運用に対応します。業界パッケージを活用して個別開発を抑えるため、更改後の保守コストを低く保ちやすい点も特徴です。

近年はDX支援を強化し、受託開発からオファリング(パッケージ型サービス)中心への転換を進めています。

BIPROGYは、標準化やパッケージ活用を優先するFit to Standardとも相性がよく、長期的なTCO削減を目指す企業に適しています。

得意領域・実績

流通・小売では、通販・ECの受注から出荷までを刷新する支援を行っています。さらに、請求や会計連携までをまとめて刷新します。

金融機関には、銀行勘定系パッケージ「BankVision」を長年提供しています。国内初となるMicrosoft Azure稼働基盤上の銀行勘定系システムも構築しており、クラウドネイティブな基幹刷新にも対応しています。

株式会社日立ソリューションズ|製造業・流通業の業務システム更改で650社超の実績

日立ソリューションズは、日立製作所グループの中核SIerとして、上流コンサルティングからインフラ構築・保守運用まで支援します。製造業では「mcframe」を活用した刷新に30年以上の実績があり、小売を中心に流通業でグローバル20社以上、他業界を含め650社以上へ導入・更改しています。

特徴と強み

製造業の生産・在庫・販売管理について、業務プロセスやベストプラクティスを蓄積しています。そのため、要件定義の段階から具体的な提案ができます。

一括での刷新を避けたい場合は、既存の基幹を生かしながら周辺機能を広げる段階的な進め方も選べます。

  • 複数ERP:SAPとMicrosoft Dynamics 365の双方に対応し、統合基盤の構築を支援します。
  • 運用基盤:日立グループのインフラと、24時間365日の保守体制を利用できます。

得意領域・実績

製造業、とくに機械・電機や化学・食品の分野で、生産管理と販売管理の刷新を得意としています。mcframeの導入知識を生かし、ロット管理、原価計算、品質管理などの要件を扱います。

流通・小売では、在庫管理や店舗システム、POSと基幹の連携実績があります。国内外拠点を含む統合更改にも、日立グループの体制を生かして対応します。

失敗しないベンダー選定の実践テクニック

技術力・実績30点、価格競争力25点、体制・PM経験20点、サポート・保守15点、企業安定性10点の配点を横棒で比較した図。
配点の重みをそろえると、評価項目ごとの優先度を見渡せます。

提案内容、体制、財務面を含めて評価し、見積金額はその一要素として扱います。更改の成否を左右する判断材料は、RFP、評価方法、与信確認の3点から整理するとよいでしょう。

RFPにおける予算提示の駆け引き術

RFPに予算上限を書くと、提案額がその上限に寄ることがあります。たとえば、上限を5,000万円と示した結果、本来3,000万円で可能な範囲でも5,000万円の見積もりになるケースが考えられます。

要件と対象範囲を具体化したうえで、予算額を示さずに複数社へ提案を依頼すると、価格と実現方法を比べられます。

非現実的な要件では、見積もりの前提がばらつくため、業界標準の工数感との整合を事前に確かめてください。

スコアリング評価+定性評価の併用法

配点では技術力と実績を最も重くし、残りを段階的に割り振る方法があります。その残りには、価格や体制、保守、企業安定性などが含まれます。

  • 技術力・実績:30点、価格競争力:25点
  • 体制・PM経験:20点、サポート・保守:15点
  • 企業安定性:10点

PMは、提案時からの返答の速さ、質問への回答の深さ、リスクへの向き合い方で見ます。企業文化との相性については、プレゼン後の会食や非公式な打ち合わせで担当者の人柄や仕事の進め方を確かめる方法もあります。

更改は1〜3年に及ぶこともあるため、長期にわたって協働できるかが判断を左右します。点数と評価の理由をあわせて記録しておくと、判断の経緯を後から追えます。

TDB評点の見方と与信チェックポイント

契約期間中にベンダーの経営が悪化すると、体制の維持や業務の継続に影響します。帝国データバンク(TDB)の企業信用調査報告書にあるTDB評点は、50点以上が財務安定性を判断する目安です。

与信確認では、自己資本比率、直近3期の営業利益、借入金を見ます。中堅以下のSIerでは、技術者数の推移も見ておくと、必要な人員を確保できるかを判断しやすくなります。

大手でも、実際の担当が事業部や子会社になることがあります。そのため、契約相手となる法人の財務状況を個別に調べてください。

ポイント

ベンダーは、提案内容、体制、財務面を合わせて評価し、見積金額はその一要素として扱います。RFPの書き方、評価の配点、与信の確認をそろえると、判断の経緯を後から追いやすくなります。

ベンダーロックインを防ぐ契約時の注意点

依存状況の把握から依頼先の分散、体制と技術を開く段階へ進む流れを示した図。
現状を整理してから、依頼先と技術の選択肢を広げます。

特定ベンダーへの依存が強まると、次回の更改で競争が働きにくくなり、保守や改修の費用が上がるおそれがあります。そのため、契約時にデータの扱い、サービス水準、移行手順を具体化して、将来の選択肢を確保しておくことが大切です。

データ所有権・SLA・契約形態の取り決め

契約書には、顧客・取引・マスタなどのデータが発注企業に帰属することと、終了時や更改時にベンダーが提供する義務を明記します。CSV・XML・JSONなど、受け渡しに使うオープン形式も指定しておきます。

SLAでは、サービス水準を数値で定め、未達時の対応も決めておきます。まず確認するのは、稼働率99.9%以上と障害時の応答時間です。そのうえで、復旧目標時間(RTO)とデータ復旧目標時点(RPO)も確かめておきます。

損害賠償や料金減額などのペナルティ条項は、品質を保つ責任を明確にする役割があります。契約方式は準委任と請負の性質を踏まえて選び、一般的には、要件定義・設計を準委任、開発・テストを請負とする組み合わせが選ばれます。

脱ベンダーロックインの具体的ステップ

すでに依存が生じている場合は、現状を把握したうえで、依頼先の分散、体制と技術を開く順に段階的に移行します。

  1. 依存状況の把握:システム構成、ブラックボックス化した箇所、ソースコードや文書の引き渡し条件を洗い出し、一覧にします。
  2. 依頼先を分散:新規開発や機能追加を別のベンダーにも依頼し、依存度を下げます。
  3. 体制と技術を開く:保守更新の段階で複数社の体制へ移し、文書と標準APIを整えます。次回の更改では、クラウドネイティブやOSSを選びます。

ポイント

契約時にデータの帰属、サービス水準、移行手順を具体的に決めておくと、次の更改で選択肢を残せます。すでに依存が生じている場合は、現状の把握から段階的に移行してください。

まとめ

業務システム更改の依頼先として、ripla、TIS、アビームコンサルティングなど6社の特徴を紹介しました。

各社の得意領域は異なるので、業務内容、更改規模、予算に合う実績と体制を比べてください。

選定では、RFPの予算提示、スコアと定性評価の組み合わせ、TDB評点による与信確認が役立ちます。

契約でデータ所有権、SLA、ロックイン防止の条件を定めておくと、長期的な費用と移行リスクを管理しやすくなります。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。