DXコンサルとは?|考え方/特徴/仕組み/目的を解説

DXコンサルとは、現状の診断から戦略立案、実行計画、現場でのシステム開発・業務改革までを、外部の専門家が同じチームで一気通貫に伴走するサービスです。自社に必要な支援の範囲は、次の4点で確かめておくとよいでしょう。

  • 現状診断:部門ごとの課題を整理できるか
  • 戦略立案:経営層と現場を同じ方向へ導けるか
  • 実行計画:優先順位とロードマップを定められるか
  • 現場定着:開発・業務改革まで伴走できるか

DX推進が経営課題として掲げられていても、どの部門から着手すべきか判断できず、経営層の描く将来像と現場の日々の業務課題がかみ合わないまま、検討会議だけが積み重なる企業は珍しくありません。

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DXコンサルの全体像と特徴

DXコンサルの全体像を確認する担当者

DXコンサルは、企業のデジタルトランスフォーメーションを特定の工程だけでなく、現状分析から実行支援まで通して支援する点に特徴があります。単発の戦略立案や特定システムの導入だけで終わらず、描いた構想を現場の変革として形にするところまで責任を持つ立場です。

診断から実行支援まで一気通貫で担う総合型サービス

支援は、既存のビジネスモデルや業務プロセス、ITシステムの実態を調べる診断から始まります。その後の戦略立案から実行支援までの各工程も、同じチームが継続して担います。

  • 戦略立案:あるべき姿を定める
  • 実行計画:施策に優先順位を付ける
  • 実行支援:システム開発や業務改革を進める

分業型の支援では、フェーズごとに担当者が入れ替わります。

一気通貫型は、上流で描いた構想の意図や、決めた優先順位・判断基準を、実行段階に入っても参照し続けられる点が利点です。

支援全体にかかる期間は、対象範囲や企業規模によって半年程度で完結する場合もあれば、複数年にわたる場合もあります。一般的な目安として、診断から実行計画までは3〜6ヶ月程度で、その後の実行支援は数ヶ月から数年かけて進めるケースが多いとされています。

専門特化型コンサルとの支援範囲の違い

経営戦略の策定だけを担う戦略コンサルや、特定システムの導入だけを担うシステムベンダーとは異なり、DXコンサルは構想と実行の橋渡しを同じ組織が担当します。

上流の絵姿だけを受け取った現場が実行で苦しんだり、個別最適のシステム導入だけが進んで全体像と合わなくなったりします。

総合型なら、こうした事態を防ぎやすい点が強みです。

ポイント

DXコンサルかどうかは、診断から実行支援まで同じチームが通して関われるかで見極めます。構想だけ、または開発だけを頼みたい場合は、専門特化型のサービスで足りることもあります。

診断から実行支援までの4つのフェーズ

DXコンサルの診断から実行支援までのフェーズ

一気通貫型のDXコンサルティングは、診断、戦略立案、実行計画、実行支援の4つのフェーズを順に進めます。フェーズごとに目的とアウトプットが決まっているため、進捗の把握や後戻りの判断がしやすくなります。

診断フェーズでの既存課題の定量・定性による洗い出し

診断フェーズは、一般的な目安として1〜2ヶ月程度をかけて進みます。

既存のビジネスモデル・業務プロセス・ITシステムの実態に加えて、組織体制の課題も洗い出します。

課題の洗い出しは、性質の異なる2つの方法を組み合わせて行います。

  • キーマンへのヒアリング:担当者の声を聞き取る
  • 定量的なアセスメント:業務データを使い、数値で現状を測る

ヒアリングとアセスメントの結果は、As-Is(現状)の課題一覧やデジタル成熟度の評価にまとめるのが一般的です。

範囲を区切らずに進めると、調査対象が際限なく広がり、結論がいつまでも出ないことがあります。そのため、多くの現場では診断フェーズにあらかじめ期限を区切って進める姿勢が重視されています。

戦略立案・実行計画フェーズであるべき姿とロードマップ

戦略立案フェーズでは、診断で抽出した課題をもとに、将来のビジネスモデルやあるべき業務の姿を描きます。顧客体験・従業員体験の向上と、活用するテクノロジーの方向性もあわせて検討し、DXビジョンやTo-Be業務フロー図にまとめるのが一般的です。

続く実行計画フェーズでは、戦略を実現する施策に優先順位を付けます。投資対効果の試算と推進体制の設計も行い、中長期のロードマップへ落とし込みます。

戦略や実行計画の承認に時間がかかる要因には、対象業務がバリューチェーン全体や複数拠点にまたがる複雑さと、経営陣の意思決定の速さがあります。そこで、部門長以上の権限を持つ会議体をあらかじめ設けておくと、部門間の対立による停滞を抑えられます。

ポイント

依頼する前に、自社の課題がどのフェーズにあるかを把握しておくと判断しやすくなります。どこで止まっているかによって、依頼すべき範囲が変わります。

実行支援フェーズとPoCの位置づけ

DXコンサルの実行支援フェーズとPoCの検証

実行計画が固まった後は、実際にシステム開発や業務改革を進める実行支援フェーズに移ります。

ここでは、まず小規模なPoC(概念実証)で技術面と運用面の実現性を確かめ、そのうえで本番展開へつなげる進め方が一般的です。

PoCで本番展開の可否を判断する材料集め

PoCは、本格的な全社展開を行うべきか、中止すべきか、再設計すべきかを判断する材料を集める工程です。

検証対象は「1つの業務・1つの課題」に絞り込み、期間は業務サイクルの2倍程度を目安にします。

日次業務なら4〜6週間、月次業務なら3〜4ヶ月程度が一般的で、長くても3ヶ月以内に結論を出す姿勢が重視されます。

  • 撤退基準:検証を始める前に、中止する条件を合意しておく
  • 意思決定ログ:検証で分かったことを、後から見返せる形で書き残す

その後の要件定義や基本設計にも、この記録がそのまま生きます。

PoCが本番接続まで進まない原因は、開始時の取り決め、関係者の関わり方、本番要件の扱いの3点にあります。

  • 着手時の取り決め不足:成功基準を決めないまま始めること
  • 進め方の偏り:現場担当者を巻き込まず、IT部門とコンサルだけで進めること
  • データ取得・アクセス権限:本番要件として早い段階から扱わず、後回しにすること

オーナーとなる経営層・事業責任者、業務要件を定める現場の実務責任者、実装を担う技術支援の3者は、役割を初日から分けておくと、途中で議論が振り出しに戻るのを防ぎやすくなります。

本番展開後のチェンジマネジメント

PoCで実現性を確認できた施策は、数ヶ月から数年をかけて全社展開へ移ります。このとき、特に現場が新しい業務プロセスに移れるよう、システムの機能追加と並行して、説明会や運用マニュアルの整備、問い合わせ対応の体制づくりといったチェンジマネジメントを進めます。この取り組みが、定着の成否を分ける要素になります。

ポイント

PoCは、本番展開の可否を判断する材料を集める工程です。成功基準と撤退基準を事前に合意し、現場の担当者を初日から巻き込めるかどうかが、進め方の目安になります。

各フェーズの主な支援内容とアウトプット

DXコンサル各フェーズの成果物を確認する会議

DXコンサルの支援は、フェーズごとに具体的な成果物として現れます。何を受け取れるかを事前に把握しておけば、契約時に期待がずれるのを避けられます。

診断から実行計画までの代表的な成果物

診断フェーズでは、As-Is課題一覧やデジタル成熟度評価といった現状把握の資料が作られます。戦略立案フェーズでは、DXビジョンやビジネスアーキテクチャ設計、To-Be業務フロー図がまとめられます。加えて、実行計画フェーズでは中長期のロードマップや投資計画書、推進体制図といった資料を用意するのが一般的です。

フュージョンチームによる伴走型の人材育成支援

一気通貫型のDXコンサルは、成果物を納めるだけでなく、実行支援フェーズで自社の担当者と混成チームを組みます。

コンサルの専門人材と自社のIT部門・業務部門のメンバーがペアで作業し、設計判断の考え方や開発の進め方を実践的に引き継いでいく形です。

属人化を防ぐため、3つの仕組みを標準化します。

  • 設計書・運用マニュアル:フォーマットをそろえる
  • コードレビュー:判断の基準を共通化する
  • 開発フロー:作業の進め方を統一する

支援の中では、定期的な勉強会やハンズオン研修も組み込み、支援終了後も自社だけで運用を続けられる体制づくりを目指します。

こうした仕組みがないまま伴走支援を終えると、特定の担当者しか経緯を把握していない状態が残ります。そのため、退職や異動をきっかけに運用が滞るリスクが生じます。

契約形態の仕組み

DXコンサルの契約形態を確認する担当者

DXコンサルの実行支援フェーズでは、支援の深さや稼働量に応じて、いくつかの契約形態を使い分けます。

自社がどの程度の関与を必要とするかによって、適した契約形態も変わります。

常駐型・プロジェクト型の準委任契約

コンサルタントが週数日から週5日の体制で入り込み、PMOとしてベンダーの管理や業務改革、社内調整をハンズオンで進める形態です。DXの実行支援では最も一般的な契約形態とされています。また、稼働率を週2〜3日程度に抑えて費用感を調整する契約も見られます。

月額顧問料型・成果報酬型の選び方

月額顧問料型は、実作業を自社側が担い、コンサルタントは月に数回の定例会議や随時の相談、方針レビューに特化する形態です。自社に実働メンバーがいる場合に適しています。

成果報酬型は、固定費を抑えつつ、コスト削減額や売上向上額などのKPI達成度に応じて報酬を支払う形態です。ただし、純粋な完全成果報酬型は少なく、固定費と成功報酬を組み合わせたハイブリッド型が現実的な選択肢とされています。

どの形態でも、コンサルタントの職位(アソシエイト・シニア・マネージャー・パートナーなど)によって単価が大きく変わります。支援領域がPMOだけなのか、定着化や現場教育まで含むのかによっても想定すべき費用感が変わるため、契約前に確かめておく必要があります。

段階的にリソースを縮小する進め方

初期の数ヶ月は常駐型で密着支援を受け、運用が安定してからアドバイザリー型へ切り替える進め方もあります。

段階的にリソースを縮小していくのも、選択肢の一つです。

自社の巻き取りを進めてノウハウを蓄積するほど、支援の終了後も自社で回せる状態に近づきます。

ポイント

実作業を自社で担えるなら月額顧問料型、ハンズオンで入ってほしいなら常駐型が候補になります。いずれも、支援領域の範囲によって費用感が変わる点に注意が必要です。

他のDX関連サービス・SIerとの違い

DXコンサルと他のDX関連サービスの違い

DXコンサルは、DX戦略コンサルやDX推進コンサル、DX支援といった似た名称のサービスと混同されることがあります。

各サービスの守備範囲を理解しておくと、自社に今必要な支援を見極めやすくなります。

DX戦略コンサル・DX推進コンサル・DX支援との違い

DX戦略コンサルは、経営層向けのDXビジョン策定や中期経営計画への組み込みなど、上流の構想策定に重点を置くサービスです。

DX推進コンサルは、全社的なDX推進体制の構築や部門横断プロジェクトの推進管理など、組織展開と推進管理に強みを持ちます。

さらに、DX支援は、現場で実際に手を動かす伴走や内製化支援など、下流の実行支援を中心に担います。DXコンサルは、これら3つの役割を包含し、診断から実行支援まで一気通貫で伴走する総合型サービスとして位置づけられます。

SIerやシステムベンダーとの役割の起点の違い

SIerやシステムベンダーは、要件が固まった後のシステム開発・構築を主な役割とすることが一般的です。一方、DXコンサルは要件が固まる前の診断と戦略立案から関わり、業務側の課題整理と技術的な実現方法の橋渡しを担います。

自社の要件がまだ言語化できていない段階なら、いきなりベンダーに開発を依頼するより、DXコンサルによる診断と戦略立案から始める進め方が向いています。逆に、要件が固まっていて開発と構築だけを依頼したい段階なら、DXコンサルを介さずベンダーへ直接発注するほうが、期間と費用の両面で効率的な場合もあります。

ポイント

似た名称のサービスと比べるときは、上流の構想、組織展開、下流の実行支援のどこを求めているかで判断します。要件が固まっているかどうかも、DXコンサルを挟むかを決める目安になります。

DXコンサル導入前に確認したいポイント

DXコンサルに関する質問を確認する担当者

DXコンサルへの依頼を検討するときは、規模や知名度よりも、自社が今どのフェーズの支援を必要としているかを整理することが大切です。そうしておけば、導入後に期待がずれるのを防げます。

中小企業でのDXコンサルの活用

DXコンサルは大企業向けの大規模プロジェクトを思い浮かべがちですが、中堅・中小企業向けに、現状診断や戦略立案の一部だけを切り出して依頼できるサービスもあります。

自社の規模に応じて、たとえば診断のみを依頼する、実行計画の一部を依頼するといった、部分的な活用も検討できます。

内製化を目指す場合のDXコンサルの伴走支援

将来的にシステム開発やDX推進を自社で担えるようにしたい場合も、DXコンサルの伴走型支援を最初の一定期間だけ活用する進め方が考えられます。その期間に混成チームで実務を進め、ノウハウを引き継いでいきます。

最初からすべてを自社だけで進めるより、初期の型づくりを外部の知見に頼るほうが、遠回りを避けられます。

プロジェクトの範囲で変わる契約期間の目安

診断フェーズだけなら1〜2ヶ月程度、戦略立案から実行計画までを含めると3〜6ヶ月程度が一般的な目安です。実行支援まで含める場合は、数ヶ月から数年に及ぶこともあります。

契約前に、どのフェーズまで依頼したいのかを明確にしたうえで、フェーズごとに区切って契約する方法もあります。

まとめ

DXコンサルの要点をまとめる担当者

まとめると、DXコンサルは現状分析から実行支援までを、外部の専門家が一気通貫で伴走するサービスです。

DX戦略コンサルやDX推進コンサル、DX支援といった特化型のサービスは、上流の構想、組織展開、下流の実行支援をそれぞれ担います。これに対してDXコンサルは、これらを包含する総合型で、その点が最大の特徴です。

構想と実行をつなぐ役割

戦略コンサルに構想だけを依頼すると、実行段階で頓挫することがあります。ベンダーに要件をそのまま渡すと、現場に合わない仕組みができることもあります。こうした事態を避けたい場合は、診断から実行支援までを同じチームが担うDXコンサルが選択肢になります。

契約形態も、常駐型・顧問料型・成果報酬型など、自社の実行力や予算に応じて選べる幅があります。

自社に必要な支援範囲の整理

まずは、自社がどのフェーズの支援を必要としているかを整理します。そのうえで、診断・戦略立案・実行支援のどこまでを外部に依頼し、どこからを自社で担うのかを決めておきます。

具体的な依頼先を比較検討する段階に進むときは、評価軸や進め方を整理したDXコンサルの選定ポイントもあわせてご覧ください。riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、DXコンサルによる戦略立案の後工程として、既存システムとの連携や独自業務に合わせたシステム構築、内製化に向けた伴走支援を行っています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。