在庫管理システムのリニューアルのパッケージ/クラウド製品一覧

在庫管理システムのUI/UXを刷新するときの候補は、大きくパッケージ型とクラウド型に分かれます。製品ごとに得意な規模や業態も異なります。

方式の違い、比較の観点、主要6製品、現場の課題の順に見ていくと、自社に合う候補が見えてきます。

▼全体ガイドの記事
・在庫管理システムのリニューアルの完全ガイド

パッケージ型とクラウド型のUI/UXリニューアルにおける違い

パッケージ型は、自社サーバーへの導入や個別カスタマイズを含む広い意味で使われる言葉です。一方、クラウド型は、ベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用する方式です。

現場画面の使いやすさやタブレット対応を比べやすい製品は、現在はクラウド型が中心です。そのため、この記事で取り上げる製品は、公式情報を確認できたクラウド型サービスに限ります。

パッケージ型の画面改修を自社で担う体制

従来型は、導入時の自由度だけでなく、刷新後の対応体制や保守費用も含めて検討する必要があります。

  • 更新対応:従来型のパッケージシステムでUIを刷新し、独自のデザインシステムを組み込むと、OSやブラウザの更新対応も自社で担います。
  • 改修体制:導入後も、現場からの改修要望に継続して応えられる体制が整っているか。
  • 保守・バージョンアップ費用:5年間で500万円から1,500万円程度かかることもあります。

クラウド型の短期導入と継続的な画面改善

クラウド型は、サーバーを調達しなくても始めやすく、ベンダー側の機能更新や画面改善を継続して受けられます。現場の声を受けて定期的に画面を更新する製品もあり、その場合は自社が個別に改修費用を負担する頻度を抑えられることがあります。

ただし、自社固有の業務フローに合わせて大幅に画面を変えたい場合には、対応できないこともあります。そのため、発注側は標準UIで現場の課題を解消できるかを事前に確かめておきます。

ポイント

導入後の画面改修やOS・ブラウザの更新を自社で担えるか、保守・バージョンアップ費用を含めて見通せるかが判断の目安です。現場の画面を比べる段階では、現在クラウド型が候補の中心になります。

製品を比較するときの共通軸

在庫管理システムを比べる操作、端末、バーコード、料金の4つの確認軸を示す図。
現場の操作条件と将来の規模をそろえて検討

製品紹介ページの機能一覧だけでは、自社の現場に合うUI/UXかどうかは分かりにくいものです。そこで、候補を同じ条件で比べられるよう、次の観点をそろえます。

画面の分かりやすさとデバイス対応の比較

現場に合う画面かを見るには、操作だけでなく機器の条件も合わせて比べます。

  • 操作の分かりやすさ:在庫登録などの操作回数と、入力ミスへの対策
  • デバイス対応:タブレット・スマートフォンでの表示と専用端末連携
  • バーコード読取:スマートフォンのカメラで代替できるか

デモでは、実際の商品データに近い形で在庫登録、在庫検索、棚卸入力を操作します。また、画面遷移の回数や迷いやすい箇所も記録しておきます。

料金体系と拡張性の確認

料金の課金単位は製品によって異なり、在庫点数、担当者数、注文件数などのほか、店舗数が使われる場合もあります。そのため、発注側は自社の現在の規模と将来の規模をベンダーに伝えます。

1〜3年後の想定規模も伝え、プラン変更の条件を確かめておくと、規模が広がったあとの想定外の費用を避けやすくなります。

詳しい評価手順や比較の進め方は、在庫管理システムのリニューアルの選定ポイント・選び方・種類で整理しています。

ポイント

操作性やデバイス対応、料金体系と拡張性を同じ条件でそろえて比べると、候補の差が見えやすくなります。デモで実際の商品データを使い、画面遷移の回数や迷いやすい箇所を押さえておくと、判断の材料がそろいます。

在庫管理システムの主要クラウド製品6選

2026年7月時点で、現行の公式ページで料金と機能を確認できた6製品を紹介します。掲載順はランキングではありません。

得意な規模や業態は製品ごとに分かれているため、自社の現場課題と照らし合わせて比べる必要があります。

zaico

zaicoは、スマートフォンで在庫を更新できる製品です。利用規模に合う料金条件かを確かめて選びます。

  • 提供元・方式:株式会社ZAICOのクラウド型在庫管理サービスで、初期費用なしで始められます。
  • 在庫更新:専用リーダーなしで、スマートフォンのカメラから商品バーコードを読み、在庫を更新できます。
  • 料金(2026年7月時点):スターターは月額9,878円、ベーシックは月額54,780円です。
  • 上位プラン・試用期間:プロフェッショナルは月額165,000円からで、無料お試しは14日間です。
  • 想定する利用先:少人数・少在庫の拠点で、シンプルな画面から在庫照会・入出庫を始めたい企業です。

ロジクラ(Logikura)

ロジクラは、スマートフォンでの検品を打ち出している在庫・出荷管理サービスです。

専用端末を増やさずに検品したい現場では、アプリの使いやすさと契約条件を中心に比べます。具体的には、アプリだけで検品が完結するか、対応OSはどこまでか、プランごとの月額がいくらかを見ていきます。

  • アプリ検品:自社開発アプリで、高額な専用バーコードリーダーなしにパートなども簡単に検品できます。
  • 対応OS:2026年2月にAndroid版をリリースし、iOS・Android双方に対応します。
  • Liteプラン:年契約で月額12,800円です。
  • Premium・Enterprise:Premiumは月額40,000円、大規模利用向けEnterpriseは個別見積もりです。

出荷や検品の作業が多く、現場スタッフの入れ替わりも多い倉庫が候補になります。

スマレジ

スマレジは、店舗のPOSと在庫管理を同じ端末で使いたい小売・飲食店の候補になります。

  • サービス:POSと在庫管理を一体で提供するクラウド型で、タブレット・スマートフォン向けの画面です。
  • 端末管理:iPadで運用でき、紛失時は管理画面から端末を遠隔制御できます。
  • 基本プラン(2026年7月時点):プレミアムは月額5,500円、プレミアムプラスは月額8,800円です。
  • 小売店向け:在庫管理機能を含むリテールビジネスプランは月額15,400円です。
  • 利用場面:店頭の接客と在庫確認を同じ端末で完結させたい店舗が対象です。

GoQSystem

GoQSystemは、ECサイトの受注管理と在庫連携を中心に据えたクラウド型システムです。注文件数が増えても料金が変わらない定額制が特徴です。

2026年7月時点の公式サイトでは、月額15,000円(税別)からの料金と、最低利用期間3ヶ月が掲載されています。また、累計62,943社の利用実績も確認できます。

複数のECモールと実店舗の在庫を横断して管理でき、受注件数の増減に左右されない料金体系を重視する企業の候補になります。

ネクストエンジン

ネクストエンジンは、複数ECモールの受注と在庫をまとめて管理するクラウド型システムです。17年にわたり導入企業数を伸ばしてきました。複数チャネルの在庫を横断管理する規模の大きい事業者が候補になります。

2026年7月時点の公式サイトでは、受注件数200件までの基本料金が月額145,000円です。超過分には段階的な従量課金が加算されます。

POSレジや送り状発行との連携など、外部連携にも個別料金が設定されています。決済システムや倉庫・WMSとの連携についても、個別料金の対象です。

アラジンオフィス

アラジンオフィスは、東証プライム上場の株式会社アイルが提供するクラウド対応システムです。在庫・販売・生産管理の範囲をカバーしています。

2026年7月時点で導入実績は5,000社以上とされ、大手企業を含む幅広い業種の導入事例が公式サイトに掲載されています。

料金は非公開のため、資料請求やオンライン相談を通じて個別に見積もりを取る形になります。複数の業務を一つの基幹システムで扱いたい、比較的規模の大きい企業が候補です。

ポイント

6製品は得意な規模や業態が異なるため、自社の現場課題と照らし合わせて選ぶことが目安です。料金や機能は現行の公式ページで確かめてから比べます。

自社の課題別に候補を絞る方法

6製品を同時に細部まで比べるより、現場の大きな課題を一つ決め、必須要件で候補を絞るほうが効率的です。

重視する観点は、画面のシンプルさやデバイス対応のほか、店舗運用やEC連携などです。観点が変われば、候補となる製品も変わります。

画面のシンプルさとスマホ検品を重視する場合

数タップで在庫登録や検品を終え、現場の教育コストを抑えたい場合は、スマートフォン操作を打ち出す製品を比べます。

zaicoやロジクラが候補になります。また、専用ハンディ端末を新たに用意する費用を抑えたい場合にも、この2製品が選択肢に入ります。

パート・アルバイトなど入れ替わりの多いスタッフが検品する現場では、バーコードリーダーを用意しなくてよい点が生きます。

店舗運用やEC連携を重視する場合

店頭の接客と在庫確認を同じ端末で行いたい場合は、スマレジのような店舗特化型を優先します。

複数ECモールの受注と在庫をまとめて管理する場合は、GoQSystemやネクストエンジンのようなEC連携特化型が候補です。

より広い業務領域を基幹システムでカバーする場合は、アラジンオフィスのような総合型も比べます。まず、対象とする業務の範囲を整理しておくと、比較する製品を絞りやすくなります。

料金・契約前の確認事項

在庫管理システムの契約前に見る課金単位、外部連携、データ移行、最低利用期間の図。
見積もりと契約条件は同じ前提で照合

料金表だけで安い製品を選ぶと、利用人数や在庫点数の増加、外部連携の追加で想定外の費用が生じることがあります。そこで、初期費用や月額費用だけでなく、拡張費用や教育・移行の社内工数も含めた総保有コストで比べます。

ECモールや外部システムとの連携は、連携先の数や同期頻度で追加費用が積み上がりやすい傾向があります。そのため、発注側は接続したいシステムを具体的に挙げ、同じ条件で見積もりを取ります。

課金単位の確認

課金単位は製品ごとに異なり、利用者数や管理点数、注文件数のほか、店舗数や機能の利用範囲も使われます。現在の規模に加えて、1年後・3年後の想定規模も伝え、プラン変更や従量課金の境界を確かめます。

外部連携の追加費用も含めて、各社の見積もりを同じ条件で並べます。なお、料金非公開で個別見積もりの製品は、確認できていない金額を推測で比較表に入れないようにします。

データ移行と契約条件の確認

契約前には、発注側が現行システムのデータをどこまで引き継げるか、契約終了時にどの形式で受け取れるかを確かめます。

バーコードやハンディ端末との連携条件、最低利用期間、途中解約の条件は、料金表だけでは分からないことがあります。そのため、個別に問い合わせる必要があります。

ポイント

判断の目安は、初期費用や月額費用だけでなく、拡張費用や移行、教育の社内工数まで含めた総保有コストです。契約条件とデータ移行の範囲も、見積もりの前に問い合わせて確かめます。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

デモやPoCで在庫登録・検索、入出庫、棚卸の順に操作を試す流れ図。
一連の操作を通して現場での使い勝手を確認

資料比較で2〜3製品まで絞ったら、実際の商品データや現場スタッフを交えてデモまたはPoCを行います。管理者だけでなく、画面を操作する現場スタッフにも参加してもらうと、導入後の行き違いを減らせます。

在庫登録から棚卸までの一通りの操作確認

自社の商品データに近い形で、在庫登録・検索、入出庫、棚卸を試します。そのうえで、タブレットやスマートフォンの表示崩れも確かめます。バーコードを安定して読めるか、通信が不安定なときに操作が止まらないかも見ます。

倉庫の奥や電波が届きにくい店舗のバックヤードなど、実際の運用場所に近い環境でも試します。そうすると、オフィスでのデモでは気づきにくい通信面の課題が見えてきます。

現場スタッフによる操作と教育負担の見積もり

説明は最小限にとどめ、パート・アルバイトを含む現場スタッフの操作の様子を観察します。問い合わせや時間のかかった箇所を記録しておくと、その記録をもとに、稼働後に必要な研修時間やマニュアル整備の量を見積もれます。

ポイント

候補を2〜3製品に絞り、実際の商品データと現場スタッフを交えたデモまたはPoCで操作を試すことが目安です。通信が不安定な場所や教育負担も含めて見ると、導入後の行き違いを減らせます。

在庫管理システムのリニューアル導入前の確認ポイント

候補を絞ったあとは、料金の安さや機能の多さだけでなく、実際の運用に耐えるかどうかを見ておきます。

小規模拠点での導入効果

在庫点数や利用人数が少なくても、複数の担当者が交代で操作する場合や、タブレット・スマホ運用に切り替えたい場合は、シンプルな画面の製品なら導入効果を見込めます。

一方、一人の担当者で無理なく管理できている場合は、既存の運用を大きく変える必要はありません。

将来、拠点数や取扱商品が増える見込みがあるなら、数年後の規模を前提にプランや拡張性を確かめておきます。そうすると、後からの乗り換えで手間が増える事態を避けられます。

POSやEC管理システムとの機能の重複範囲

スマレジなどのPOS一体型やGoQSystemなどのEC一体型は、既存のPOSやECカート、基幹システムと機能が重なることがあります。そのため、在庫データの正本と連携先を先に決めておくと、二重管理を防ぎやすくなります。

アラジンオフィスのように複数業務を一つの基幹システムで扱う場合は、既存の周辺システムをどこまで統合し、何を残すかを決めておきます。

まとめ

UI/UX刷新では、パッケージ型よりもクラウド型を比べる方法が現実的です。クラウド型は画面が継続的に更新されます。そのうえで、現場の課題と運用規模に合わせて候補を検討します。

6製品は特徴がそれぞれ異なります。たとえば、画面のシンプルさやスマホ検品を打ち出すもの、店舗POSやEC連携に特化したもの、総合基幹システムとして幅広い業務を扱うものがあります。

課題診断から2〜3製品への絞り込み

まず、現場で最も大きな課題を決めます。画面の複雑さやデバイス対応、店舗運用、EC連携のどれが中心かを見ると、論点がはっきりします。

各社に同じ質問を投げて、画面の分かりやすさ、デバイス対応、料金体系を比べると、広告的な訴求に左右されず候補を絞れます。拡張性もあわせて確かめます。

現場スタッフを交えたデモ・PoCでの最終確認

現場での操作と独自要件への対応力を試すと、製品だけで運用を完結できるかを判断しやすくなります。

  • 操作検証:自社の商品データを使い、現場スタッフの操作でヒューマンエラーや教育負担を抑えられるか確かめます。
  • 独自要件:標準UIで固有業務や基幹連携を吸収できない場合、フルスクラッチ開発やハイブリッド構成も候補です。

riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、製品比較で見えた不足機能の整理や、既存システムと連携する独自画面の設計・開発を支援しています。

▼全体ガイドの記事
・在庫管理システムのリニューアルの完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。