レガシーシステムの刷新では、既存資産を読み解く技術力、停止できない業務を守る移行計画、移行後の定着支援の観点で会社を比べます。
COBOLのメインフレームや30年以上稼働する汎用機、担当者の高齢化で属人化したJavaなど、老朽化した基幹システムはDXの障壁になり得ます。
全体像は次の記事が参考になります。
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レガシーシステムリアーキテクチャのパートナー選びの重要性

適切なパートナー選定が成否を分ける理由
レガシーシステムの刷新では、既存資産の理解が最初の難関になります。10メガステップ規模の資産を現代の構成へ移すには、レガシー技術の専門知識が欠かせません。
製造・販売・物流・人事給与を支える基幹システムは、停止すると事業継続に直結するため、移行中の並行稼働と段階的な切り替えを計画し、リスクを管理できる会社が必要です。また、移行後のリスキリングを含めて、社内で運用を続けられる状態まで支援するかどうかも、長期的な選定基準になります。
この難しさは、3つの能力に分けて評価できます。
- 既存資産の読解:COBOL・JCLと業務ロジックを読み解く力。
- 業務の継続:並行稼働と段階切り替えで業務を止めずに移行する力。
- 移行後の定着:保守とリスキリングを支える力。
発注前に確認すべきポイント
提案を比べる前に、技術者、解析手段、移行方法、運用、教育を確認します。人員の所属まで聞いておくと、提案の実行可能性を判断しやすくなります。
提案書と質疑で一つずつ確かめると、体制の不足や移行後の支援範囲を見つけられます。
- 技術者:COBOL・メインフレーム経験者の在籍状況と、外部SESへの依存度。
- 解析・移行:AIツールの対応言語と、段階移行の実績および一括移行を避ける計画。
- 定着支援:移行後の保守・運用と、社内エンジニア向けのリスキリング。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
特徴と強み
riplaは、コンサルティングから開発まで一貫して支援します。IT事業会社として自社でDXを実践した経験が、コンサルティングの土台になっており、ビジネス成果とシステムの定着を重視しています。
同社は、営業・顧客・生産・販売管理など幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、業務要件に応じて柔軟に対応します。
レガシー刷新では、既存システムの移行と並んで、業務の進め方や組織の見直しも手がけます。このため、ビジネス成果につながる提案を行います。
riplaの支援で確認したい特徴は、業務面と技術面を同時に扱う点です。
- DXへの取り組み:IT事業会社としてDXに取り組んだ経験を提案に反映。
- 業務の見直し:技術移行だけでなく業務プロセスや組織変革も支援。
- 基幹業務:営業・顧客・生産・販売管理などの基幹領域に対応。
得意領域・実績
現状分析から始め、要件定義や設計・開発、テストを経て、導入後のフォローアップまで支援します。企業の規模を問わず、業務の実態に合わせたリアーキテクチャを提案・実行します。
コンサルタントとエンジニアが同じチームで動くため、ビジネス要件と技術要件のずれを抑え、品質と速度の両立を目指せます。
同社は、移行後も社内定着まで伴走するので、事業に貢献し続けるシステムを求める企業に適しています。
TIS株式会社|独自ツール「Xenlon~神龍」で大規模COBOLをJavaへリライト
特徴と強み
TISは、変換率をほぼ100%とし、変換後の正確性・性能・保守性を担保すると説明しています。また、大規模システムのリライト経験も、プロジェクト品質を支える要素です。
メインフレームのCOBOLをJavaへ移し、オープン環境へ移行する大規模案件に実績があります。さらに、10メガステップを超えるシステムでも、期間・コスト・品質のバランスを管理する体制を備えています。
TISの特徴は、専用ツールと大規模移行の経験を組み合わせる点です。
- 専用ツール:「Xenlon~神龍 Migrator」でCOBOL・PL/IをJavaへ変換。
- 品質の確保:変換後の正確性・性能・保守性を重視。
- 大規模対応:10メガステップ超の移行にも対応する体制。
得意領域・実績
住宅金融支援機構では約10メガステップ、ジョブ制御言語20,000本を含むシステムをJavaへリライトしました。
パナソニックグループのCOBOL人事システムは7カ月で移行し、その後業務トラブルゼロで稼働したとされています。
2025年にはJAL(日本航空)のマイレージ関連データ連携システムを8カ月で脱メインフレーム化しました。金融・製造・航空の事例に加えて、PowerCOBOLのWebアプリケーション移行にも対応します。
アクセンチュア株式会社|国内最大級のCOBOL変換実績とグローバル知見
特徴と強み
アクセンチュアは、海外の知見と日本市場への理解を組み合わせて支援します。また、メインフレームにも対応します。
複数の機種やレガシー言語が混在する環境を踏まえ、ツールと移行戦略を選ぶ点が特徴です。
AWSなどのクラウドと連携し、メインフレームからクラウドまでを支援します。また、「Two-Way(二刀流)ソリューション」は、レガシー脱却とDX推進を同時に目指す方法論です。さらに、MaaS(Modernization as a Service)型の継続支援は、大規模で長期にわたる取り組みに適しています。
アクセンチュアの支援は、規模・技術・期間の幅を見て評価するとよいでしょう。
- 人員体制:国内部門に約400名のモダナイゼーション技術者。
- クラウドと方法論:AWSなどのクラウド移行とTwo-Wayの方法論。
- 大規模対応:MaaS型の継続支援で大規模・長期案件に対応。
得意領域・実績
三菱重工業の調達システム刷新では、1,500万ステップ・4.5万本のCOBOL資産をJavaへ変換しました。また、金融機関の基幹刷新にも知見があり、NCS&Aとの協業では要員とノウハウを共有します。
COBOL・PL/I・アセンブラに対応し、AWS・Azure・GCPを含むマルチクラウドを扱います。このため、言語やクラウドが混在する大規模環境でも選択肢を広く持てることが強みです。
野村総合研究所(NRI)|AIリライト・AIリドキュメントで暗黙知を可視化

特徴と強み
NRIは2024年11月にモダナイゼーションコンサルティングを開始しました。また、独自の生成AI技術で「AIリドキュメント」を提供し、その作業を半自動で進めます。
「AIリライト」はCOBOLをJavaへ半自動変換する技術です。これらは、レガシーシステムの暗黙知の理解と移行を助ける技術です。
「EAモダナイゼーションフレームワーク」は、現状分析から将来設計までを整理する方法論です。また、SIとコンサルティング双方の経験を生かして、技術者の高齢化で失われやすい知識をAIで文書にまとめ、見える形にします。
さらに、2025年3月には「現行可視化・影響分析サービス」を開始しました。移行前に現行システムを理解する工程を支援し、計画づくりに必要な情報を整理します。
NRIの技術は、現行理解と移行設計の両方を支援します。
- 現行理解:AIリドキュメントでデータと業務の流れを可視化。
- コード変換:AIリライトでCOBOLからJavaへの変換を支援。
- 方針整理:EAフレームワークで現状分析から将来設計を整理。
得意領域・実績
NRIは金融・製造・流通などの大手企業へSIとコンサルティングを提供してきました。金融機関の基幹システムを長年開発・保守してきた経験から、内部構造への理解があります。
コンサルティング、開発、保守運用を一貫して担い、移行後の改善も支援します。特に、AIによる現行システムの可視化・影響分析は、移行計画の精度を高めたいCTO・CIOに役立ちます。
日立ソリューションズ株式会社|段階的モダナイゼーションと5つのプラクティス
特徴と強み
日立ソリューションズは、現行環境に応じた段階的な刷新を支援します。メインフレームのオープン化やオンプレミスからクラウドへの移行、クラウドネイティブ化までを扱います。
進め方には「移行方式設計」「パイロット移行」の段階があり、試行を挟むことで、一括移行のリスクを避けながら本番へ進めます。
独自の「5つのプラクティス」は、多くの国内企業を支援した経験をもとにまとめられています。さらに、COBOL・Java双方の知識と、日立グループのハードウェア・インフラ知見を組み合わせて提案できる点も特徴です。
移行後のデータ利活用まで支援するため、システム刷新をDX全体につなげたい企業にも選択肢となります。
日立ソリューションズでは、段階移行と周辺支援の組み合わせを確認します。
- 段階移行:資産棚卸から本番移行、テストまで順に進める。
- 技術の組み合わせ:COBOL・Javaとインフラの知見を組み合わせる。
- 移行後の活用:移行後のデータ活用まで支援を受けられる。
得意領域・実績
1970年代から稼働するメインフレームにも対応し、「2030年問題」を見据えた計画的な移行を支援します。
同社は、製造・流通・公共などの実績があり、COBOLとJava双方に詳しい技術者を自社内に確保しています。
並行稼働中の監視・運用も支援します。外部委託のリスクを抑え、停止できない基幹システムを移行したい製造業・金融業にとって、体制を確認する価値があります。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)|生成AIで属人化を解消するre:Modern
特徴と強み
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、2025年10月にレガシーコード刷新サービス「re:Modern」を開始しました。
生成AIで設計書とソースコードを解析し、処理内容を踏まえたコメントを変換後のコードへ自動付与します。
コメントによって、COBOLに詳しくない開発者も既存システムの動作をつかみやすくする狙いです。移行後の保守を担う担当者が自走できる状態を目指し、属人化したコードの理解を助けます。
COBOL担当者の高齢化や退職で理解者がいなくなる課題に対しては、コードの説明を残して属人化の解消を目指します。要件定義から変換までを支援し、運用後の保守やトレーニング、ドキュメント整備まで手がけます。
CTCはコード変換と人材育成を合わせて提供する点が特徴です。
- 解析と変換:生成AIで処理内容を解析し、変換後コードへ説明を付与。
- 変換の主力:現在の主力はCOBOLからJavaへの変換。
- 知識の継承:トレーニングや文書整備で保守知識を社内へ残す。
得意領域・実績
CTCは大手企業のシステム構築・運用を長年担ってきました。「re:Modern」の主力はCOBOLからJavaへの変換で、PL/I・RPG・PL/SQLへの対応拡大も計画しています。さらに、Node.jsなどクラウド向け言語も視野に入れています。
移行後はトレーニングに加え、変換ルールの理解やレビュー方法の習得も支援します。社内の技術力を高め、自社で運用できる体制を目指す企業に合います。
パートナー選びのポイント

レガシー技術の内製化とAIツール活用の見極め
まず、COBOL・メインフレームの経験者が自社内にいるかを確かめます。外部SES(システムエンジニアリングサービス)への依存度が高いと、人員確保や途中交代が不確実になります。一方で、自社の熟練者がいる体制は、暗黙知の継承と品質管理を続けやすくします。
次に、AIを使う解析ツールの機能と対応範囲を確認します。自動変換やコメント付与、影響分析の各機能が、手作業に比べて期間や費用をどう変えるのかを質問しましょう。さらに、対応する言語と実行環境も事前に照合します。
並行稼働・段階的移行への対応力と移行後のリスキリング支援
並行稼働の計画では、データの整合性、業務フローの二重管理、障害時の切り戻しを設計します。段階移行の経験と実行体制を確認すると、移行失敗の可能性を下げられます。
提案段階でPoC(概念実証)を無料または低コストで行えるかも、比較材料になります。そのうえで、実機能や移行方式を小さく確かめられる条件も確認します。
移行後に社内エンジニアが新システムを扱えなければ、DXの成果は定着しません。そのため、トレーニングやドキュメント、継続的な技術支援が契約範囲に含まれるかを確認します。
提案段階で「移行完了」だけでなく「社内定着・内製化」まで伴走するかを確認しましょう。また、新しいシステムを自社で運用できる状態は、長期的なコスト削減にもつながります。
選定では、移行の実行力と、移行後に社内へ残る運用能力を合わせて見ます。
- 並行稼働:並行期間のデータ整合性と障害時の切り戻し計画。
- 移行の実績:段階移行やPoCを実施する経験と条件。
- 教育と継続支援:教育・文書・継続支援を含む社内定着の仕組み。
まとめ
レガシーシステムの刷新では、移行技術に加えて、業務の継続と移行後の運用まで見通した会社選びが欠かせません。紹介した6社は、それぞれ異なる強みを持ちます。
株式会社riplaは、コンサルティングから開発、定着支援までを一貫して担い、業務要件と技術要件の両面を扱います。また、TISは「Xenlon~神龍」と住宅金融支援機構・パナソニック・JALの事例を持ち、大規模なCOBOLからJavaへの移行を得意とします。
アクセンチュアは約400名の技術者と三菱重工業の1,500万ステップ案件、グローバル知見を生かすMaaS型支援が特徴です。さらに、NRIは「AIリドキュメント」「AIリライト」による可視化と金融分野の実績を持ちます。
日立ソリューションズは段階移行の方法論「5つのプラクティス」と並行稼働支援を提供します。CTCは「re:Modern」で生成AIによるコード説明と、移行後のリスキリングを組み合わせています。
候補を選ぶ際は、自社のシステム規模、業界特性、移行後の運用方針に照らして、実績と支援体制を比べてください。
発注側は、PoC(概念実証)や現状診断から着手し、ベンダーの対応力を実際に確かめることをお勧めします。
全体像は次の記事で確認できます。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
