レガシーシステムの改修は、対象を絞って段階的に進めるのが現実的です。全面刷新は数千万円から数億円規模になることもあり、すぐに着手できない企業もあります。
改修を任せる会社は、スコープの切り方と費用対効果、契約の姿勢、技術力と業務理解の3点で比べると選びやすくなります。IPAの調査も踏まえて、6社の特徴を紹介します。
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・レガシーシステム改修の完全ガイド
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レガシーシステム改修パートナー選びの重要性

既存システムの改修では、稼働中の業務を止めずに仕組みを変える技術力が求められます。また、設計書のないコードを解析する力や、業務への影響を抑えながら進める進行管理も欠かせません。
選定を誤ると、想定外の費用増や特定ベンダーへの依存を招きかねません。そのため、技術と契約の両面から、改修後も選択肢を確保できる相手かどうかを見極める必要があります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
経済産業省の「DXレポート」は、レガシーシステムを放置した場合、2025年以降に最大で年間12兆円の経済損失が生じると試算しました。加えて、保守人材の高齢化やサポート終了も課題になります。
限られた予算では、改修対象の優先順位が成否を左右します。そのため、費用対効果の高い範囲を切り出せるパートナーが必要です。
IPAが約4,000社を対象に行い、799社から回答を得た調査では、CxOを置く企業ほど情報共有やシステムの可視化、内製化が進む傾向が示されました。また、改修を進めるには発注側の体制づくりも欠かせません。社内の事情を理解し、担当者と協力できるパートナーを選ぶことが大切です。
発注前に確認すべきポイント
改修の目的と対象範囲は、最初に決めておく必要があります。機能を次の3つに分けると、計画の軸が定まります。
- 残す機能
- 手を入れる機能
- 廃止する機能
不要な機能を廃止できれば、その維持費を改修予算に回せます。そこで、現状を見て改修の範囲を選ぶことが、費用対効果を高めるうえで大切です。
工程に応じた契約も選択肢になります。現状調査やアセスメントは準委任、仕様が確定した後の開発は請負とする形が考えられます。契約と権限の条件は、着手前に確認しておく必要があります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一貫して支援しています。社内DXを進めた事業会社としての経験を、成果の創出とシステムの定着に生かしています。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。また、企業ごとの業務要件に合わせた対応も可能です。
特徴と強み
riplaは、コードを変える前に改修の目的を整理します。業務全体を見渡したうえで、事業成果につながる範囲を選びます。
部分改修では、変更・維持・廃止する領域の切り分けが費用対効果を左右します。特に、この上流工程から関われる点が特徴です。
事業会社としてDXを推進した経験があるため、導入後の現場定着も見据えて提案します。従来のやり方を変える際の反発にも配慮し、業務が滞らない移行を目指しています。
得意領域・実績
riplaは、営業・顧客・生産・販売管理など、基幹業務システムの構築・導入を手掛けています。既存機能の部分改修から、将来の全面刷新を見据えた計画まで支援しています。
相談から実装まで一社で担うため、要件と開発の認識のずれを抑えやすい点も特徴です。また、ソースコードや運用権限を発注者側に確保する姿勢を重視しています。
ベンダー依存を避けたい場合は、課題や予算感を共有したうえで、無理のない改修計画を相談できます。
TIS株式会社|メインフレーム移行に強い大手独立系SIer
TIS株式会社は、金融・製造・流通などを支援する大手の独立系SIerです。独自サービス「Xenlon~神龍」を使い、メインフレームのCOBOL資産をオープン環境へ移行しています。
特徴と強み
TISは、COBOLからJavaへの変換を自動化するツール群を保有しています。そのため、既存の業務ロジックを再現しながら、処理仕様を保ったまま基盤を移行できます。
また、自動変換を活用することで、人手だけに頼る場合と比べて期間と費用を抑えられる点が特徴です。
変換後のリノベーションにも対応し、Web化やクラウド化といった段階的な改修を支援しています。基幹系を一度に刷新せず、まず基盤を移したい企業の候補になります。
得意領域・実績
TISは、JR東海の基幹系や、JALのマイレージ関連システムのオープン化を支援しました。いずれも社会インフラを支える大規模なシステムです。
JALの事例では、約8カ月で移行を完了し、稼働後の業務障害をゼロにしたと公表されています。
UNIXサーバー上のOpen COBOLをJavaへリライトする案件や、PowerCOBOLのWebアプリへの移行にも対応しています。保有資産に合わせた選択肢があるため、大規模な基幹系の実績を重視する企業に向きます。
株式会社システムズ|マイグレーション専業のノウハウ
株式会社システムズは、25年以上にわたってレガシーシステムのマイグレーションを手掛けています。計画から移行後の運用保守まで、一貫して対応しています。
特徴と強み
システムズは、特定の変換ツールに頼らず、コード解析や変換設計の手法を標準化しています。また、移行元・移行先のOSや基盤を問わず、複数の言語に対応しています。
設計書がないブラックボックスでも、解析から着手できる点は、移行を専門に扱う同社の強みです。
解析を通じて現行の仕様を把握し、改修する範囲を見極めます。そのうえで、部分改修でも業務ロジックを踏まえて変更するため、稼働後のトラブルを抑えられます。
得意領域・実績
システムズは、ハードウェア・OS・ミドルウェアのサポート終了やセキュリティ対策を目的とした移行を手掛けてきました。その蓄積したノウハウを、提案に生かしています。
移行時のデータ処理や、切り替えに伴うリスクへの対応も、専業としての知見があります。特に、基盤の老朽化やサポート終了が迫る企業にとって候補になります。
富士通株式会社|資産分析からの全方位モダナイゼーション
富士通株式会社は、総合ITベンダーとしてレガシーシステムのモダナイゼーションを強化しています。モダナイズ売上収益は、2024年度に前期比67%増の2,680億円でした。
2025年度には3,000億円を目指すと公表しており、この領域への投資姿勢がうかがえます。
特徴と強み
富士通は「資産分析・可視化サービス」で、改修対象となるアプリケーション資産を把握します。600社以上の分析実績をもとに、技術的負債と改修範囲の優先順位を明らかにします。
「攻めのモダナイゼーション」を掲げ、データ活用やAIによるデータドリブン経営につなげる変革を提言しています。部分改修から全面刷新、経営変革まで相談できます。
得意領域・実績
富士通は、自社のメインフレームやオフコンを使う顧客向けに、資産を新しい環境へ移すサービスを体系化しています。さらに、米AWSとの提携によって、クラウド移行の選択肢も広げています。
大規模な基幹システムや、製造・金融・公共など信頼性が求められる領域に実績があります。経営層を含む大きな変革を検討する企業に向いています。
SCSK株式会社|技術的負債の解消に強いNebulaShift

SCSK株式会社は、大手SIerとして幅広い業界のシステム開発・運用を手掛けてきた企業です。さらに、レガシーシステム改修の分野では「NebulaShift®」という包括的なソリューションを提供しています。現行システムの詳細な分析から、技術的負債の解消までを体系立てて支援しています。
特徴と強み
SCSKの強みは、技術的負債を「特定」して「優先順位付け」するアプローチを明確に打ち出している点です。NebulaShiftでは、現行システムを詳細に分析し、どこに負債が集中しているかを洗い出したうえで、最新技術を活用した改善プランを策定します。
そのため、限られた予算で部分改修を進める際にも、最も効果の高い領域から着手するための判断材料が整います。負債を洗い出して優先順位を付ける段取りは、本記事が重視する「スコープを限定して費用対効果を最大化する」考え方とも一致します。
全面刷新へ進むより、効く順番に改善していきたい企業にとって、論理的に進められるソリューションです。
得意領域・実績
SCSKは、金融・製造・流通・公共など幅広い業界で長年システム開発・運用を担ってきた実績があります。開発だけでなく運用フェーズまで一貫して支援できる体制があるため、改修後の安定稼働や継続的な改善まで見据えて相談できます。
大手ならではの技術者層と品質管理体制を備えているため、ある程度の規模を持つシステムの改修を、計画的かつ堅実に進めたい企業に向いています。現行システムの分析から改善プランの策定までを丁寧に進めたい場合にも、有力な選択肢となるベンダーです。
富士ソフト株式会社|業務プロセスから伴走するBIZMOD
富士ソフト株式会社は、システム開発を幅広く手掛ける独立系のITベンダーです。レガシーシステム改修の領域では、「BIZMOD(ビズモダ)」という価値共創型のモダナイゼーションサービスを提供しています。ビジネスの立案から開発・実装までを、伴走型で支援しています。
特徴と強み
富士ソフトの強みは、システムの作り替えそのものより手前にある、業務プロセスのDX化から踏み込む点です。BIZMODは、紙やExcelに依存した業務と、レガシーシステムの解消を一体で捉え、業務のあり方を見直しながらシステムを改修していくアプローチを取ります。
部分改修であっても、業務プロセスを見直さずにコードだけ書き換えると、古い業務のやり方が温存されて効果が出にくくなります。そのため、業務側から伴走してもらえる富士ソフトは、改修を通じて現場の使いやすさや生産性まで高めたい企業に適しています。
得意領域・実績
富士ソフトは、製造業やサービス業をはじめとする幅広い業界向けにシステム開発を手掛けてきた実績を持っています。組込み系から業務系まで対応領域が広く、企業の業種特性に合わせた改修を提案できる点も特徴です。
業務プロセスの見直しとシステム改修を一体で進めたい企業や、現場の使い勝手を重視する改修を求める企業にとって、伴走型の支援は心強い存在です。技術だけでなく業務改善の視点も併せ持つパートナーを探している場合は、検討する価値のあるベンダーといえます。
レガシーシステム改修パートナーの選び方

ここまで6社を紹介しましたが、どの会社を選ぶかは、自社の改修の目的と規模によって変わります。レガシーシステムの部分改修を成功させるには、システム固有の観点と契約面の観点の両方から確かめておきたい点があります。
スコープ限定と費用対効果を見極める力
部分改修では、どこまでを改修範囲に含めるかというスコープの切り方が、費用を大きく左右します。優れたパートナーは、現状をアセスメントしたうえで、効果の高い領域から優先順位を付けて提案してくれます。一方で、要望をそのまま全カスタマイズで受けてしまうベンダーは、開発が肥大化して費用が膨らみやすいため注意が必要です。
費用対効果を判断する際は、初期コストの比較だけでなく、改修後の運用コストがどれだけ下がるかのシミュレーションを示してもらうと役立ちます。たとえば、「勇気ある廃止」で不要な機能を削ぎ落とし、その維持費を改修に回せる会社は、限られた予算を生かす提案力を持っています。
ただし、コードだけを刷新しても、データモデルが古いままでは変更速度や拡張性は改善しません。改修の効果を続けるには、業務とデータ構造まで踏み込んで見直せるかを確かめておくことが大切です。
契約姿勢とベンダーロックインの回避
契約形態は、フェーズごとに使い分けられるかどうかが判断軸の一つです。成果が読みにくい現状調査やアセスメントは準委任契約とし、仕様が固まった開発フェーズは請負契約に切り替えると、双方のリスクを抑えられます。最初から一括の請負を迫らず、フェーズに応じた契約を提案できる会社は、誠実な姿勢を持っているといえます。
ベンダーロックインの回避も、改修パートナー選びで欠かせない観点です。ソースコードの著作権や運用に必要な権限が発注者側に残るよう、契約段階で明記してもらう必要があります。これを曖昧にしたまま進めると、次の改修や別のベンダーへ切り替える際に身動きが取れず、結果的に費用が割高になります。
あわせて、SLAや責任分界点をどこまで明確に取り決められるかも、確かめておきたい点です。どこまでがベンダーの責任で、どこからが自社の責任かが曖昧だと、トラブル発生時の対応が遅れます。契約面の細部まで丁寧に詰めてくれる会社は、長く付き合っていける相手です。
技術力と業務理解・体制の確認
レガシーシステムの改修では、ドキュメントが残っていないブラックボックスを解析できる技術力が問われます。COBOLなど古い言語の解析実績や、リバースエンジニアリングの経験があるかを確認しておくと、改修中の予期せぬトラブルを減らせます。また、自動変換ツールの有無だけでなく、ツールに頼り切らずに解析できる体制があるかも大切な確認点です。
自社の業務を理解しようとする姿勢があるかも、見極めておきたい点です。IPAの調査では、2030年に最大79万人のIT人材不足が見込まれており、人海戦術には限界があると指摘されています。そのため、少人数でも成果を出すには、業務を理解したうえで効率よく改修を進められるパートナーが欠かせません。
データ移行を伴う場合は、文字コードの差異や外字、データ構造の不整合といった落とし穴への対処経験があるかも、確認しておきたいところです。
まとめ
レガシーシステムの改修は、全面刷新に踏み切らなくても、スコープを限定して費用対効果の高い領域から手を入れることで、限られた予算でも着実に成果を出せます。ここまで、株式会社riplaをはじめ、TIS・システムズ・富士通・SCSK・富士ソフトという実在の6社を、それぞれの強みとともに紹介しました。
大規模なメインフレーム移行に強い会社、技術的負債を洗い出すことに長けた会社、業務プロセスから伴走する会社など、得意領域はさまざまです。そのため、パートナーを選ぶ際は、スコープを限定して費用対効果を見極める力と、フェーズごとの契約の使い分けやベンダーロックイン回避といった契約姿勢を、総合的に確認することが大切です。そのうえで、ブラックボックスを解析できる技術力と業務理解も欠かせません。
これらの観点を押さえれば、改修プロジェクトで後悔するリスクを大きく減らせます。どこから手を付けるべきか迷っている段階なら、まずは現状の課題と予算感を整理し、コンサルから開発まで一気通貫で相談できるパートナーに現状診断を依頼してみるのがおすすめです。
改修の目的設計から伴走できる会社と組めば、「2025年の崖」を乗り越え、事業成果につながるシステム基盤を着実に築いていけます。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
