MES刷新の成否は、現場と既存設備を理解し、導入後まで伴走できる相手を選べるかで大きく変わります。
老朽化やサポート終了、Excel運用の属人化など、刷新の背景は企業ごとに異なります。そこで、実績、技術、プロジェクト管理の観点で候補を比べると、相談すべき相手を絞り込めます。
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・MES刷新の完全ガイド
レガシーシステム刷新を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「レガシーシステム刷新の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
MES刷新パートナー選びの重要性

MES刷新では、作業手順や製造データ、設備管理など、工場運営に関わる仕組みを見直すことになります。品質やトレーサビリティ、進捗の管理も、その対象に含まれます。ただし、単純なソフトウェアの入れ替えとして扱うと、現場で使われないシステムになるおそれがあります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
導入計画では、技術面の検討に加えて、現場の実情を把握しておくことが欠かせません。たとえば、BOP(工程順序・作業手順・標準時間)が整っていない場合や、古いPLC・海外製設備からデータを取得できない場合は、計画の前提を見直す必要があります。
そのため、課題を早い段階で見つけ、対応策を具体化できる相手かを見極めることが大切です。特に、ERPは月次・日次、MESは分・秒単位で扱うなど、両システムの時間粒度は異なります。
さらに、その差を踏まえた疎結合・非同期の連携設計も、確認しておきたい事項です。密結合にすると性能が損なわれ、現場で使いにくくなる可能性があります。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、自社と近い業種・規模の現場での導入経験を確かめます。半導体、食品、化学では、トレーサビリティや4M(人・機械・材料・方法)管理の要件が異なり、機械加工でも同じことがいえます。そのため、実績は具体的な事例で確認すると、自社の要件定義に活かせる経験があるかを判断しやすくなります。
稼働後の保守体制と切り戻し(ロールバック)の方針も、あわせて確認しておきます。許容ダウンタイム、判断基準、実行権限を稼働前に合意できるかどうかが大切です。
データ移行リハーサルの回数や、過度な個別開発を避けるFit to Standardの提案姿勢も、候補を比べる材料になります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。そのため、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を備えています。
特徴と強み
riplaの最大の特徴は、業務DXコンサルティングから業務システム開発までを分断せず、一気通貫で支援できる点です。MES刷新では「要件定義はコンサル、開発は別ベンダー」と分業すると、現場の意図が開発に正しく伝わらず手戻りが多発しがちです。一方で、上流から下流まで一貫して担えば、要件のブレや責任の所在が曖昧になるリスクを抑えられます。
自社が事業会社として社内DXを推進してきた経験から、「入れて終わり」ではなく「現場に定着して成果が出る」までを重視する姿勢が強みです。
過度なカスタマイズで肥大化させないために、業務とシステムの両面から最適な落としどころを設計します。そのうえで、現場キーマンを巻き込みながら定着を支援します。
得意領域・実績
riplaは生産管理・販売管理・顧客管理など、基幹システム領域の構築・刷新で幅広い実績を持っています。MES刷新の文脈では、ERPや既存基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とし、「事業成果にコミットする」支援スタイルを打ち出しています。
特に、業務プロセスを洗い出して標準化することから着手し、どこをシステム化し、どこを運用でカバーするかを切り分ける上流設計に強みがあります。
MES刷新で「現場の例外処理をどこまで標準機能に寄せるか」という難所に直面する企業にとって、コンサル視点で線引きを支援できる点は大きな価値です。まずは現状の課題整理から相談したい企業に適したパートナーです。
三菱電機|FA機器と一体のMESソリューション
三菱電機は、PLCやサーボ、表示器といったFA(ファクトリーオートメーション)機器の国内最大手であり、生産現場の制御からMES層までを一気通貫で押さえられる総合力が魅力です。
具体的には、「e-F@ctory」をはじめとするスマートファクトリーコンセプトのもと、MESソリューションで生産現場と情報システムをデータベースで直結し、生産情報をまとめて管理します。
特徴と強み
三菱電機の強みは、現場の制御機器(OT領域)とMES(IT領域)の双方を自社で手掛けていることです。レガシーMES刷新で最大の関門になる「古いPLCや設備からのデータ取得」において、FA機器の知見を持つ点は大きなアドバンテージになります。
設備からのデータ収集とMES層での可視化・分析をシームレスにつなぎ、リアルタイムでの状況把握を実現します。さらに、エッジコンピューティングやデータ分析基盤との連携も強化されており、収集した製造データを、AIによる予知保全や歩留まり改善につなげる発展性も備えています。
三菱電機は、OTとITを分断せずに設計したい企業にとって、相性のよいパートナーといえます。
得意領域・実績
三菱電機は自動車部品、電子機器、組立加工系の工場をはじめ、多様な業種で生産システムの導入実績を積み重ねています。自社の名古屋製作所などの工場でe-F@ctoryを実践し、その知見を顧客に展開できる「自ら使っているベンダー」である点も、信頼につながります。
FA機器との組み合わせを前提とした提案が中心です。そのため、すでに三菱電機製の制御機器を多く導入している工場や、設備データの収集から本格的にスマートファクトリー化を進めたい製造業に、特に適しています。また、グローバル拠点を含む大規模ロールアウトにも対応できる体制を持っています。
東芝デジタルソリューションズ|Meister MES NEO
東芝デジタルソリューションズは、製造実行システム「Meister MES NEO」を提供しています。
東芝グループ自身の半導体工場や電気製品工場で培ったものづくりのノウハウを製品に凝縮しており、高度な品質管理とトレーサビリティを必要とする製造業に強みを発揮します。
特徴と強み
Meister MES NEOの強みは、半導体のような高度かつ複雑な製造工程で鍛えられたトレーサビリティ機能です。ロット・シリアル単位での製造履歴の追跡、工程ごとの品質データ収集、設備や材料との4M紐付けを精緻に管理でき、リコールや回収リスクが高い製品の製造に向いています。
また、長年の製造現場運用に裏打ちされた標準機能が充実しているため、過度なスクラッチ開発を避けつつ、要求水準の高いトレーサビリティを実現しやすい点も魅力です。製造業の業務知識を持つSEが、要件定義から支援できる体制も整っています。
得意領域・実績
Meister MES NEOは、東芝グループの半導体工場・電気製品工場をはじめ、多くの顧客企業の製造現場に導入されてきた実績があります。電機・電子部品・精密機器など、工程数が多く品質要求が厳しい組立・加工型の製造業で、特に力を発揮します。
大手SIerならではのプロジェクト管理体制とサポート力を備えているため、複数ラインや複数拠点にまたがる大規模なMES刷新にも対応できます。品質保証を経営の最重要テーマと位置づけ、トレーサビリティを中心にMESを刷新したい製造業にとって、有力な選択肢となります。
日立ハイテクソリューションズ|化学・食品に強いCyberPlant
日立ハイテクソリューションズは、MESソリューション「CyberPlant」を提供しています。
化学プラント向けと食品工場向けの2つのラインアップを用意し、それぞれの業界特性に最適化したMESを提供している点が大きな特徴です。プロセス系・装置型の製造業に強みを持つベンダーです。
特徴と強み
CyberPlantの強みは、業界特化型のラインアップによる導入のしやすさです。化学プラントや食品工場は、組立加工系とは異なり、配合・調合、ロット管理、賞味期限・消費期限管理といった独自の要件を持ちます。
原材料のトレーサビリティも含め、これらの要件をテンプレートとして備えているため、ゼロから作り込むよりも短期間かつ低リスクで刷新を進められます。
食品業界ではHACCPやアレルゲン管理、化学業界では危険物・法規制対応など、コンプライアンス要件が厳しい領域での知見を持つ点も安心材料です。業界特有の規制対応をMESに組み込む経験が豊富なベンダーといえます。
得意領域・実績
日立ハイテクソリューションズは、化学・食品をはじめとするプロセス製造業で豊富な導入実績を持っています。日立グループの一員として、計測・分析・制御技術と情報システムを組み合わせたソリューション提供力が背景にあります。
同社は、グループの幅広いリソースを活用し、インフラ・基盤面の支援も受けやすい点が強みです。
装置型・プロセス型の工場でMES刷新を検討している企業にとって、業界知見を生かした提案が期待できるパートナーです。特に、厳格な品質・規制対応とロット単位のトレーサビリティが求められる化学・食品メーカーでは、その知見が強く生きます。
横河電機|制御技術を背景にした製造実行管理
横河電機は、制御システム(DCS)やプラント計装の世界的大手であり、その制御技術を背景にした製造実行管理システムを提供しています。
プロセス産業の現場を知り尽くした計測・制御の知見をMES層に展開できる点が大きな特徴で、食品業界などでの導入事例も増えています。
特徴と強み
横河電機の強みは、プラントの計装・制御から上位の製造実行管理までを一貫して設計できる総合力です。連続・バッチ生産が中心のプロセス産業では、設備や計器から得られる膨大なリアルタイムデータをいかに収集・統合するかが鍵になります。その点で、計測機器メーカーとしての基盤が、この領域で大きく生きます。
OT(制御)とIT(情報)の境界を熟知しているため、現場制御を止めずにMESを刷新・連携させる設計に強みがあります。レガシー設備からのデータ取得や、制御層とMES層の安定した連携を重視する企業にとって、技術的な信頼性の高いパートナーといえます。
得意領域・実績
横河電機は、石油・化学・医薬・食品といったプロセス産業を中心に、国内外で豊富な実績を持っています。グローバルにプラント計装を手掛けてきたことから、海外拠点を含む大規模な製造現場への対応力も備えています。
連続生産・バッチ生産のプロセス系工場で、制御層との密接な連携を前提にMESを刷新したい企業に適しています。計装・制御からMESまでを一社で相談したい場合や、データ収集の信頼性を最優先したいプロジェクトでは、その強みが発揮されます。
SCSK|ERP・MES統合に強い大手SIer
SCSKは、住友商事グループの大手システムインテグレーターであり、ERPとMESを統合した生産管理ソリューションを提供しています。
計画層のERPと実行層のMESを横断して設計・構築できる総合力を持ち、細やかな品質管理を実現できる点が強みです。
特徴と強み
SCSKの強みは、ERPとMESを分断せずに統合設計できる点にあります。MES刷新でつまずきやすいのは、まさにERP(計画層)とMES(実行層)の連携設計です。
粒度の異なる両者を無理に密結合させると性能が破綻します。一方、両領域に精通したSIerであれば、疎結合・非同期を含む適切な連携アーキテクチャを提案できます。
マルチベンダーの製品知見を持ち、特定パッケージに縛られず最適な構成を選べる中立性も魅力です。基幹システム全体のグランドデザインを描きながら、その中にMESを正しく位置づけたい企業に向いています。
得意領域・実績
SCSKは、製造業をはじめとする幅広い業種で大規模システムの構築・運用実績を持っています。大手SIerならではのプロジェクト管理体制と、長期にわたる保守・運用サポートも期待できます。
ERP導入の実績が豊富であるため、基幹刷新とMES刷新を同時並行で進めたい、あるいは将来的に統合を見据えたい企業にとって心強い存在です。複数拠点へのロールアウトや、ERPを含めた大がかりなMES刷新を計画している製造業に、適したパートナーです。
MES刷新パートナー選びのポイント

ここまで6社を紹介してきましたが、知名度や規模だけで決めると、自社の現場に合わないおそれがあります。MES刷新は現場特性との相性が成否を大きく左右するため、いくつかの観点で各社を比べることが欠かせません。
後悔しないパートナー選びのためには、実績、技術力、プロジェクト管理体制を、それぞれ具体的に確かめることが大切です。
実績と経験の確認方法
見たいのは、導入実績の数よりも、自社と近い条件での実績です。同じ業種でも、組立加工系とプロセス系では要件が根本的に異なるため、自社と同業種・同程度の工場規模・似た生産方式での導入経験を、具体的な事例で確かめます。
その際、成功事例だけでなく「導入時にどんな課題があり、どう乗り越えたか」を質問するのが有効です。BOP未整備や古い設備からのデータ取得、現場の反発など、製造現場特有の難所への対処経験を語れるベンダーは、信頼できます。
可能であれば、導入企業へのヒアリングや見学を依頼し、現場の生の声を直接聞くことをおすすめします。
技術力と専門性の評価
技術力の評価で特に重視したいのは、データ連携設計の力量です。ERP(計画層)とMES(実行層)の粒度差を理解し、疎結合・非同期連携を提案できるかを、具体的に質問しましょう。そのうえで、古いPLCや海外製設備に対して、レトロフィットIoT(後付けセンサーやゲートウェイ)で現実的にデータを取得できるかも確かめます。
あわせて、多拠点ロールアウト時のインフラサイジングの考え方も確認すべきです。1工場のスモールスタートが成功しても、全社展開でトランザクションやログが急増し、ネットワーク帯域やサーバ不足でレスポンスが低下するトラブルは少なくありません。工場側のデータバッファ設計やスケールアウト前提のサイジングまで語れるベンダーは、技術的に信頼できます。
プロジェクト管理体制の確認
MESは止まれば工場が止まるため、移行・切替時のプロジェクト管理体制が極めて重要です。データ移行のマッピング・クレンジング・リハーサルを何回実施するか、一括移行と段階移行のどちらを推奨し、その根拠は何かを確認しましょう。
段階移行では新旧並行稼働中のデータ同期や二重入力の負担が生じるため、その手当てまで提案できるかが見極めの要点です。なかでも最も大切なのが、切り戻し(ロールバック)計画です。
稼働初日にトラブルが起きた場合に備え、許容ダウンタイム、判断基準、発動権限者を事前に定め、経営層を含めて合意形成できるかを必ず確かめておきます。加えて、稼働後の保守・運用サポートの範囲と体制、現場キーマンを巻き込んだ定着支援まで対応できるかも、長期的な成功を左右します。
まとめ
MES刷新でおすすめの6社を紹介しました。各社は得意な業種・領域が異なるため、自社の生産方式や業界特性に照らして相性を見極めることが大切です。
顔ぶれは、株式会社ripla、三菱電機、東芝デジタルソリューションズ、日立ハイテクソリューションズ、横河電機、SCSKです。強みは順に、一気通貫の支援、FA機器と一体のMES、トレーサビリティ、化学・食品に強いMES、制御技術を背景にした製造実行管理、ERP・MES統合です。
自社に合う1社の選び方
選定にあたっては、必ず複数社から提案を受け、実績・技術力・プロジェクト管理体制の3つの観点で比べましょう。
特に、自社と同業種での導入経験、データ連携設計の力量、切り戻しを含む移行計画への対応力は、入念に確認したいポイントです。
価格の安さだけで選ぶと、現場が止まったときに取り返しのつかない損失を被るおそれがあります。「どこから手をつけてよいか分からない」という段階であれば、現状の課題整理や要件定義から相談できる、コンサル機能を持つパートナーに声をかけるのも有効です。上流から伴走してくれる相手なら、自社にとって本当に必要なMESの姿を一緒に描いていけます。
次に読むべき記事
パートナー候補が見えてきたら、次は具体的な進め方や費用感を把握する段階です。MES刷新は、要件定義やベンダー選定、段階的導入といった工程を踏んで進みます。また、移行リハーサルや切り戻し計画も、その工程に含まれます。
発注前に全体像と相場観をつかんでおくことで、各社からの提案を正しく評価できるようになります。より体系的にMES刷新の全体像を理解したい方は、下記の完全ガイドもあわせてご覧ください。進め方・費用相場・発注方法まで、刷新プロジェクトの全工程を網羅的に解説しています。
▼全体ガイドの記事
・MES刷新の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・レガシーシステム刷新の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
