MES更改では、自社の生産形態と更改の目的に合う開発会社を選ぶことが決め手です。現場、設備、ERPの連携をまとめて設計できる相手なら、要件と実装のずれや稼働後の定着課題を抑えやすくなります。
候補は、4つの観点で比べます。riplaを含む6社の特徴と、発注前に確認したい判断基準を紹介します。
- 支援範囲
- 得意な生産形態
- 連携技術
- 稼働後の体制
▼全体ガイドの記事
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MES更改のパートナー選びが成否を分ける理由

MES更改は、製造現場の業務を見直す取り組みです。稼働初日に不具合が出ると、ライン停止や出荷の遅れにつながります。そのため、現場を理解したパートナーを選べるかどうかが、更改の成否を左右します。
製造現場を理解したパートナーが不可欠な理由
古いPLCからのデータ取得や、現場固有の例外処理をどう扱うかは、実装力だけでは決められません。とくに、標準機能に合わせる範囲を誤ると、現場で運用されず投資が定着しないおそれがあります。
反対に、要望をすべて個別対応すると、カスタマイズが増えて費用や納期が膨らみます。そのため、製造業の事情を踏まえてFit to Standardの適用範囲を一緒に判断できる相手が必要です。
発注前に確認すべき3つの観点
発注先は、生産形態に近い導入実績、ERP・上位システム・設備との連携力、稼働後の保守と改善体制の3点で比べます。あわせて、自社の生産形態が個別受注や量産などのどれに近いかを先に整理しておくと、各社の提案を判断しやすくなります。
移行時には、許容できるダウンタイムと、切り戻しを判断する人や基準を発注側と開発会社が事前に決めておく必要があります。万一の場合に備えた計画まで設計できるかを、提案の段階で確かめてください。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、構想・コンサルティングから開発、稼働後の定着までを支援します。社内DXで培った経験を生かし、営業・顧客・生産・販売管理などの基幹システムを構築してきました。
特徴と強み
riplaの特徴は、構想策定から実装、定着支援までを一社で担えることです。現場で把握した課題を開発へ引き継ぐ際の認識のずれを抑えられるため、手戻りも減らしやすくなります。
導入後も現場が使い続けられる状態を重視しています。具体的には、現場のキーマンを巻き込みながら、段階的に運用へ移す進め方を取ります。
得意領域・実績
生産管理・販売管理などの基幹システムに実績があり、業務に応じた柔軟な開発に対応します。独自の業務フローや、ERPと現場システムの連携を重視する企業に向いた選択肢です。
ERPとMESの粒度の違いを踏まえた疎結合・非同期連携や、旧設備からのデータ取得が、更改の論点になります。目的を整理して設計に反映したい企業に適したパートナーです。
ビジネスエンジニアリング株式会社|mcframeで国内トップクラスの実績
ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)は、生産管理・販売管理・原価管理パッケージ「mcframe(エムシーフレーム)」を提供する、製造業向けシステムの専業ベンダーです。
1996年の初代リリース以来、約30年にわたって製造業のシステムを支え続けてきた老舗であり、ERPとMESの両方を熟知している点が特徴です。
特徴と強み
mcframeシリーズの強みは、ERP×MES×IoTの垂直統合と、ERP×PLMの水平統合を一貫して設計できる点です。mcframeは、MES単体ではなく、計画から実行、データ活用までを見据えた統合基盤として整備されています。そのため、「MESだけ刷新したものの、上位のERPと連携できず二重入力が発生した」といった、更改後にありがちな失敗を避けやすい構成です。
また、パッケージでありながらユーザー固有のニーズに柔軟に対応でき、永続保守による長期利用を前提に設計されている点も特徴です。
組立加工からプロセス製造まで幅広い業態をカバーしています。自社の生産形態に近いテンプレートをベースに更改を進められるため、スクラッチ開発に比べて初期コストと期間を抑えやすい傾向があります。
得意領域・実績
mcframeは、生産・販売・原価管理システムとして国内トップレベルの実績を誇ります。大企業から中堅・中小企業まで、日本を含む世界17か国で1,500を超える企業・グループ会社に導入されています。
これだけの導入実績は、さまざまな業種・規模での更改ノウハウが蓄積されていることの裏付けです。自社と似た事例を参照しながら進めたい企業にとって、安心材料になります。
近年はクラウドERP「mcframe X」も展開しており、オンプレミスからクラウドへの移行を含めた更改にも対応できます。ERPとMESを一気通貫で見直したい、あるいは将来的なクラウド移行を見据えて基盤ごと刷新したいといったニーズに強いベンダーといえるでしょう。
富士通株式会社|COLMINAでグローバル展開を支援

富士通株式会社は、ものづくりデジタルプレイス「COLMINA(コルミナ)」のもとで製造業向けソリューションを体系化している大手SIerです。その中核となるMESソリューションを提供しています。
長年の大規模システム構築で培った知見と、グローバルなサポートネットワークを兼ね備えている点が特徴です。
特徴と強み
COLMINA MESの強みは、工場・本社・市場・取引先を「製造ネットワーク」としてつなぎ、分断されがちな情報を統一的に管理する考え方にあります。経営層・管理者・現場の3階層で、必要な情報を確認できます。そのため、現場のリアルタイムな状況把握だけでなく、経営判断のスピードアップにも役立ちます。
この発想は、MESを単なる現場ツールではなく、経営インフラとして位置づけたい企業に合っています。
サービスの提供形態も柔軟で、60を超える製造現場向けサービスを統一ブランドのもとでサブスクリプション化しています。月額15万円程度から利用できるメニューも用意されています。初期投資を抑えてスモールスタートし、効果を確認しながら展開範囲を広げていく進め方と相性が良い点も魅力です。
得意領域・実績
COLMINA MESは、グローバル展開を行うものづくり企業向けに開発されています。各国の規制や現地の税制、商習慣、多言語に対応できる点が大きな強みです。テンプレートをベースに、スピーディーかつ柔軟に展開できることは、海外拠点を含む複数工場を同じ仕組みで標準化したい、いわゆる多拠点ロールアウトを計画している企業にとって大きな価値があります。
多拠点展開では、全社一斉に導入するとトランザクションやログが急増します。その結果、ネットワーク帯域やサーバが不足し、レスポンスの低下を招くおそれがあります。
富士通のように大規模インフラの構築・運用ノウハウを持つベンダーであれば、こうしたスケールを前提にしたサイジングまで相談できます。そのため、国内外に複数拠点を抱える企業の更改で頼れる選択肢になります。
横河電機株式会社|化学・食品などプロセス産業に強み
横河電機株式会社(YOKOGAWA)は、制御システム(DCS)の世界的ベンダーです。その制御技術の知見を背景に、プロセス産業向けのMESソリューション「OpreX(オプレックス)」を展開しています。
化学・石油化学・食品など、バッチ生産や連続生産を行う装置産業への理解が深いことが、最大の強みです。
特徴と強み
プロセス産業向けの「OpreX Batch MES」は、横河電機が長年培ってきたバッチ製造管理のノウハウをベースにしたパッケージです。顧客固有の製造ノウハウや管理ノウハウも取り込めます。
業務管理項目は、マスター設計によって柔軟に定義できます。さらに、顧客特有のビジネスロジックをローコードで表現でき、現場主導での構築や改修を可能にしています。
ローコードで現場が継続的にシステムを育てていける考え方は、研究ノートでも触れたコンポーザブルMES(cMES)の流れに通じます。製造条件の変化に合わせてMESを継続的に進化させたい企業にとって、ベンダー任せにせず自社で改修できる仕組みは大きなメリットになります。
得意領域・実績
横河電機は三井化学をはじめとする大手化学メーカーへのMES導入実績を持ち、化学プロセス向けの製造管理パッケージで確かな評価を得ています。
食品製造向けには、計量作業の標準化を実現する「CIMVisionLIBRA」も展開しています。「CIMVisionLIBRA」は、現場作業者の経験頼みになっていた工程を仕組みで標準化したいプロセス系企業の更改に適しています。
MESを中心に、ERPやスケジューラー、品質情報を管理するLIMSなど周辺システムとシームレスに連携できる点も特徴です。装置産業特有の連続稼働を止めずに更改を進めるには、制御層から上位システムまでを一気通貫で理解しているベンダーが心強い存在になります。その点で横河電機は、プロセス産業の有力な選択肢といえます。
東芝デジタルソリューションズ|多様な生産形態に対応するMeister MES NEO
東芝デジタルソリューションズ株式会社は、東芝グループが製造業として培ってきた知見を製品化した製造実行システム「Meister MES NEO(マイスターメスネオ)」を提供しています。
自らも大規模な製造を行ってきたメーカー発のベンダーで、現場目線のものづくり理解が強みです。
特徴と強み
Meister MES NEOの特徴は、大量生産から個別受注生産まで、多様な生産形態に1つのパッケージで対応できる柔軟性にあります。工程進捗管理をベースに、QCデータ管理や履歴管理、実績集計管理までをシステム化しています。さらに、装置ステータス管理と部材管理も含め、製造現場で必要となる機能を網羅的にカバーしています。
生産形態が混在する工場でも、形態ごとにシステムを分けずに統合管理できます。この点は、更改の手戻りを減らすことにつながります。また、ローコード開発ツールを採用しているため、自社の運用に合わせて画面上で設定を変えられます。
これにより、稼働後の業務変更にもベンダーへの依頼を待たずに対応でき、改修コストとリードタイムを抑えられます。加えて、AI活用を含むスマートファクトリー化を見据えたデータ統合基盤との連携にも対応しています。
得意領域・実績
Meister MESは、東芝グループのほか、多くの顧客の半導体製造工場や電気機器製造工場に導入されてきた実績があります。とくに半導体のように工程数が多く、厳密なトレーサビリティが求められる分野での導入経験は、品質保証やリコール対応のための追跡性を重視する企業にとって心強い実績です。
部品情報と完成品情報を統一マスターで一元管理できます。そのため、製品トレーサビリティを構築しやすい点も特徴です。
MES更改では、「クレーム発生時にデータが繋がらず追跡不能になる」という典型的な失敗があります。この失敗を避けたい場合は、取得単位や記録タイミングを含めたトレーサビリティ設計の実績が豊富なベンダーが有力な候補になります。
株式会社日立製作所|OT×ITの知見を結集したFactRiSM
株式会社日立製作所は、統合製造実行管理システム「FactRiSM(ファクトリズム)」を提供する大手総合電機メーカーです。
プロダクト(製品)・OT(制御技術)・IT(情報技術)の3つの知見を併せ持つことが最大の特徴です。製造現場の制御層から経営の情報層までを一貫してつなぐMESを得意としています。
特徴と強み
FactRiSMの強みは、現場設備との通信から上位ITシステムとの連携までを柔軟に設計できる点にあります。顧客ごとに異なる設備やERPに合わせて接続でき、IoT設備でデジタル化した現場の4M(人・機械・材料・方法)データを収集・活用できます。
レガシー設備からのデータ取得や、ERPとの粒度差を踏まえた連携など、MES更改で最も難しい技術的な論点に対応できる体制が整っています。
また、蓄積したデータをもとに、KPI管理の国際規格であるISO22400に準拠した各種KPIを算出できる点も特徴です。設備総合効率(OEE)などの指標を標準化された形で示せるため、更改の効果を経営層に定量的に伝えやすく、稟議を通すための材料づくりにも役立ちます。
得意領域・実績
日立は40年以上にわたって、自動車・製薬・食品・ガス・化学など幅広い分野へMESを導入してきた実績があります。さらに、業界特化型のMESもパッケージ化して展開しています。たとえば、自動車業界向けの「NXAUTO」、医薬業界向けの「HITPHAMS」、食品業界向けの「ProductNEO」があり、規制要件の厳しい業界でも豊富なノウハウを持っています。
各分野での運用・製造規約・製法に関するOTのノウハウを蓄積している点は、自社業界の固有要件に詳しいパートナーを求める企業にとって大きな価値があります。
加工組立業から素材産業、化学業界まで幅広くカバーしています。そのため、業界特有の規制対応やトレーサビリティ要件を満たしながら更改を進めたい企業に適した選択肢といえるでしょう。
MES更改のパートナー選びで失敗しないためのポイント

ここまで6社を紹介してきましたが、どの会社を選ぶ場合でも、最終的な判断には共通のチェック基準が欠かせません。MES更改は、数百万円から、大規模では数億円規模に達する投資です。
発注先を見誤ると、コスト超過だけでなく、工場停止という致命的な損失につながりかねません。そこで、自社に合うパートナーを見極めるための3つのポイントを挙げます。
同業種・同じ生産形態での実績
MESは、業種や生産形態によって求められる機能が大きく異なります。たとえば、バッチ生産の化学プラントと個別受注の機械加工工場では、必要なトレーサビリティの粒度も工程管理の作り込みも別物です。
そのため、「MES導入実績の件数」を見るだけでなく、自社と近い生産形態・業界での実績があるかを必ず確認しましょう。可能であれば、似た規模の導入事例を提示してもらい、課題と解決策を具体的にヒアリングすることをおすすめします。
あわせて、BOP(工程順序・作業手順・標準時間)やマスタ整備といった「前提工程」を、どこまで支援してくれるかも確認しておきたいところです。MES更改が頓挫する典型例は、マスタが未整備のまま開発を進めてしまうケースです。そのため、前提工程の重要性を理解し、そこから伴走できるパートナーかを見極めましょう。
連携設計と移行の技術力の見極め
MES更改の難所は、機能そのものよりも「つなぎ方」と「切り替え方」にあります。古いPLCや海外製設備からどう低コストでデータを取得するか(レトロフィットIoT)や、月次・日次で動くERPと分・秒で動くMESをどう疎結合で連携させるかといった設計力が、稼働後の安定性を決めます。
提案の段階で、こうした連携アーキテクチャを具体的に説明できるベンダーは、信頼性が高いといえます。移行方式についても、一括移行と段階移行のメリットとデメリットを踏まえた提案ができるかを確認しましょう。段階移行は安全な一方で、新旧の並行稼働中にデータ同期プログラムの追加や二重入力の負担が発生します。
段階移行のトレードオフを正直に説明し、切り戻し計画まで含めて設計してくれるパートナーであれば、工場を止めずに更改を完了できる可能性が高まります。
稼働後の保守・改善体制とコスト構造の確認
MESは、製造条件の変化に合わせて継続的に改修していくシステムです。そのため、稼働後の保守・改善をどこまで伴走してくれるか、自社でローコード改修できる余地があるかを確認すると、長期的な運用負担を抑えられます。とくに現場主導で継続改善したい企業は、ベンダー依頼が必要な作り込みを最小限にできる仕組みを評価すべきです。
コスト構造の確認も欠かせません。SaaS型MESは初期費用を抑えられる反面、接続設備数やデータ量、アカウント数の増加に伴って従量課金が膨らみます。数年単位では、オンプレミスのTCO(総保有コスト)を上回る逆転現象が起きることもあります。
初期費用だけでなく、5年程度のスパンでランニングコストを試算し、自社の拡張計画と照らして総額で比較することをおすすめします。
まとめ:自社の生産形態と更改の目的に合うパートナー選び
ここまで、MES更改でおすすめの開発会社・ベンダー6社と、失敗しないためのパートナー選びのポイントを紹介してきました。
株式会社riplaは、コンサルから開発、定着まで一気通貫で支援します。ビジネスエンジニアリングは、ERPとMESを統合できる点が特徴です。
富士通と横河電機は、グローバル展開とプロセス産業にそれぞれ強みを持ちます。東芝と日立製作所は、多様な生産形態とOT×ITの知見が持ち味です。いずれも、明確な得意領域を持つ会社です。
目的から逆算した選び方
大切なのは、知名度や規模だけで決めるのではなく、「何のために更改するのか」という目的から逆算することです。
たとえば、トレーサビリティの強化が目的なのか、多拠点の標準化なのか、属人化の解消なのかによって、最適なパートナーは変わります。
自社の生産形態と更改の狙いを明確にしたうえで、複数社から提案を受けて比較検討することをおすすめします。
更改の全体像
適切なパートナーを選ぶには、発注側がMES更改の全体像をある程度理解しておくことが欠かせません。
進め方の流れ、費用相場、発注時に準備するドキュメントを押さえておくと、ベンダーとの会話がかみ合い、より良い提案を引き出せます。
まずは下記の完全ガイドで流れをつかみ、自社の更改プロジェクトを成功に導いてください。
▼全体ガイドの記事
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▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
