OMS改修の開発会社は、機能の多さよりも、改修後の業務まで見通せるかどうかで比べると選びやすくなります。
- 例外業務の要件化:キャンセルや返品など、現場固有の処理を要件に落とし込む力
- 連携・移行の設計:在庫同期、外部システム、データ品質を一体で扱う力
- 切替後の伴走:運用定着とロールバック基準まで支援する体制
この3つの観点で6社を比べると、それぞれの強みと、どのような企業に合うかが見えてきます。
▼全体ガイドの記事
・OMS改修の完全ガイド
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OMS改修のパートナー選びが成否を分ける理由

OMS改修では、受注から在庫引当、出荷指示、外部連携、データ移行までを一気通貫で動かしながら、現場の運用を止めずに切り替える必要があります。
OMS改修は、システムの機能を比較して選ぶだけのプロジェクトではありません。製品の良し悪し以上に、どの開発会社と組むかが成否を大きく左右します。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
OMS改修で最も多い失敗は、技術的な不具合よりも、自社の例外業務を要件に落とし込めなかったことに起因します。キャンセルや欠品、返品、分納、同梱、特定顧客向けの値引きなど、現場には文書化されていない職人芸的なルールが数多くあります。
これらを把握しないまま開発を進めると、本番直前になって仕様の抜けが次々と発覚し、追加開発でコストもスケジュールも膨らみます。一方で、経験豊富な開発会社は、要件定義の段階でこうした隠れた業務フローを洗い出し、何を作り込み、何を運用でカバーするかを一緒に線引きしてくれます。
また、移行失敗の原因の約7割は「移行データの品質不良」だと言われています。取引先マスタや商品マスタが基幹、会計、倉庫管理システムに分散し、表記揺れが放置されたまま移行されると、受注が正しく紐づかず出荷が止まってしまいます。そのため、データのクレンジングや名寄せにまで踏み込んで支援できるかどうかは、パートナーの実力を測る指標になります。
発注前に確認すべきポイント
発注前に確認したいのは、まず外部連携の設計経験です。ECモールや自社カート、WMSとのAPI・CSV連携は、OMS改修の中核であり、ここで躓くと業務全体が連動しなくなります。ERPや決済サービスとの連携も同様に欠かせません。とくにモール側の仕様変更は頻繁に起こるため、改修後も継続して追従できる保守体制があるかどうかまで見ておく必要があります。
次に確認したいのが、本番移行のリスク管理です。一斉移行と段階的移行のどちらが自社に適するかを検討したうえで、「API連携エラーで3時間以上受注が止まったら旧システムへ戻す」など、定量的なロールバック基準も事前に合意します。
あらかじめ撤退ラインを明文化してくれるパートナーなら、万が一のトラブル時にも被害を最小限に抑えられます。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。
営業や生産、販売管理など幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。特にOMSのように受注業務と倉庫・基幹をまたぐシステムでは、上流のコンサルと開発を分断しない伴走型の支援が効果を発揮します。
特徴と強み
riplaの最大の強みは、要件定義の前段にある「業務そのものの再設計」から関与できる点にあります。OMS改修では、既存業務をそのままシステムに写し取ろうとすると過剰なカスタマイズが増え、初期費用が膨らむうえに、将来のアップデートも難しくなります。
riplaは事業会社としての運用経験をもとに、捨てるべき例外業務と作り込むべき要件を冷静に見極め、費用対効果の高い最小要件での刷新を提案します。
机上の提案で終わらず、そのまま自社で開発まで担えるため、上流と下流で認識がズレるリスクを抑えられます。
得意領域・実績
riplaはOMSだけでなく、WMS(倉庫管理)やTMS(配送管理)も支援してきました。EC・BtoB・製造業向けの基幹・周辺システムにも対応しています。
受注から在庫、出荷、配送までを横断的に理解しているため、在庫同期の方式設計や外部連携の難所を見越した改修計画を描けます。データ移行では全件移行にこだわらず、過去データを別DBに残してAPI参照させる「非移行」も含め、コストと性能のバランスから現実解を提案します。
少数精鋭で意思決定が速く、改修後の定着支援まで並走してくれる体制を求める企業に向いています。
株式会社アイル|5000社の基幹開発で培ったBtoB受発注の実装力
株式会社アイル(東証プライム:3854)は、販売・在庫・生産管理システム「アラジンオフィス」とBtoB向けWeb受発注・EC「アラジンEC」を提供する企業です。
アラジンオフィスは5000社以上の導入実績を持ち、ユーザーリピート率は98.4%という高い水準を維持しています。基幹システムを軸に受発注の現実に寄せた設計が得意で、卸・製造・小売のBtoB領域でOMSを改修したい企業にとって有力な選択肢になります。
特徴と強み
アイルの強みは、約30年・5000社以上の基幹システム開発とサポートで培ったBtoBノウハウにあります。電話やFAXに依存した従来型の受発注業務をデジタル化・自動化し、導入企業と取引先の双方の業務効率を高める設計思想を持っています。
また、基幹システムであるアラジンオフィスとアラジンECが標準で連携するため、受注から在庫・販売管理までを分断なくつなげられる点が大きな魅力です。基幹まで含めた全体最適で改修を進めたい企業に適しています。
得意領域・実績
ファッションや食品、医療など、各業界特有の商習慣に対応してきた実績があります。鉄鋼や非鉄金属、ねじの業界でも同様の実績があり、業界ごとに異なる単位や掛率、複雑な受発注ルールを吸収できます。
パッケージとカスタマイズを組み合わせるため、例外業務が多い企業でも要件化しやすい点が評価されています。また、近年は生産管理機能の強化など、サプライチェーン全体の最適化に向けた拡張も進めています。
東証プライム上場企業ならではの安定した保守・サポート体制を重視する企業にとって、安心して長期的に付き合えるパートナーです。
W2株式会社|1,100社超のEC構築実績を持つコマースプラットフォーマー
W2株式会社(旧・株式会社w2ソリューション)は、ECサイト構築プラットフォーム「W2 Commerce」を提供する企業です。カートシステムの開発・導入・保守で20年以上の経験を持ち、これまでに1,100社を超える構築実績を積み上げてきました。
BtoCや定期購入、BtoB、越境ECなど複数のビジネスモデルに対応し、1,000を超える機能を標準で備えている点が特徴です。フロントのEC基盤と受注管理を一体で刷新したい事業者に適しています。
特徴と強み
W2の強みは、ECの売上拡大に直結する豊富な機能群と、それを支えるプラットフォームとしての拡張性にあります。標準で1,000機能以上を備えつつ、プラグインによって高度な販促・運用施策まで追加できるため、成長フェーズに合わせて段階的にシステムを進化させられます。
AIを活用した機能も標準で取り込んでおり、受注処理の自動化や省人化を進めたい事業者の要望に応えやすい構成です。
EC基盤とOMSの境界をまたいだ改修を、一つのプラットフォームの上で完結させたい企業に向いています。
得意領域・実績
W2は、アサヒビールやMASH Holdings、やずやグループ、全農、ベネッセといった大手・中堅企業のEC基盤を手がけてきた実績があります。導入企業の平均売上成長率が354%に達するとされ、単なるシステム提供にとどまらず、事業成長まで見据えた支援姿勢がうかがえます。
大規模かつトランザクションの多いECで安定して稼働させた経験が豊富なため、注文件数の増加に耐えられるOMSへ改修したい企業にとって心強い選択肢になります。繁忙期のピーク負荷に不安を抱える事業者は、まず相談してみる価値があります。
NE株式会社|6,000社超が使う一元管理基盤「ネクストエンジン」
NE株式会社が提供する「ネクストエンジン」は、ECの受注・在庫・出荷を一元管理するクラウド型OMSの代表格です。導入実績は6,000社を超え、店舗数では5万を超える規模に達しており、業界トップクラスのシェアを誇ります。
複数モールや自社カートを横断した運用ノウハウが製品に蓄積されており、多販路展開で手作業が限界に達したEC事業者にとって、現実的な刷新先です。
特徴と強み
ネクストエンジンの強みは、圧倒的な導入実績に裏打ちされた多販路一元管理の完成度にあります。主要なECモールやカートとの連携が標準で用意されており、受注の取り込みから在庫の自動連動、出荷指示までを一気通貫で自動化できます。
さらに、APIが公開されており、外部開発会社が機能を拡張できる仕組みが整っています。そのため、標準機能では足りない部分をアプリやアドオンで補える柔軟性があります。
実績あるプラットフォームに自社の要件を載せていく改修方針を取りたい企業に向いています。
得意領域・実績
ネクストエンジンは、複数のネットショップを運営する中小〜中堅のEC事業者を中心に広く使われてきました。受注処理を自動化することで、繁忙期でも少人数で大量の注文をさばける体制を構築できる点が高く評価されています。
豊富な導入事例とサポート情報が蓄積されているため、改修時のつまずきを過去のナレッジで解消しやすいのも利点です。
独自の例外業務が極端に多い場合はAPI連携や外部パートナーとの協業が前提になるため、開発会社とセットで検討するとよいでしょう。
株式会社ロジレス|OMSとWMSを一体化したEC自動出荷システム
株式会社ロジレスは、OMS(受注管理)とWMS(倉庫管理)が一体となったEC自動出荷システム「LOGILESS」を提供する企業です。2017年のサービス開始以来、約1,600社のEC事業者と約250社の倉庫事業者に利用され、年間4,000万件以上の出荷を支えています。
受注管理と倉庫管理が最初から一体で設計されているため、在庫ズレや出荷遅延を構造的に抑えられる点が大きな特徴です。
物流まで含めてOMSを改修したい企業にとって、有力な候補になります。
特徴と強み
LOGILESSの強みは、受注から出荷までの工程をほぼすべて自動化できる点にあります。導入したEC事業者では、全注文の90%以上を自動出荷で処理できるとされており、人手を介する作業を大幅に削減できます。
注文データは10分に1回、倉庫側のシステムへ自動連携されます。即座に出荷指示が出るため、受注と物流のタイムラグや転記ミスを抑えられます。
出荷件数の増加に処理能力が追いつかず、人海戦術で乗り切っている事業者ほど効果を実感しやすいでしょう。
得意領域・実績
ロジレスは、自社で出荷を行うEC事業者だけでなく、複数の荷主を抱える倉庫事業者からも広く採用されています。EC事業者と物流倉庫の双方が同じシステム上で在庫と出荷情報を共有できるため、委託先との連携にありがちな情報のズレを解消できます。
本社は東京都品川区にあり、代表取締役は足立直之氏が務めています。
在庫の正確な連動と出荷の自動化を最優先に据え、物流オペレーションそのものを刷新したい企業にとって、相性のよいパートナーです。
アートトレーディング株式会社|EC運営ノウハウを凝縮した物流一元管理
アートトレーディング株式会社は、EC物流システム「mylogi」を提供しています。ECサイトの制作・運営、Shopify構築、フルフィルメント(物流代行)も手がけています。
10年以上の実績と100社以上のECサイト構築・運用経験があります。自社倉庫も保有しており、システムと物流の現場を理解している点が特徴です。
mylogiはOMSとWMSのどちらの機能も一つのシステムで扱えるため、受注と倉庫を横断したOMS改修を検討する事業者に適しています。
特徴と強み
アートトレーディングの強みは、長年自らEC運営を行ってきた当事者としての知見が製品とサービスに凝縮されている点です。mylogiには、商品在庫管理から入荷・出荷管理まで、EC物流のフロー全体を一つのプラットフォーム上で完結させるための機能が詰め込まれています。
EC制作・運営・コンサル・物流代行までをまとめて任せられるため、システム改修と運用改善を切り離さずに進められるのが大きな魅力です。社内に物流やEC運営の専任人材が不足している事業者にとって、頼れる伴走者になります。
得意領域・実績
アートトレーディングは、受注対応やカスタマーサポート、発送代行までを一貫して引き受けた導入事例を多数持っています。たとえば、発送代行で受注後の出荷業務を任せ、商品企画に集中できる環境を整えた事例があります。運営業務全体を大幅に効率化した例も報告されています。
システムの導入だけで終わらず、運用までまるごと支援できる体制があるため、改修後に現場が形骸化して旧来の手作業に戻ってしまうリスクを抑えられます。
EC事業のバックオフィスを丸ごと立て直したい企業に向いた選択肢です。
OMS改修パートナー選びの実務ポイント

紹介した6社は、得意領域も提供形態もそれぞれ異なります。ただ、どの会社を選ぶ場合にも共通して確認しておきたい実務上の観点があります。
機能の比較に加えて、自社のOMS改修を最後までやり切れるかどうかを見極める視点で確認してください。
実績と例外業務の要件化力の確認
まず確認したいのは、自社と近い業種・規模での導入実績と、例外業務を要件に落とし込む力です。キャンセルや欠品、返品、分納、同梱、セット商品の在庫分解といった処理は、業種ごとに大きく異なります。
要件定義の場で、こうした文書化されていない業務フローまで踏み込んでヒアリングしてくれるかどうかが、後工程の炎上を防ぐ分かれ目になります。さらに、「今回は捨てる機能」を一緒に決めてくれる姿勢があるかも、費用を抑えるうえで重要な観点です。
外部連携とデータ移行の設計経験の確認
OMS改修の難所は、外部連携とデータ移行に集中します。在庫同期を一方向にするか双方向にするかを決め、双方向にする場合は同時更新が衝突したときの優先ルールをどう設計するかまで、具体的に提案できる会社を選ぶべきです。
データ移行では、全件を物理移行しない選択肢もあります。過去データを別DBに残す「非移行」や、対象ステータスを絞る部分移行を提示できると、コストと性能の両面で有利です。さらに、移行前のクレンジングや名寄せをどこまで支援してくれるかも、必ず確認しておきたいところです。
伴走型サポートとロールバック基準の合意
本番切替の前後で頼りになるのは、伴走型のサポート体制です。並行稼働の期間は最低でも1〜3ヶ月を確保し、月末締めなどの業務サイクルを実データで複数回検証できる会社を選ぶとよいでしょう。
取引先を巻き込むEDI切替の段取りも確認しておく必要があります。FAX-OCRやチャット連携など、アナログな取引先向けの代替手段を用意できるかも、見ておきたいところです。
最後に、「受注停止が一定時間を超えたら旧システムへ戻す」という定量的なロールバック基準を、契約前に明文化して合意できるかどうかが、最終的な安心材料になります。
まとめ
OMS改修は、機能の比較だけでなく、パートナーの力量まで含めて選ぶ必要があります。
自社の例外業務を要件化する力、外部連携やデータ移行の設計経験、そして本番切替を伴走で支える体制まで含めて、開発会社・ベンダーを見極めることが成功の鍵になります。
今回紹介した6社は、それぞれ強みや提供形態が異なるため、自社の課題がどこにあるかを起点に比較するとよいでしょう。
自社の課題から逆算した選び方
上流のコンサルから開発・定着まで一気通貫で任せたいなら株式会社ripla、基幹を含めたBtoB受発注を堅実に刷新したいなら株式会社アイルが有力です。大規模ECの基盤ごと刷新したいならW2株式会社、実績あるプラットフォームをベースに多販路を一元化したいならNE株式会社のネクストエンジンが候補になります。
物流の自動化まで踏み込むなら株式会社ロジレス、EC運営と物流をまるごと立て直したいならアートトレーディング株式会社が適しています。自社の最も大きな課題がどこにあるかを言語化したうえで、複数社を比較検討することをおすすめします。
失敗を避けるための次の一歩
まずは現状の課題と、改修で実現したい状態を社内で言語化することから始めます。そのうえで複数社に相談し、例外業務の要件化やデータ移行の方針を比較します。ロールバック基準まで具体的に提案できる会社を選ぶと、後悔の少ないパートナー選びにつながります。
OMS改修の進め方や費用相場、発注の流れについては、本記事と同じシリーズの関連記事でさらに詳しく解説しています。あわせて読み進めることで、改修プロジェクト全体の解像度を高められます。
▼全体ガイドの記事
・OMS改修の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
