システム刷新でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

システム刷新の開発会社は、開発力だけでなく業務理解力と合意形成力で比べると選びやすくなります。選定を誤ると、数億円から数十億円規模の損失につながります。

6社を各社の特徴・得意領域・実績で比べ、発注前の確認項目もあわせて整理します。全体像は、以下の完全ガイドでも確認できます。

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・システム刷新の完全ガイド

システム刷新パートナー選びの重要性

システム刷新パートナー選びの重要性

システム刷新は、企業の競争力そのものを左右するプロジェクトです。パートナー選定を誤ると、プロジェクトの遅延や頓挫、膨大な追加コスト、訴訟リスクまで発生し得ます。なぜ選定がこれほど重要なのかは、失敗例から見ていくと分かりやすくなります。その後で、発注前に確認すべき観点を整理します。

適切なパートナー選定が成否を分ける理由

大規模案件の失敗事例からは、知名度だけでパートナーを決めることの危うさが読み取れます。

  • 損失規模:選定の誤りが、数十億円規模の損失に直結し得ます。
  • 確認軸:要件定義の段階で、パッケージの適合率と双方の認識を照らし合わせます。

その代表例が、スルガ銀行と日本IBMの勘定系システム刷新です。総額95億円規模の大型案件が白紙撤回となり、最終的にIBM側へ約42億円の賠償命令が下されました。

このトラブルの本質は、技術的な問題だけではありません。背景には、「パッケージ適合率の見誤り」と要件定義段階での双方の認識不一致があったとされています。

実績や知名度だけで選ぶと、自社の業務に合うかの見極めが甘くなりがちです。さらに、2021年2月のみずほ銀行ATM障害でも、「失点を恐れて積極的行動を取らない」企業風土が関係性に影を落としたと指摘されています。

また、NHKと日本IBMの訴訟事例からは、「現行システムの100%移行」を前提にすると、どこかで必ず破綻するという教訓が得られます。刷新プロジェクトは、技術力の高いパートナーでも、現実的なスコープ調整をユーザー企業と一緒に行えなければ成功しません。

だからこそ、開発力に加えて「業務理解力」「合意形成力」を持つパートナーを選ぶ必要があります。

発注前に確認すべきポイント

候補会社の体制を見る前に、自社の目的を言葉にしておく必要があります。

  • 狙いの明確さ:何を改善する刷新かを、社内で一言で言える状態にしておきます。
  • 分析力:現行の業務を、どこまで掘り下げられるかで見ます。

そのうえで、候補会社を同じ基準で見比べるため、確認項目を絞り込みます。

  • 目的と効果:投資対効果の目標を、数値で示せるかを見ます。
  • 導入実績:同業種・同規模の実績から、業務知識の深さを確かめます。
  • 実行体制:PM体制、管理手法、SLAの水準を契約前に詰めておきます。

確認項目を契約前に確かめておくと、契約後のミスマッチを大きく減らせます。

特に見落とされがちなのが、ベンダーの現行システム分析力です。老朽化したシステムでは、ドキュメントが散逸し、仕様がブラックボックス化しているケースが大半です。

現行の業務を例外処理まで洗い出せるかどうかが、成功と失敗を分ける最大の分岐点となります。

ポイント

パートナー選定の失敗は、数十億円規模の損失や、プロジェクトの頓挫につながります。知名度や実績だけで決めず、自社の業務に合うかを要件定義の段階で確かめられるかを判断の目安にするとよいでしょう。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

株式会社ripla

riplaは、コンサルティングから開発までを一気通貫で支援する企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みを持っています。

営業・顧客・生産・販売管理など幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの特徴は、開発工程のつながりと導入後の定着支援に分けて見ると分かりやすくなります。

  • 一気通貫:上流の整理から保守まで、同じチームが担当します。
  • 定着支援:現場部門とKPI・運用設計を並行して進めます。

一般的な体制では、コンサル会社が業務要件を整理し、別のSIerが開発を担うため、情報伝達のロスによる手戻りが起きがちです。一方で、riplaは自社内で知見を連続して引き継ぐため、意思決定のスピードと品質の両立を実現しています。

riplaは、IT事業会社として自社サービスを運営してきた経験があるため、作って終わりにせず、使われ続ける仕組みを意識したシステム開発に長けています。

システム刷新で課題になりやすい現場への定着まで伴走できる点は、他社にはない差別化要素です。要件定義の段階から現場部門を巻き込み、KPI設計と運用設計を並行して進めるのを得意としています。

得意領域・実績

対応できる業務領域と、現行業務を刷新につなげる進め方を見ておきます。

  • 基幹領域:基幹系システムの刷新と新規構築に対応しています。
  • 業務の把握:現行業務を調べ、再構築の土台を作ります。

対象となるのは、営業・顧客管理・生産管理・販売管理といった業務です。

業務プロセスの標準化とクラウドを活用した新しい構成への移行を組み合わせ、運用負荷を抑えながら業務効率を高める支援実績が豊富にあります。riplaは、中堅・中小企業から大企業の事業部単位まで、プロジェクト規模に応じて柔軟に支援できます。

さらに、刷新でつまずきやすい現行業務の把握と、移行後の運用設計を同時並行で進める独自のアプローチに定評があります。ドキュメントが整っていないレガシーシステムでも、現場ヒアリングとデータ分析を通じて業務の実態を洗い出せます。

比較的短い期間で成果を見せられる点も評価されており、初めてシステム刷新に取り組む企業からの相談が増えています。

TIS株式会社|マイグレーション特化ツール「Xenlon~神龍」を持つ大手SIer

TIS株式会社

TIS株式会社は、ITホールディングス傘下の大手独立系SIerです。金融・製造・流通など幅広い業界で、基幹システムの刷新実績を持っています。

TISは、独自のマイグレーションツール「Xenlon~神龍」を使った、COBOLからJavaへの自動変換に強みがあります。

メインフレームからオープン系への大規模移行を得意としており、多くの大企業に採用されてきました。

特徴と強み

大規模移行では、変換技術とプロジェクト管理を合わせて見て判断します。

  • 自動変換:COBOL資産の変換を、Xenlon~神龍で自動化しています。
  • 管理力:進捗・品質・リスクを、決まった手順で押さえます。

TISの強みは、マイグレーションの自動化技術にあります。「Xenlon~神龍」は、COBOLのソースコードをJavaなどへ構文解析レベルで変換します。

人手による書き換えに比べて、期間とコストを大幅に圧縮できます。さらに、手作業中心の移行で起きやすい属人化や品質のばらつきも小さくできます。

また、金融系の大規模システムで磨かれた堅牢なプロジェクト管理手法も魅力です。進捗・品質・リスクの各プロセスが標準化されているため、億単位の大規模刷新でも計画の精度を保ちやすくなります。

国内SIerの中でも、マイグレーション自動化に先行投資してきた企業の一つで、ツール群の完成度に定評があります。

得意領域・実績

実績は、移行の規模と、どの企業規模の刷新に向くかを照らして見ます。

  • 大規模移行:3,400万ステップ規模の移行実績があります。
  • 適性:大手企業の堅牢で長期にわたる刷新に向いています。

代表的な実績には、JFEスチール東日本製鉄所の基幹システム刷新があります。

その案件では、COBOL資産を29カ月でオープン環境へ移しており、マイグレーション自動化の実力を示した事例として広く知られています。

従来の人海戦術型の移行では考えられなかったスピードと品質を実現し、高く評価されました。

金融業界の勘定系・情報系システムの刷新、製造業のMES・ERP刷新、流通業の販売管理システム刷新など、基幹領域での実績が豊富です。

大規模で長期のプロジェクトを完遂する体力やノウハウが求められる案件で、特に強みを発揮します。一方で、中堅・中小規模でアジャイル志向の案件では、この強みが出にくい面もあります。

ポイント

大規模な移行では、自動変換の技術と、進捗・品質・リスクの管理手法を合わせて見ることが判断の目安になります。移行規模が自社の案件に近いかどうかも、あわせて照らし合わせてください。

FPTジャパンホールディングス|ベトナム発の大規模オフショア開発力

FPTジャパンホールディングス

FPTジャパンホールディングスは、ベトナム最大手のITサービス企業であるFPTコーポレーションの日本法人です。

日本企業のオフショア開発パートナーとして長年の実績があり、レガシーマイグレーションや大規模開発で存在感を高めています。近年は、メインフレーム系の刷新プロジェクトで特に引き合いが増えています。

特徴と強み

オフショアを活用する場合は、技術者の育成と日本側との連携体制を見ておく必要があります。

  • 人材育成:COBOLアカデミーを通じて、メインフレーム人材を育てています。
  • 連携体制:ブリッジSEと日本側PMが、品質と意思疎通を支えます。

FPTジャパンは、ベトナム現地に設けた「COBOLアカデミー」で、メインフレーム領域の技術者の育成を続けています。

日本国内ではCOBOL技術者の高齢化と希少化が進んでいます。その中で、現地に3,000名超のメインフレーム系オフショアリソースを確保していることは、他社にない優位性です。

FPTジャパンは、日本市場に特化した品質管理体制と日本語コミュニケーション力を整えているため、オフショア特有のギャップが少ない点も評価されています。

ブリッジSEと日本側PMの連携がスムーズなため、オフショアでありながら国内開発に近い体験を得られます。コストパフォーマンスも高く、予算に制約のある刷新プロジェクトでは有力な選択肢になります。

得意領域・実績

FPTジャパンが合うかは、移行の対象、必要な規模、コスト条件から判断できます。

  • 対象領域:大規模移行、モダナイゼーション、クラウドリフトに対応しています。
  • 費用面:国内完結型と比べて、2割から3割のコスト圧縮事例があります。

メインフレームからオープン系への大規模マイグレーションのほか、基幹系の領域も中心的に扱っています。

日本国内では、金融・製造・流通の大手企業を中心に、複数の大規模刷新案件を完遂してきました。多言語対応が求められるグローバル案件にも強みを持ちます。

最近は、AIとクラウドを組み合わせたモダナイゼーション支援にも注力しています。レガシーからクラウドネイティブへ段階的に移行するプロジェクトで、採用が進んでいます。

オフショアを活用し、同規模の国内完結型プロジェクトに比べて2割から3割程度のコストを圧縮できた事例も報告されています。コスト・スケーラビリティ・技術者層の厚みを重視する企業にとって、有力な候補となります。

ソフトロード|独自AI変換でブラックボックス化資産の移行に強い

ソフトロード

ソフトロードは、レガシーマイグレーションに特化した技術集団として知られています。

独自開発したAI変換技術を強みに、従来の人手によるリライト方式と比べて工期を1/2から2/3に短縮できる実績を示しています。

ドキュメントが失われたブラックボックス化資産の解析と移行を得意としています。

特徴と強み

ブラックボックス化した資産では、解析の方法と短い工期を両立できるかを見ます。

  • AI変換:業務ロジックの抽出から変換までを担います。
  • 短工期:従来より短い工期で刷新できる実績があります。

ソフトロードの独自性は、ソースコードをAIで解析し、業務ロジックを抽出してから新言語へ変換する仕組みにあります。

ドキュメントが残っていないレガシー資産でも、現行のコードを「仕様書代わり」として扱い、再構築できる技術力を備えています。このアプローチは、長年の塩漬けシステムに悩む企業にとって極めて有効です。

AI変換によって、従来の人手中心のリライトに比べて納期を1/2から2/3に圧縮できます。そのため、「現場運用を止めずに短期間で刷新したい」というニーズに合います。

また、属人化を避けながら品質を安定させる仕組みも整っており、評価されています。マイグレーション専業の知見が濃いため、技術的な難易度の高い案件にも対応できます。

得意領域・実績

ソフトロードを検討するときは、変換の対象と上流支援の必要性を分けて考えます。

  • 得意領域:COBOL・PL/IからJava・C#への自動変換です。
  • 役割分担:上流を含む支援では、他社との組み合わせも候補になります。

ソフトロードは、メインフレームからオープン系への移行にも対応します。

オンプレミスからクラウドへのリプラットフォーム案件も対象です。金融・製造・公共分野のブラックボックス化システムで、複数の実績を持ちます。

小回りの利く専業ベンダーのため、大手SIerに比べて意思決定が速く、ピンポイントの技術課題に踏み込んだ提案がしやすいといえます。

業務コンサルから上流工程まで含めた包括的な支援を求める場合は、他社との組み合わせも検討するとよいでしょう。

既存資産のマイグレーションを短期間かつ低リスクで進めたい場合は、非常に有力な選択肢になります。

ポイント

ブラックボックス化した資産を短期間で移行したい場合の有力候補です。上流から包括的に任せたい企業は、他社との組み合わせも検討するとよいでしょう。

株式会社オービック|高収益独立系SIer・基幹系パッケージの雄

株式会社オービック

株式会社オービックは、国内独立系SIerの中でも異例の高収益を維持する老舗ITベンダーです。営業利益率は44%前後と業界屈指の水準にあり、強固な経営基盤と長期的なサポート体制を両立しています。

統合基幹業務システム「OBIC7」を中心に、中堅・大手企業の基幹領域の刷新を支えてきました。

特徴と強み

オービックを検討するときは、製品の標準機能と、自社内での開発・保守体制を見ておきます。

  • 自社製品:OBIC7を中心に、要件定義から運用まで自社で担っています。
  • 標準適合:過度なカスタマイズを避け、品質を安定させています。

オービックの強みは、自社開発パッケージ「OBIC7」と、要件定義から開発・運用まで一貫して自社で担う「完全自社開発・自社サポート体制」にあります。

外注への依存度が低いため、プロジェクトの品質がぶれにくく、長期の保守を見越した安定運用を実現しやすい構造です。会計・人事・販売・生産・ワークフローなど幅広い業務領域をカバーします。

高収益を支える根幹は、パッケージの標準機能への適合を前提に、業種別テンプレートを厚く整備する戦略です。

必要以上のカスタマイズを避け、ユーザー企業の業務プロセスをパッケージに合わせて整えることで、トータルコストの抑制と品質の安定を両立します。長期の総所有コストの削減を重視する企業に合うベンダーです。

得意領域・実績

導入実績に加えて、パッケージの標準に業務を合わせられるかも判断材料になります。

  • 導入範囲:中堅・大手企業のERPや基幹刷新で、業種別テンプレートを使っています。
  • 注意点:標準機能に業務を合わせる方針が、費用対効果を左右します。

累計導入社数は、業界でもトップクラスです。

製造業・卸売業・小売業・サービス業など業種を問わず幅広く採用されており、完成度の高さも評価されています。

全国拠点のサポート体制があるため、運用フェーズも自社で継続的に支えてもらえる安心感があります。

一方で、パッケージに過度なアドオンを重ねると、独立系SIerの強みが損なわれ、保守コストも跳ね上がります。そのため、注意が必要です。

パッケージの標準に業務を合わせる覚悟を持てる企業にとって、総合的な費用対効果の高い選択肢になります。長期の安定運用を前提とした基幹系刷新を重視する場合には、特に強みのあるベンダーです。

日本IBM|大規模基幹系刷新の圧倒的ノウハウと体制

日本IBM

日本IBMは、世界有数のITサービス企業です。日本国内でも、金融・製造・公共分野を中心に、大規模基幹系システムの刷新実績を豊富に持っています。

自社パッケージ「Corebank」などを使ったグローバル標準の方法論と、クラウド・AI・セキュリティまで統合した総合力に強みがあります。超大型案件では、選択肢から外せない存在です。

特徴と強み

日本IBMは、提供範囲の広さと、大規模案件に必要な体制を合わせて評価するとよいでしょう。

  • 総合力:クラウド・AI・セキュリティまで統合して提供しています。
  • 規模適性:大規模なミッションクリティカル案件に向いています。

日本IBMの強みは、グローバル規模で蓄積された方法論・フレームワーク・人材の厚みにあります。

メインフレームからハイブリッドクラウドまでフルスタックで提供できる点は、国内SIerにはない水準です。

大規模ミッションクリティカル領域で求められる堅牢性と、グローバル標準の文化を両立させたい企業に適しています。

一方で、スルガ銀行との勘定系刷新は、総額95億円規模の大型案件が白紙撤回となりました。最終的にIBM側へ約42億円の賠償命令が下っています。

パッケージ適合率の見誤りによる失敗事例は、選定時に確認すべき教訓を残しています。NHKとの訴訟も含め、大規模案件の難しさを示す事例です。こうした経験を糧に、近年は要件定義フェーズのフィット&ギャップ分析を徹底する体制を整えています。

得意領域・実績

適用業界と過去の教訓を確かめ、要件定義で押さえる条件を明確にしておきます。

  • 対応領域:金融・製造・公共の大規模な基盤刷新に対応しています。
  • 事前検証:適合率、要件の凍結、現場の参加を、早い段階で確かめます。

得意領域は、金融業界の勘定系・情報系システムの刷新、製造業のグローバルERP刷新、公共分野の大規模基盤刷新です。

Corebankなどのパッケージを使った方法論には30年以上の蓄積があり、グローバル拠点との協業を前提にした体制を組めます。

多国籍企業のグローバル統合プロジェクトに対応できる、数少ないベンダーの一つです。

選定の際は、過去の失敗事例を踏まえ、「パッケージ適合率の事前検証」「要件凍結のタイミング」「現場部門の巻き込み」を、IBM側とどう押さえるかを確かめてください。

体制と単価が大きくなる傾向があるため、中堅企業の小〜中規模の刷新には向きにくい面もあります。一方で、グローバル企業の戦略案件など、代わりの候補が少ない領域では頼もしい存在になります。

ポイント

大規模な基幹系刷新で総合力を求める場合の有力候補です。体制と単価が大きくなるため、中堅企業の小〜中規模刷新では費用とのバランスを慎重に見てください。

絶対に失敗しないベンダー選定の5つの鉄則

ベンダー選定5つの鉄則

6社の比較を踏まえ、実務で守るべき5つの鉄則を整理します。初期費用の安さだけで決める失敗や、大手の実績を鵜呑みにする失敗は、今も続いています。

RFPの不備で比較できない失敗や、リファレンスチェックを怠る失敗も、なお見られます。5つの鉄則を確認すれば、致命的な選定ミスを避けられます。

同業種・同規模の導入実績の確認

導入実績は、業種や規模が自社に近いほど、要件定義の参考になります。

  • 確認対象:同業種・同規模・同業務領域での導入実績です。
  • 質問内容:成功例に加えて、課題と解決の過程も聞きます。

基幹システムは、業種特有の会計処理・商慣習・帳票様式に深く根ざしており、似た業種の経験があるかどうかで要件定義の精度が大きく変わります。

ベンダーのWebサイトや営業担当者からの説明だけでは、十分とはいえません。

提案依頼時には、自社と同等規模の企業、同業種、同業務領域での具体的な事例を、複数提示してもらうのがよいでしょう。できれば成功事例だけでなく、途中で生じた課題と解決の過程まで聞いておくと、見極めの材料になります。事例を詳しく語れるベンダーは、現場を深く理解している可能性が高いといえます。

リファレンスチェック(過去クライアントへの直接確認)の実施【独自視点】

公式資料では分からない運用実態を知るには、過去クライアントへの確認が有効です。

  • 直接確認:過去のクライアントに、PMや障害対応の実態を聞きます。
  • 確認効果:公式資料には出てこない納期遅延や運用姿勢が分かります。

多くの企業が見落としがちなのが、候補ベンダーの過去クライアントへの直接確認です。これがいわゆるリファレンスチェックにあたります。

事例として紹介された企業に連絡し、追加見積もりの頻度や、運用フェーズでの誠実さも確かめられます。

ある金融機関は、最終候補の過去クライアントに直接連絡しました。その結果、提案段階で有力だった候補に、大幅な納期遅延の過去があることが分かりました。

社名が非公開でも、確認は可能です。一本の電話やメールで、億単位の損失を防げる可能性があります。リファレンスチェックは、地道な作業ではあるものの、費用対効果の高い打ち手です。

価格より「成功への道筋を示せるか」を基準にした選定

見積金額の差だけでなく、現状分析から成功までの道筋も比べます。

  • 金額以外:見積金額の大小より、成功への道筋の具体性を見ます。
  • 現状分析:旧システムの構成を洗い出す提案を、評価の対象にします。

見積金額だけでベンダーを決めるのは、システム刷新で最も危険な意思決定の一つです。その象徴的な事例が、キングジムの10億円規模の刷新プロジェクトにおける逆転選定です。

コンペに参加した3社のうち、最高額だったJQ社が選ばれた背景には、他社が踏み込まなかった「旧システム構成を全部洗い出す」という明確な約束がありました。

最安値のベンダーは、見積時点のスコープを固定した前提でのみ成り立つことが多く、実態に合わせてスコープが変わると、追加費用が積み上がる構造になっています。

その結果、トータルコストが最高額の提案を上回るケースも少なくありません。だからこそ、「成功への道筋を具体的に示せるか」「地道な現状分析に踏み込めるか」を基準に選ぶことで、投資対効果の高い刷新を実現できます。

導入後のサポート体制・SLAの契約前確認

稼働後のトラブルを避けるには、サポート条件を契約前に具体化しておく必要があります。

  • 契約項目:SLA・受付時間・復旧目標・保守範囲を、文書にまとめます。
  • 運用体制:監視、エスカレーション、どこまでを誰が受け持つかを比べます。

システムは導入後も運用が続くため、稼働後のサポート体制によって業務の継続性が変わります。契約前には、SLA(Service Level Agreement)の水準を確かめておく必要があります。

加えて、追加改修時の単価も、文書にしておく必要があります。曖昧なままでは、運用フェーズでトラブルの温床になりかねません。

みずほ銀行のATM障害に象徴されるように、稼働後の運用品質は企業ブランドそのものに直結します。

24時間365日の監視体制、障害時のエスカレーションフロー、どこまでを誰が受け持つかの明確化は、開発コンペの段階で比較項目に入れるべき論点です。運用設計を早い段階で詰められるベンダーほど、長く付き合える信頼できるパートナーになります。

RFPの綿密な作成と最低3社の比較

各社を同じ条件で比べるには、RFPに目的から予算までの前提を書いておくことが欠かせません。

  • RFP項目:目的や課題、要件に加え、範囲・評価基準・納期・予算を明記します。
  • 比較社数:同じ条件で最低3社を比べ、相場と姿勢を見ます。

RFPの精度は、ベンダー選定の質を左右します。上の項目をそろえて書けているほど、各社の提案を同じ条件で比べられます。

RFPが曖昧だと、ベンダーごとに前提の異なる見積もりが出てくるため、正しく比べられなくなります。

比較候補を1社だけにすると相場観を持てず、2社では単純な二択の判断に流されやすくなります。3社以上の提案を横並びで比べることで、各社の「踏み込みの深さ」「リスクへの向き合い方」「コミュニケーションの姿勢」が浮き彫りになります。

RFPの作成に自信がない場合は、コンサルやPMO支援会社にレビューを依頼する方法も有効です。

ポイント

5つの鉄則は、実績・リファレンス・成功への道筋・サポート条件・RFPの各面から、契約前に比べるための目安です。金額だけで決めず、同じ条件で3社以上を比べることが大切です。

まとめ

まとめ

ここまで、システム刷新におすすめの開発会社6社と、ベンダー選定の5つの鉄則を比べてきました。株式会社riplaは一気通貫、TISはマイグレーション自動化が強みです。FPTジャパンはオフショア力、ソフトロードはAI変換に特徴があります。

オービックは高収益とパッケージ力、日本IBMはグローバル大規模案件に強みがあります。各社の特徴を踏まえて、自社の刷新目的に合う候補を見極めることが大切です。

5つの鉄則は、①同業種・同規模の導入実績、②リファレンスチェック、③成功への道筋で選ぶことです。④SLA・サポート体制の事前確認、⑤RFPの綿密な作成と最低3社の比較も含みます。

リファレンスチェックとキングジムの逆転選定事例は、実務で重視したい視点です。最高額でも成功への道筋を示せるベンダーを選ぶ発想が、選定の核心になります。

スルガ銀行95億円事件のような失敗を防ぐために、ここで挙げた視点を活用してください。

関連記事も、あわせて読むと理解が深まります。

・システム刷新の進め方|成功する手順と失敗回避のポイント
・システム刷新の費用相場|規模別コストと予算設計のコツ
・システム刷新の発注方法|外注先選定とRFP作成の実務

▼全体ガイドの記事
・システム刷新の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。