TMSのリニューアルのパッケージ/クラウド製品一覧

TMSのリニューアルは、既存パッケージのUI更新、クラウド製品への乗り換え、UI層の独自開発に分けて考えられます。この分類を踏まえると、現場の操作体験を改善する方向を選べます。乗り換え候補となる主要5製品も、この記事で一覧にしています。

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TMSのリニューアルにおける製品選択肢の違い

TMSのリニューアルには、既存ベンダーの画面更新、他社クラウドへの乗り換え、UI層の独自開発という三つの選択肢があります。

改善できる範囲は選択肢ごとに異なるため、比べる前に違いを押さえておくと判断しやすくなります。

この記事では、クラウド製品への乗り換え候補を中心に紹介します。

比較範囲を絞るには、ドライバーや配車担当者、荷主の不満が集中する画面を先に言語化しておく必要があります。

既存パッケージのUIオプション更新

現在のTMSベンダーが新しい画面テンプレートやモバイルアプリのオプションを提供していれば、まず対応範囲を確かめます。データ移行がないため着手しやすい一方で、改善できる画面や導線は製品仕様に左右されます。

改善したい画面が対象に含まれているかは、ベンダーに個別に確かめる必要があります。

ベンダーから具体案が出ない場合は、他の選択肢との比較を早めに始めると、検討期間を短縮できます。

クラウド型サービスへの乗り換え

既存TMSのUI改善に限界がある場合は、動態管理や配車計画、車両管理・運行管理に特化したクラウド製品も候補になります。多くの製品はスマートフォン操作を前提にしているため、ドライバー向けの体験を短期間で改善できる可能性があります。

既存の配車ロジックや連携先システムとの整合性は、製品ごとに個別に検証する必要があります。また、配車実績や評価データをどこまで引き継げるかも、導入の初期に確認しておきます。

ポイント

既存パッケージのUI更新とクラウド製品への乗り換えのどちらが合うかは、改善したい画面の範囲と、データ移行や製品仕様による制約を照らして判断します。

製品を比較するときの共通軸

ドライバー向けUIの比較項目として、画面遷移、手袋での操作、オフライン時の挙動、通知を並べた図。
端末を使う場面ごとに試す観点を整理できます。

自社の現場に合うかを判断するには、候補を同じ条件で比べる必要があります。そのため、ドライバー向けUI・操作性と、配車ダッシュボードおよび外部連携の二つの軸で確かめます。

ドライバー向けUI・操作性の軸

ドライバーが日々使う画面は、手袋をしたままでも、通信が途切れる場面でも使えるかで評価が変わります。そのため、端末に実際に触れて、操作の負担を項目ごとに見ます。

  • 画面遷移:スマートフォンで移動が少なく操作できるか
  • 手袋での操作:着用したまま使いやすいか
  • オフライン時の挙動:通信できない場合にどう動くか
  • 通知:内容が分かりやすいか

「直感的」という製品の説明は、デモで実機に触れて見極めます。特に、機器に不慣れな人と使い慣れた人の双方に試してもらうと、平均評価では見えにくいつまずきを把握できます。

配車ダッシュボードと外部連携の軸

配車担当者が使う画面と、外部システムとの連携は、製品ごとに同じ条件で比べます。

  • 動態の表示:リアルタイム表示とワーニング表示を配車画面で確認する
  • 受発注・会計システム:連携を比べる対象に含める
  • API・CSV:対応範囲と、実際の項目名・同期タイミングを提供元に聞く

「連携対応」と書かれていても、手動出力か自動同期かは読み取れません。

評価手順や進め方はTMSのリニューアルの選定ポイントで整理しています。

ポイント

候補を同じ条件で比べられるよう、ドライバー向けUI・操作性と、配車ダッシュボードおよび外部連携の二つの軸を揃えて見るのが目安です。

TMSのリニューアルで候補になる主要クラウド製品5選

紹介するのは、2026年7月時点で現行の公式ページを確認できた5製品です。掲載順はランキングではありません。

配車計画、動態管理、ドライバーの運行体験や安全管理など、製品ごとに得意とする領域は異なります。

自社の最優先課題と照らして、各製品を見てください。

Loogia(ロージア)

LoogiaはOPTIMIND Inc.が提供するクラウド型のAI配車計画サービスです。「Loogia配車作成」による自動配車と、「Loogia動態管理」によるリアルタイム管理を軸にしています。

コンサルティングメニューも提供しています。

2026年7月時点の公式サイトには、日本郵便、敷島製パン、ユアサ商事などの事例が掲載されています。

Loogiaは、自社の配車業務のどの部分を改善したいかで評価が分かれる製品です。

  • 配車計画:経験への依存を見直したい企業に向きます
  • UI刷新:AI自動配車とあわせて検討できます
  • デモ:実際の配車パターンを使い、人手による修正のしやすさを確かめます

料金は公式サイトに具体的な記載がないため、資料請求や問い合わせで確かめることになります。

MOVO Fleet(Hacobu)

MOVO Fleetは、株式会社Hacobuが提供するクラウド・SaaS型の動態管理・配車管理サービスです。2026年7月時点でも機能追加が継続して発表されており、直近では納品先の情報を見える化する「配送先カルテ機能」が加わっています。

MOVO Fleetを検討する際は、業務への取り入れ方も整理しておきます。

  • 段階的な拡張:配車業務の見える化から始められます
  • 機能更新:リリースノートで利用範囲に関わる変更を確認します

料金は公式サイトに具体的な記載がなく、個別見積もりで確かめる形になります。

ハコベル 配車管理システム・トラックマネージャー

ハコベル株式会社は、配車業務と運送業務を支援する次の2製品を提供しています。

  • 配車管理システム:配車業務の属人化解消を掲げています
  • トラックマネージャー:運送業務全般を支援します

バース予約サービス「トラック簿」も提供しています。

公式サイトでは利用ドライバーが28万人以上とされており、荷待ち・荷役の場内滞留への対策や、配車業務の見直しを考える企業にとって候補になります。

同種の機能を持っていたAzoop社の「トラッカーズマネージャー」は、ハコベルに事業承継されました。そのため、比較するときは現在の提供元を確かめます。

配車計画と周辺業務のどちらを優先するかによって、確認すべき製品が変わります。料金は公式サイトに記載がないため、問い合わせが必要です。

SmartDrive Fleet

SmartDrive Fleetは、株式会社スマートドライブが提供するクラウド型の車両管理サービスです。公式サイトでは、業務効率化、安全管理、コスト削減、法令遵守への対応を掲げています。さらに、2026年7月時点では、導入企業数2,400社以上、導入事業所数7,000拠点以上とされています。

配車計画よりも、営業車や送迎車を含む幅広い業務車両の運行状況を改善したい企業にとって候補になります。車両を使う組織全般を対象にしているため汎用性が高い一方で、輸配送特有の配車ロジックとの適合性は、個別に確かめる必要があります。

料金は公式サイトに具体的な記載がないため、問い合わせで確かめることになります。

Cariot(キャリオット)

Cariotは株式会社Cariotが提供するクラウド型の運行管理サービスです。公式サイトでは、「ドライバー働き方改革クラウド」と表現されています。

運転日報を自動で作成でき、スマートフォンに対応したアルコールチェックも行えます。さらに、デジタル車両管理台帳と車両管理AIエージェントを備えています。

Cariotには、利用条件や重視点に応じて選べるパッケージがあります。

  • Cariot Mobile:複数人で車両1台を使う場合向けです
  • Cariot GPS Logger:ドライバーに操作させない前提です
  • Cariot Drive Recorder:安全運転を重視します

日報やアルコールチェックなど、乗務前後の記録業務の負担を減らしたい企業にとって候補になります。料金は、パッケージ名こそ公開されていますが、金額は問い合わせが必要です。

自社の課題別に候補を絞る方法

自社の課題を中心に、配車業務の属人化、自動配車、動態管理、運行体験・安全管理を周囲に配置した図。
優先する課題に応じて、デモで見る領域が変わります。

5製品を一度に細かく比べるより、最も大きな課題を決めてから、必須要件で候補を絞るほうが効率的です。配車業務の属人化と、ドライバーの運行体験・安全管理とでは、適する製品の系統が異なります。

配車業務の属人化・最適化を重視する場合

経験や勘に頼った配車計画を見直すなら、自動配車や動態管理を軸に候補を選びます。

  • Loogia:AIによる自動配車の検討
  • MOVO Fleet:動態管理の検討
  • ハコベル配車管理システム:配車業務の属人化解消を掲げる製品

実際の配車パターンや、急な欠便・緊急配車の割り込みを使ってデモをすると、自動計画の精度と修正のしやすさを確かめられます。

ドライバーの運行体験・安全管理を重視する場合

日報作成や点呼対応の負担、安全運転管理を優先するなら、運行管理や車両管理に強い製品を検討します。

  • SmartDrive Fleet:幅広い業務車両の運行状況と安全管理を重視する
  • Cariot:日報やアルコールチェックなどの周辺業務を改善する

配車計画そのものより、ドライバー一人ひとりの日々の操作体験を高めたい場合に適しています。

ポイント

最も大きな課題を一つ決め、その課題に合う系統の製品から候補を絞るのが目安です。配車業務の属人化か、ドライバーの運行体験・安全管理かで、見るべき製品が変わります。

料金・契約前の確認事項

紹介した5製品は、公式サイトに具体的な料金額がありませんでした。公開価格が分からないまま比べると、車両台数や連携範囲によって、想定外の費用が生じる場合があります。

見積もりを依頼する前に確認する条件をそろえておくと、候補を比べやすくなります。

料金が非公開であることへの対応

料金体系は一般的に、車両台数や拠点数によって変わります。加えて、利用機能や連携先の数も影響します。

現在と1年後・3年後の想定台数を提供元に伝え、同じ条件で見積もってもらいます。対象は、初期費用や月額費用に加えて、API利用料と導入支援費用です。

公式サイトに金額がないため、具体的な額を推測して比較表に入れることは避けます。

データ連携・契約条件の確認

既存TMSや基幹システムと連携する場合は、API・CSVの対応範囲、同期時期、障害時の復旧方法を確かめます。

位置情報やドライバーの個人情報を扱うため、権限管理とデータ保管場所を確かめます。

契約終了時のデータ返却や削除の条件も、あわせて確認しておきます。

ポイント

料金が非公開である前提で、想定台数をそろえて見積もりを取り、API利用料を含む条件を同じにして比べるのが目安です。データ連携や契約終了時の条件も、比較の対象に入れます。

デモとPoCによる製品の絞り込み

配車登録から配送完了報告までの流れに、急な欠便と緊急配車の例外確認を添えた図。
通常時と割り込み時の操作を一続きで確認できます。

資料で2〜3製品まで絞ったら、実際の車両や案件を使って、デモまたはPoCを行います。

担当者だけでなく、実際に操作するドライバーや配車担当者も参加すると、導入後の行き違いを減らせます。

実際の車両・案件での一通りの検証

配車登録から配送完了報告まで、実在に近い一つの案件を通して確かめます。通常の処理と、急な欠便や緊急配車の割り込みの両方を試します。さらに、招待から日々の操作まで説明を受けなくても進められるかを、ドライバー端末で確認します。

試した結果から、必要なマニュアルや問い合わせ窓口の準備が見えてきます。

導入効果の実測と稟議での活用

PoCの前に、配車時間、修正回数、ドライバーからの問い合わせ件数を記録しておき、実施後と比べます。公開事例の数字をそのまま使わず、自社の件数と人件費をもとに削減見込みを算出します。そうすると、経営層への説明材料になります。

ポイント

資料で2〜3製品に絞ったら、実際の車両や案件で例外処理まで試し、事前に記録した配車時間や修正回数と比べるのが目安です。

TMSのリニューアル製品比較の要点

知名度や導入実績だけでなく、自社の課題と利用規模を同じ条件で比べます。また、選定の場で判断が分かれやすい点も、あわせて確かめておくとよいでしょう。

既存パッケージのままUIだけを改善する可否

ベンダーによっては、新しい画面テンプレートやアプリのオプションを用意しています。まず現行ベンダーに相談し、対応範囲が課題を解決できるかを確かめます。そのうえで、他製品への乗り換えやフルスクラッチ開発と比べます。

おすすめの1製品の有無

全企業に共通して1位となる製品はありません。属人化解消と、ドライバーの運行体験・安全管理のどちらを重視するかで、適した製品が変わります。

必須要件で2〜3製品に絞り、同じシナリオのデモまたはPoCで比べてください。

クラウド製品で足りない場合の対応

クラウド製品は標準機能を前提としているため、自社独自の配車ルールや荷主ごとの個別要件を、完全には扱えない場合があります。

既存の配車ロジックを残してUI層を独自開発するヘッドレス構成や、全面的なフルスクラッチ開発も、比較の対象になります。

まとめ

TMSの選択肢は、既存パッケージのUI更新、クラウドへの乗り換え、UI層の独自開発に大きく分かれます。紹介した5製品も、配車計画、動態管理、運行体験・安全管理の得意分野が異なります。

機能数や導入実績だけでなく、改善したい操作を一貫して処理できるかを確かめます。そのうえで、ドライバーや配車担当者を含む関係者が例外処理まで試し、削減時間と残る運用工数を測ってから決めてください。

クラウド製品では、独自の配車ルールや荷主ごとの要件を扱えない場合があります。その場合、riplaはフルスクラッチ開発の立場から、既存TMSとの連携を保つ部分刷新や、業務要件に合わせた構築を支援します。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。