TMS更改は、機能の多さより、物流業務と周辺システムを理解したパートナーを選べるかで成否が決まります。
連携や定着まで設計できるかを基準に、6社の特徴と得意領域を比べます。連携費用や運用支援まで含めて見ると、自社に合う発注先を絞り込めます。
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TMS更改のパートナー選びが成否を分ける理由

TMS更改は、単なるシステムの入れ替えではありません。配車計画や動態管理、運賃計算といった物流の根幹業務と、WMSやERPとの連携を、止めずに新しい基盤へ載せ替える難易度の高いプロジェクトです。そのため、パートナーの力量によって、コストも稼働後の現場満足度も大きく変わります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
TMS更改で最も失敗が起きやすいのは、他システムとの連携を後回しにしてしまうケースです。本体機能だけで発注先を選ぶと、WMSや古い基幹システムとフォーマットが合わず、連携開発が泥沼化して追加費用が膨らむことも珍しくありません。たとえば、本体が500万円でも周辺連携に1,000万円かかるといった逆転現象も起こり得ます。
こうした事態を防げるかは、物流業務の勘所を理解し、連携やデータ移行まで含めて全体を設計できるパートナーかどうかにかかっています。配車は属人性の高い業務のため、その業務を理解しないまま標準パッケージを当てはめると、現場の反発を招いて定着に失敗します。だからこそ、技術力と物流業務知識の両方を備えた会社を選ぶことが、プロジェクト全体の成否を左右します。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、見積書の表面的な金額だけでなく、連携費用・カスタマイズ費用・運用費用まで含めた総保有コスト(TCO)で比べることが欠かせません。たとえば、デジタル地図基盤のライセンス費や、AIによるルート最適化モデルの再学習工数も発生します。さらに、並行運用期間の入力サポート要員の人件費も、初期見積もりに現れにくいコストです。
こうした費用を最初に洗い出してくれる会社かどうかが、信頼できるパートナーの分かれ目です。また、土日や夜間に障害が起きた際の緊急サポート体制も、必ず確認しておきます。稼働初日の連携障害で配車が止まれば、大規模な配送遅延に直結するためです。
発注側は、オンコール対応の有無やエスカレーションルート、3〜5年後の自動運転・共同配送への拡張余地まで質問し、回答が具体的な会社を選びます。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援の両面に強みがあります。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの最大の特徴は、要件が固まりきっていない段階から相談に乗り、業務課題の整理から伴走できる点です。TMS更改では、「何を標準パッケージに合わせ、何を自社固有の運用として残すか」の見極めが費用を大きく左右します。riplaは、この取捨選択を業務の視点で支援します。
1拠点・数台から小さく始め、効果を確認しながら段階的に広げるスモールスタートを得意としています。そのため、いきなり数千万円規模の全社導入に踏み切るリスクを抑えたい企業にとって、現実的な選択肢になります。
また、自社開発のテンプレートとAIを活用した開発手法により、低コストかつ短期間でのシステム構築を実現します。さらに、フルスクラッチの柔軟性とパッケージのスピードを両立させる発想で、独自の運賃ルールや帳票フォーマットにも無理なく対応できる点が評価されています。
得意領域・実績
riplaは、受発注管理・在庫管理・配送管理など、物流に関わる業務システムの開発に幅広く対応しています。配車・運行・コスト集計といった輸配送業務も、WMSや基幹システムとの連携を視野に入れながら設計できる点が強みです。
連携を後回しにせず最初から全体像を描くため、稼働後に「二重入力が残って効率化されない」といった失敗を避けられます。また、システムを納品して終わりにせず、現場への定着支援まで踏み込む姿勢も特徴です。
さらに、配車マンやドライバーが抱く「監視されるだけではないか」「仕事を奪われるのでは」という不安に配慮し、操作教育や小さな成功体験の設計までサポートします。そのため、コンサルから開発、定着までを一社で任せたい企業に適したパートナーといえます。
ロジスティードソリューションズ株式会社|大規模物流の知見を持つTMSシリーズ
ロジスティードソリューションズ株式会社は、総合物流企業ロジスティード(旧日立物流)グループのIT企業です。自社グループで培った大規模物流の現場ノウハウを、そのままシステムに反映できる点が、他のITベンダーにはない強みになっています。さらに、配送計画や動態管理、運行実績管理から運賃計算・支払請求まで対応する「輸配送管理システム(TMS)シリーズ」を提供しています。
特徴と強み
地図やチャートで配車マンの判断を支援します。車両削減や積載率・実車率の向上を通じて、輸送コストとCO2排出量を削減できます。さらに、配車という属人的な業務にも寄り添います。
ベテランの経験を否定せず、システムが補助役として機能する点が、受け入れられやすさにつながります。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応し、法改正への追従を重視する企業にも適しています。
また、輸送デジタルプラットフォーム「SSCV」も展開しています。荷主と輸送事業者をつなぐ「SSCV-Smart」では、輸送案件の獲得から配車までを管理できます。さらに、運行指示書の発行と請求にも対応します。
得意領域・実績
TMSシリーズに加えて、車両の基本情報管理から経費管理、エコ管理までをカバーする車両管理システムも用意されています。輸配送に関わる業務を幅広く一気通貫で支える体制です。
安全運行を目指す「SSCV-Safety」も展開しています。「SSCV-Vehicle」は整備を効率化します。これらを組み合わせると、配車だけでなく安全・車両管理まで含めたDXを実現できます。
大手物流グループとしての実績を背景に、複数拠点・大量車両を抱える運送会社や荷主企業の大規模案件に強みを発揮します。一方で、現場規模が大きいほど効果を発揮する設計のため、自社の拠点数や車両台数に見合った導入範囲を慎重に見極めることが、費用対効果を高めるうえでの鍵になります。
NECソリューションイノベータ|ULTRAFIXで配送計画を自動化
NECソリューションイノベータは、NECグループのシステムインテグレーターで、輸配送管理システム「ULTRAFIX」を提供しています。大手SIならではの開発力と品質管理体制を備え、配送計画の自動計算や運行スケジュール管理、積載状況の確認といった機能を一通りカバーしています。そのため、基幹システムとの大規模連携を伴う更改案件でも、安心感のある選択肢になります。
特徴と強み
ULTRAFIXは、配車計画・配送計画の自動計算によって、属人化しがちな配車業務の標準化を後押しします。複雑な条件を考慮した計画立案を支援するため、特定のベテランに依存していた配車を組織全体で再現できる状態に近づけられます。
2024年問題で問われる拘束時間管理や運行スケジュールの可視化にも対応しやすい構成です。また、NECグループの一員として、セキュリティや可用性に対する要求水準が高い案件にも応えられる点は大きな強みです。さらに、金融や公共領域で培われた品質基準が物流システムにも反映されており、止められない基幹業務を支えるTMSとして信頼性を重視する企業に向いています。
得意領域・実績
ULTRAFIXは製造業や卸売業をはじめ、幅広い業種で導入されています。配送計画・動態管理・積付計画を組み合わせて、各社に合わせた構成を取れます。また、豊富な導入経験をもとに、現実的な提案を受けやすい点も利点です。
大手SIならではの体系立てたプロジェクト管理が期待できます。一方で、規模相応の費用感になりやすいため、発注側は予算と品質水準のバランスを検討します。長期安定稼働と堅牢性を最優先する企業に適しています。
BIPROGY株式会社|業務の平準化を実現する総合ITベンダー
BIPROGY株式会社は、旧日本ユニシスとして長年にわたり基幹系システムを手がけてきた総合ITベンダーです。輸配送業務を効率化するTMSを提供しており、配車・配送計画や進捗管理、積付から、運賃計算や請求書発行までを対象にします。さらに、基幹システム全般に精通しているため、TMS単体だけでなく、会計や販売管理との連携も含めて全体をどう組むかを相談しやすい点が魅力です。
特徴と強み
BIPROGYのTMSは、人手不足を背景に「初心者でも同じように業務を実行でき、業務の平準化ができる」ことを重視しています。配車や運賃計算を仕組みで標準化します。そのため、ベテランの退職リスクや採用難に備えられる点が、運送会社にとって価値になります。
請求書発行や運賃計算まで一気通貫でカバーするため、配車後の事務処理における請求漏れや計算ミスの削減にもつながります。特に、距離や時間に加え、割増や逓減制など多階層の運賃ルールが絡む物流業務では、計算の自動化が実務効率に直結します。
得意領域・実績
長年の基幹システム構築で培った業種横断のノウハウを背景に、製造・流通・サービスなど幅広い業界で実績を積み重ねてきました。大規模なシステム統合やデータ連携を得意としており、複数の既存システムが乱立する環境を整理しながらTMSを刷新したい企業に適しています。
総合ITベンダーとして上流のコンサルティングから運用保守まで対応できるため、長期的なパートナーシップを前提とした更改案件で力を発揮します。一方で、大規模案件向けの体制であることから、小規模で素早く始めたいニーズには、導入範囲を絞る工夫が求められます。
セイノー情報サービス|物流改善ノウハウと業務設計に強み
セイノー情報サービスは、西濃運輸を擁するセイノーグループのIT企業で、物流現場を知り尽くした立場からTMSを提供しています。クラウド型の輸配送管理システム「CLOUD ASPITS」などを展開し、配車管理と配送進捗管理を中心に、計画立案からマネジメント、問い合わせ対応までを支援します。さらに、物流事業者ならではの実務感覚に裏打ちされた提案が受けられる点が特徴です。
特徴と強み
セイノー情報サービスは「システムと人が融合した業務変革」を掲げており、ツールの導入だけでなく業務設計の見直しから踏み込む点が大きな強みです。長年の物流改善ノウハウをもとに、効率化と標準化、属人性からの脱却をセットで提案します。そのため、単なるシステム置き換えに終わらない成果を狙えます。
トラック不足や配車業務の属人化、輸送品質の向上といった現場課題に正面から向き合う姿勢があります。さらに、CLOUD ASPITSでは、ドライバーの操作を必要とせず、スマートデバイスや携帯電話を車両に置くだけで位置情報の送信と配送の自動判定が行えます。配線工事が不要なため、動態管理を手軽に始めたい運送会社にとって、導入のハードルが低い選択肢になります。
得意領域・実績
セイノーグループとして実際の輸配送現場でシステムを使い込んできた蓄積があり、その知見が製品とコンサルティングの両面に反映されています。また、WMSやLMSなど物流に関わる周辺ソリューションも幅広く取りそろえているため、倉庫から輸配送までを一体で見直したい企業に適しています。
業務設計から伴走するスタイルは、現状の業務がExcelや紙でばらばらに管理され、何から手をつけるべきか定まっていない企業ほど価値を感じやすいといえます。ツールではなく課題から進めたい場合に、頼りになるパートナーです。
株式会社Hacobu|企業間をつなぐクラウド物流プラットフォーム
株式会社Hacobuは、クラウド型物流ソリューション「MOVO(ムーボ)」を展開する物流DX企業です。配車受発注・管理の「MOVO Vista」を提供しています。
動態管理の「MOVO Fleet」もあります。トラック予約受付の「MOVO Berth」もそろえ、導入企業は1,000社を超えています。さらに、企業の垣根を越えてデータをつなぐ点が特徴です。
特徴と強み
MOVO Vistaは、配送案件の受領から配車表の作成までをワンストップで実現し、属人化しがちな配車業務の標準化と業務時間の短縮を支援します。また、近年はAIによる配車支援機能も提供を開始しており、川崎重工業の現場で実証・活用されるなど、先進的な取り組みが進んでいます。
動態管理のMOVO Fleetは、協力会社の車両も含めて位置情報を一元管理でき、稼働の可視化と労働時間の法令遵守、データ活用によるコスト改善を後押しします。三菱食品が3,500台規模で導入し、エリア最適な配車や積載率向上、CO2排出量の削減を実現した事例もあり、大規模荷主にも対応できる実力を備えています。荷主企業の物流効率化法対応や、運送会社との連携強化を進めたい企業に向いています。
得意領域・実績
トラック予約受付のMOVO Berthは業界トップクラスのシェアを誇り、ドライバーIDの累計発行数は80万を超えています。また、荷待ち時間の削減は2024年問題への有効な打ち手です。バース予約と配車・動態管理を組み合わせることで、輸送の上流から下流までを通して効率化を図れます。
さらに、三菱ふそうトラック・バスと車両データの連携を開始するなど、メーカーとの協業も積極的に進めています。クラウドサービスとして法改正や新技術への追従が早いため、自社で重厚なシステムを抱え込まず、共同配送や標準化といった将来の拡張も見据えたい企業に適した選択肢です。
TMS更改のパートナー選びで失敗しないポイント

6社の特徴を踏まえたうえで最終的にどの会社を選ぶかは、自社の課題に照らして評価の基準を立てられるかにかかっています。
候補を比べるときは、会社の知名度だけでなく、次の3点を同じ条件で確認します。
- 実績:自社に近い業態・規模の導入経験
- 技術力:既存システムとの連携方法と将来の拡張性
- 管理体制:現場定着と稼働後の支援範囲
実績と経験の確認方法
実績を確認する際は、導入社数や知名度だけでなく、自社と業態や規模が近い事例があるかを重視します。同じTMSでも、貸切中心の運送会社と多頻度小口の荷主では求められる機能が大きく異なるためです。
可能であれば、自社の運賃ルールや拠点数に近い企業での導入実績を具体的に聞き、どこでつまずき、どう解決したかまで確認すると、提案の現実味を判断できます。あわせて、稼働後の保守・サポート実績も見逃せません。
土日や夜間に配車が止まった際の対応スピードや、エスカレーションの仕組みが整っているかは、実際の利用企業の声から推し量れます。導入時の華やかさより、運用フェーズで支え続けてくれるかを見極めることが大切です。
技術力と専門性の評価
技術力の評価では、WMSや古い基幹システムとの連携をどこまで実現できるかが核心になります。そのため、API連携やETLによるデータ連携の経験が豊富で、フォーマット不一致を解消してきた実績があるかを確認しましょう。
連携を後回しにする会社は、稼働後に二重入力が残り、現場の効率化が進まないリスクを抱えています。さらに、専門性という点では、2024年問題に対応した拘束時間の事前警告や、割増・逓減制を含む複雑な運賃計算の自動化に対応できるかも判断材料になります。
提案する会社が、自動運転やドローン配送、共同配送プラットフォームといった3〜5年後の拡張に向けたアーキテクチャを語れるかどうかで、長く使えるシステムかが見えてきます。
プロジェクト管理体制の確認
TMS更改は現場を巻き込んだプロジェクトになります。そのため、情シスだけでなく、配車担当やドライバーと協働できる進め方を提案してくれるかを確かめます。
一括導入のビッグバン方式はリスクが高いため、1拠点から始めて段階的に広げるスモールスタートのほうが、現場の混乱を抑えながら成功体験を積み上げられます。また、要件が固まる前から相談に乗り、リリース後も継続的に拡張してくれるパートナーシップ型の会社が理想的です。
さらに、配車マンやドライバーが抱く「監視されるだけ」「仕事を奪われる」といった不安に向き合い、定着支援まで設計できるかも見ておきたい点です。どれほど高機能でも、現場が使わなければ高額なお蔵入りシステムになってしまいます。そのため、導入後の教育やUI・UXへの配慮まで提案に含まれているかを確認すると、投資を無駄にせずに済みます。
まとめ
紹介した6社は、それぞれ得意領域が異なります。そのため、自社の課題と規模に合う会社を選ぶことが出発点になります。riplaは相談から定着までを支援し、ロジスティードソリューションズは大規模物流に強みがあります。
NECソリューションイノベータは配送計画を自動化し、BIPROGYは業務を平準化します。セイノー情報サービスは物流改善を支援し、Hacobuは企業間のデータ連携に強みがあります。
選ぶ際は、本体価格だけでなく連携・カスタマイズ・運用まで含めたTCOで比べ、緊急時のサポート体制や将来の拡張性も確かめておきます。また、配車マンやドライバーが安心して使い続けられる定着支援まで見据えることが、お蔵入りを防ぐ鍵になります。まずは複数社から提案を受け、スモールスタートで小さく試しながら、自社に最適なパートナーを見極めていきましょう。
▼全体ガイドの記事
・TMS更改の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
