入出庫管理システムのリニューアルのパッケージ/クラウド製品一覧

入出庫管理システムのリニューアルでは、まずパッケージ型とクラウド型のどちらが自社に合うかを見極めます。そのうえで、対応範囲や料金・契約条件を製品ごとに比べ、デモやPoCで実際の入出庫の流れを試すと、候補を絞り込めます。各テーマの詳しい内容は、関連記事もあわせてご覧ください。

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パッケージ型とクラウド型の違い

パッケージ型を中央に置き、自社サーバー、閉域網、保守、バックアップを注釈で示した図。
自社で担う作業の範囲を確認できます。

導入形態によって、ハンディターミナルとの連携や承認ワークフローの拡張性も変わります。まず、パッケージ型とクラウド型の基本的な違いを見ておきます。

パッケージ型は自社運用と独自要件への対応が論点

従来型のパッケージは、ソフトウェアを自社のサーバーやPCに導入して使う形態が一般的です。そのため、閉域網や自社固有のセキュリティ基準に合わせやすい可能性があります。

一方で、サーバーや端末の保守、バックアップ、バージョンアップは自社で担う範囲が大きくなります。ハンディターミナルとの連携方法や承認ワークフローの拡張余地も、導入前に確かめる必要があります。

クラウド型の強みは短期導入とハンディ・スマホ対応の速さ

クラウド型は、サーバーを調達しなくても利用を始めやすいのが特徴です。また、ベンダーによる機能更新を受けられるため、ハンディターミナルやスマートフォンでのバーコードスキャン対応、画面サイズに応じて表示を変えるUI(レスポンシブ)への対応も速い傾向があります。

ただし、理由コードや承認階層を標準機能でどこまで表現できるかは、製品ごとに異なります。そのため、自社の要件に合うかは個別に確かめる必要があります。

ポイント

自社で保守やバックアップを担えるか、閉域網や自社固有のセキュリティ基準が必要かを先に確かめると、パッケージ型とクラウド型のどちらから比べるかを決めやすくなります。

製品を比較するときの共通の観点

製品比較で確認する検収・申請・承認、理由コード、現場入力、権限管理・操作ログの4項目を並べた図。
機能名をそろえると、製品ごとの対応範囲を見比べやすくなります。

製品紹介ページの機能一覧からは、自社の業務フローに合うかを判断しきれません。そこで、入庫検収から出庫承認までの流れを基準に、画面範囲、現場操作、連携、セキュリティを共通の質問として各製品に当てはめます。

検収・申請・承認のカバー範囲の比較

自社の入庫検収から出庫承認までの流れに照らして、製品が標準機能で扱える業務を見ていきます。

  • 検収・申請・承認:入庫検収、出庫申請、出庫承認を標準機能で扱えるか
  • 理由コード:理由コードを選べる仕組みが標準機能にあるか
  • 現場入力:ハンディターミナルやバーコードスキャンでの入力に対応しているか

同じ「承認機能あり」でも、中身は製品によって違います。たとえば、金額や数量に応じて承認階層を柔軟に設定できる製品もあれば、単純な一段階承認しか用意されていない製品もあります。

ハンディ・スマホ対応と外部連携、セキュリティの確認

ハンディターミナルやスマートフォンは現場で実際に操作する画面なので、確定ボタンの押しやすさや、読み取りエラー時の表示までデモで見ておきます。

会計・基幹システム、EC・モールとの連携について、APIまたはCSVに対応しているかを比べます。あわせて、権限管理や操作ログ、契約終了時のデータ出力条件も押さえておきます。

評価の手順をさらに詳しく知りたい場合は、入出庫管理システムのリニューアルの選定ポイントも参考になります。

ポイント

判断の目安は、入庫検収から出庫承認までの業務を同じ条件で各製品に当てはめられるかどうかです。機能名が似ていても、承認の段階数や現場での操作が製品によって違うことがあります。

入出庫管理システムのリニューアルで検討したい主要クラウド製品7選

取り上げるのは、2026年7月時点で現行の公式ページと対象業務を確認できた7製品です。

掲載順は優劣を示すランキングではありません。得意な画面や料金体系は製品ごとに異なるため、自社の課題と合わせて比べる必要があります。

zaico(クラウド在庫管理システム)

zaicoは、2026年7月時点で公式サイトに現行提供が確認できる、コードスキャン対応のクラウド型在庫管理サービスです。

  • プラン:スターター、ベーシック、プロフェッショナルの3種類
  • 納品書読み取り:ベーシック以上は手書き・PDFをAIで読み取り
  • 外部連携:プロフェッショナルのみ対応
  • 承認機能:公式情報では確認できないため、承認階層はデモで確かめる

2026年7月時点の公式サイトでは、料金が次のとおり掲載されています。スターターは月額8,980円(税込9,878円)、ベーシックは月額49,800円(税込54,780円)、プロフェッショナルは月額150,000円〜(税込165,000円〜)です。契約前には、最新の料金を公式サイトで確かめてください。

ロジクラ(倉庫・在庫管理クラウドサービス)

ロジクラは現行稼働中のクラウド型倉庫・在庫管理サービスで、プランによって使える機能が分かれています。

  • 基本機能:商品マスタ登録、入荷・出庫管理、在庫棚卸
  • Premium:ロット・ロケーション管理、拠点間入出荷
  • 連携実績:Shopify、STORES、CROSSMALL、ネクストエンジン、スマレジ
  • 要確認:承認ワークフローとハンディ対応はデモで確認

2026年7月時点の公式サイトには、Liteプランが年契約12,800円/月(月契約14,800円/月)、Premiumプランが年契約40,000円/月(月契約49,000円/月)と掲載されています。

OMS・POS連携には月額10,000円が追加でかかり、Enterpriseは要問い合わせです。

クラウドトーマス(株式会社関通)

クラウドトーマスは、関通が自社の現場ノウハウをもとに開発・提供するクラウド型WMSです。2026年7月時点でも現行稼働を確認できます。提供元の関通は、東証グロース上場企業です。

  • 物流拠点:関東・関西に20拠点、総面積約10万坪を運営
  • 対応機能:入出庫、在庫管理、棚卸、スマートフォン・アプリ操作
  • ハンディ:ターミナル対応はオプション
  • 導入支援:物流現場での使用実績をもとに改善を提案し、2026年2月の農機具メーカー事例では残業時間の削減を報告

公式ページに具体的な料金は載っていないため、無料の導入相談や資料請求を通じて個別に確認する形になります。

ロジザードZERO(ロジザード株式会社)

ロジザードZEROは、25年間のノウハウを蓄積したロジザード株式会社が提供するクラウド型WMSです。公式サイトの更新も続いており、2026年7月時点で現行稼働を確認できます。

  • 標準業務:入荷・出荷・保管・棚卸
  • 端末機能:バージョンアップでハンディのピッキング仕分けとフロア別ピッキングを追加し、端末で入出庫実績を記録できる
  • セキュリティ:SOC2 Type2レポートを取得

料金は初期費用と月額費用の体系になっていますが、トップページには具体的な金額がありません。そのため、専用ページか問い合わせで確認するとよいでしょう。

アラジンオフィス/アラジンクラウド(株式会社アイル)

アラジンオフィスは、株式会社アイルが開発・販売・アフターサポートを一貫して手がける販売・在庫・生産管理システムです。同社は東証プライム上場企業でもあります。

  • 提供形態:オンプレミス型とクラウド型を2026年7月時点で提供
  • 一体管理:販売管理から入出庫までを管理したい企業が候補
  • 基幹連携:既存の基幹システムに入出庫機能をつなぐ案件も候補

2026年6月にはDX関連の展示会出展情報も更新されており、サイトが継続的に運用されていることがうかがえます。

具体的な料金は公開されていないため、個別見積もりやオンライン相談で確認することになります。

在庫スイートクラウド(株式会社インフュージョン)

在庫スイートクラウドは、株式会社インフュージョンが提供するクラウド型入出庫・在庫管理システムです。2026年7月時点で現行提供を確認できます。

  • 棚卸プラン:棚卸業務に絞って利用できる
  • Lite:在庫管理を中心に対応
  • Pro:入荷予定・検品から出荷指示・ピッキングまで予実管理
  • 追加確認:全プランで端末オプションを選択可能。承認ワークフローはデモで確認

マルチデバイスオプションは、無線ハンディターミナルやスマートフォンに対応します。

2026年7月時点の料金は、棚卸プランが月額2.9万円〜、初期設定費用15万円です。Liteは月額3.5万円〜、初期設定費用30万円となっています。

Proは月額4.0万円〜、初期設定費用30万円です。いずれも税抜・10ユーザーまでが条件で、マルチデバイスオプションは別途月額1.4万円〜2.1万円程度かかります。

WelThings(ウェルコムデザイン株式会社)

WelThingsは、ウェルコムデザイン株式会社のオンプレミス型在庫管理パッケージです。PCとSQL Serverで稼働し、2026年7月時点で現行提供を確認できます。

  • 管理範囲:入庫・発注、出庫・引当、在庫・ロケーション管理
  • 現場アプリ:WelPetがバーコードリーダー搭載のハンディと連携
  • 入力業務:WelPetで入庫・出庫・棚卸を記録
  • 通信環境:クラウド契約や通信環境に依存せず、閉域網運用も候補

2026年7月時点のパッケージ版は、初期費用7万円と1PCあたり25,000円です。一方、サブスクリプション版は、初期費用7万円と1PCあたり月額1,000円または年額5,000円で、30日間の無償トライアルもあります。

自社の課題別に候補を絞る方法

候補選定の課題として、低コスト、小規模、ハンディ端末運用、閉域網を4枚のパネルに分けた図。
最優先する課題を決めると、比較対象を絞りやすくなります。

7製品を一度に細部まで比べるより、最も大きな課題を一つ決めて必須要件で候補を絞るほうが効率的です。課題によって適した製品が変わるため、最初に優先する課題を決めておくと進めやすくなります。

低コストで小規模から始めたい場合

初期投資を抑えて特定の画面から始めたい場合は、料金プランが明確なzaicoやロジクラが候補になります。

まずはバーコードスキャンによる記録から始め、必要に応じて上位プランで連携機能や拠点間管理を追加する進め方もあります。

ハンディ端末運用や基幹システム連携を重視する場合

物流会社発のクラウドトーマスは、物流現場でのハンディターミナル運用実績を重視する場合の候補です。ハンディ向けの機能を継続的に強化しているロジザードZEROも、比べる対象になります。

既存の基幹システムや販売管理との接続を重視するなら、オンプレミスとクラウドを提供するアラジンオフィスも検討できます。

入出庫の予実管理を詳しく求めるなら、プランごとに機能が異なる在庫スイートクラウドのProも候補に入ります。

閉域網やオンプレミス要件がある場合

クラウドを使いにくい閉域網の環境では、PCとSQL Serverで稼働するWelThingsのようなパッケージが候補になります。

ポイント

最も大きな課題を一つ決め、その課題に必須の要件で候補を2〜3製品まで絞ってから比べると、細部の比較に時間をかけずに済みます。

料金と契約前の確認事項

ハンディターミナル向けオプションや外部連携、ユーザー数の増加によって、公開されている料金より費用がふくらむことがあります。

課金の単位

クラウド製品の料金は、利用ユーザー数、端末数、プラン、オプション機能など、課金の単位が製品ごとに異なります。そのため、今の利用人数だけで見積もらず、将来の拠点拡大や利用者の増加を想定した費用も併せて見ておきます。

見積もりは、初期費用・月額費用・オプション費用に分けて取得します。料金を公開せず個別見積もりとする製品も少なくないため、確認できていない金額を推測で比較表に書き込まず、各社に確かめてください。

データ保持・保守体制・解約条件の契約書での確認

入出庫の履歴データや承認記録を扱うため、権限管理や操作ログ、バックアップ、障害時の復旧体制を確かめておきます。

解約時にどの形式でデータを受け取れるかも、事前に把握しておきます。専用端末を使う場合は、故障時のサポート範囲や交換費用も合わせて確認してください。

ポイント

利用人数、端末数、連携条件、将来の拠点拡大を同じ前提で各社に提示し、初期・月額・オプションの内訳をそろえて比べると、料金差の理由が分かります。

デモ・PoCによる最終候補の絞り込み

資料比較で2〜3製品まで絞ったら、実際の入出庫フローを使ってデモまたはPoCを行います。その際は、管理担当者に加えて、検収担当者・出庫申請者・承認者にも参加してもらうと、導入後の行き違いを防げます。

入庫検収から出庫承認までを1件通した操作確認

実在の案件に近いデータを使い、入庫検収から出庫承認までを次の順で操作します。

  1. 入庫検収を行う
  2. 出庫を申請し、承認する
  3. 理由コードを選び、ハンディターミナルで入出庫実績を記録する

正常な処理だけでなく、承認の差し戻し、理由コードの選び直し、エラー表示も試しておくと、説明だけでは見えない運用負荷を比べられます。

導入効果の実測と稟議での活用

PoCの前後で、検収・承認の処理時間、入力ミス、問い合わせの件数を記録しておきます。

他社の事例に出ている削減効果は、そのまま自社に当てはめず、自社の件数と人件費をもとに見込みを算出します。その結果、稟議に使える根拠を用意できます。

ポイント

判断の目安は、管理担当者から検収担当者、承認者までが同じ業務フローを操作し、運用の負荷や行き違いが起きそうな箇所を見つけられたかどうかです。

入出庫管理システムのリニューアルの製品比較で押さえておきたいポイント

製品一覧から候補を選ぶときは、閉域網の要否に加えて、自社の承認フローと利用規模を同じ条件で比べる必要があります。選定の場面で判断が分かれやすい点を、順に見ていきます。

閉域網やオンプレミスが必須の場合のパッケージ型

紹介した製品はクラウド型が中心ですが、閉域網や社内サーバーでの運用が必須なら、WelThingsのようなパッケージや、両方の形態を提供するアラジンオフィスも比べます。

最優先課題による製品の選び分け

最適な製品は、最優先の課題によって企業ごとに変わります。そのため、低コストでの立ち上げ、ハンディ端末運用、基幹連携などの課題に合う製品を選びます。

必須要件で2〜3製品に絞ったら、同じシナリオのデモやPoCで比べてください。

複数年の総保有コストによる料金比較

各社に同じ利用人数、端末数、連携条件を提示し、数年程度の総保有コストで比べます。

初期・月額費用のほか、オプション、端末保守、データ移行、解約時のデータ出力費用も含めて判断します。

まとめ

製品選びでは、まずパッケージ型かクラウド型かを踏まえたうえで、画面のカバー範囲、ハンディ・スマホ対応、料金・保守体制の3点で候補を比べます。

課題別の絞り込みとデモ・PoCでの確認

低コスト、ハンディ運用や基幹連携、閉域網などの優先課題を明確にすると、候補を絞りやすくなります。そのうえで、入庫検収から出庫承認までをデモ・PoCで試し、自社の業務に合うかを確かめます。

既製品で足りない部分と個別開発の組み合わせ

紹介した7製品は、いずれも有力な候補です。

  • 不足機能:独自の承認ワークフローや基幹連携を標準機能で補えない場合があります
  • 構成:既製クラウド製品と個別開発を組み合わせるハイブリッド構成も選択肢です
  • riplaの支援:フルスクラッチ開発の立場から、不足機能の整理や自社業務に合わせたシステム構築を支援します

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。