入出庫管理システムリプレイスのパッケージ/クラウド製品一覧

入出庫管理システムのリプレイスで候補になる製品は、自社で運用するパッケージ型と、ベンダーのサービスを使うクラウド型に大きく分かれます。

今回確認した7製品は、得意とする業務範囲や料金体系がそれぞれ異なります。各テーマの詳細は、関連記事もあわせてご覧ください。

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・入出庫管理システムリプレイスの完全ガイド

パッケージ型とクラウド型入出庫管理システムの違い

パッケージ型は、自社サーバーへの導入や個別構築まで含む広い意味で使われる一方で、クラウド型はベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用する方式です。今回確認した7製品は、6製品がクラウド型、1製品がオンプレミス型(サブスクリプション提供も選べる形)として現行提供されています。ただし、アラジンはオンプレミス型も提供しています。

オンプレミス型の自社運用と個別要件への対応

従来型のパッケージは、ソフトウェアを自社サーバーやPCに導入する形態を指すことが一般的です。

自社固有のセキュリティ基準や閉域網要件、複雑な基幹連携に対応しやすい反面、サーバーや端末の保守を自社で担う範囲が大きくなります。さらに、バックアップやバージョンアップも自社側で対応する必要があります。

たとえば、今回確認したWelThingsのように通信環境に依存しない構成を求める企業には、オンプレミス型が引き続き選択肢になります。

クラウド型の短期導入と継続的な機能更新

クラウド型は、サーバーを調達せずに利用を始めやすく、ベンダー側の機能更新を継続的に受けられる点が特徴です。

  • zaico・ロジクラ:短期間で始めやすいクラウド型
  • クラウドトーマス・ロジザードZERO:物流現場向けのクラウド型WMS
  • アラジンクラウド・在庫スイートクラウド:基幹業務や在庫管理に対応するクラウド型

今回確認した6製品は、いずれもクラウド型として現行提供されています。既存のスクラッチ開発から短期間で乗り換えたい企業に向いています。

どちらの形態を選ぶ場合でも、現行システムの入出庫トランザクション履歴やマスタデータをどこまで引き継げるかは、製品ごとに対応範囲が異なります。そのため、契約前のデモやPoCの段階で、実際の移行対象データを使った検証まで確認しておくと、本稼働後の手戻りを防ぎやすくなります。

ポイント

パッケージ型は自社での保守範囲が広く、クラウド型は機能更新を継続して受けられます。どちらも引き継げる範囲は製品ごとに異なるため、契約前に移行データで検証しておくと、手戻りを減らせます。

製品を比較するときの共通軸

候補製品を中心に、業務範囲、現場端末対応、周辺システム連携、料金体系を配置した比較軸の図解。
同じ観点を各候補に当てると、対応範囲を横並びで見られます。

自社の入出庫業務に合うかは、製品紹介ページの機能一覧より、同じ条件で並べて比べたほうが見極めの材料になります。そのため、業務範囲と現場端末対応を、どの候補にも同じ質問で確かめます。周辺システム連携と料金体系も、同じ条件で並べます。

入庫検収から出庫承認までのカバー範囲の比較

入庫検収から出庫承認までの処理のうち、どこまでが標準機能に含まれるかを確かめます。同じ「入出庫管理に対応」という説明でも、承認フローを自由に設定できる製品と、固定のフローしか使えない製品とでは、運用ルールへの適合度が異なります。

自社で使う承認階層や理由コードの分類は、実際の案件を使ったデモで試すと判断しやすくなります。

現場端末対応・周辺連携・権限の確認

発注企業の管理画面が使いやすくても、現場のハンディターミナルやスマートフォンで入荷検収や出庫申請が難しければ、現場への定着に時間がかかります。あわせて、受発注システムや会計システム、ECモール・カートとのAPIまたはCSV連携を比べます。また、拠点・部署別の権限設定、操作ログ、データ出力も確認します。

確認の進め方は、評価軸の選び方を解説した記事で詳しく扱っています。

ポイント

機能一覧だけでなく、業務範囲や現場端末対応、周辺システム連携、料金体系を同じ条件で並べると、自社の業務に合う候補が見えてきます。

入出庫管理システムリプレイスの主要候補7選

2026年7月時点で、現行の公式ページと対象業務を確認できた7製品を取り上げます。掲載の順は、優劣を示すランキングではありません。

製品ごとに得意な業務範囲や料金体系が異なるので、自社の課題と利用条件をそろえて比べてください。

zaico

zaicoは、バーコードやQRコードを使った入荷・出荷処理をスマートフォンで手軽に始めたい企業向けの候補です。

  • スターター:入荷・出荷の基本記録から始められます
  • ベーシック以上:AIによる納品書読み取り機能も利用できます
  • プロフェッショナル:外部システム連携が必要な場合に検討します

2026年7月時点の公式サイトには、スターター月額8,980円、ベーシック月額49,800円という料金が掲載されています。また、プロフェッショナルは月額150,000円からです。最新の料金と適用条件は、契約前に公式サイトで確認してください。

ロジクラ

ロジクラは、商品マスタ登録から在庫管理、ピッキングリストまでを基本機能でカバーするクラウド型倉庫管理ソフトです。既存の受発注・販売システムとの連携を引き継ぎたい企業に適しています。

  • Premiumプラン:ロット管理・ロケーション管理・拠点間移動に対応
  • 連携実績:Shopify・STORESなどのECカート、CROSSMALL・ネクストエンジンなどのOMS

2026年7月時点の公式サイトには、Liteプラン年契約12,800円/月、Premiumプラン年契約40,000円/月という料金が掲載されています。ただし、追加連携や年間保守費用は別途発生するため、見積もりにそれが含まれるかを確認しておくとよいでしょう。

クラウドトーマス

クラウドトーマスは、物流会社である関通が自社の現場ノウハウをもとに開発・提供するクラウド型WMSです。

入出庫管理に加えて在庫管理、棚卸、ロケーション管理を備え、賞味期限管理やロット追跡まで幅広く対応しています。さらに、国内外の基幹システムや、カート・モール・OMSとの連携実績が多数あることを公式に明記しています。

物流現場での運用を前提に、基幹連携を重視する企業の候補になります。一方、料金は公式サイトに具体的な記載がなく、資料請求や導入相談で確認する形式です。

ロジザードZERO

ロジザードZEROは、入荷・出荷・保管・棚卸といった倉庫内業務を管理するクラウドWMSです。公式サイトでは「クラウドWMSトップシェア・稼働数No.1」と明記されています。

EC物流や倉庫業のほか、メーカー、卸売業、小売業など幅広い業種に対応しており、最短1か月での導入が可能とされています。多くの利用実績を踏まえた標準機能を重視する企業の候補になります。

料金は「初期費用と月額費用のシンプルな体系」との案内にとどまり、具体的な金額はトップページに掲載されていません。

アラジンオフィス/アラジンクラウド

アラジンオフィス/アラジンクラウドは、東証プライム上場の株式会社アイルが提供する販売・在庫・生産管理システムです。また、導入実績は5,000社以上です。

オンプレミス型の「アラジンオフィス」とクラウド型の「アラジンクラウド」の両方を現行提供しています。入出庫管理を含む在庫管理機能を、既存の販売管理・生産管理と一体で見直したい企業の候補になります。

料金は個別見積もりが基本で、具体的な金額の記載はありません。

在庫スイートクラウド

在庫スイートクラウドは、株式会社インフュージョンが提供するクラウド型の入出庫・在庫管理システムです。棚卸プラン、Liteプラン、Proプランの3段階が用意されており、自社の入出庫業務の複雑さに応じてプランを選べます。

  • Liteプラン:出荷・入荷の実績反映を行う構成
  • Proプラン:入荷予定・入荷検品・出荷指示・出荷引当までフル対応します

2026年7月時点の公式サイトには、10ユーザーまでの月額料金として棚卸プラン2.9万円、Liteプラン3.5万円という料金が掲載されています。

Proプランは4.0万円です。また、ユーザー数が増えると料金が加算されます。

WelThings

WelThingsは、株式会社ウェルコムデザインが提供する、PCとSQL Serverで稼働するオンプレミス型の在庫管理パッケージです。

  • 対応機能:入出庫管理、発注・引当管理、ロケーション管理、棚卸機能
  • 連携:バーコードリーダーやハンディターミナルに対応し、複数部署で在庫データをリアルタイムに共有できます

クラウド契約や通信環境に依存しない構成を求める企業の候補になります。

2026年7月時点の公式サイトには、初期費用7万円、ライセンス費用1PCあたり買切り2.5万円または月額1,000円という料金が掲載されています。また、30日間の無償トライアルも用意されています。

自社の課題別に候補を絞る方法

7製品を一斉に細部まで比べるより、最も大きな課題を一つ決め、必須要件で候補を減らすほうが効率的です。短期導入、基幹連携、閉域網要件では、適した製品タイプが異なります。

小規模から短期間で乗り換える場合の候補

表計算ソフトや紙の伝票からの脱却を優先し、まずは入荷・出荷の記録をシステム化したい場合は、zaicoやロジクラのLiteプランを検討します。これらは初期費用を抑えて短期間で始められるクラウド型です。

自社の入出庫件数でも問題なく運用できるかは、無料トライアルを使って確かめます。

物流現場のノウハウや基幹連携を重視する場合の候補

複数拠点や基幹システムとの連携が絡む場合は、クラウドトーマスやロジザードZEROのように、物流現場での豊富な連携実績を公式に明記しているWMSを候補にします。また、既存の販売管理・生産管理と一体で見直したい場合は、アラジンオフィス/アラジンクラウドのように基幹業務全体を扱う製品も比較対象になります。

閉域網要件やオンプレミス運用が必須であれば、WelThingsのようなパッケージ型も選択肢に残しておきます。

ポイント

最も大きな課題を一つ決め、必須要件で候補を減らしてから比べるのが効率的です。短期導入、基幹連携、閉域網要件では適した製品タイプが違うため、課題に合わせて候補を見直すとよいでしょう。

料金と契約前の確認事項

課金単位、初期費用と最低利用期間、追加連携費用と保守費用、解約時のデータ出力を並べた確認リスト。
費用の見積もりとデータの受け取り方を一緒に確認できます。

公開価格の安さだけで製品を選ぶと、利用者数や端末数が増えたときや、外部連携を追加したときに、想定外の費用が生じることがあります。

料金表に載る月額費用だけでなく、総保有コストで判断します。導入準備や移行、教育に加え、将来の解約やデータ移行までを含めて見ると、費用の全体像をつかみやすくなります。

課金単位の確認

クラウド製品の料金は、利用者数や端末数、案件数などを基準に決まり、課金単位は製品ごとに異なります。実際、今回確認した製品でも、月額料金にユーザー数の上限が設定され、超過分は追加料金になるケースが複数ありました。

現在の利用規模に加えて1年後・3年後の想定規模を伝え、初期費用や最低利用期間を含めて、同じ条件で見積もってもらうことが大切です。追加連携費用や保守費用も、同じ前提にそろえます。

料金を公開していない製品も少なくないため、確認できていない金額を比較表に推測で入れないようにします。

データ保持と解約条件の契約書確認

クラウドサービスでは、入出庫データ、取引先情報、場合によっては仕入先の個人情報を扱います。まず、権限管理や操作ログ、通信・保存時の保護などの対応範囲を確かめます。加えて、障害時の復旧やデータ保管場所、解約時にどの形式でデータを受け取れるかも、契約書で確認します。

オンプレミス型を選ぶ場合も、サーバーやライセンスの保守契約が終わったときのサポート範囲を確認しておくと、次のリプレイスに備えられます。

ポイント

公開価格だけで選ばず、課金単位や初期費用、保守費用を同じ条件で見積もり、総保有コストで比べることが大切です。契約書では、データ保持や解約時の条件も含めて見ておく必要があります。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

入荷検収から出庫承認までの処理、例外処理、現場端末の操作、記録時間と締め作業を4つのパネルで示した図解。
通常処理・例外・端末操作・作業時間を候補ごとに試せます。

資料比較で2〜3製品まで絞ったら、実際の入出庫パターンを使ってデモまたはPoCを行います。担当者だけでなく、現場、情報システム、経理、可能であれば周辺システムの担当者にも参加してもらうと、導入後の行き違いを減らせます。

1案件を最初から最後まで通す検証

入荷検収から出庫承認、理由コード分類、周辺システムへのデータ連携までを、実在に近い一つの案件で通して確かめます。そのうえで、正常処理だけでなく、差し戻し、返品・キャンセル、ロット逆転出荷といった例外処理も試します。

現場のハンディターミナルやスマートフォンでの操作を、マニュアルなしでどこまでできるかを見ると、教育コストの見積もりに役立ちます。

導入効果の実測と稟議での活用

PoCの前に、入荷・出庫の記録にかかる時間、承認の差し戻し件数、月次の締め作業にかかる時間を記録し、PoCの後と比べます。公開されている他社の削減効果を、そのまま自社に当てはめる前提にはしません。その代わりに、自社の件数と人件費をもとに、削減見込みを算出します。

クラウドでも、アカウント管理や問い合わせの一次対応は残るため、その運用工数も差し引いて投資効果を判断します。

ポイント

資料で2〜3製品に絞ったら、実際の入出庫パターンでデモやPoCを行います。1案件を通して効果を実測しておくと、稟議にも使えます。

入出庫管理システムリプレイスの製品比較で押さえておきたいポイント

製品一覧から候補を選ぶときは、買い切り型の有無や掲載順より、自社の入出庫パターンと利用規模を同じ条件で比べることが先になります。判断が分かれやすいのは、オンプレミス型の必要性、おすすめ順位の考え方、料金の比べ方の3点です。

オンプレミス型が必要な場合の候補

閉域網要件が強く、通信環境に依存しない構成が必須であれば、今回紹介したWelThingsのようなオンプレミス型パッケージを候補にします。それでも自社の独自要件が多い場合は、個別開発やクラウドサービスと基幹システムを組み合わせるハイブリッド構成も比較対象になります。

最優先課題によって変わるおすすめ製品

全企業に共通する1位の製品はないため、短期導入、基幹連携、閉域網要件など、最優先課題に合う製品を選びます。まず必須要件で2〜3製品に絞り、同じシナリオのデモまたはPoCで比べてください。

数年間の総保有コストでの料金比較

同じ利用人数や端末数、連携条件を各社に提示し、複数年の総保有コストで比べます。

初期費用と月額費用だけでなく、データ移行やAPI連携にかかる費用も含めてください。サポートや社内運用、解約時のデータ出力にかかる費用も、見積もりに含めます。

まとめ

入出庫管理システムリプレイス市場では、クラウド型を中心に、自社の課題と運用に合わせて比べることが現実的です。実際、今回紹介した7製品にも、短期導入のしやすさや物流現場の基幹連携実績、閉域網対応など、特徴の違いがあります。

課題診断から2〜3製品への絞り込み

保守負荷、コスト、周辺連携のうちから最優先課題を決めます。そのうえで、業務カバー範囲や現場端末対応、料金体系を同じ質問で比べれば、広告的な訴求に左右されず候補を絞れます。

実案件のPoCによる最終確認

見るべきは資料上の機能数より、自社の入出庫パターンを一気通貫で処理できるかです。効果を確かめたうえで、決めてください。

  • 例外処理:周辺システムの担当者を含む関係者での検証
  • 効果測定:削減時間と残る運用工数を測ります

既製のクラウド製品やパッケージで、独自の検品・梱包ロジックや基幹連携を吸収しきれない場合は、フルスクラッチ開発やハイブリッド構成も検討対象になります。riplaはフルスクラッチ開発の立場から、製品比較で明らかになった不足機能の整理や、自社業務に合わせたシステム構築を支援しています。

評価軸の詳細は、入出庫管理システムリプレイスの選定ポイント・選び方・種類で解説しています。

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・入出庫管理システムリプレイスの完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。