倉庫管理システムのモダナイゼーションのパッケージ/クラウド製品一覧

倉庫管理システムの刷新で候補になる製品は、パッケージ型とクラウド型に大きく分かれます。パッケージ型は基幹システムとの一体刷新、クラウド型は短期導入と段階的な拡張が持ち味です。

料金やデモの詳細は、関連記事もご覧ください。

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・倉庫管理システムのモダナイゼーションの完全ガイド

パッケージ型とクラウド型倉庫管理システムの違い

老朽化したシステムを刷新する際は、パッケージ型とクラウド型のどちらへ乗り換えるかを決める必要があります。方式によって、既存の棚番マスタや周辺システムとの連携を引き継げる範囲が変わります。

パッケージ型の論点は基幹システムとの一体刷新

従来型パッケージは、販売・在庫管理などの基幹機能と倉庫管理機能を一体で提供するのが特徴です。製品によっては、オンプレミス版とクラウド版の両方から選べます。

自社固有の商習慣や既存の外部WMSとの連携に対応しやすい反面、機能範囲が広いぶん、必要な範囲を見極めないまま導入すると過剰な投資になりやすいため注意が必要です。

クラウド型の特徴は短期導入と段階的な拡張

クラウド型は、サーバーを調達しなくても利用を始めやすく、ベンダーによる機能更新も継続して受けられます。多くの製品は、スマートフォンやAndroid端末での運用を前提にしています。

たとえば、棚番管理や入出庫から始め、拠点数や取扱品目数に応じてプランを上げていく使い方と相性があります。なお、棚番マスタや在庫データを自動で変換できる範囲は製品ごとに差があるため、移行支援の実績を確認しておきます。

ポイント

どちらの型が合うかは、自社固有の商習慣や外部WMSとの連携をどこまで必要とするかで決まります。機能範囲を広げすぎると過剰な投資になりやすいため、必要な範囲を先に見極めます。

製品を比較するときの共通の観点

倉庫管理システムの候補を比較する4つの観点をカードで示した図。
同じ問いを各候補に当てると、対応範囲を並べて見渡せます。

製品の機能一覧を見ても、自社の刷新条件に合うかは見極めにくいものです。そこで、移行支援、拠点対応、外部連携、現場操作の4点について、どの候補にも同じ質問を立てて比べます。

棚番管理から入出庫までのカバー範囲の比較

棚番管理、在庫管理、入荷・出荷の記録、棚卸のそれぞれで、どこまでが標準機能なのかを確かめます。なかでも、入出庫の自動化範囲は現場の作業手順に影響します。

  • 自動化範囲:予定や指示を取り込み、ピッキング指示まで自動で行う範囲。
  • 実績入力:入出庫の実績を後から入力する運用に対応できるか。
  • データ変換:旧システムのテキスト形式の棚番データを変換できる範囲。

旧データの自動変換範囲は、資料の説明に頼らず、実際のデータで確かめておきます。

拠点対応・外部連携・現場の操作性の確認

複数拠点を扱う場合は、拠点数の上限と、拠点をまたいだ在庫の一元管理に対応しているかを確かめます。

  • 外部連携:ECカート、受発注、会計とのAPIまたはCSVによる連携。
  • 管理条件:権限管理、操作ログ、契約終了時のデータ返却の扱い。
  • 現場操作:ハンディ端末やスマートフォンでの記録のしやすさ。

管理画面の機能が充実していても、現場端末の操作が煩雑だと、記録漏れや問い合わせの増加につながります。

評価の進め方を詳しく知りたい場合は、倉庫管理システムのモダナイゼーションの選定ポイント・選び方・種類で整理しています。

ポイント

比べる観点は、機能の多さより、自社の刷新条件に合うかどうかです。移行支援、拠点対応、外部連携、現場操作を全候補に同じ質問で確かめると、機能一覧からは見えない違いが分かります。

倉庫管理システムのモダナイゼーションで検討したい主要製品7選

2026年7月時点で、現行の公式ページと対象業務を確認できた7製品を紹介します。掲載順はランキングではありません。

製品ごとに得意な業務や料金体系が異なるため、自社の老朽化状況と刷新条件をそろえて比べる必要があります。なお、比較サイトだけで確認できる情報や、公式ページで現行稼働を確認できない製品は掲載していません。

ロジザードZERO(ロジザード株式会社)

ロジザードZEROは、クラウドWMSとして25年の運用実績を持つ製品です。ロケーション管理やハンディターミナルに加え、外部システムや物流ロボットとの連携も標準機能として確認できます。

公式の導入事例には、億を超すリプレイス費用と、ブラックボックス化したレガシーシステムの刷新に関する記載があります。既存システムからの乗り換え実績を重視する企業にとっての候補です。

公式サイトには具体的な料金の記載がないため、料金プランのページか問い合わせで確かめる必要があります。

アラジンオフィス/アラジンクラウド(株式会社アイル)

アラジンオフィスは、東証プライム上場の株式会社アイルが提供する販売・在庫管理システムで、導入実績は5,000社以上です。

オンプレミス型の「アラジンオフィス」と、クラウド型の「アラジンクラウド」があります。たとえば、ロジザードZEROなどの外部WMSとの連携や、バーコードタグ発行、EDIとの連携機能を確認できます。

基幹の販売・在庫管理と倉庫の入出庫管理を一体で刷新したい場合や、業種を問わない移行実績を重視する場合に候補になります。料金は非公開のため、個別見積もりが必要です。

ロジクラ(株式会社ロジクラ)

ロジクラは、クラウド型の倉庫・在庫管理ソフトです。小規模から段階的に広げたい場合の候補になります。

  • Lite:年契約12,800円/月、月契約14,800円/月。1拠点で月300件までの出荷が無料。
  • Premium:年契約40,000円/月、月契約49,000円/月。2拠点まで利用でき、管理機能が追加される。
  • Premiumの条件:ロケーション・ロット管理を追加し、月2,000件まで出荷無料。
  • Enterprise:個別見積もり。

公式には、導入時のサポート費用として、初期費用が別途発生するという記載もあります。最新の料金と出荷件数の条件は、契約前に公式サイトで確かめておきます。

クラウドトーマス(株式会社関通)

クラウドトーマスは、東証グロース上場の物流会社「関通」が、自社の物流現場で培った運用実績をもとに開発したクラウド型WMSです。

現場の状況に応じて、スマートフォンとリングスキャナ、またはハンディターミナルから選べます。また、「クラウドトーマスPro」は複数倉庫の在庫管理に対応します。

CSVまたはAPIにより、入出庫、商品マスタ、出荷完了情報を連携できます。連携先は、国内外の基幹システム、カート、モール、OMSです。料金は公式サイトに具体的な記載がないため、無料の導入相談で確かめます。

在庫スイートクラウド(株式会社インフュージョン)

在庫スイートクラウドは、棚卸・Lite・Proの3段階から機能を選べるクラウド型システムです。そのため、棚卸の範囲と入出荷指示の要否を踏まえて、プランごとの費用差を比べます。

  • 棚卸:バーコード棚卸に特化。2026年7月時点で月額2.9万円〜(10ユーザーまで)、初期15万円。
  • Lite:入出荷実績管理が中心。月額3.5万円〜、初期30万円。
  • Pro:予定・指示の取込、ピッキング指示、予実管理に対応。月額4.0万円〜、初期30万円。
  • 月額の条件:いずれのプランもユーザー数に応じて段階的に上がります。

zaico(株式会社ZAICO)

zaicoは、スマートフォンのカメラでバーコードやQRコードを読み取り、在庫を更新できるクラウド型システムです。入出庫管理、ロット・期限管理、棚卸に加え、複数拠点の一元管理と外部連携も確認できます。

専任の担当者が少ない企業では、現場で操作しやすいかどうかが選定の判断材料になります。あわせて、2026年7月時点の料金と試用条件を確かめます。

  • スターター:月額8,980円(税込9,878円)。
  • ベーシック:月額49,800円(税込54,780円)。
  • プロフェッショナル:月額150,000円からで、要見積もり。
  • 無料トライアル:14日間利用できます。

ネクストエンジン(株式会社ネクストエンジン)

ネクストエンジンは、複数店舗と複数倉庫の在庫を一元管理するクラウドサービスです。2026年7月時点で、初期費用は0円です。

複数の販売チャネルの在庫を一元管理したい場合や、受注件数の変動が大きい場合に候補になります。受注量に応じた費用の変化と、契約後の保守費用を、あわせて確認します。

  • 基本料金:月額3,000円で、受注200件までを含む料金。
  • 従量課金:201件以降は段階課金で、201〜400件は35円/件、10,001件以上は5円/件まで逓減。
  • 年間保守費用:税抜15,000円。契約から1年が経過した時点で発生。

自社の老朽化状況別に候補を絞る方法

老朽化の症状を起点に必須要件で候補を絞り、2〜3製品をデモまたはPoCで比べる流れ図。
最優先の課題を決めると、比べる製品の数を絞りやすくなります。

7製品をいっせいに比べるより、最も深刻な老朽化の症状を一つ決めて、必須要件で候補を減らすほうが効率的です。症状が基幹連携の欠如か、複数拠点管理の限界か、現場のスマホ運用への切り替えかによって、適した製品タイプは異なります。

ただし、症状が複数重なることもあります。その場合は、現場の入出庫担当者と情報システム部門の双方から困りごとを聞き、優先順位をつけて候補を絞ります。

基幹連携や複数拠点の統合を優先する場合

既存の基幹システムやマテハン機器と連携させる場合は、ロジザードZEROやクラウドトーマスなど、外部連携の実績が豊富なクラウド型WMSを比べます。

販売・在庫管理と一体で刷新するならアラジンオフィス、複数の販売チャネルの在庫を一元管理するならネクストエンジンを候補に含めます。

小規模拠点や現場のスマホ運用を優先する場合

小規模拠点から機能を広げたい場合は、プランごとに機能が分かれたロジクラや在庫スイートクラウドが候補になります。

専任の情報システム担当者がおらず、スマートフォンでの操作を重視する場合は、zaicoも検討します。その際は、実際の入出庫データを使ったデモで操作感を確かめます。

ポイント

最も深刻な老朽化の症状を一つ決め、必須要件で候補を減らします。基幹連携、複数拠点、現場のスマホ運用のどれを優先するかで、候補に入る製品が変わります。

料金と契約前の確認事項

公開されている価格だけで選ぶと、拠点数や受注件数の増加などで想定外の費用が生じることがあります。そのため、月額だけでなく、移行支援、教育、解約時のデータ出力を含む総保有コストで判断します。

課金単位の確認

クラウド製品の課金単位は、ユーザー数、拠点数、出荷件数、受注件数などで、製品によって異なる場合があります。見積もりを依頼する際は、現在の件数に加えて、1年後・3年後の想定件数も伝えます。

初期費用、最低利用期間、従量課金の区切りを確認します。旧システムからのデータ移行支援が料金に含まれるか、別費用になるかも、同じ条件で見積もってもらいます。

料金を公開していない製品や、問い合わせが必要な製品もあります。確認できていない金額を、推測で比較表に入れないよう注意します。

解約時のデータ返却条件の確認

乗り換え時や解約時には、棚番マスタや在庫データ、入出荷履歴を、どの形式で受け取れるかを先に確認しておきます。あわせて、クラウドサービスではこれらのデータをサービス側で扱うため、権限管理、操作ログ、通信・保存時の保護、障害時の復旧、データの保管場所も確認します。

旧システムから引き継いだデータの品質検証については、自社で決める運用ルールと、製品側の機能とを分けて考えます。

ポイント

月額だけで選ぶと、移行支援や件数の増加で想定外の費用が生じることがあります。課金単位と解約時のデータ返却条件まで含めて、総保有コストで比べます。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

デモやPoCで確認する棚番データの変換、現場操作、処理時間の3項目を示す図。
現場の操作と処理時間を実データで確かめる構成です。

資料で比べて2〜3製品に絞ったら、棚番と在庫のデータを使って、デモまたはPoCを行います。その場には、担当者だけでなく、現場の入出庫担当者や情報システム部門にも参加してもらいます。さらに、可能であれば旧ベンダーの担当者にも加わってもらうと、導入後の行き違いを減らせます。

実データによるマッピング変換と現場操作の確認

旧システムのテキスト形式の棚番データを実際に取り込み、新システムのコード体系へどの程度まで自動で変換できるかを確認します。

現場スタッフにも候補製品を操作してもらい、入出庫登録や棚卸の操作感、通知の分かりやすさを見極めます。管理画面が使いやすくても、現場端末の操作性が低ければ定着しません。

導入効果の実測と稟議

PoCの前に、入出庫1件あたりの処理時間、棚卸差異の頻度、CSV加工時間を記録しておきます。PoC後の数値と比べることで、効果を実測できます。

削減見込みは、他社事例の効果を基準にせず、自社の件数と人件費をもとに算出します。クラウド型でも残るアカウント管理や問い合わせ対応の工数は、削減効果から差し引いて判断します。

ポイント

資料で2〜3製品に絞ったあと、実データで移行変換と現場操作を試します。PoCの前に処理時間などを記録しておくと、稟議に使える数値になります。

倉庫管理システムの製品比較で見るべきポイント

機能数や順位を見る前に、自社の老朽化状況と現場の運用を同じ条件で比べます。選定の場面で判断が分かれやすい点も、あわせて確かめます。

基幹一体型パッケージが必要な場合の候補

機能や料金を確認しやすいのは、クラウド型の製品が中心です。一方で、アラジンオフィスのように、基幹の販売・在庫管理と一体で刷新できる製品もあります。

アラジンオフィスは、オンプレミスとクラウドの両方に対応しています。それでも要件を満たせない場合は、個別開発やハイブリッド構成も比較対象に含めます。

老朽化の症状によるおすすめ製品の違い

全企業に共通する1位の製品はありません。そのため、基幹連携、複数拠点管理、現場のスマートフォン運用など、最優先課題に合う製品を選びます。

必須要件で2〜3製品に絞ったうえで、実データを使ったデモまたはPoCで比べます。

移行費用を含めた総保有コストでの料金比較

各社には、同じ拠点数、ユーザー数、出荷件数、連携条件を提示します。そのうえで、データ移行支援費用も含めて総保有コストを比べます。

初期費用と月額だけを見て安いと判断すると、移行時に追加費用が発生することがあります。

まとめ

製品市場には、クラウド型WMS、基幹一体型パッケージ、現場のスマートフォン運用に強いクラウド型サービスがあります。紹介した7製品も、拠点対応、移行支援、外部連携、料金体系がそれぞれ異なります。

老朽化症状の診断から2〜3製品への絞り込み

まず、基幹連携、複数拠点管理、現場のスマートフォン運用から、最優先の課題を決めます。移行支援、拠点対応、外部連携、現場操作を同じ質問で比べると、順位に左右されず候補を絞れます。

実データを使ったPoCでの確認

自社の棚番と在庫のデータを取り込み、変換精度と現場の操作性を確かめます。既製品で複雑な基幹連携や独自の物流動線を吸収できない場合は、フルスクラッチ開発やハイブリッド構成も検討対象になります。

riplaはフルスクラッチ開発の立場から、製品比較で明らかになった移行課題や、既存の基幹システムとの連携を含むシステム構築を支援しています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。