追加開発は、稼働中の業務を止めずに改修する仕事です。6社を比べる観点は、リバースエンジニアリング、変更管理、品質レベルの明示の3つです。
スルガ銀行と日本IBMの訴訟では、追加開発を巡り41億7210万円の支払命令が確定しました。既存機能の不具合は、業務停止や信用低下につながります。
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追加開発パートナー選びの重要性

稼働中の業務を止めずに改修するには、影響範囲の調査が欠かせません。加えて、技術力、変更管理、回帰テスト、契約上の備えも問われます。
発注側が既存ベンダーに任せきりにすると、ロックインや費用増、訴訟につながるおそれがあります。パートナー選定は、プロジェクトの成否を80%以上左右する経営判断です。
発注側は、実績や価格だけでなく、追加開発特有の課題に備えているかを、技術・契約・組織の面から多角的に評価する必要があります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
既存システムの連動関係を把握しないまま改修すると、デグレが連鎖するおそれがあります。フレシットの増田氏は、変更時には修正箇所だけでなく、連動して動く機能を先に理解することが大切だと指摘しています。
- 変更影響:既存機能の依存先を洗い出してから改修する。
- 費用管理:工数変動と追加合意の条件を、契約書に残しておく。
- 段階開発:変更を前提にした契約と組織で、段階ごとに検証する。
この3点を実行できる会社かどうかは、選定の段階で確かめておきましょう。
スルガ銀行と日本IBMの訴訟では、初期費用は95億円でした。合意書時点では89億円となり、中断時には127億円の追加要求が出ました。高裁では、日本IBMに41億7210万円の支払命令が確定しました。
さらに、訴訟記録は72冊に及び、箸袋に書かれた金額交渉のメモも証拠になったと伝えられています。選定の失敗は、経営リスクに直結します。
一方で、アジャイルを取り入れたデンソーの「yuriCargo」は、5ヶ月で1,700ユーザーを獲得しました。追加開発を想定した契約と組織を初期から整え、ベンダーとの協力が成果につながった事例です。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、技術と契約の両面から次の3点を確かめます。
- 変更管理:影響範囲調査表、承認手順、議事録のひな型が整備されているか。
- 仕様の調査:資料のないシステムを、ソースコードからどう把握するかを尋ねる。
- 契約と費用:工数変動時の協議や、追加合意の記録方法。
商法512条は、商人が営業範囲内で他人のために行為した場合に、相当な報酬を請求できると定めています。追加費用の条件にも関わるため、同条を踏まえた契約になっているかを確かめましょう。
口頭説明だけの場合は、運用が担当者に依存するおそれがあります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫の支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一貫して支援します。IT事業会社として社内DXを進めた経験を活かし、事業成果とシステムの定着を支えます。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築と導入の実績があります。企業ごとの業務要件に応じて、柔軟に対応します。
特徴と強み
riplaは、稼働中の業務を理解してから追加開発に着手します。仕様書が欠けている場合や、運用が形骸化している場合でも、同じ順序で進めます。
- 業務理解:ヒアリングとコード調査で、現状の仕様をつかむ。
- 品質設計:品質水準を合意し、費用の算定根拠を示す。
- 中止判断:フェーズゲートとスコアで、継続の可否を検討する。
業務の実態を可視化し、変更管理は発注側も担う前提で、riplaと共同で設計します。そうすることで、丸投げへの不安を抑えます。
riplaは、品質レベルを初期の段階ですり合わせ、見積もりの根拠を示します。追加開発費は、機能数、品質レベル、人月単価によって変わります。
品質レベル別の基準値は、低が50〜70%、中が100〜150%、高が200〜400%です。事前に合意しておくことで、想定外の追加費用を防ぐ設計を目指します。
riplaは、コンコルド効果を避けるための中止判断スコアも提供しています。契約時にフェーズゲートを設け、過去の支出にとらわれて計画が膨らむ前に立ち止まれる仕組みを整え、経営層が冷静に判断できるよう支援します。
得意領域・実績
riplaは、営業・顧客・生産・販売管理など、基幹業務の追加開発を得意としています。Salesforceやkintoneのカスタマイズから、独自の業務システムの改修まで対応してきました。
- 対応領域:基幹業務システムやSaaSの機能追加。
- 費用の抑え方:OSSや既製パッケージを使った開発の実績。
- 契約の柔軟性:要件変更を前提にした契約形態。
その活用で費用を40〜60%削減した実例もあり、コストを抑える知見を持っています。
riplaは、準委任契約を基本に柔軟な体制を組んできました。要件が動く段階では、請負契約だと追加の見積もりや契約変更が重なり、信頼を損ねることがあります。
稼働対価型の運用で変更を受け止めます。そのうえで、商法512条に沿った契約書のひな型を用いて、追加費用の根拠を事前に示します。
株式会社システナ|大規模システム保守・追加開発の老舗
株式会社システナは、1983年創業の独立系SIerで、東証プライム上場企業です。大規模システムの保守と追加開発を長年手掛けており、金融・通信・公共分野の重要システムで安定した品質を提供しています。社員数は5,000名を超え、24時間365日の支援体制を備えています。
特徴と強み
システナは長年の保守運用を通じて、変更管理を体系立てています。
- 品質管理:影響調査、回帰テスト、リリース計画を標準様式で管理する。
- クラウド対応:既存環境を生かした構成の提案。
システナは、テスト自動化にも取り組み、CI/CDを取り入れた追加開発体制を顧客と構築した事例があります。
クラウド移行と追加開発を組み合わせる案件にも対応します。AWSやAzureの新機能を、オンプレミスのレガシーシステムに組み込む構成を提案できます。
コンテナ標準化によるロックイン回避も含め、選択肢を幅広く示せる点が強みです。
得意領域・実績
金融機関の勘定系周辺や通信キャリアの顧客管理基盤など、停止できないシステムの追加開発で評価されています。SLAの設計、エラーバジェット、SREチームづくりも支援します。Day2運用まで見据え、リリース後の改善を組織的に進めます。
大規模案件に向く一方で、小〜中規模の案件では費用が高めになる傾向があります。品質レベル「高」が求められる案件では、強固な品質保証体制が、選ぶ理由になります。
フューチャー株式会社|IT戦略コンサルティング起点の追加開発
フューチャー株式会社は、IT戦略コンサルティングから大規模システムの構築、追加開発、運用までを手掛ける東証プライム上場企業です。「ビジネスとテクノロジーの融合」を掲げ、経営課題を起点に改修を提案します。
流通・金融・製造・物流などの実績があり、追加開発を、IT投資の使い方の一部として捉えます。
特徴と強み
フューチャーは、追加開発の意思決定をコンサルティングで支えます。
- 投資判断:ROIをもとに、実施の可否と範囲を検討する。
- 品質設計:非機能要件の水準を、発注側と具体的に決める。
また、中止判断のスコアリングも提供し、過去の支出に引きずられずに、経営層が数値で判断できるよう支えます。
特に、非機能要件を数値で設計する点も強みです。可用性99.9%と99.99%の違いや応答時間を、業務への影響から具体化します。品質レベルが見積額を左右することを、発注側が理解できるよう支援します。
得意領域・実績
流通・小売の基幹系追加開発に実績があり、POSや在庫管理基盤の段階的な更新で評価されています。大規模システムでも、アジャイルと段階的なリリースを組み合わせて進めます。
短いスプリントで利用者のフィードバックを開発に反映し、完成形を固定しない進め方が特徴です。
独自のフレームワークやテンプレートで、開発の生産性を高めます。一方で、特定の技術への依存はロックインにつながるおそれがあります。そのため、発注前にソースコードの権利と文書の引継ぎ条件を、契約書で明確にしておきましょう。
株式会社モンスターラボ|アジャイル × グローバルでの追加開発
株式会社モンスターラボは、世界20拠点以上に開発体制を持つ企業です。アジャイルを強みとしており、既存システムの追加開発もスプリント単位で進めます。
スマホアプリの実績が豊富で、iOSとAndroidの両対応でも専門性を発揮します。短期間で利用者を獲得するプロジェクトにも向いています。
特徴と強み
モンスターラボは、追加開発を想定した契約を重視します。完成形を先に固定せず、準委任契約を基本に進めるため、要件が動く段階に適した体制です。
- 反復開発:短いスプリントで、仮説と利用者の反応を確かめる。
- 海外活用:拠点の使い方を、費用と合わせて設計する。
また、海外拠点を使って、コストを抑える案件もあります。国内の上級SEは月額100〜160万円が目安です。海外活用では意思疎通のずれや文書引継ぎに注意し、契約時に引継ぎ条件を明記しましょう。
得意領域・実績
スマホアプリの追加開発、MVP実装、多言語対応の改修に実績があります。iOSとAndroidを別々に実装するため、費用はWebシステムの1.5〜2.5倍が一般的です。ただし、両OSの並行開発で効率化を図ります。
大手企業の新規事業領域での追加開発や、コーポレートサイトと会員サービスの段階的な機能追加など、ユーザー数を伸ばす反復型のプロジェクトで貢献度が高い企業です。
株式会社大塚商会|業務フィット重視の追加開発
株式会社大塚商会は、中堅・中小企業向けのIT総合サービス企業で、業務パッケージのカスタマイズや追加開発を得意としています。独自の「フィッティングコンサル」では、事前分析に計5.5ヶ月・22週をかけます。
その内訳は、ヒアリングに11週、運用の議論に8週を当てています。残りは方針の検討6週と、業務フローの提案1週です。会議は40回弱に及び、手戻りの抑制を目指します。
特徴と強み
フィッティングコンサルは、発注前に業務の実態を整理する取り組みです。業務をパッケージへ合わせるかで、意見が割れることがあります。そこで大塚商会は、会議を40回弱重ね、経営側と現場の合意形成を支援します。
- 事前整理:会議を重ね、経営側と現場の意見をすり合わせる。
- 導入効果:建設資材卸A社では、開発時の手戻りがほぼゼロでした。
なお、この工程の費用は開発費全体の5〜6%です。建設資材卸A社は、パッケージ刷新の前にこのフィッティングコンサルを実施しました。追加開発の最大の失敗要因である「動いてみたら違った」を、事前合意の徹底で防ぐスタイルが特徴です。
得意領域・実績
製造・卸売・建設業など、業務パッケージを使う基幹システムの追加開発を得意としています。SMILEシリーズなどの自社製品を持ち、標準機能と個別改修の配分を提案します。
OSSやパッケージを活用して、費用を40〜60%削減した実績もあります。
大規模なスクラッチ開発というより、既存パッケージの上に追加開発を積み上げていく「育てる型」の案件で力を発揮します。中堅企業で基幹刷新と追加開発を同時に進めたい場合には、有力な選択肢になります。
株式会社フレシット|炎上案件の敗戦処理ノウハウ
株式会社フレシットは、他社が撤退した案件の立て直しを経験してきました。代表の増田氏は、変更箇所だけでなく連動する機能を先に理解すべきだと説いています。影響範囲を徹底して調べる進め方を確立しています。
特徴と強み
フレシットは、資料が失われたレガシーシステムでも追加開発を担えるリバースエンジニアリング力を持ちます。ある裁判例では、プログラムが182本から414本へ増えました。
- 仕様調査:コードを読み解き、現状の仕様を把握する。
- 立て直し:炎上案件の着地、範囲の見直し、撤退判断の支援。
見積書に、工数が大きく変動した場合は別途相談と書かれており、追加請求が認められました。こうした状況を踏まえ、追加費用の根拠を含む契約設計も支援します。
炎上プロジェクトの着地交渉や、スコープ削減による妥協点の探り方といった、教科書には載らない実務知見を持つ点が、他社と違う特徴です。
さらに、「やめる勇気」を経営層に伝える役割も果たします。コンコルド効果に陥った経営者が、サンクコストの呪縛から抜け出せるよう支援することも得意としています。
得意領域・実績
金融・物流・製造業の炎上案件や、レガシーシステムの追加開発に実績があります。ベンダーを切り替える際の引継ぎも支援します。資料がなく他社が断った案件でも、ソースコード調査と業務ヒアリングで立て直してきました。
規模感は中堅クラスですが、機動力と現場対応力に優れます。既存ベンダーとの関係がこじれた状況でのセカンドオピニオン、追加費用請求の妥当性検証、訴訟回避のための交渉支援といった、緊急性の高い相談先として頼られています。
追加開発パートナー選びのポイント

パートナー選定は、実績を比べるだけでは失敗します。追加開発特有の「動いているものを触る」リスクに、技術・契約・組織の3面からどう備えているかを多角的に評価する必要があります。地雷ベンダーを避けるための確認の観点は、次の3つに分けられます。
実績と経験の確認方法
実績を確かめる際は、業界での経験、資料の少ないレガシーシステムの経験、回帰テスト自動化の実績を尋ねましょう。回答が曖昧な場合は、注意が必要です。顧客名、期間、成果指標を具体的に説明できるかも確認します。
さらに、「過去に炎上した案件はありますか。どう収束しましたか」と尋ねるのも有効です。誠実な会社は、失敗と学びを説明できるものです。一方で、「炎上したことがない」という回答は、案件規模が小さいか、顧客へ責任を転嫁している可能性があるため注意しましょう。
技術力と専門性の評価
技術力を評価する際は、リバースエンジニアリング技術の保有状況、CI/CDとテスト自動化の運用力、コンテナ標準化への対応を見ます。
- 既存仕様:コード調査の方法と、これまでの経験。
- 品質基準:見積書に、水準と算定の前提が書かれているか。
- 新技術:AI利用時の品質、安全性、知的財産のリスク管理。
これらが揃っていないベンダーは、追加開発のたびに非効率な手作業を繰り返し、品質レベルが安定しません。
品質レベルの明示は、追加費用の余地を把握する手がかりになります。たとえば、見積書に「品質レベル:中(基準値×100〜150%相当)」と記載されていれば、費用の余地を読み取れます。一方で、品質を示さず総額だけを提示する場合は、後の追加請求に注意が必要です。
また、生成AIやノーコード・ローコードの運用も確かめます。GitHub CopilotやDevinの使い方も、あわせて尋ねましょう。明確な運用方針は、追加開発の生産性を見極める材料になります。
プロジェクト管理体制の確認
変更管理を発注側も担う前提で設計しているかを確かめます。次の3点が揃っていれば、認識違いを減らせます。また、追加費用の根拠も後から追えます。
- 変更管理:影響範囲調査表、フェーズゲート、議事録のひな型が整い、運用されているか。
- 契約条件:工数変動時の取り決めと、追加合意の記録方法。
- 契約形態:要件の変動に応じた契約の形。
商法512条を踏まえた契約かどうかも、あわせて確かめます。追加合意を文書にまとめる手順があれば、費用の根拠が明確になります。中止判断スコアは、経営層が撤退を決める際の助けになります。契約と意思決定の仕組みは、大きな損失を防ぐための確認点です。
準委任契約に柔軟に対応できるかも見ます。要件が動く段階で請負契約に固定すると、追加見積もりや契約変更が重なることがあります。稼働対価型で変更を受け止める提案は、追加開発の実態に合います。
まとめ
追加開発では、稼働を止めずに改修するため、新規開発以上に慎重な選定が必要です。技術・契約・組織の3面で備えた会社を選ぶべきです。
ripla、システナ、フューチャー、モンスターラボ、大塚商会、フレシットの6社を紹介しました。それぞれ異なる強みがあり、案件に応じて候補を絞れます。
選定時は、リバースエンジニアリング、変更管理、品質レベル、中止判断、契約設計の5つの観点を確かめます。選定を誤った場合のリスクは、スルガ銀行と日本IBMの訴訟にも表れています。この訴訟では、高裁で日本IBMに41億7210万円の支払命令が確定しました。
別の裁判例では、プログラムが182本から414本に増えています。こうした事例を踏まえ、商談では具体的な質問を投げかけましょう。
riplaは、コンサルティングから開発、Day2運用まで一貫して支援します。まず自社の課題を整理し、適切なパートナーを探しましょう。
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・Webサービス開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
