EC-CUBE開発の見積相場や費用/コスト/値段について

EC-CUBE自体は無料ですが、開発には設計・構築・カスタマイズの費用が別途かかります。目安は、小規模で100万〜300万円、中規模で300万〜800万円、大規模で800万〜2,000万円以上です。標準機能中心か大規模カスタマイズかで数倍の差が出ることがあるため、作業範囲とバージョンを明確にして見積もることが大切です。

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EC-CUBE開発の全体像

EC-CUBEを中心に、開発費用に影響するデザイン、独自機能、外部連携、商品数やアクセス規模、セキュリティ要件を示した図。
費用を見積もる前に、各要素の範囲を整理できます。

EC-CUBEは、株式会社イーシーキューブが提供する日本発のオープンソースECプラットフォームです。

  1. 2006年のリリース以降、国内で35,000店舗以上の導入実績があり、日本のEC市場に特化した機能を標準で備えています。
  2. 最新版のEC-CUBE 4系はSymfonyフレームワーク(PHP)をベースに構築され、高いカスタマイズ性と拡張性を備えています。
  3. 費用を理解するには、このプラットフォームの特徴と費用に影響する要素を先に押さえておく必要があります。

EC-CUBEの特徴とコストに影響する要素

EC-CUBEがECサイト構築で選ばれる最大の理由は、ソフトウェア自体を無料で使えるオープンソースであることと、日本市場に適した機能が標準で搭載されていることです。

  • 商品管理、受注管理、顧客管理、売上集計、メルマガ配信、クーポンなど、運営に必要な基本機能が初期状態で揃っており、ゼロから作らずに済みます。
  • フルスクラッチで実装すると500万〜1,500万円程度の開発費が別途かかるため、採用するだけでコストを大きく抑えられます。
  • オーナーズストアには800以上のプラグインがあり、決済連携や配送管理、ポイント機能、SEO対策なども実装でき、カスタム開発の範囲を縮小できます。
  • 費用を大きく左右するのは、デザインの作り込み、独自機能の範囲、外部システムとの連携の有無、商品数やアクセス規模、セキュリティ要件です。
  • 標準テンプレートなら100万〜300万円程度で収まる一方、オリジナルデザインや複雑なカスタマイズでは500万〜2,000万円以上に膨らみます。

また、最新の4系では、プラグインによる機能拡張が容易に行える仕組みが採用されています。

バージョンによる費用差と選定のポイント

バージョンには違いがあり、どのバージョンで開発するかによって費用も変わります。現在主流の4系は、Symfony 4以降をベースとした構成で、モダンなPHPの設計手法が採用されています。そのため、4系の開発にはSymfonyやPHP7以上の知識を持つエンジニアが必要で、人月単価は月額70万〜130万円程度が一般的です。

一方、旧バージョンの2系や3系から移行する場合は、データの移行、テンプレートの再構築、プラグインの互換性対応が必要になり、新規構築とは別に100万〜500万円程度の追加費用が発生することがあります。見積もりでは、想定するバージョンと移行の有無を明確に伝えると、精度を高められます。

クラウド版(ec-cube.co)は月額制で初期費用を抑えやすい一方、カスタマイズの自由度に制限があるため、本格的な開発ではオンプレミス版(ダウンロード版)が主流です。ダウンロード版では、サーバー環境の構築費用が10万〜50万円程度別途必要ですが、長期的にはカスタマイズと運用の柔軟性で大きな利点があります。

ポイント

標準機能で足りるか、どこまでカスタマイズが要るかを先に分けると、費用の見当がつきます。バージョンや既存サイトからの移行の有無も、あわせて伝えておくと判断しやすくなります。

EC-CUBE開発の進め方

EC-CUBE開発が要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの順に進む3段階の図。
各段階の役割を追うと、見積もりの内訳を確認しやすくなります。

EC-CUBE開発の費用を正しく理解するには、プロジェクトがどの工程をどの順で進むのかを把握しておく必要があります。

  1. 各フェーズの費用の目安を知っておくと、届いた見積もりが妥当かどうかを判断しやすくなります。
  2. ここでは、EC-CUBE開発の一般的な3つのフェーズについて、費用の目安とあわせて説明します。

要件定義・企画フェーズ

要件定義・企画フェーズは、ECサイトの目的やターゲットユーザー、必要な機能、デザインの方向性、外部連携の要否を明確にする工程です。

  1. このフェーズの費用は、プロジェクト全体の規模によりますが、30万〜150万円程度が一般的な相場です。
  2. 期間は2週間〜1.5ヶ月程度が多く、プロジェクトマネージャーやディレクターが中心となって進めます。
  3. ヒアリングによる要件整理、機能要件の洗い出し、競合分析によるUI/UXの方向性決定、構成図の作成、外部システムとの連携方針の策定などを行います。
  4. 標準機能で対応できる範囲とカスタム開発が必要な範囲を正確に切り分けることが、費用を抑えることにつながります。
  5. 定期購入機能は、プラグインで済ませるかフルスクラッチにするかで費用の差が大きく出ます。
  6. 要件定義の段階で標準機能とプラグインの活用範囲を決めておくことが、コスト効率の高い開発の第一歩になります。

プラグインで済む場合は、定期購入機能のプラグイン費が3万〜10万円、設定・カスタマイズ費が30万〜50万円程度で収まります。一方、フルスクラッチで作ると150万〜300万円以上になることもあります。

設計・開発フェーズ

設計・開発フェーズは、要件定義をもとに環境構築、デザイン制作、カスタマイズ、プラグインの設定を行う工程で、総費用の60〜70%程度がここに集中します。費用の目安は、小規模(標準テンプレート中心)で100万〜300万円、中規模(オリジナルデザインと一部カスタム開発)で300万〜800万円、大規模(フルカスタマイズと複数の外部連携)で800万〜2,000万円以上です。

標準テンプレートのままなら費用を抑えられますが、オリジナルデザインではデザイン制作費がプロジェクト全体の15〜25%を占めます。相場は、トップページが20万〜50万円、商品一覧・詳細が15万〜40万円、カート・購入が15万〜30万円、その他下層ページ一式が20万〜60万円程度です。スマートフォン対応はほぼ必須で、PC版のデザイン費の30〜50%程度が追加で発生します。

プラグインで対応できる範囲は1機能あたり5万〜30万円程度ですが、独自の受注ワークフローや送料計算などは1機能あたり30万〜200万円程度です。外部決済サービス(GMOペイメントゲートウェイ、SBPS、PayPay、Amazon Payなど)との連携は1サービスあたり20万〜80万円程度です。基幹システムや在庫管理システムとのAPI連携は50万〜200万円程度が相場です。

テスト・リリースフェーズ

テスト・リリースフェーズは、開発したECサイトの品質を確認し、本番環境へ移す工程です。

  1. 費用の目安はプロジェクト全体の10〜20%程度で、小規模サイトで20万〜80万円、中規模で50万〜150万円、大規模で100万〜300万円程度が相場です。
  2. 機能、決済、負荷、セキュリティ、ブラウザ・デバイスの各テストを行い、脆弱性(XSSやSQLインジェクション)への対策も確認します。
  3. ECサイトという性質上、決済は特に重要で、クレジットカードやコンビニ決済、銀行振込などを正常系と異常系の両方で網羅的にテストします。
  4. サーバーの本番設定、SSL証明書の設置、ドメイン設定、商品データ投入、Googleアナリティクス・サーチコンソール設定、運用マニュアル作成も含みます。
  5. テストを削る企業も少なくありませんが、個人情報や決済情報を扱うため、品質確認を怠ると情報漏洩や障害、売上損失、信用毀損につながります。
  6. テスト費用は「保険」と考え、十分な予算を確保するのが賢明です。

機能テストでは各機能が仕様どおりに動くかを確かめ、決済テストでは実際のテスト環境で決済の流れを確認します。負荷テストでは想定アクセス数に耐えられるかを検証し、セキュリティテストでは脆弱性診断、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションへの対策を確認します。ブラウザ・デバイステストでは、主要ブラウザとスマートフォンでの表示と動作を確かめます。

ポイント

フェーズごとの費用の目安を知っておくと、見積もりが妥当かを判断しやすくなります。特に設計・開発の内訳は全体費用の多くを占めるため、重点的に見るとよいでしょう。

費用相場とコストの内訳

EC-CUBEの運用で継続してかかるサーバー・インフラ、保守運用、決済手数料、セキュリティ対応費用を並べた図。
初期費用に加えて、運用中の費用項目も予算に含めます。

EC-CUBE開発の費用は、規模やカスタマイズの程度によって幅があります。ここでは人件費と工数、リリース後のランニングコストの観点から、具体的な数字で見ていきます。全体感をつかんでおくと、見積もりの金額が妥当かを判断する基準になります。

人件費と工数

人件費(エンジニア・デザイナー)は全体費用の70〜80%が一般的で、工数(人月)と単価を掛けて算出されます。単価は職種によって差があり、PHPエンジニアとプロジェクトマネージャーは高めです。

  • PHPエンジニア(Symfony経験者):月額70万〜130万円程度
  • フロントエンドエンジニア(HTML/CSS/JavaScript、Twigテンプレート対応):月額60万〜110万円
  • Webデザイナー:月額50万〜90万円
  • プロジェクトマネージャー:月額80万〜130万円

たとえば中規模(オリジナルデザイン、カスタム機能5〜8個、決済連携2〜3種類)は、期間3〜5ヶ月で、PM1名、PHPエンジニア1〜2名、フロントエンド1名、デザイナー1名という体制が一般的です。

人件費は、PMが100万円×4ヶ月=400万円、PHPエンジニア(1.5名平均)が100万円×1.5名×4ヶ月=600万円です。さらに、フロントエンドが80万円×3ヶ月=240万円、デザイナーが70万円×2ヶ月=140万円で、合計1,380万円程度になります。

管理費やテスト費用を加えると、中規模の総額は標準的なカスタマイズで500万〜800万円、大規模カスタマイズで1,500万〜2,000万円が相場です。フリーランスに直接頼むと月額50万〜90万円程度のこともありますが、専門エンジニアは母数が少なく、実績の確認が欠かせません。

オフショア(ベトナム、フィリピンなど)は国内の30〜50%程度のこともありますが、商習慣やコミュニケーションの負担があり、必ずしも有利とは限りません。

初期費用以外のランニングコスト

リリース後のランニングコストは見落としやすく、初期費用だけでは運用後に想定外の出費が続きかねません。運用に入ると、サーバー、保守、決済手数料、セキュリティ対応の4つの費用が継続してかかります。

  • サーバー・インフラ:共用レンタルサーバーは月1,000〜5,000円、VPSは月3,000〜2万円、クラウドは月1万〜10万円が目安です。
  • 保守運用:バージョンアップ対応やバグ修正を含む保守契約が月額5万〜30万円で多く、初期開発費の年間15〜20%が目安とされます。
  • 決済手数料:売上の3〜5%が一般的で、年商1,000万円なら年30万〜50万円、1億円なら300万〜500万円です。
  • セキュリティ対応費用:SSL証明書の更新(年額0〜10万円)、脆弱性診断(年1〜2回、1回10万〜50万円)などです。

決済手数料は、利用する決済代行サービスや決済手段によって変わります。

中規模以上のサイトでは、セール期間などアクセスが集中する時期の安定性を考えて、クラウドの利用が推奨されます。また、EC-CUBEは定期的にセキュリティパッチが公開されるため、適用を怠ると脆弱性を突かれるリスクが高まります。

サーバーの例は、エックスサーバーやさくらインターネットなどの共用レンタルサーバー、AWS・GCPなどのクラウドです。セキュリティ対応では、WAF(Web Application Firewall)の導入に月額3,000〜3万円がかかります。

月額合計は小規模で3万〜10万円、中規模で10万〜30万円、大規模で30万〜80万円で、5年間のTCO(総保有コスト)は初期費用の2〜3倍です。

ポイント

人件費の内訳を見るとともに、保守やサーバー、決済手数料を含めて5年間の予算を組むと、想定外の出費を防ぎやすくなります。

見積もりを取る際のポイント

EC-CUBE開発を外注する際、見積もりの取り方次第で最終的な費用やプロジェクトの成否が大きく変わります。適正価格で高品質な開発を実現するため、見積もり依頼の段階で押さえておきたいポイントを解説します。

要件明確化と仕様書の準備

「ECサイトを作りたい」という漠然とした依頼と、次のような具体的な依頼では、精度に雲泥の差が生まれます。「EC-CUBE 4系で、商品数約500点、決済はクレジットカードとコンビニ決済の2種類、基幹システム(SAP)との在庫連携が必要、デザインはオリジナルで、月間PV数は10万程度を想定」。

依頼前に最低限整理したいのは、取り扱う商品の種類と点数、月間売上や受注件数、決済手段、既存システムとの連携の要否、リリース希望時期などです。配送パターン(送料テーブルの有無、温度帯別配送の要否など)やデザインの方向性(参考サイトを3〜5サイト提示すると効果的)も、伝えておくと精度が上がります。

画面遷移図の作成をプロに依頼すると10万〜30万円程度かかりますが、認識のズレや手戻りを防げるため、結果的にコスト削減につながるケースがほとんどです。ワイヤーフレームも用意すると、画面の食い違いを減らせます。機能を洗い出し、EC-CUBEオーナーズストアで必要なプラグインを調べて、「プラグインで対応できるか、カスタム開発が必要か」を開発会社に確認すると、見積もりの内訳が明確になります。

複数社比較と発注先の選び方

EC-CUBE開発は、最低3社以上から見積もりを取って比べることが推奨され、金額だけで判断しないことが大切です。作業範囲は各社で異なり、安く見えても多くが「別途費用」になっていることがあるため、要件定義、デザイン、開発、テスト、データ移行、マニュアル作成が含まれているかを見ます。また、契約は、要件が明確なら請負(固定金額)、不確実なら準委任(時間単価×実稼働時間)が基本です。

たとえば「商品検索機能のカスタマイズ40万円、受注フローの変更80万円、会員ランク制度の実装60万円」のように機能ごとに明細が分かれていれば、「カスタマイズ開発一式300万円」より工数の根拠が見えます。発注先は、EC-CUBE公式サイトに掲載のインテグレートパートナー(ゴールド、シルバー、ブロンズの3ランク)から選ぶのが無難です。認定された会社は一定の技術力と実績が担保されています。

ゴールドは実績が豊富な分、金額は高めの傾向がありますが、大規模や高度なカスタマイズには安心感があります。一方、中小規模やフリーランスは費用を抑えられる可能性がある反面、バージョンアップ対応の経験やサポート体制を入念に確認する必要があります。また、標準機能は請負、カスタマイズは準委任とする組み合わせもあり、双方にとってリスクのバランスがとれた選択肢です。

注意すべきリスクと対策

開発途中の仕様変更は、最も多いリスクのひとつです。「やはり決済手段も追加したい」「会員ランクを変えたい」といった要望は珍しくなく、こうした変更は1件あたり数十万円の追加費用につながることがあります。要件定義の段階で将来追加しそうな機能を洗い出し、見積もりで概算費用を確認しておき、契約書に変更時の対応フローと追加費用の算出方法を明記しておくと、トラブルを防げます。

EC-CUBEは継続的に更新され、セキュリティパッチや機能アップデートが公開されるため、初期のカスタマイズがバージョンアップ時に問題を起こすことがあります。コア部分の直接修正は改修に50万〜200万円程度かかるおそれがあるため、プラグインやオーバーライドで本体と分けるのが推奨されます。開発会社には、バージョンアップへの配慮を事前に確認しておくと、長期的なコスト抑制につながります。

過去にはEC-CUBEの脆弱性を突いたクレジットカード情報の漏洩事件が複数報告されており、原因調査や改修、顧客対応、損害賠償などの対応コストは数百万〜数千万円に上ることもあります。そのため、脆弱性診断やWAF導入などのセキュリティ対策費を、初期構築の段階で予算に組み込んでおくことが極めて重要です。

ポイント

見積もりは金額だけで比べず、作業範囲と機能ごとの内訳、バージョンアップへの対応まで見ると、後からの追加費用を減らせます。

まとめ

EC-CUBE開発にかかる費用について、全体像から開発の進め方、費用相場とコストの内訳、見積もりを取る際のポイントまでを解説しました。

  1. 初期費用は、小規模(標準テンプレート)で100万〜300万円、中規模(一部カスタマイズ)で300万〜800万円、大規模で800万〜2,000万円以上が目安です。
  2. オープンソースのためソフトウェア自体のライセンス費はかからず、同等のECサイトをフルスクラッチで作る場合と比べて30〜50%程度のコスト削減が期待できます。
  3. 一方、ランニングコストを含めた5年間のTCOは初期費用の2〜3倍程度に達するため、長期的な予算計画が欠かせません。
  4. 要件を具体的に整理し、最低3社以上から見積もりを取って、作業範囲や内訳の粒度、バージョンアップ対応まで比べることが大切です。
  5. さらに詳しい情報は、下記の関連ガイドや資料もぜひ参考にしてください。

▼全体ガイドの記事
・EC-CUBE開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。