EC-CUBEを活用したECサイト開発を検討する際、企業担当者の多くが最初に直面するのが「どのくらいの費用がかかるのか」という疑問です。EC-CUBEは国産のオープンソースECプラットフォームであり、ソフトウェア自体は無料で利用できますが、実際の開発には設計・構築・カスタマイズなどの工程が必要であり、それぞれに費用が発生します。特にEC-CUBEの場合、標準機能だけで構築する場合と、大規模なカスタマイズやプラグイン開発を伴う場合とでは、費用に数倍の差が生まれることも珍しくありません。開発会社によって見積もりの出し方や含まれる作業範囲も異なるため、適正な費用感を把握しないまま発注すると、予算超過や品質面でのトラブルに発展するリスクがあります。
本記事では、EC-CUBE開発にかかる費用の全体像から、開発の進め方、費用相場とコストの内訳、見積もりを取る際に押さえるべきポイントまでを、具体的な数字を交えながら網羅的に解説します。初めてEC-CUBEでのECサイト構築を外注する方はもちろん、過去に見積もりを取ったものの金額の妥当性が判断できなかった方にも、実務に役立つ情報をお届けしますので、自社の予算策定や発注先選定の参考にしていただければ幸いです。
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・EC-CUBE開発の完全ガイド
EC-CUBE開発の全体像

EC-CUBEは、株式会社イーシーキューブが提供する日本発のオープンソースECプラットフォームです。2006年のリリース以降、国内で35,000店舗以上の導入実績を持ち、日本のEC市場に特化した機能を標準で備えている点が大きな特徴です。現行の最新バージョンであるEC-CUBE 4系はSymfonyフレームワーク(PHP)をベースに構築されており、高いカスタマイズ性と拡張性を兼ね備えています。EC-CUBE開発の費用を理解するためには、まずこのプラットフォームの特徴と、費用に影響を与える要素を正しく把握しておくことが重要です。
EC-CUBEの特徴とコストに影響する要素
EC-CUBEがECサイト構築で選ばれる最大の理由は、ソフトウェア自体が無料で利用できるオープンソースである点と、日本市場に適した機能が標準で搭載されている点です。商品管理、受注管理、顧客管理、売上集計、メルマガ配信、クーポン機能など、ECサイト運営に必要な基本機能が初期状態で揃っており、これらをゼロから開発する必要がありません。仮にこれらの機能をフルスクラッチで実装しようとすると、500万〜1,500万円程度の開発費用が別途必要になるため、EC-CUBEを採用するだけで相当なコストメリットが得られます。また、EC-CUBE 4系では、プラグインによる機能拡張が容易に行える仕組みが採用されており、EC-CUBEオーナーズストアには800以上のプラグインが公開されています。決済連携、配送管理、ポイント機能、SEO対策など、多くの追加機能をプラグインで実装できるため、カスタム開発の範囲を大幅に縮小できることも費用面での優位性につながります。一方で、EC-CUBE開発の費用に大きく影響する要素としては、デザインのカスタマイズ度合い、独自機能の開発範囲、外部システムとの連携の有無、取り扱い商品数やアクセス規模、セキュリティ要件のレベルなどが挙げられます。標準テンプレートをベースにした構築であれば100万〜300万円程度で収まるケースもありますが、オリジナルデザインや複雑なカスタマイズを伴う場合は500万〜2,000万円以上に膨らむこともあるため、開発の全体像を把握したうえで優先順位をつけることが予算管理の第一歩です。
バージョンによる費用差と選定のポイント
EC-CUBEにはバージョンの違いがあり、どのバージョンで開発を行うかによって費用が変動する点にも注意が必要です。現在主流のEC-CUBE 4系は、Symfony 4以降をベースとした構成で、モダンなPHPの設計手法が採用されています。そのため、EC-CUBE 4系の開発にはSymfonyやPHP7以上の知識を持つエンジニアが必要であり、人月単価は月額70万〜130万円程度が一般的です。一方、旧バージョンであるEC-CUBE 2系や3系からの移行(バージョンアップ)を伴う場合は、データの移行作業やテンプレートの再構築、プラグインの互換性対応などが必要となり、新規構築とは別に100万〜500万円程度の追加費用が発生するケースがあります。また、EC-CUBEにはオンプレミス版(ダウンロード版)とクラウド版(ec-cube.co)の2つの提供形態があります。クラウド版は月額費用制で初期費用を抑えやすいメリットがある一方、カスタマイズの自由度に制限があるため、本格的なカスタマイズを前提とする場合はダウンロード版の採用が主流です。ダウンロード版を選択した場合、サーバー環境の構築費用として10万〜50万円程度が別途必要になりますが、長期的に見るとカスタマイズの自由度と運用の柔軟性において大きなアドバンテージがあります。開発会社に見積もりを依頼する際には、どのバージョンでの構築を想定しているか、既存サイトからの移行があるか否かを明確に伝えることで、見積もりの精度を高められます。
EC-CUBE開発の進め方

EC-CUBE開発の費用を正しく理解するためには、開発プロジェクトがどのような工程で進むのかを把握しておくことが不可欠です。各フェーズでどのような作業が行われ、それぞれにどの程度の費用がかかるのかを事前に理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。ここでは、EC-CUBE開発における一般的な3つのフェーズについて、費用の目安とともに解説します。
要件定義・企画フェーズ
要件定義・企画フェーズは、EC-CUBEで構築するECサイトの目的、ターゲットユーザー、必要な機能、デザインの方向性、外部連携の要否などを明確にする工程です。このフェーズの費用は、プロジェクト全体の規模にもよりますが、30万〜150万円程度が一般的な相場です。期間としては2週間〜1.5ヶ月程度を要することが多く、プロジェクトマネージャーやディレクターが中心となって進めます。このフェーズで行われる主な作業としては、ヒアリングを通じたビジネス要件の整理、販売する商品の特性に応じた機能要件の洗い出し、競合サイトの分析によるUI/UXの方向性決定、システム構成図の作成、必要なプラグインの選定、外部システム(基幹システム、在庫管理、決済サービス、配送会社など)との連携方針の策定などが含まれます。EC-CUBE開発においてこのフェーズが特に重要なのは、EC-CUBEの標準機能で対応できる範囲とカスタム開発が必要な範囲を正確に切り分けることで、費用の最適化が可能になるからです。たとえば、定期購入(サブスクリプション)機能を実装する場合、EC-CUBEのプラグインを活用すれば3万〜10万円程度のプラグイン費用と30万〜50万円程度の設定・カスタマイズ費用で済みますが、フルスクラッチでの開発となると150万〜300万円以上かかることもあります。要件定義の段階で標準機能とプラグインの活用範囲を明確にしておくことが、コスト効率の高い開発への第一歩となります。
設計・開発フェーズ
設計・開発フェーズは、要件定義で決定した内容をもとに、実際にEC-CUBEの環境構築、デザイン制作、カスタマイズ開発、プラグインの導入・設定を行う工程です。このフェーズはプロジェクト全体の費用の中で最も大きな割合を占め、一般的には総費用の60〜70%程度がここに集中します。費用の目安としては、小規模なサイト(標準テンプレートベース、カスタマイズ少)で100万〜300万円、中規模(オリジナルデザイン、一部カスタム開発あり)で300万〜800万円、大規模(フルカスタマイズ、複数の外部連携あり)で800万〜2,000万円以上となります。設計・開発フェーズでの費用の内訳を詳しく見ると、デザイン制作費がプロジェクト全体の15〜25%を占めます。EC-CUBEのデフォルトテンプレートをそのまま使用する場合はデザイン費用を大幅に抑えられますが、ブランドイメージに合わせたオリジナルデザインを制作する場合は、トップページのデザインで20万〜50万円、商品一覧・詳細ページで15万〜40万円、カート・購入フローで15万〜30万円、その他下層ページ一式で20万〜60万円程度が相場です。レスポンシブデザイン(スマートフォン対応)は現在ではほぼ必須であり、PC版のデザイン費用の30〜50%程度が追加で発生します。カスタマイズ開発については、プラグインのインストールと設定で対応できる範囲であれば1機能あたり5万〜30万円程度ですが、プラグインでは対応できない独自機能の開発(たとえば、独自の受注ワークフロー、複雑な送料計算ロジック、独自のポイント制度など)については、1機能あたり30万〜200万円程度の費用がかかります。外部決済サービス(GMOペイメントゲートウェイ、SBPS、PayPay、Amazon Payなど)との連携は1サービスあたり20万〜80万円程度、基幹システムや在庫管理システムとのAPI連携は50万〜200万円程度が相場です。
テスト・リリースフェーズ
テスト・リリースフェーズは、開発したECサイトの品質を確認し、本番環境への移行を行う工程です。費用の目安はプロジェクト全体の10〜20%程度で、小規模サイトで20万〜80万円、中規模で50万〜150万円、大規模で100万〜300万円程度が相場です。このフェーズでは、機能テスト(各機能が仕様通りに動作するかの確認)、決済テスト(実際のテスト環境での決済フロー確認)、負荷テスト(想定アクセス数に耐えられるかの検証)、セキュリティテスト(脆弱性診断、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションへの対策確認)、ブラウザ・デバイステスト(主要ブラウザおよびスマートフォンでの表示・動作確認)などが行われます。EC-CUBEはECサイトという性質上、決済処理に関わるテストが特に重要であり、クレジットカード決済やコンビニ決済、銀行振込など複数の決済手段について、正常系・異常系の両方を網羅的にテストする必要があります。また、本番環境へのデプロイ作業として、サーバーの本番設定、SSL証明書の設置、ドメイン設定、商品データの投入、Googleアナリティクスやサーチコンソールの設定、運用マニュアルの作成なども、このフェーズに含まれます。テスト工程をコストカットの対象にする企業も少なくありませんが、ECサイトは顧客の個人情報や決済情報を扱うため、品質確認を怠ると情報漏洩やシステム障害による売上損失、信用毀損といった深刻なリスクにつながります。テスト費用は「コスト」ではなく「保険」として捉え、十分な予算を確保することが賢明です。
費用相場とコストの内訳

EC-CUBE開発にかかる費用は、プロジェクトの規模やカスタマイズの程度によって幅がありますが、ここでは人件費と工数の観点、そしてリリース後に継続的に発生するランニングコストの観点から、それぞれ具体的な数字をもとに解説します。費用の全体感を掴むことで、見積もりを受け取った際に金額の妥当性を判断するための基準を持つことができます。
人件費と工数
EC-CUBE開発における費用の大部分を占めるのが、エンジニアやデザイナーの人件費です。全体費用の70〜80%がこの人件費に相当するのが一般的であり、工数(人月)と単価の掛け算で算出されます。EC-CUBE 4系の開発に携わるPHPエンジニア(Symfony経験者)の人月単価は、国内の開発会社に依頼する場合で月額70万〜130万円程度が相場です。フロントエンドエンジニア(HTML/CSS/JavaScript、Twigテンプレート対応)は月額60万〜110万円、Webデザイナーは月額50万〜90万円、プロジェクトマネージャーは月額80万〜130万円が目安となります。たとえば、中規模のEC-CUBEサイト(オリジナルデザイン、カスタム機能5〜8個、決済連携2〜3種類)を開発する場合、開発期間は3〜5ヶ月程度で、チーム構成はプロジェクトマネージャー1名、PHPエンジニア1〜2名、フロントエンドエンジニア1名、デザイナー1名が一般的です。この場合の人件費を計算すると、プロジェクトマネージャーが100万円×4ヶ月=400万円、PHPエンジニア(1.5名平均)が100万円×1.5名×4ヶ月=600万円、フロントエンドエンジニアが80万円×3ヶ月=240万円、デザイナーが70万円×2ヶ月=140万円で、合計1,380万円程度が人件費の目安となります。これにプロジェクト管理費やテスト費用を加えて、総額500万〜800万円(標準的なカスタマイズ範囲の場合)から1,500万〜2,000万円(大規模カスタマイズの場合)が中規模プロジェクトの費用相場です。フリーランスのEC-CUBEエンジニアに直接依頼する場合は月額50万〜90万円程度で依頼できることもありますが、EC-CUBEの専門エンジニアは母数が限られるため、スキルや実績の確認をしっかり行う必要があります。また、オフショア開発(ベトナム、フィリピンなど)を活用する場合は、国内の30〜50%程度のコストで開発できるケースもありますが、日本のEC商習慣に関する理解やコミュニケーションコストの上乗せを考慮すると、必ずしもコストメリットが大きいとは限りません。
初期費用以外のランニングコスト
EC-CUBEサイトの費用を検討する際に見落とされがちなのが、リリース後に継続的に発生するランニングコストです。初期開発費用だけに注目していると、運用開始後に「想定外の出費が毎月発生している」という事態に陥りかねません。EC-CUBEサイトのランニングコストの主な内訳は、サーバー・インフラ費用、保守運用費用、決済手数料、セキュリティ対応費用の4つに大別されます。サーバー・インフラ費用は、利用するホスティング環境によって大きく異なります。共用レンタルサーバー(エックスサーバー、さくらインターネットなど)であれば月額1,000〜5,000円程度、VPS(仮想専用サーバー)であれば月額3,000〜2万円程度、AWS・GCPなどのクラウドサービスを利用する場合は月額1万〜10万円程度が目安です。中規模以上のECサイトでは、アクセス集中時(セール期間など)の安定性確保のためにクラウドサービスの利用が推奨されます。保守運用費用は、EC-CUBEのバージョンアップ対応、セキュリティパッチの適用、バグ修正、軽微な機能改善などにかかる費用です。一般的には月額5万〜30万円程度を保守契約として開発会社に支払うケースが多く、初期開発費用の年間15〜20%が保守費用の目安とされています。EC-CUBEは定期的にセキュリティパッチが公開されるため、その都度対応が必要であり、これを怠るとサイトの脆弱性を突かれるリスクが高まります。決済手数料は売上に対して3〜5%程度が一般的で、これは利用する決済代行サービスや決済手段によって変動します。年商1,000万円のECサイトであれば年間30万〜50万円、年商1億円であれば300万〜500万円の決済手数料が発生する計算になります。セキュリティ対応費用としては、SSL証明書の更新(年額0〜10万円)、脆弱性診断(年1〜2回、1回あたり10万〜50万円)、WAF(Web Application Firewall)の導入(月額3,000〜3万円)などが挙げられます。これらのランニングコストを合計すると、小規模サイトで月額3万〜10万円、中規模サイトで月額10万〜30万円、大規模サイトで月額30万〜80万円程度が目安です。5年間のTCO(総保有コスト)で考えると、初期開発費用の2〜3倍程度の金額を見込んでおくのが現実的な予算計画です。
見積もりを取る際のポイント

EC-CUBE開発を外注する際、見積もりの取り方次第で最終的な費用やプロジェクトの成否が大きく変わります。適正価格で高品質な開発を実現するために、見積もり依頼の段階で押さえておくべきポイントを解説します。
要件明確化と仕様書の準備
見積もりの精度を高める最も効果的な方法は、発注側が要件をできる限り具体的に整理してから見積もりを依頼することです。「ECサイトを作りたい」という漠然とした依頼と、「EC-CUBE 4系で、商品数約500点、決済はクレジットカードとコンビニ決済の2種類、基幹システム(SAP)との在庫連携が必要、デザインはオリジナルで、月間PV数は10万程度を想定」という具体的な依頼では、見積もりの精度に雲泥の差が生まれます。見積もり依頼の際に最低限整理しておくべき事項としては、取り扱う商品の種類と点数、想定する月間売上や受注件数、必要な決済手段の種類、配送パターンの複雑さ(送料テーブルの有無、温度帯別配送の要否など)、既存システムとの連携要否、デザインの方向性(参考サイトを3〜5サイト提示すると効果的)、リリース希望時期などが挙げられます。可能であれば、画面遷移図やワイヤーフレームを作成しておくと、開発会社との認識のズレを大幅に減らせます。画面遷移図の作成をプロに依頼する場合は10万〜30万円程度の費用がかかりますが、これによって本開発での手戻りを防げるため、結果的にはコスト削減につながるケースがほとんどです。また、EC-CUBE開発においては、標準機能やプラグインで実現したい機能を事前に洗い出しておくことも重要です。EC-CUBEオーナーズストアで必要なプラグインを調べ、「この機能はプラグインで対応できるか、カスタム開発が必要か」を開発会社に確認することで、見積もりの内訳がより明確になります。
複数社比較と発注先の選び方
EC-CUBE開発を依頼する際は、最低でも3社以上の開発会社から見積もりを取得し、比較検討することが推奨されます。見積もりを比較する際に注意すべきなのは、金額だけで判断しないことです。見積書に含まれている作業範囲は各社で異なるため、表面上は安い見積もりでも、実際には多くの作業が「別途費用」として記載されているケースがあります。具体的に比較すべきポイントとしては、まず作業範囲の網羅性(要件定義、デザイン、開発、テスト、データ移行、マニュアル作成がすべて含まれているか)を確認します。次に、見積もりの内訳の粒度を比較し、工数の根拠が明示されているかを確認します。たとえば「カスタマイズ開発一式300万円」という一括見積もりよりも、「商品検索機能のカスタマイズ40万円、受注フローの変更80万円、会員ランク制度の実装60万円」のように機能単位で明細が分かれている見積もりの方が信頼性が高いと言えます。EC-CUBE開発の発注先としては、EC-CUBEインテグレートパートナーに認定されている開発会社を候補にするのが安心です。EC-CUBEの公式サイトでは、ゴールド、シルバー、ブロンズの3ランクのインテグレートパートナーが公開されており、一定の技術力と実績が担保されています。ゴールドパートナーは技術力や実績が豊富な分、見積もり金額も比較的高めになる傾向がありますが、大規模プロジェクトや高度なカスタマイズが必要な場合には安心感があります。一方、中小規模の開発会社やフリーランスに依頼する場合は費用を抑えられる可能性がありますが、EC-CUBEの開発実績やバージョンアップ対応の経験値、サポート体制の充実度を事前に入念に確認する必要があります。契約形態としては、要件が明確な場合は請負契約(固定金額)、要件に不確実性がある場合は準委任契約(時間単価×実稼働時間)を選択するのが基本です。EC-CUBEの場合、標準機能の構築部分は請負契約、カスタマイズ開発部分は準委任契約というハイブリッドな契約形態を採用するケースもあり、発注側と受注側の双方にとってリスクバランスのとれた選択肢となります。
注意すべきリスクと対策
EC-CUBE開発を発注する際には、費用面でのリスクを事前に把握し、対策を講じておくことが重要です。最も多いリスクのひとつが、開発途中での仕様変更による追加費用の発生です。ECサイトの場合、開発中に「やはりこの決済手段も追加したい」「会員ランクの仕組みを変えたい」といった要望が出てくることは珍しくありませんが、こうした変更は1件あたり数十万円の追加費用につながることがあります。対策としては、要件定義の段階で将来的に追加する可能性がある機能をリストアップしておき、見積もりの際に概算費用を確認しておくことが有効です。また、契約書の中に仕様変更が発生した場合の対応フロー(変更管理プロセス)と、変更による追加費用の算出方法を明記しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。次に注意すべきリスクとして、EC-CUBEのバージョンアップへの対応があります。EC-CUBEは継続的にセキュリティパッチや機能アップデートがリリースされるため、初期構築時にカスタマイズした箇所がバージョンアップ時に互換性の問題を引き起こす可能性があります。特に、EC-CUBEのコア部分を直接修正するようなカスタマイズは、バージョンアップの際に大きな改修コスト(50万〜200万円程度)が発生するリスクがあるため、プラグインとして実装するか、オーバーライドの仕組みを活用して本体との分離性を確保しておくことが推奨されます。開発会社にカスタマイズ方針を事前に確認し、バージョンアップへの配慮がなされた設計になっているかを確認することが、長期的なコスト抑制につながります。さらに、EC-CUBEサイト特有のリスクとして、セキュリティインシデントへの対応コストがあります。過去にはEC-CUBEの脆弱性を突いたクレジットカード情報の漏洩事件が複数報告されており、発生した場合の対応コスト(原因調査、システム改修、顧客対応、損害賠償など)は数百万〜数千万円に上ることもあります。こうしたリスクを軽減するため、初期構築の段階でセキュリティ対策費用(脆弱性診断、WAF導入など)を予算に組み込んでおくことが極めて重要です。
まとめ

本記事では、EC-CUBE開発にかかる費用の全体像から、開発の進め方、費用相場とコストの内訳、見積もりを取る際のポイントまでを網羅的に解説しました。EC-CUBE開発の初期費用は、標準テンプレートベースの小規模サイトで100万〜300万円、オリジナルデザインと一部カスタマイズを伴う中規模サイトで300万〜800万円、フルカスタマイズや複数の外部連携を含む大規模サイトで800万〜2,000万円以上が目安となります。EC-CUBEはオープンソースでソフトウェア自体のライセンス費用がかからず、日本市場に特化した豊富な標準機能とプラグインエコシステムを持つため、同等のECサイトをフルスクラッチで開発する場合と比較して30〜50%程度のコスト削減が期待できます。一方で、ランニングコスト(サーバー費用、保守運用費、決済手数料、セキュリティ対応費用)を含めた5年間のTCOは初期費用の2〜3倍程度に達するため、長期的な視点での予算計画が不可欠です。見積もりの精度を高めるためには、要件を可能な限り具体的に整理したうえで最低3社以上から見積もりを取得し、金額だけでなく作業範囲や内訳の粒度、バージョンアップへの対応方針まで含めて比較検討することが重要です。EC-CUBE開発に関するさらに詳しい情報は、以下の全体ガイドもぜひ参考にしてください。
▼全体ガイドの記事
・EC-CUBE開発の完全ガイド
株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
