ECサイトの多言語対応開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ECサイトの多言語対応開発は、要件と運用体制を先に固め、候補を比べて契約し、発注後も管理を続ける流れで進めます。

英語・中国語・韓国語に対応する場合は、翻訳品質と国際決済を同時に見ておく必要があります。多言語対応の全体像は、次のガイドで確認できます。

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・ECサイトの多言語対応開発の完全ガイド

ECサイト多言語対応を外注する前の確認事項

越境EC専門会社、多言語化SaaS、総合会社・分離発注を支援範囲の違いで並べた図。
任せたい作業の範囲が、発注先を絞る手がかりになります。

外注を決める前に、自社の人材、事業の優先度、公開期限を整理しておきます。整理をしないまま発注を進めると、途中で社内の判断が止まりやすくなります。

外注が適しているケースと内製が向いているケース

外注か内製かは、人材の確保、公開期限、越境ECの位置づけで判断します。

  • 人材不足:専門スキルを社内で確保しにくいとき。
  • 短期公開:3ヶ月以内のリリースを急ぐ案件。
  • 内製向き:海外売上が30%以上で、更新が続く場合。

i18n、l10n、hreflangといった技術に加え、TMSや国際決済APIも専門性が要ります。そのため、社内に経験者がいないと、実装で手戻りが生じることがあります。

内製では、年収600万〜1,200万円の人材を複数名採用する負担もかかります。

一方で、外注では開発期間を30〜50%短縮できるケースがあります。

発注先の種類と特徴

発注先は、必要な支援の範囲と予算に応じて、次の3タイプから選びます。

  • 越境EC専門会社:構築から決済までを一括で任せられる。
  • 多言語化SaaS:WOVNやWeglotを導入する形。
  • 総合会社・分離発注:連携や翻訳品質を優先したいとき。

越境EC専門会社に頼む場合、費用は300万〜2,000万円程度が目安です。一方、多言語化SaaSは初期費用50万〜200万円程度で始められます。翻訳会社と開発会社を分けると、管理の複雑さが増します。

ポイント

外注か内製かは、社内の人材と公開期限、海外売上の規模で決めます。発注先は、支援の範囲と予算から3タイプのどれかを選ぶと絞り込みやすくなります。

多言語対応開発の発注プロセス

同じRFP、3社以上への依頼、回答期限2〜3週間、比較する費用と体制を並べた図。
条件を統一すると、見積もりの違いを同じ土台で見比べられます。

発注は、要件整理、候補比較、契約の順に進めます。前の段階で決めた内容が次の段階の比較基準になるため、順番を飛ばさないことが大切です。

要件整理と社内合意形成

要件整理では、目的、市場、言語を一枚にまとめます。続けて、品質、予算、時期も同じ紙に書き込みます。こうしておくと、後で候補に同じ条件を渡せます。

  • 目的:海外売上など、期待する成果を明確にする。
  • 対象:対応する言語と市場の優先順位を決める。
  • 前提:技術と翻訳、予算、時期を揃える。

EC運営やマーケティングだけでなく、ITや経営層とも合意を取っておきます。

項目はRFPにまとめ、難しければ箇条書きから始めます。

開発会社の選定と見積もり比較

候補は3社以上に同じRFPを渡し、同じ条件で比べます。

  • 候補探し:Web・紹介・展示会・業界団体から探す。
  • 回答条件:回答期限は2〜3週間程度で揃える。
  • 比較の観点:総額・内訳・翻訳費・運用費・体制を見る。

安い見積もりほど、翻訳費やスコープの抜けを確かめる必要があります。金額だけでは、必要な作業が含まれているかが見えにくいためです。

ポイント

要件が固まらないまま候補を比べると、見積もりの条件がそろわず比較が難しくなります。RFPを同じ内容で3社以上に渡すと、見積もりを同じ基準で並べられます。

契約時の注意点と失敗しないためのポイント

請負契約と準委任契約を、案件の範囲や仕様変更の見込みで対比した図。
範囲を固める度合いが、契約形態を選ぶ分かれ目になります。

契約は、発注後の費用と期間の管理に関わるため、形態と条項を先に確かめておきます。

形態は、固定範囲と変更余地のどちらを重く見るかで選びます。

契約形態の選択と重要条項

契約形態は、請負と準委任の2種類を比べ、範囲を固めて進めるか、変更の余地を残すかで選びます。

  • 請負契約:範囲と納品物がはっきりした案件。
  • 準委任契約:仕様変更や追加要件が見込まれる案件。
  • 重要条項:検収・品質・権利・秘密保持・変更管理。

たとえば、翻訳SaaSのように範囲が明確な案件なら、請負契約を検討できます。一方で、フルスクラッチ開発では、ラボ型の準委任契約も候補になります。さらに、翻訳メモリ(TM)や用語集の所有権も、契約書で確定しておきます。

よくある失敗パターンと回避策

失敗を防ぐには、契約の前に、起きやすい場面と対策を確認しておきます。

  • 翻訳品質:ネイティブチェックを工程に組み込む。
  • 多言語SEO:Google Search Consoleで検証する。
  • 変更管理:費用と期間を都度合意する。

検索対策では、hreflang、canonical URL、重複コンテンツをテストします。加えて、追加要望が当初の2倍以上に膨らまないよう、変更を記録に残します。

ポイント

範囲が固まっていれば請負契約、変更が見込まれるなら準委任契約が目安です。契約前に変更の扱いと、翻訳メモリや用語集の所有権を決めておくと、追加費用を抑えやすくなります。

発注後のプロジェクト管理と運用体制の構築

発注後は翻訳と開発を並行して進めるため、課題を週次で管理します。

開発フェーズでの効果的なコミュニケーション

関係者が多くなるため、キックオフを行ったうえで、週1回の定例会議を置きます。

  • 共有:目的・範囲・役割・ルールを揃える。
  • 翻訳連携:遅延に備え、代替プランを用意する。
  • 品質確認:ネイティブレビューを確保する。

翻訳が遅れると開発も止まるため、両工程を密に連携させます。

リリース後の運用体制構築

運用体制は、翻訳やSEOの対応を誰がどこまで受け持つかで決まります。

  • 更新:新商品やキャンペーンの翻訳を回す。
  • 分析:SEOと翻訳品質を、定期的に見直す。
  • 保守:SLAと月額費用を、契約書に書いておく。

なお、保守料金は月10万〜50万円程度が相場です。また、GDPRなどの法規制や、多言語カスタマーサポートも、運用の確認項目に入ります。

ポイント

翻訳の遅れは開発を止めるため、代替案を先に決めておきます。リリース後は、更新や分析、保守の担当範囲を契約前に決めると、運用が途切れにくくなります。

まとめ

要件、発注先、契約、運用を順に確認すると、各段階での判断がしやすくなります。発注の流れも、この順に並べると全体が見通せます。

  • 要件:言語・市場・品質・予算・期限を整理する。
  • 発注:RFPを3社以上に渡して比較する。
  • 運用:翻訳と保守を、リリース前に決める。

多言語ECでは、翻訳と決済、SEO、法規制を一体で管理します。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。