Next.js開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

Next.jsを使った開発を検討しているものの、「具体的にどのような工程で進めるのか」「どこから始めればよいのか」と悩んでいる方は少なくありません。Next.jsはReactをベースにしたフロントエンドフレームワークとして、SEOに強い静的サイト生成(SSG)やサーバーサイドレンダリング(SSR)を標準サポートしており、近年のWebアプリ開発で急速に採用が広がっています。

本記事では、Next.js開発の全体像から具体的な進め方・工程・手順、費用相場、発注時のポイントまでを体系的に解説します。これからNext.js開発をスタートする担当者の方や、外注・委託を検討している方にも参考になる内容をまとめています。

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Next.js開発の全体像

Next.js開発の全体像

Next.jsは、Vercel社が開発・メンテナンスするReactベースのフレームワークです。従来のReact開発と比べてルーティングやデータフェッチング、画像最適化などの機能が標準搭載されており、開発スピードと品質の両立を実現できます。まずはNext.jsがどのような特徴を持つフレームワークか、大きな視点で押さえておきましょう。

Next.jsの主要な特徴と強み

Next.jsの最大の特徴は、ページごとにレンダリング方式を柔軟に選択できる点です。SSG(Static Site Generation)では、ビルド時にHTMLを生成するためサーバー負荷が低く、表示速度が非常に高速です。一方、SSR(Server-Side Rendering)ではリクエストのたびにサーバー上でHTMLを生成するため、常に最新のデータを返すことができます。さらに、ISR(Incremental Static Regeneration)という手法を使えば、一定時間おきにページを再生成できるため、静的サイトの速度メリットを保ちつつ動的なコンテンツにも対応できます。

App Routerの導入(Next.js 13以降)により、Server ComponentsとClient Componentsを使い分けるアーキテクチャが標準化されました。これにより、クライアントに送るJavaScriptの量を最小化しながら、インタラクティブなUIも実現できます。実際、Vercel社の調査によると、Next.jsを採用したプロジェクトではCore Web Vitalsのスコアが平均20〜30%向上したケースが多く報告されています。TypeScriptとの親和性も高く、型安全な開発環境を整えやすいことも企業採用が進む理由の一つです。

Next.jsが選ばれる主なユースケース

Next.jsは、コーポレートサイトやメディアサイト、ECサイト、SaaS系Webアプリケーション、社内向けダッシュボードなど幅広い用途で採用されています。特にSEO対策が重要なコンテンツ系サービスにおいては、SSGやSSRによる高速表示がGoogleの検索評価指標であるCore Web Vitalsに直結するため、集客力の向上に貢献します。また、BtoB向けのWebアプリケーションでは、APIルートを活用してバックエンドロジックをまとめて管理できるため、フルスタック開発の文脈でも活用されることが増えています。国内でも楽天や日経電子版などの大規模サービスがNext.jsを採用しており、スケーラビリティの面でも実績が積み重なっています。

Next.js開発の進め方・工程・手順

Next.js開発の進め方・工程・手順

Next.jsの開発は、大きく「要件定義・企画フェーズ」「設計・開発フェーズ」「テスト・リリースフェーズ」の3つのフェーズに分けて進めるのが一般的です。各フェーズで何を決定し、どのような成果物を用意するかを事前に把握しておくことが、プロジェクトの成功率を高める上で非常に重要です。

要件定義・企画フェーズ

まず最初に取り組むのが、要件定義と企画の段階です。ここでは「何のためにNext.jsで開発するのか」「誰が使うシステムなのか」「必要な機能は何か」を明文化します。この段階をあいまいにしたまま開発に入ると、後工程での手戻りが増え、費用と時間の両面でロスが生じます。

具体的には、サービスの目的・ターゲットユーザー・想定する画面数と機能一覧・パフォーマンス要件(ページ表示速度、同時接続数など)・SEO要件(メタタグ管理、OGP設定、サイトマップ生成など)を整理します。また、Next.jsの特性上、どのページをSSGで生成するか、どのページをSSRで動的に処理するか、どのページをCSR(クライアントサイドレンダリング)にするかを早い段階で設計方針として決めておくと、後の実装がスムーズになります。外部APIやCMSとの連携がある場合は、その仕様も要件定義の段階で把握しておく必要があります。

設計・開発フェーズ

要件が固まったら、設計・開発フェーズに入ります。このフェーズは「UI設計」「アーキテクチャ設計」「実装」の3つのステップで構成されます。

UI設計では、FigmaやAdobe XDなどのデザインツールを使ってワイヤーフレームとビジュアルデザインを作成します。Next.jsではTailwind CSSやCSS Modulesを組み合わせることが多く、デザインシステムやコンポーネントライブラリ(ShadcnUI、Chakra UIなど)の採用もこの段階で決定します。アーキテクチャ設計では、ディレクトリ構成・状態管理の方針(Zustand、Jotai、React Query等)・APIルートの設計・認証方式(NextAuth.jsなど)を決定します。App Routerを使う場合はserver/clientコンポーネントの分割方針も設計書に盛り込みます。実装フェーズでは、まず開発環境を整備し(Node.jsバージョン管理、ESLint/Prettier設定、Gitブランチ戦略など)、コンポーネント単位で開発を進めます。CIツール(GitHub ActionsやVercel Preview Deploymentなど)を早期から導入し、プルリクエストごとに自動でプレビュー環境を立ち上げる運用にすると、レビューと品質管理が効率化されます。

テスト・リリースフェーズ

開発が完了したら、テストとリリースのフェーズに移ります。Next.jsプロジェクトでは、単体テスト(Jest/Vitest)、コンポーネントテスト(Testing Library)、E2Eテスト(Playwright/Cypress)を組み合わせてカバレッジを高めるのが現代的なアプローチです。特にSSRやSSGのページは実際のブラウザでレンダリング結果を確認するE2Eテストが有効で、Playwrightを使えば複数ブラウザでの動作確認も自動化できます。

リリースにあたっては、Vercelへのデプロイが最も一般的な選択肢です。VercelはNext.jsの開発元であるため、Edge FunctionsやISRなどNext.js固有の機能を最大限に活かしたデプロイが可能です。AWSやGoogle Cloudを使う場合は、DockerコンテナによるSSRサーバーの構築やNext.jsのexport機能を使った静的ファイルのS3/CloudFront配信といった構成が取られます。リリース後は、Lighthouseを使ったCore Web Vitalsの計測、Datadogや Sentryを使ったエラーモニタリング、Google Search ConsoleによるSEOパフォーマンスの追跡を行い、継続的な改善サイクルを回すことが重要です。

Next.js開発の費用相場とコストの内訳

Next.js開発の費用相場

Next.js開発の費用は、プロジェクトの規模・機能数・チーム構成によって大きく異なります。コーポレートサイトや小規模なWebアプリであれば50万〜200万円程度から、中規模なSaaSや機能豊富なECサイトであれば300万〜1,000万円以上になることも珍しくありません。費用の内訳を正確に把握しておくことで、発注前の予算計画が立てやすくなります。

人件費と工数の目安

Next.js開発費用の大部分を占めるのが人件費です。フリーランスのNext.js開発者の単価は月60万〜100万円が相場であり、開発会社に依頼する場合はエンジニア1人あたりの月次コストがさらに高くなるケースも多いです。工数の目安としては、シンプルなコーポレートサイト(10ページ程度)で1〜2人月、中規模のWebアプリ(ユーザー認証・DB連携・管理画面含む)で5〜15人月が一般的です。

役割別に見ると、フロントエンドエンジニアのほか、UIデザイナー・バックエンドエンジニア(APIやDB設計担当)・インフラエンジニア(Vercel/AWS設定担当)・プロジェクトマネージャーが関与することが多く、それぞれの工数が積み重なります。要件定義や設計フェーズへの参加が少ない場合でも、後工程での修正コストが増大するリスクがあるため、各ロールの適切な関与を確保することが費用対効果の最大化につながります。

初期費用以外のランニングコスト

Next.jsプロジェクトを本番運用する際には、初期開発費用に加えてランニングコストを見込んでおく必要があります。Vercelの場合、個人・小規模チームではProプラン(月20ドル/メンバー)から始まり、エンタープライズ向けでは月数万円〜数十万円規模になることもあります。ISRやEdge Functionsを多用する場合は実行回数に応じた従量課金が発生するため、トラフィック量を踏まえた試算が必要です。

AWSやGoogle Cloud上にNext.jsを自己ホスティングする場合は、EC2やCloud Runのインスタンス費用・ロードバランサー費用・CloudFrontなどのCDN費用が発生します。月5万〜20万円程度が中規模サービスの目安ですが、トラフィックが増えるほどスケールします。また、継続的な保守・バージョンアップ対応として月10万〜30万円程度の保守費用を確保しておくことが、長期的な安定運用につながります。Next.jsはバージョンアップが活発なフレームワークであり、メジャーバージョンアップ時には対応工数が発生するためです。

見積もりを取る際のポイント

Next.js開発の見積もりポイント

Next.js開発を外注・委託する際の見積もりは、単に金額を比較するだけでは不十分です。見積もりの精度はその後のプロジェクト運営に直結するため、依頼側・受注側の双方が認識を合わせるプロセスが非常に重要です。

要件明確化と仕様書の準備

見積もり依頼時に最も効果的なのは、要件を可能な限り明文化した仕様書を準備することです。機能要件(何ができるか)と非機能要件(どの程度の速度・可用性・セキュリティが必要か)の両方を記載しておくと、ベンダーが精度の高い見積もりを出しやすくなります。画面数・ページ数の一覧、各ページのデータフロー(どのAPIから何のデータを取得してどう表示するか)、外部サービス連携の一覧(決済サービス・CMS・認証基盤など)を整理するだけで、見積もりの誤差が大幅に縮まります。

仕様書が完全でなくても問題ありませんが、「〇〇は未定」「要検討」と明記しておくことで、ベンダー側が不確実性をどう見積もりに反映しているかを確認できます。あいまいな要件のまま低い見積もりで契約してしまうと、後から「仕様変更」として追加費用が発生するリスクが高まるため、初期段階での要件整理に時間をかけることは投資対効果の観点からも合理的です。

複数社比較と発注先の選び方

Next.js開発の発注先を選ぶ際は、最低でも3社から見積もりを取ることを推奨します。金額だけでなく、Next.jsの採用実績・チームの技術スタック・プロジェクト管理の方法論(アジャイル/ウォーターフォール)・コミュニケーション頻度・納品後の保守サポート体制を総合的に評価することが重要です。

特に確認しておきたいのは、Next.jsのApp Router(13以降)に対応した開発経験があるかどうかです。Pages RouterとApp Routerでは設計思想が大きく異なるため、App Routerの知見を持つチームかどうかを事前にヒアリングしておくと安心です。また、デプロイ先として提案されているインフラ(Vercel / AWS / GCP)とその運用体制、テスト方針(自動テストの範囲・E2Eテストの有無)なども確認すべき重要項目です。費用が最も安い会社が最も良い選択とは限らず、長期的なプロダクト成長を見据えたパートナー選びが成果に直結します。

注意すべきリスクと対策

Next.js開発においてよく見られるリスクの一つが、フレームワークのバージョンアップへの追随です。Next.jsは年に数回のメジャーアップデートが行われており、APIの破壊的変更が含まれるケースもあります。2023年に登場したApp Routerは、それまでのPages Routerとは根本的にアーキテクチャが異なるため、旧バージョンで構築したプロジェクトの移行には相応の工数が必要です。発注時には「保守期間中のバージョンアップ対応をどう扱うか」を契約に明記しておくと、後のトラブルを防げます。

もう一つのリスクは、パフォーマンス最適化の見落としです。Next.jsはデフォルトで多くの最適化を行ってくれますが、大量の画像・動画・サードパーティスクリプトを扱う場合は追加の対策が必要です。next/imageコンポーネントを使った画像最適化、フォントの最適化(next/font)、不要なレンダリングの防止などを開発初期から意識しておかないと、リリース直前にパフォーマンス改善のための大規模リファクタリングが必要になることもあります。発注時のRFP(提案依頼書)にCore Web Vitalsの目標値を明記しておくことで、ベンダーが最初から品質基準を意識した設計・実装を行いやすくなります。

まとめ

Next.js開発のまとめ

Next.js開発を成功させるためには、要件定義・企画フェーズでの丁寧な準備、設計・開発フェーズでのアーキテクチャ判断の精度、そしてテスト・リリースフェーズでの品質担保という3つのフェーズを着実に積み上げることが欠かせません。費用面では、人件費を中心とした初期開発費用だけでなく、インフラ・保守・バージョンアップ対応といったランニングコストまで見越した予算設計が重要です。

発注先を選ぶ際は、Next.jsの最新アーキテクチャ(App Router)への対応実績、テスト自動化の方針、デプロイ・インフラ運用の体制を複数社で比較することをおすすめします。また、要件の明文化と非機能要件の設定を発注前に行っておくことで、見積もりの精度が上がり、開発中の手戻りを最小化できます。Next.jsは習熟すれば高い開発効率とユーザー体験を両立できる強力なフレームワークです。本記事を参考に、貴社のプロジェクトを成功へと導いてください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。