ネットショップ/ネット通販開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

近年、日本国内のEC市場は急速に拡大しており、ネットショップ・ネット通販の開設は事業成長において欠かせない戦略の一つとなっています。経済産業省の調査によると、国内BtoCのEC市場規模は年々拡大傾向にあり、消費者のオンライン購買行動はコロナ禍を経てさらに定着しました。一方で、競合となるネットショップの数も増加しており、ただサイトを立ち上げるだけでは集客・売上につながりにくい環境になっています。成果を出すネットショップを構築するには、開発の進め方を正しく理解し、事業目標に合ったシステム選定や機能設計を行うことが不可欠です。

本記事では、ネットショップ・ネット通販サイトを開発する際の全体像から、具体的な工程・手順、よくある失敗と対策、費用相場まで体系的に解説します。これからネットショップの開設・リニューアルを検討している事業者や、システム開発会社への発注を考えているEC担当者の方にとって、プロジェクトを成功させるための実践的な情報をお届けします。開発に着手する前にぜひご一読ください。

ネットショップ/ネット通販開発の全体像

ネットショップ開発の全体像

ネットショップ・ネット通販システムの開発には、大きく分けて「ASP・SaaSの活用」「パッケージシステムの導入」「フルスクラッチ開発」の3つのアプローチがあります。それぞれに特徴があり、事業規模・予算・必要な機能によって最適な選択肢は異なります。まず全体像を把握し、自社の要件に合った開発方針を決定することが、プロジェクトを成功させる第一歩です。近年はD2Cブランドの立ち上げやオムニチャネル対応など、ネットショップに求められる機能が多様化しており、システムの選定段階から慎重な検討が必要です。

ネットショップ構築の方法比較(ASP/パッケージ/スクラッチ)

ASP・SaaS型(Shopify、BASE、カラーミーショップなど)は、月額費用を支払うことで即座にネットショップを開設できる方法です。初期費用が低く、短期間での立ち上げが可能な反面、機能のカスタマイズに制約があり、大規模な販促施策や独自の会員管理機能などに対応しにくい場面があります。パッケージシステム(EC-CUBE、Magento、WooCommerceなど)は、オープンソースや商用パッケージをベースに自社要件に合わせてカスタマイズする方法で、ASPより高い自由度を持ちつつ、フルスクラッチより低コストで導入できます。フルスクラッチ開発は、すべての機能を独自に設計・開発するため最高の柔軟性を持ちますが、開発費用・期間ともに最も大きくなります。大規模EC・独自ビジネスロジックが必要なD2Cサイト・複雑な物流連携が必要な場合に適しています。

ネットショップに必要な機能一覧

ネットショップに最低限必要な機能としては、商品管理(商品登録・在庫管理・カテゴリ管理)、カート機能、注文管理、決済機能(クレジットカード・コンビニ払い・後払い等)、会員管理、配送管理(送料計算・配送業者連携)、メール通知(注文確認・発送通知)が挙げられます。さらに事業成長に向けては、SEO対策機能(メタタグ管理・サイトマップ自動生成)、レビュー・口コミ機能、クーポン・ポイント機能、メールマガジン機能、アクセス解析連携(Google Analytics等)、SNS連携、レコメンド機能なども重要です。特にスマートフォンからの購買比率が高まる現在、モバイルファーストのUI/UXは必須要件と言えます。これらの機能要件を開発着手前に整理することで、開発スコープの明確化と予算の適切な配分が可能になります。

ネットショップ開発の進め方・工程・手順

ネットショップ開発の工程・手順

ネットショップの開発プロジェクトは、一般的に「要件定義・企画」→「設計・開発」→「テスト・リリース」という3つのフェーズで進行します。各フェーズで必要な意思決定と成果物を明確にし、手戻りを最小化することが、プロジェクトを予算・スケジュール通りに完了させるポイントです。特に要件定義フェーズの質がプロジェクト全体の成否を左右するため、事業サイドと開発サイドが密にコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。

要件定義・企画フェーズ(商品数・顧客数・機能要件)

要件定義・企画フェーズでは、ネットショップの事業目標(売上目標・会員数目標など)を明確にし、それを実現するために必要なシステム要件を洗い出します。具体的には、取り扱い商品数(SKU数)・想定顧客数・ピーク時のアクセス負荷・決済手段・配送方法・会員管理の仕様・外部システムとの連携要件(在庫管理システム・倉庫管理システム・基幹システムなど)を整理します。この段階でターゲット顧客のペルソナとカスタマージャーニーを描き、必要なページ構成・UI/UXの方向性も決定します。また、競合サイトの調査を行い、自社の差別化ポイントを機能やデザインに反映させる計画を立てることも重要です。要件定義書として文書化し、開発会社との認識を揃えることで、後工程での仕様変更を防ぐことができます。

設計・開発フェーズ(商品管理、カート、決済、配送)

設計フェーズでは、要件定義をもとにシステムアーキテクチャ設計・データベース設計・画面設計(ワイヤーフレーム)・API設計を行います。特に商品管理機能(在庫数・バリエーション管理・商品画像管理)、カート機能(数量変更・クーポン適用・送料計算)、決済機能(クレジットカード決済代行との連携・セキュリティコード管理)、配送機能(配送業者API連携・追跡番号管理)は、ECサイトの核となる機能のため、詳細な設計が必要です。開発フェーズでは、設計書に基づいてフロントエンド・バックエンドを実装し、外部決済システム(Stripe、GMOペイメントゲートウェイ等)や物流システムとの連携を構築します。アジャイル開発を採用する場合は、スプリントごとに動作確認を行いながら段階的に機能を追加していく方式が有効です。

テスト・リリースフェーズ(決済テスト、セキュリティ検証)

テストフェーズでは、単体テスト・結合テスト・システムテスト・ユーザー受け入れテスト(UAT)を段階的に実施します。ネットショップ特有のテスト項目として、決済テスト(各決済手段での実際の購買フロー確認・エラーハンドリング確認)、在庫連動テスト(注文と同時に在庫が正確に減算されるかの確認)、負荷テスト(セール時の高アクセス時のシステム安定性確認)、セキュリティ検証(SQLインジェクション・XSS・個人情報の暗号化・不正アクセス対策)が特に重要です。PCI DSS(クレジットカード情報の安全管理基準)への対応状況も必ず確認する必要があります。テスト完了後は、DNSの切り替え・SSL証明書の確認・検索エンジンへのサイト登録申請を行い、リリース後も一定期間は集中的なモニタリングを実施します。

ネットショップ開発でよくある失敗と対策

ネットショップの開発プロジェクトには、特有の落とし穴が多数存在します。開発技術の問題だけでなく、事業計画・マーケティング・セキュリティなど多岐にわたる観点での準備不足が失敗につながります。以下では、実際のプロジェクトでよく見られる3つの失敗パターンとその対策を解説します。事前に把握しておくことで、同じ過ちを避け、成功確率の高いネットショップ開発を実現できます。

SEO・集客施策の後手

ネットショップ開発において最も多い失敗の一つが、「サイトを作ったが集客ができない」というケースです。開発・デザインに力を注いだ結果、SEO対策やリスティング広告・SNSマーケティングなどの集客施策の検討が後回しになってしまうパターンです。対策としては、開発フェーズの初期段階からSEOを意識した設計を行うことが重要です。具体的には、URL設計・ページタイトル・メタディスクリプション・構造化データ(schema.org)の実装・サイト速度の最適化(Core Web Vitals対応)・内部リンク構造の設計などを開発仕様に組み込む必要があります。また、リリース後の集客予算と施策計画をリリース前から策定し、開発予算と並行して集客投資の計画を立てておくことが成功の鍵となります。

決済・セキュリティの脆弱性

ネットショップでは顧客の個人情報・クレジットカード情報を取り扱うため、セキュリティ対策の不備は事業存続を脅かす深刻な問題となります。よくある失敗として、SSL/TLSの設定漏れ・決済情報のサーバー側保持(非推奨)・WAF未導入・定期的なセキュリティアップデートの怠慢などが挙げられます。対策としては、クレジットカード情報は自社サーバーに持たずに決済代行会社のトークン決済方式を採用する、PCI DSSの要件を満たした開発を行う、定期的な脆弱性診断(ペネトレーションテスト)を実施する、WAF(Web Application Firewall)を導入するなどが有効です。また、不正注文対策(本人確認・3Dセキュア対応)も、運営コストの最小化と顧客信頼性の維持に欠かせません。

スマートフォン対応の不備

現在、ECサイトへのアクセスの過半数はスマートフォンからとなっています。それにもかかわらず、PCでの表示を優先した設計でスマートフォンの使いやすさが犠牲になるケースが依然として多く見られます。特に購入フォームの入力しにくさ・商品画像の表示崩れ・カートボタンのタップしにくさなどが購買機会の損失に直結します。対策としては、デザイン設計の段階からモバイルファーストアプローチを採用し、スマートフォンでの購買フローを優先的に設計・テストすることが重要です。また、AMP(Accelerated Mobile Pages)の活用やPWA(Progressive Web App)への対応も、モバイル体験の向上に有効な選択肢です。Google のCore Web Vitals(LCP・FID・CLS)のモバイルスコアを定期的にモニタリングし、継続的な改善を行う体制を整えましょう。

ネットショップ開発の費用相場

ネットショップの開発費用は、構築方法・機能の複雑さ・デザインのカスタマイズ度・連携する外部システムの数などによって大きく異なります。予算計画を立てる際は、初期開発費用だけでなく、リリース後の運用・保守コスト(サーバー代・決済手数料・システム更新費用・SEO・広告費など)も含めたトータルコストを把握することが重要です。以下では、構築方法・規模別の費用目安と、費用に影響する主な要素を解説します。

規模・機能別の費用目安

ASP・SaaS型での小規模ネットショップ立ち上げの場合、初期費用は無料〜数十万円程度で、月額費用は数千円〜数万円が相場です。EC-CUBEなどのパッケージを活用した中規模ECサイトの場合、カスタマイズ・デザイン制作込みで100万〜500万円程度が目安となります。大規模なフルスクラッチ開発(独自の会員管理・ポイント・サブスクリプション機能・物流システム連携など)では、500万〜3,000万円以上になるケースもあります。D2Cブランドのオンラインストア(独自デザイン・CRM連携・マーケティング自動化込み)は300万〜1,000万円程度が一般的な相場です。これらはあくまで目安であり、要件によって大きく変動します。

費用に影響する要素

ネットショップ開発の費用に影響する主な要素として、①デザインのカスタマイズ度(テンプレート活用 vs 完全オリジナルデザイン)、②決済手段の数(クレジットカードのみ vs 複数決済手段への対応)、③外部システムとの連携数(倉庫管理・在庫管理・基幹システム・CRMなど)、④商品管理の複雑さ(商品数・バリエーション数・在庫管理の精緻さ)、⑤会員・ポイント・サブスクリプション機能の有無、⑥多言語・多通貨対応(越境EC)の有無、⑦コンテンツ管理機能(ブログ・特集ページなど)の実装規模が挙げられます。開発会社への見積もり依頼時は、これらの要件を明確にした上でRFP(提案依頼書)を作成することで、精度の高い見積もりを取得できます。

株式会社ripla|ネットショップ開発をコンサルから一気通貫で支援

株式会社riplaのネットショップ開発支援

株式会社riplaは、IT事業会社として社内DXを推進してきた豊富な経験を持ち、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。ビジネス課題の整理段階から伴走し、事業目標に沿ったプロダクト開発を推進します。「何を作るべきか」という上流工程から関与できることが、一般的なシステム開発会社との大きな差別化ポイントです。ネットショップ・ネット通販システムの開発においても、売上目標や顧客体験の向上という事業目標から逆算して、最適なシステム設計と開発アプローチを提案します。

特徴と強み

riplaの最大の強みは、事業会社としての視点でプロダクト開発に取り組める点です。単なる受託開発会社ではなく、クライアントのビジネスパートナーとして、KPI設計・要件定義・システム選定・開発・リリース後の改善まで一貫して支援します。また、エンジニアだけでなく、ビジネスコンサルタントやUXデザイナーが協働するチーム体制で、技術と事業の両面から最適解を導きます。ネットショップ開発においては、単にシステムを構築するだけでなく、「売れるEC」を実現するための施策立案も含めたトータルサポートが可能です。

得意領域・実績

riplaが得意とする領域は、D2CブランドのEC立ち上げ・既存ECサイトのリプレイス・オムニチャネル対応システムの構築・越境EC開発などです。特に、既存ビジネスのデジタル化・DX推進の観点から、社内基幹システムとECサイトの連携構築を得意としています。また、スタートアップから中堅企業まで幅広い規模のクライアントを支援しており、予算・スケジュール・リソースの制約条件の中で最大限の成果を出すプロジェクトマネジメント力も高く評価されています。リリース後の運用改善・グロースハック支援も継続的に対応しています。

サービス内容・費用の目安

riplaのネットショップ開発支援サービスは、初期相談・ヒアリングから始まり、事業要件の整理・システム選定・UI/UXデザイン・システム開発・テスト・リリース・運用改善まで一気通貫で対応します。プロジェクトの規模・複雑さによって異なりますが、小〜中規模のネットショップ開発(パッケージ活用)であれば100万〜500万円程度、大規模なフルスクラッチ開発やオムニチャネル対応では500万円〜が目安となります。まずは無料相談からプロジェクトの方向性を整理することも可能です。ネットショップ開発のパートナー選びでお悩みの方は、ぜひriplaにご相談ください。

株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。