プロダクト開発開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

プロダクト開発は、要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの3段階で進めるのが基本です。段階ごとに決めることを先に押さえると、後工程での手戻りを抑えやすくなります。

開発の種類や費用相場、見積もりの確認点も、この流れに沿って見ていくと全体像がつかめます。

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プロダクト開発の全体像

プロダクト開発とは、市場や顧客のニーズをもとに、製品やサービスを企画・設計・構築してリリースまで進める一連の流れを指します。

ITプロダクトの代表例には、SaaS、アプリ、Webシステムなどがあります。

一般的には、アイデアの発案から要件定義、設計、実装、テストを経てリリースへと進みます。

プロダクト開発は、こうした作業をビジネスの成果につなげるための包括的な取り組みです。

MVP(最小限の機能を持つ製品)を素早くリリースし、ユーザーのフィードバックを得ながら段階的に改善する手法は主流となっています。

プロダクト開発の種類と特徴

開発方式は、柔軟性、費用、開発速度のどれを重視するかで選びます。それぞれの特徴は、下記のとおりです。

  • スクラッチ開発:ゼロから構築し、独自要件に柔軟に対応できます。
  • パッケージ活用・カスタマイズ開発:既存の基盤を土台に、独自機能を加える方式です。たとえば、Salesforceやkintoneを使う開発が該当します。
  • ノーコード・ローコード開発:専門知識がなくても開発でき、速度と費用を抑えられます。

パッケージ活用は、既存の基盤を使うため、コストと品質のバランスを取りやすいのが特徴です。

スクラッチ開発は、独自の要件に応えられる半面、費用と期間がかかりやすく、プロジェクト管理の経験も求められます。

ノーコード・ローコードは、複雑なロジックや大規模処理に向かない場合があります。

開発方式はプロダクトの用途に合うものを選びます。

プロダクト開発の成功要因

成功させるには、課題を明確にし、関係者の認識をそろえることが欠かせません。そのうえで、品質の基準と改善の仕組みも必要になります。

  • サービスコンセプト:開発に着手する前に、誰のどの課題を解決するのかを定め、チーム全体で共有しておきます。
  • 関係者との対話:経営層、現場、エンジニア、デザイナーの認識をそろえ、手戻りを防ぎます。
  • 品質ゲート:工程ごとの合格基準を数値で決めて全員で共有し、最終的な品質の安定を図ります。
  • 継続的な改善:リリース後の利用者の声を取り込む仕組みを設計段階から組み込み、長期的な価値を高めます。

なかでも、大切なのはサービスコンセプトを明確にしておくことです。開発したい機能が多く浮かび、何を優先すべきか絞れなくなる状況は、多くのプロジェクトで起こります。

ポイント

迷ったときは、開発方式や機能を選ぶ前に、誰のどの課題を解決するのかを基準にして判断します。その基準がないと、機能の優先順位を絞れなくなります。

プロダクト開発の進め方・フロー

要件定義・企画から設計・開発、テスト・リリースへ進む3段階と、各段階の作業例を示した図。
企画・設計・テストの順に、成果物を確かめながら進みます。

プロダクト開発は、要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの3段階で進みます。

各段階で決めることと成果物を事前に把握しておくと、プロジェクトを円滑に進めやすくなります。

要件定義・企画フェーズ

要件定義・企画は、開発全体を左右する工程です。

課題、機能、予算、スケジュールの方針を整理し、主な作業をまとめます。

  • ユーザー調査:インタビューやアンケートで利用者の課題と行動を把握し、必要な機能を明確にします。
  • 要件定義書:ビジネス要件と機能要件を整理し、目的、対象者、主要機能を文書にまとめます。
  • 非機能要件:パフォーマンス、セキュリティ、可用性などを具体的に定めます。
  • 優先順位付け:MoSCoW法(Must/Should/Could/Won’t)で、必須機能と後回しにできる機能を分け、スコープを管理します。

要件が不十分なまま進むと、後工程で手戻りが発生します。

そして、手戻りは費用とスケジュールにも深刻な影響を及ぼします。

設計・開発フェーズ

設計・開発では、決まった要件をもとに、実際のプロダクトを形にしていきます。

工程は、基本設計、詳細設計、実装の順に進みます。

  • 基本設計:全体構成、画面遷移、データベース、API仕様を定めます。
  • 詳細設計:プログラムのロジックや処理の流れを、設計書にまとめます。
  • 実装:エンジニアが設計書をもとに、コーディングを行います。

画面設計では、ワイヤーフレームやプロトタイプを作ってUI/UXの方向性を確かめます。

操作のイメージを早めに共有しておくと、認識のずれを防げます。

開発手法は、計画を厳密に守るウォーターフォール型と、短い周期で開発と改善を重ねるアジャイル型が一般的です。

アジャイル型は、2〜4週間のスプリントで機能を実装し、各スプリントで動くプロダクトを関係者に確認してもらいます。

アジャイル型は要件変更に対応しやすい一方で、スコープ管理が難しく、PMの経験と技量が問われます。

ウォーターフォール型は、計画と進捗を管理しやすい手法です。ただし、要件変更には弱いため、要件が固まった中〜大規模案件に適しています。

テスト・リリースフェーズ

テスト・リリースは、完成したプロダクトを市場に届ける最終段階です。テストは通常、単体テストから始めて、段階を追って実施します。

  1. 単体テスト:個々の機能が正しく動くかを確かめます。
  2. 結合テスト:複数の機能を連携させたときの動作を検証します。
  3. システムテスト:機能要件と非機能要件を満たしているかを検査します。
  4. ユーザー受け入れテスト(UAT):利用者または発注者が、使いやすさを実際に確認します。

システムテストでは、パフォーマンスやセキュリティも検証します。

UATでは、利用者の視点で最終確認します。

リリースは、全ユーザーへの一斉公開のほかに、限定ユーザー向けのベータ版から始める方法もあります。ベータリリースなら、本番環境への影響を抑えながら、初期のバグや改善点を見つけて修正できます。

公開後は、アクセスログ、ユーザー行動データ、エラーログを継続的に監視します。問題を早く見つけて改善につなげる仕組みが、あわせて必要になります。

プロダクト開発は、リリースを迎えたあとも続きます。

利用者への価値を継続的に高めることが、本来の目的です。

ポイント

進め方に迷ったら、要件が固まっているかどうかで開発手法を考えると判断しやすくなります。要件変更が多いと見込まれる場合は、アジャイル型のほうが合う可能性があります。

費用相場とコストの内訳

スクラッチ開発の費用を、最小限の機能、基本機能、複雑・細かな機能の3区分で示す図。
機能が増える区分ほど、費用の目安も上がります。

開発費は、規模、機能の複雑さ、技術、体制によって異なります。

一般的な相場を知っておくと、予算計画や発注先との交渉に役立ちます。

人件費と工数

開発費の多くは人件費で、一般に総費用の60〜70%を占めます。人件費は、「工数(人月)×エンジニア単価(円/月)」で算出します。

単価は、職種、スキル、所在地(国内・海外オフショア)によって変わります。国内では、エンジニア1人あたりの月単価が職種ごとに異なります。

  • プロジェクトマネージャー・アーキテクト:100〜150万円程度
  • シニアエンジニア:80〜120万円程度
  • ミドルエンジニア:60〜90万円程度

スクラッチ開発の費用は、機能の複雑さによって幅があります。

  • 最小限の機能:50〜100万円
  • 基本機能:100〜250万円
  • 複雑・細かな機能:250〜500万円
  • 非常に複雑な大規模プロダクト:数千万円以上

ノーコード・ローコードで作る場合、最小限のMVPなら150〜300万円、開発期間は1〜3ヶ月が目安です。

サービスとして運用できる水準では、300〜500万円以上、期間は3〜6ヶ月が目安となります。

初期費用以外のランニングコスト

運用時の予算を立てるには、クラウド環境の利用料や保守、各種サービスの費用を把握しておく必要があります。

  • インフラ:クラウドのサーバー、ストレージ、ネットワーク費用
  • 保守・運用:バグ修正、セキュリティ更新、機能改善の人件費
  • ライセンス:SaaS、API、ライブラリ、フォントなどの利用料
  • 各種ツール:監視・セキュリティ、顧客サポート、分析の利用料

AWSやGoogle Cloud、Azureなどを使う場合、サーバーなどに月数万円から数十万円かかります。また、保守費は月ごとに発生し、年間では開発費の10〜20%程度を見込むのが一般的です。

中規模のWebアプリでは、ランニングコストは月額20〜100万円程度が目安です。初期費用だけを計上して運用費を見落とすと、資金がショートする恐れがあります。そのため、運用費も事前に試算しておく必要があります。

ポイント

費用の見通しは、初期費用だけでなくランニングコストを含めて立てると、予算の判断を誤りにくくなります。金額の目安は規模や機能で大きく変わるため、見積もりの内訳と照らして判断します。

見積もりを取る際のポイント

発注先の比較観点として、類似実績、見積もりの詳細度、管理体制と各確認例を並べた図。
3つの観点を同じ条件で見比べる構成です。

金額だけで比べると、適切な発注先かどうかは見えにくくなります。見積もりの進め方を整えておくと、発注後のトラブルを防ぎやすくなります。

要件明確化と仕様書の準備

依頼の前に要件を明確にしておきます。要件が曖昧なままだと、会社ごとに前提が異なり、金額を正しく比べられなくなります。

認識のずれは、後のトラブルにつながります。仕様書には、各社が同じ前提で見積もれるように情報をまとめておきます。

  • 目的と対象:プロダクトの目的、ターゲットユーザー
  • 機能:主要機能と優先順位
  • 利用規模:ユーザー数、データ量、アクセス数
  • 技術条件:技術制約、既存システムとの連携要件
  • 制約:納期と予算

要件定義書やRFP(提案依頼書)の形で各社に渡すと、条件をそろえて比べられます。

見積もりの途中で出る質問には、丁寧に答えるのが基本です。質問が多い会社は、要件に真摯に取り組んでいる可能性があります。一方で、質問がほとんどない場合は、要件を十分に理解せずに見積もっている恐れがあるため注意が必要です。

複数社比較と発注先の選び方

見積もりは3社以上から取ると、市場相場に加えて、各社の強みや提案力の違いも把握できます。発注先を選ぶ際は、実績と見積もりの根拠、管理体制を見比べます。

  • 類似実績:同じ業種、規模、技術領域の開発経験
  • 見積もりの詳細度:工程・機能ごとの工数、単価、根拠
  • 管理体制:PMの経験、連絡頻度、報告の仕組み

「〇〇一式」とだけ書かれて詳細がない見積もりは、後から追加費用が生じる恐れがあります。また、1社だけ極端に安い場合は、その理由を確かめます。品質やスコープを妥協していないかも、見極める必要があります。

注意すべきリスクと対策

発注や開発では、問題が起きてから対処すると手間がかかりやすいため、主なリスクを事前に想定しておきます。

  • スコープクリープ:変更管理と追加要件の評価手順を、契約の前に決めておきます。
  • 認識のずれ:週次会議や節目ごとの成果物確認を設定します。
  • ベンダーロックイン:技術を選ぶ際に、移行のしやすさも評価の基準に含めます。
  • セキュリティ:要件を定めたうえで、脆弱性診断や侵入テストを行います。

開発の途中で追加や変更が重なると、費用と期間が少しずつ膨らんでいきます。また、認識違いが重なると、完成品が期待と異なるものになってしまいます。

特定の技術や会社に依存すると、将来の乗り換えや拡張が難しくなります。

個人情報や決済情報を扱う場合は、開発の初期から要件を定めておきます。脆弱性診断やペネトレーションテストも推奨されています。

リスクへの対策を契約や開発の手順に組み込んでおくと、プロジェクトを成功へ導けます。

ポイント

見積もりを比べるときは、条件をそろえたうえで、内訳と根拠が示されているかを見ます。「一式」だけで詳細がない場合や、1社だけ極端に安い場合は、理由を確かめてから判断します。

まとめ

プロダクト開発では、課題と対象者を明らかにしたうえで、要件定義に十分な時間をかけます。後工程での手戻りを防ぐためです。

設計・開発では、状況に合うウォーターフォール型かアジャイル型を選び、関係者と定期的に連絡を取り合います。

テスト後は、段階的なリリースと監視体制を整えておき、初期の問題に対応できるようにします。

費用は開発規模によって、50万円から数千万円以上まで幅があります。また、初期費用だけでなく、ランニングコストも予算に含めます。

見積もりは、要件をそろえて3社以上に依頼し、内訳と根拠を比べます。そして、開発後も利用者への価値を高め続けることが大切です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。