UI/UXデザインの発注/外注/依頼/委託方法について

UI/UXデザインの発注や外注は、課題と納品物を先に定義してRFPを作り、発注先を比べて契約し、発注後の管理へ進む流れです。先に定義しておくと、外注は成功しやすくなります。

ユーザーの行動とビジネス課題まで扱う点を、発注前に押さえておくことが大切です。準備が足りないと、予算超過や納期遅延、品質不足につながります。

UI/UXデザインを外注する前の判断材料

UI/UXデザインを外注するか内製するかは、まず社内の状況を見て判断します。

外注先の特徴を理解したうえで、依頼範囲を決めます。

外注が適しているケースと内製が向いているケース

外注と内製のどちらが合うかは、案件の条件に照らして判断します。社内の判断材料は、人材、納期、依頼範囲の3つです。

  • 人材:社内のデザイン力の有無
  • 納期:短期の期限への対応力
  • 依頼範囲:研究から実装支援までの区切り方

社内にデザイナーがいない場合は、外注が現実的な選択になります。

外注は新規サービスの立ち上げやUI改善のほか、ユーザーインタビューやユーザビリティテストにも有効です。

費用の目安は、デザイン会社が100万円〜400万円程度、フリーランスが10万円〜100万円前後です。

デザインそのものが競争優位の中心なら、内製が適しています。なお、長期の運用では、専任の採用が合う場合もあります。外注で知見を得てから内製化するハイブリッド型という方法もあります。

発注先の種類と特徴

発注先の候補は、同じ条件で比べるのが基本です。見るのは、外注先の強み、費用の幅、体制の3点です。

  • 外注先:会社と個人それぞれの強み
  • 費用:会社とフリーランスで異なる金額の幅
  • 体制:レビュー担当と、チームの組み方

発注先は、デザイン専門会社・制作会社、フリーランスデザイナー、業務委託・派遣型サービスの3種類です。

どこを重視するかは、案件の規模と期間に合わせて決めます。

専門会社は、設計から試作、ユーザーテストまでを一貫して担い、費用は100万円〜400万円が目安です。一方で、フリーランスは10万円〜100万円程度で、ポートフォリオを見比べながら選べます。さらに、クラウドワークス、ランサーズ、専門エージェントは、時間単位でも依頼できます。

ポイント

外注か内製かで迷ったら、社内の人材と納期、依頼範囲を並べて比べます。費用の目安や発注先の種類も、そのあとの判断材料になります。

UI/UXデザインの発注・外注の具体的な手順

課題、RFP、発注先の選定と比較、契約、管理の順に進むUI/UXデザイン発注の流れ図。
比較条件をそろえてから契約へ進む流れです。

発注は、課題を整理してRFPを作り、候補を比べたうえで契約し、その後の管理へと進みます。

要件の整理とRFPに時間をかけると、発注側と開発会社の認識のずれを減らせます。

要件整理とRFP作成

RFPで押さえるのは、課題、依頼範囲、比較条件の3点です。

  • 課題:数字で示した現状の問題
  • 依頼範囲:外注する工程の区切り
  • 比較条件:全社が同じRFPで提案する前提

対象サービスとユーザーを言葉にし、現状の課題やビジネス目標も書き出します。たとえば、ECサイトのカート離脱率が30%を超えるといった形で、課題を示せます。

RFPには、背景と目的、業務範囲を書きます。さらに、納期やマイルストーン、予算も記載します。

作業の範囲も、工程ごとに分けておきます。UXリサーチ、情報設計、ワイヤーフレーム、UIデザイン、プロトタイプ、ユーザーテストの範囲を、一つずつ区切って書きます。

発注先の選定と比較

発注先の候補は、3つの観点をそろえて評価します。

  • 提案数:最低3社からの提案
  • 実績:近い業界の事例
  • 透明性:レビュー手順の明確さ

1社だけでは費用と提案の幅を比べにくいため、複数社から集めます。

事例は、業界や規模、課題が自社に近いかを見て選びます。さらに、レビューの時期と、フィードバックを作業にどう反映するかが明確な会社を選びます。

ポイント

RFPで決めるのは、数字で示した課題、依頼範囲、比較条件の3点です。同じRFPで複数社の提案を比べると、発注先の判断材料がそろいます。

UI/UXデザインの契約時に押さえるべきポイント

UI/UXデザイン契約で確認する契約形態、納品物、修正条件、権利の4項目を示すチェックリスト。
契約条件を4項目で整理すると確認箇所が見渡せます。

発注先が決まったら、契約形態と契約書の内容を確認します。特に、知的財産権と修正回数は、文書に明記しておきます。

契約形態の選び方

契約前には、契約形態、納品物、修正条件を文書にまとめておきます。

  • 契約形態:どこまで仕上げてもらうかによる選び分け
  • 納品物:Figmaや画面数の定義
  • 修正条件:2回など修正の上限

契約形態は、請負契約と準委任契約の2種類から選びます。

請負契約は、最終データやプロトタイプが定義できる案件に合います。

一方で、準委任契約は作業そのものを対象にした契約です。UXリサーチやブランド設計の作業には、準委任契約が適しています。経産省のモデル契約も参考になります。

初期設計は準委任、UIの納品は請負とする方法もあります。

契約書で確認すべき重要条項

契約書では、まず次の条項を確認します。

  • 権利:著作権の帰属先
  • 秘密保持:NDAの対象範囲
  • 解約条件:中途解約時の精算方法

さらに、納品形式や画面数、状態数も、契約書で定めます。たとえば、Figmaの主要画面30画面分とプロトタイプ1式のように、具体的に書きます。

修正については、各フェーズにつき2回までなど、条件を書いておきます。

納品後の商用利用やファイルの共有権限も、発注側が管理できる形にしておきます。

ポイント

契約は、請負か準委任かを選んだうえで、納品物、修正回数、権利の扱いが文書で明記されているかを、判断の基準にします。

UI/UXデザインの発注後のプロジェクト管理

Week1のインタビューからWeek4のUI初稿まで、週ごとの作業を並べた進捗確認タイムライン。
各工程の区切りが方向のずれを見つける機会になります。

契約後は、発注側が方向性と進捗を管理します。

早い段階でずれを見つけられるよう、開発の流れに関わり続けます。

コミュニケーション体制の構築

連絡の窓口、連絡の場と期限、やり取りの記録の3点は、案件の条件に照らして開始時に決めておきます。

  • 窓口:1名の担当者
  • 連絡の場と期限:週次会議、SlackやNotion、フィードバックの期限
  • 記録:FigmaやAdobe XDでのA/B比較(A案とB案)と修正内容

依頼範囲は、研究から実装支援まで分けて示しておきます。

意見の優先順位も、あらかじめそろえておきます。

問題、修正、優先度を書き残すと、抽象的な感想を避けられます。

進捗管理と品質保証の方法

進捗と品質は、進捗、プロトタイプ、検収の3領域を、外注先ごとに同じ条件で確認します。

  • 進捗:週ごとの区切り
  • プロトタイプ:社内と対象ユーザーによる確認
  • 検収:要件ごとのYES/NOでの判定

Week1はインタビュー、Week2は情報設計です。Week3はワイヤーフレーム、Week4はUI初稿で、この区切りごとに進捗を確認します。

小さなマイルストーンを置いて、方向のずれを早めに直します。さらに、納品後の修正条件も契約の範囲に含めます。

費用は、デザイン会社で100万円〜400万円が目安です。

ポイント

発注後は、窓口を1名に絞り、問題や修正、優先度を書き残せているかを目安にします。進捗は、区切りごとにずれを見つけられるかで判断できます。

まとめ

UI/UXデザインの外注は4段階で進みます。準備と選定を経て契約し、そのあと管理に入ります。出発点は、課題を言葉にして、比べられるRFPを作ることです。

契約では、請負か準委任かを明記します。納品物と修正回数、権利帰属も、あわせて書いておきます。品質は、週次会議、マイルストーン、プロトタイプ検証を通して確かめます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。