Vue.js開発は、構成と工程を先に決めておくと進めやすくなります。要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの3フェーズで、環境構築からデプロイまでを順に進めます。
前提にするのは、Vue 3とComposition API、Vite、Piniaです。Vue.jsの全体像は、次のガイドで確認できます。
▼全体ガイドの記事
・Vue.js開発の完全ガイド
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Vue.js開発の全体像

Vue.jsの特徴とエコシステム
Vue.jsの特徴は、段階導入、Vue 3、TypeScriptの3点から押さえられます。
- 段階導入:小規模な部分から始める進め方
- Vue 3:Composition APIを使った書き方
- TypeScript:型安全性の確認
Vue.jsはGoogleのエンジニアEvan Youが2014年に公開したフレームワークで、小規模なウィジェットから大規模なSPAまで段階的に使えます。さらに、2024年時点のGitHubスター数は22万を超え、10年以上進化しています。
高いパフォーマンスを持ち、スタートアップから大規模エンタープライズまで使われています。
Vue 3では、2020年に導入された機能に加え、TypeScriptとの統合も強化されました。
公式エコシステムは、Vue RouterとPiniaを中心に、Vite、Vitestを含めて構成できます。
Viteはwebpackよりホットリロードが速く、DX(Developer Experience)の向上につながります。
Vue.jsが適したプロジェクトの種類
Vue.jsの周辺は、公式ツール、開発体験、更新の3つの面で見ると比べやすいです。
- 公式ツール:Vue Routerなどの利用
- 開発体験:Viteを使ったDXの向上
- 更新:互換性の確認
管理画面やダッシュボードのほか、ECサイトや予約システム、SaaSにも向いています。また、バックエンドにLaravelを使い、フロントエンドだけをVue.jsで作る方法もあります。
SEOが重要なサイトでは、Nuxt.jsを使うとSSRとSSGを選べます。一方で、リアルタイムゲームや、React依存の既存案件には合わない場合があります。
Vue.js開発の進め方

開発は、要件定義・企画、設計・開発、テスト・リリースの3フェーズの順に進めます。
フロントエンドとバックエンドを並行して進める場合は、その分担も初期に決めておきます。
要件定義・企画フェーズ
Vue.jsを使うかどうかは、UI用途、バックエンドとの境界、適性の3点から見ます。準備すべき条件も、この3点に沿って整理します。
- UI用途:画面を中心とした用途
- バックエンド:Laravelなどとの境界の決定
- 適性:要件に合うかどうかの判断
要件定義では、ユーザーストーリーと画面一覧を作ります。そのうえで、遷移図と機能一覧をまとめます。
SPAでは、Vue RouterのURLとページ状態の対応を先に確認しておきます。さらに、REST API、GraphQL、Firebaseなどの連携方式も決めます。
Firebaseは、BaaS(Backend as a Service)の選択肢の一つです。
設計・開発フェーズ
技術選定は、SSR/SSG、SEO、制約の3つの観点で判断します。発注時の比較軸も、この3つでそろえておきます。
- SSR/SSG:Nuxt.jsの描画方式の扱い
- SEO:検索対応の要否
- 制約:React依存などの条件
雛形は、`npm create vue@latest`で作成でき、Vite + Vue 3の構成になります。
TypeScriptやVue Router、Piniaは、要件に合わせて選びます。テストやコード品質に関わるVitest、ESLint、Prettierは、要件に応じて決めます。
開発環境にVS CodeとVolarを使えば、Vue.jsの.vueファイルを補完できます。
環境構築の条件は、チーム全体でそろえておきます。
コンポーネントは、views/、components/、layouts/の3つのフォルダに分けます。
コンポーネント設計では、Atomic DesignやBEMを参考にします。そのうえで、Composition APIを使ってComposableを作り、再利用します。
テスト・リリースフェーズ
要件定義では、要件、ルーティング、連携の3領域を先に決めておきます。契約前の確認事項も、この3領域にそって整理します。
- 要件:画面と機能の定義
- ルーティング:Vue RouterのURLの決定
- 連携:REST APIなどの選定
Piniaでは、Store、Getter、Actionを使って状態を管理します。
Piniaは、認証、カート、通知などの共有状態に使います。一方で、局所状態はref/reactiveで管理します。
Vuexを使っている場合は、Piniaへの移行も検討します。
テストは、ユニット、コンポーネント、E2Eの3層に分けて行います。
テストツールは、Vitestや@vue/test-utils、CypressやPlaywrightを役割に応じて使い分けます。
コンポーネント同士のやり取りでは、Props、Emits、スロットの動作も確認します。
費用相場とコストの内訳

本番ビルドは、`npm run build`で作り、出力先はdist/です。
配信先は、Nginxなどのサーバーのほか、Vercel、Netlify、AWS S3 + CloudFrontからも選べます。
人件費と工数の考え方
環境構築では、雛形、開発環境、品質の3点をそろえておきます。
- 雛形:Vue 3の構成の選択
- 開発環境:VS CodeとVolarの統一
- 品質:ESLintとPrettierによる整形
SPAの場合は、index.htmlへのリライト設定が必要になります。
CI/CDは、GitHub ActionsやCircleCIに組み込みます。mainへのマージを契機に、検査とデプロイを行います。
費用は規模や機能で変わるほか、人数や期間でも変わります。
そのため、人件費や工数、初期費用と、初期費用以外のランニングコストは分けて計画します。
初期費用以外のランニングコスト
設計では、分割、再利用、保守の3段階に分けて考えます。
- 分割:views/などへのフォルダ分け
- 再利用:Composableの活用
- 保守:扱いやすい粒度
人件費の目安は、フリーランスの単価が月70〜120万円、企業の人件費が月100〜150万円程度です。
たとえば、3名が3ヶ月、月80万円で関わる場合は、3名 × 3ヶ月 × 80万円 = 720万円になります。
管理画面やSPAは50〜200万円、ECや中規模アプリは200〜500万円が目安です。
大規模アプリは500〜1,500万円以上が目安で、フルスタックは2〜3倍になることがあります。
見積もりを取る際のポイント
APIの開発費は別途になります。そのため、LaravelやNode.js、Railsなどの範囲を見積もりに含めて確認します。
要件明確化と仕様書の準備
状態管理では、共有状態と局所状態を使い分け、Vuexからの移行も確認します。
- 共有状態:Piniaを使う範囲
- 局所状態:ref/reactiveを使う範囲
- 移行:Vuexからの切り替えの確認
インフラやCDN、ドメインも費用になります。保守、機能追加、更新対応も、費用に含めて考えます。
VercelやNetlifyは月数千円〜数万円、AWS S3 + CloudFrontは月1〜5万円程度が目安です。
年間の保守費は、開発費の10〜20%程度で見積もります。
Vue 2は2023年12月にEOLを迎えたため、Vue 3への移行費も考慮します。
複数社比較と発注先の選び方
発注先を比べるときも、段階導入、Vue 3、TypeScriptの3点を見ておくと、各社の提案を並べやすくなります。
- 段階導入:導入範囲を広げていく進め方
- Vue 3:対応の実績
- TypeScript:型安全性の確認
見積もりの精度は、発注前の要件整理と仕様書の準備で上がります。
見積もりの前に文書にしておくのは、目的や対象者、画面数、デザインです。さらに、APIやブラウザに加え、セキュリティと期限も書き添えます。
Figmaやbalbamu(バルサム)で画面イメージを作るだけでも、認識をそろえられます。
曖昧なまま複数社へ依頼すると、金額の比較が難しくなります。
注意すべきリスクと対策
注意したいリスクは、公式ツール、開発体験、更新の3面から確認します。
- 公式ツール:Vue Routerなどの扱い
- 開発体験:Viteを使った開発環境の運用
- 更新:互換性の状況
発注先は最低3社から見積もりを取り、1社だけで決めないようにします。
比べるのは、Vue.jsの実績やVue 3への対応です。さらに、チーム構成、開発手法、コードレビューも見ます。
安すぎる価格では、経験、品質管理、納品後の支援に関するリスクがあります。
大手SIerだけでなく、アジャイルに動ける中規模の会社も候補に入ります。
まとめ
主なリスクは、仕様変更による追加費用と、特定の開発会社に依存するベンダーロックです。
契約前に変更時の費用を決めておき、スクラムなどを使ってスプリント単位で確認します。
コードはGitHubで発注側が管理し、設計書、API仕様書、インフラ構成図も納品物に含めます。また、Vue.jsはオープンソースなので、文書が残っていれば引き継ぎの負担を抑えられます。
現在の基本構成は、Vue 3、Vite、Piniaです。Vue RouterとVitestも、この構成に含まれます。
要件を固めたうえで、コンポーネント、状態、テストの順に整えます。
フロントエンドのみなら50〜500万円程度で、フルスタックでは500万円以上になる場合があります。
適正価格は、複数社の比較と要件の明確化を通じて判断します。
技術確認には、JavaScriptやReactのHooks、Web、ESMを含めます。RFPも確認の対象にし、Vue Test Utilsはテスト条件に置きます。
Vue.js開発の相談先として、riplaも確認できます。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
