カスタマーサポートにおけるAI活用でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

カスタマーサポートのAI導入先は、回答精度だけでなく、問い合わせの振り分けから有人引き継ぎ、運用改善まで設計できるかで比べます。

導入では、チャットボットや音声認識に加え、有人へ渡す条件やCRM連携も決めます。そのうえで、riplaを含む6社の特徴と、発注前に比べたい実績・技術・運用体制を示します。

カスタマーサポートにおけるAI活用でパートナー選びが重要な理由

発注前の確認事項を、問い合わせ量と窓口、有人への引き継ぎ、ナレッジと個人情報の3項目で示す図。
3項目を先にそろえると、デモで確かめる範囲を定めやすくなります。

AI導入の成果は、モデルの性能だけでなく、任せる業務と人へ引き継ぐ条件をどう設計できるかで変わります。たとえば、自動化率だけを追うと、難しい案件が担当者に偏り、処理時間や負担が増える場合があります。

適切なパートナー選定が成否を分ける理由

AIが対応するには、電話、メール、Webチャットなどの履歴を顧客ごとに結び、必要に応じて契約情報や権限も確認できる状態にしておく必要があります。そのため、単体のボット機能だけでなく、CRM・SFA・CTIや基幹システムとの連携まで設計できるパートナーが候補になります。

発注前に確認すべきポイント

提案を比べる前に、3つの観点で現場の業務とデータの条件をそろえておくと、デモで確認すべき点がはっきりします。

  • 問い合わせ量と窓口:件数とチャネルを窓口ごとに一覧にする
  • 有人への引き継ぎ:AIが止まる条件と、担当者へ共有する内容
  • ナレッジと個人情報:参照資料、保存先、閲覧権限

デモでは、AIが回答できない場合に担当者画面へ何が渡るかも確かめます。問い合わせの要約や本人確認の進み具合が共有されていれば、顧客が同じ説明を繰り返す負担を抑えられます。

ポイント

AI導入の成果は、任せる業務と人へ引き継ぐ条件を設計できるかで変わります。自動化率だけで比べると、難しい案件が担当者に偏るおそれがあるため、有人への引き継ぎも一緒に見ます。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、業務整理からシステム開発、定着支援まで一つの窓口で相談できる会社です。また、社内DXの経験を生かし、営業・顧客・生産・販売管理などの基幹システムを含め、企業ごとの業務要件に合わせた構築を支援します。

特徴と強み

まず、問い合わせ対応のどこを改善するかから検討し、AI導入はその手段として扱います。FAQ検索、回答記録、次の担当者への引き継ぎを一連の業務として見直したうえで、既存システムをどこまで使い、どこを改修するかを現場の負担を踏まえて決めます。

得意領域・実績

顧客管理や販売管理とサポートをつなぎ、検証後の運用まで進めたい企業に向いています。回答品質を高めるには、資料をそのまま読み込ませるだけでなく、適用条件や例外、参照元を整理したナレッジが欠かせません。

業務整理から開発まで一貫して相談したい企業にとって、候補になります。

株式会社PKSHA Technology|AI SaaSとコンタクトセンター製品の幅広い提供

PKSHA Technologyは、自然言語処理を基盤に、企業向けAIソリューションとSaaSを提供しています。公式サイトでは、AI SaaSの導入企業を4,400社以上と紹介しています。同ページでは、AIエージェント7,000体以上も掲載されています(PKSHA Technology「AI SaaS」、2026年確認)。

特徴と強み

PKSHA ChatAgentとPKSHA FAQに加え、PKSHA VoiceAgentとPKSHA Speech Insightなどを提供しています。音声のテキスト化や要約、FAQ検索、対話モニタリングを組み合わせ、顧客の自己解決と担当者支援を並行して進めたい企業に適しています。

得意領域・実績

公式事例には、オリックス生命保険の住所変更受付、NTTドコモの1,000件超のFAQ対応、ハルメク・ビジネスソリューションズの注文電話自動応答があります。

FAQ整備から電話応対、後処理まで改善したい企業に向いています。また、問い合わせログからFAQを生成・構造化するKnowledge Streamも、マニュアル整備の選択肢になります。

日本電気株式会社(NEC)|大規模基盤と日本語AIを組み合わせて支援

NECは、コンタクトセンター基盤に加え、音声認識や生成AI、CRM連携を扱う総合ITベンダーです。

NEC Communication AgentはLLMを活用し、電話やチャット、SNSでの自動応答を支援します。さらに、上流の検討からインフラ構築、運用まで相談できます。

特徴と強み

顧客データや社内ナレッジを参照しながら応答を制御する設計が特徴です。既存の電話基盤を活用しつつ、ボットや対話分析を段階的に導入したい企業に向いています。

監査やセキュリティ要件が厳しい業界でも、要件定義の段階から検討できます。

得意領域・実績

NECは2024年に、独自の音声認識と生成AIを組み合わせたNEC Speech Analysis Platformを発表しました。また、三井住友海上火災保険では、通話のテキスト化と生成AI要約による記録業務の自動化を開始しています。さらに、NEC Communication Agentには5週間からの検証サービスがあり、FAQを使って回答品質や有人引き継ぎを試してから本導入を判断できます。

富士通株式会社|企業データを守りながらの生成AI組み込み

富士通は、業種別の業務知識に加え、コンタクトセンターやクラウド、セキュリティを総合的に扱うベンダーです。さらに、生成AIの導入では、既存の電話環境や業務システムも含めて設計します。

機密データを扱う場合は、利便性と管理要件を両立する構成が重要です。

特徴と強み

富士通は、企業データをプライベート領域で管理しながら生成AIを使うGenerative AI Platformを提供しています。

社内規程やデータ保管場所などを踏まえ、オンプレミスや専用環境も含めて検討したい企業に向いています。また、AIが提示する情報の範囲や監査ログも要件に含められます。

得意領域・実績

コンタクトセンターやヘルプデスクの自動応答・音声分析の知見を生かせます。通話認識や要約に加え、FAQサジェストやVoC分析も、業務システムと連携する構成で検討できます。

複数拠点や多数席のセンターでは、既存の電話設備を活用する段階移行案も含めて相談できます。

ポイント

機密データを扱い、利便性と管理要件の両立を重く見る企業は候補になります。監査ログや情報の範囲も要件に含められるかを確かめます。

Zendesk|サポート業務を一元管理するAIカスタマーサービス基盤

Zendeskは、メールやメッセージ、チャットの問い合わせをチケットとして一元管理するクラウド基盤です。そのうえで、AIエージェントとナレッジベースに加え、担当振り分けや自動化を組み合わせ、受付から解決までを同じワークフローで扱えます。

特徴と強み

公式料金を比較の出発点にできる点が特徴です。たとえば、公式料金では、年払いのSupport Teamは1エージェント月額19ドル、Suite Teamは55ドルです(2026年確認)。

AI利用量やアドオン、導入支援は別途確認が必要です。さらに、外部CRM連携、為替、税も確認の対象になります。定型の問い合わせをWebやメッセージで受けたい企業に向いています。

得意領域・実績

FAQ公開やチケット分類、担当割り当てなどを早く標準化したい企業に適しています。有人対応へ切り替えるときは、会話履歴に加えて、顧客が試した手順や未解決の要望も渡せるかを確かめます。

導入前に問い合わせを分類し、自動化する範囲と人が担う範囲を決めておくと運用しやすくなります。

ポイント

公式料金は比較の出発点になりますが、AI利用量、アドオン、導入支援、為替と税まで含めて見てから判断します。チケット管理とFAQ公開を早く標準化したい企業では、候補に入れやすい選択肢です。

Amazon Web Services(AWS)|拡張性の高いクラウド型コンタクトセンター

Amazon Connectを中央に置き、Lex、Contact Lens、Transcribe、Bedrockを周囲に配置した構成図。
必要な機能に応じて、複数のサービスを組み合わせる構成です。

AWSでは、Amazon ConnectにLexやContact Lens、Transcribeを組み合わせ、Bedrockも加えて、コンタクトセンターを構築できます。

音声や生成AIはもちろん、検索や分析も業務に合わせて構成できます。一方で、実装を担うAWSパートナーや開発会社の業務設計力も、選定時に確認します。

特徴と強み

Amazon Connectの費用は利用量に応じて変わり、席数や繁閑に合わせて設計できます。さらに、Contact Lensは通話の文字起こしや分析、リアルタイム支援に対応します。

生成AIを組み込む場合は、検索基盤や認証、監査ログを含めて、モデルへ渡すデータを制御します。

得意領域・実績

AWSが2026年3月に公開したJBR事例では、ConnectとLexによるセルフサービスで、目標値75%の自動応答化を目指しています。

DoorDashの事例では、生成AIが1日数十万件の通話に対応します。テスト能力50倍、開発時間50%短縮とも紹介されています(AWS「DoorDash導入事例」、2026年確認)。

大量の音声処理や独自フローを構築したい企業の候補になります。

ポイント

席数や繁閑に合わせて設計できる一方で、費用は利用量に応じて変わります。生成AIのデータ管理を含めた総額を、比較の前に揃えておくと判断しやすくなります。

カスタマーサポートにおけるAI活用パートナーの選び方

AI活用パートナーの評価観点として、実績と経験、技術力と専門性、プロジェクト管理体制を並べた図。
3つの観点をそろえて見ると、提案内容を同じ軸で比べられます。

選定では、機能数よりも、自社の問い合わせ業務に合う実績、技術・セキュリティ、導入後の運用体制を見ます。候補は、既製サービスを早く使うか、既存システムに合わせて作るか、大規模運用を優先するかで変わります。

提案書とデモでは、実績、技術、プロジェクト管理の順に比べると、候補を絞りやすくなります。

実績と経験の確認方法

導入社数だけでなく、自社に近い業種や問い合わせ量での経験を確認します。顧客層や利用チャネルでの経験も確かめておくと、提案を比べる材料になります。

たとえば、KlarnaではAIが顧客サービスチャットの約3分の2を処理し、DoorDashでは1日数十万件のサポートリクエストに対応しています。

国内では、大丸松坂屋百貨店や生命保険の事例があり、一蘭やおたる政寿司の事例もあります。自社と似た課題をどの指標で改善したかを聞きましょう。

技術力と専門性の評価

デモでは、通常のFAQだけでなく、曖昧な質問や複数条件の手続きを試します。特に、例外やクレームへの対応も確かめる必要があります。そのうえで、誤った回答を作らず、人へ引き継げるかを見ます。

クレーム時のAI表示や謝罪表現に加えて、禁止事項や緊急転送のルールも確認します。深刻な相談には、人の共感や判断が欠かせません。

プロジェクト管理体制の確認

導入計画では、課題整理から改善までの各段階について、担当と判断条件を決めます。流れは、対象業務の選定とナレッジ整備を経て、PoC、本番展開、改善へと続きます。

PoCでは正答率に加え、有人転送率や解決時間を計測します。さらに、顧客の再説明や担当者の後処理時間も測ります。

簡単な問い合わせがAIへ移ると、人が扱う案件は難しくなります。そのため、処理件数だけでなく、初回解決率や顧客満足度も評価に含めます。

ポイント

機能数より、自社の問い合わせ業務に合う実績と、導入後の運用体制を優先して見ます。既製サービスか既存システムに合わせた開発か、大規模運用かで、候補は変わります。

よくある質問

費用や個人情報の扱い、最初に自動化する業務は、導入前によく検討されるテーマです。そこで、見積もりやPoCを進める際の判断材料をまとめます。

カスタマーサポートAIの導入費用はいくらですか?

費用は、SaaSの席数・利用量課金に加えて、個別開発やシステム連携、運用支援で変わります。

Zendeskは年払いで1エージェント月額19ドルからの公開価格がありますが、AI利用量や連携費は別途確認します。AWSは、音声や生成AIを含め、保存や保守も加えた総額で比べます。

個人情報を扱うカスタマーサポートでもAIを使えますか?

個人情報を扱う場合でも、AIを利用できます。そのうえで、入力範囲や保存期間、学習利用の有無を確認します。さらに、アクセス権、監査ログ、委託先管理も対象になります。特に、金融や保険などは、FISCやPCI DSSを含む自社基準に照らして構成を評価します。

本人確認や決済に関わる情報は、必要に応じてマスキングし、AIへ渡す情報を最小限にします。

AI導入はどの業務から始めるべきですか?

件数が多く、回答ルールが明確で、誤回答の影響を抑えやすい問い合わせから始めます。営業時間や配送状況の案内などで試します。予約変更や必要書類の案内も、候補になります。そのうえで、正答率に加えて再問い合わせ率や有人転送後の解決率を測ります。

複雑な手続きやクレームへ広げる前に、有人転送と担当者画面を設計します。

まとめ

カスタマーサポートのAI活用は、ボットを置くことで終わらず、業務に合わせて応答や要約を設計し、FAQ検索やCRM連携と組み合わせて進めます。さらに、AIで解決しない相談は、文脈ごと担当者へ渡す運用まで考えておく必要があります。

6社は個別開発、AI SaaS、エンタープライズ基盤など、異なる強みを持ちます。

問い合わせ量やチャネル、既存システムを整理し、セキュリティ要件も確かめます。そのうえで、実際の問い合わせを使った検証を経て発注先を選びましょう。

参照した主な公式情報は、次のとおりです(2026年8月確認)。

PKSHA Technology「AI SaaS」「AI Suite for Contact Center」を参照しました。

NEC「NEC Communication Agent」、NEC「NEC Speech Analysis Platform」を参照しました。

富士通「Generative AI Platform」、Zendesk「料金プラン」を参照しました。

AWS「JBR事例」、AWS「DoorDash導入事例」を参照しました。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。