選び方の観点は、配合・炉・品質・設備保全のデータをつなぎ、連続稼働を支えられるかです。実在する6社を、次の観点で比べます。
ガラス・セメント工場は、溶解炉やキルンを24時間稼働させる装置産業です。そのため、製造業の実績に加え、配合管理やサイロ在庫を理解しているかを確かめます。
- 配合・炉の管理:配合管理と溶解炉・キルンの稼働を一体で扱えるか
- riplaの支援領域:コンサルティングから開発まで一気通貫で支援する体制か
- 品質・トレーサビリティ:レシピ改訂やロット追跡を、実際の画面で確かめられるか
- 設備保全と連続稼働:24時間稼働を止めずに設備データを扱えるか
- 選定時の確認事項:RFPに書く条件と、見積書で確かめる項目
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ガラス・セメント業界でシステムパートナー選びが重要な理由

ガラス・セメント業界では、現場の生産実績や原料在庫が正確に記録されてはじめて、経営判断に使えるデータになります。販売管理だけをデジタル化しても、現場データが正確でなければ、経営の役には立ちません。
工場を止められないという制約があるため、業務理解と移行計画を持つパートナーを選ぶことが成否を分けます。
プロセス型製造業の業務表現力
組立加工業では部品表と工程表を中心に生産を管理しますが、ガラス・セメントでは原料の投入量や配合比率、温度・圧力、含水率・出来高を一体で管理します。
一つの原料から複数の製品や副産物が生まれることもあるため、見積もり段階で「BOMを登録できます」と言われても、それだけでは足りません。
レシピの改訂履歴やロット追跡は、デモで実際の画面を見て確かめることが大切です。投入実績と標準歩留まりの差異、連産品の原価配賦も、同じデモで見せてもらうと確認しやすくなります。
プラントを止めない移行と現場定着
24時間稼働の工場で一斉切り替えを行うと、データ移行の不備や通信障害が生産停止に直結します。
そのため、新旧システムの並行稼働期間と切り戻し条件を先に決めておく必要があります。夜間・休日の障害連絡や、設備側の手動運転手順も、あらかじめ決めておきます。
また、現場が入力を負担に感じて紙やExcelへ戻れば、導入効果は失われます。そこで、最初から全社導入を目指すより、1ラインや1品目のPoCで入力時間とデータ精度を検証し、現場の改善を取り入れながら広げる進め方が安全です。
株式会社ripla|コンサルから開発までの一気通貫支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、現場の業務を先に整理し、そのうえで必要なシステムを設計できる点です。ガラス・セメント業界では、工場ごとに原料規格や配合、計量単位が異なり、検査項目や出荷形態も違います。
まず、現場ヒアリングで業務フローと例外処理を洗い出し、紙・電話・Excelに残る情報を整理するAXから始めます。そのため、過剰なカスタマイズを抑えられます。
また、PoCや段階導入を組み合わせやすく、既存ERPとの連携や個別画面の開発も含められます。既製品だけでは埋まらない業務を持つ企業に向いています。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理などの基幹領域を横断して設計できるため、製造実績を原価や販売計画へつなげたい企業に合います。たとえば、配合実績と歩留まりを生産管理へ登録し、その結果を原価計算や出荷予定へ連携する構成を検討できます。
プラント設備のデータを取り込む場合も、現場の入力を機械に任せきりにせず、センサーで取得する情報と人が判断する情報を分けて設計できます。要件が固まっていない段階の相談先としても、候補に入れやすい会社です。
NEC|プロセス製造向けERPの配合・連産品・原価管理
NECは、食品・素材・化学などのプロセス産業向けERP「FlexProcess」を提供している大手ITベンダーです。公式情報によると、FlexProcessは国内・海外で370社以上の導入実績があります。プロセス産業特有の生産・在庫・原価管理を支援するとされています(出典:NEC「生産管理システム FlexProcess」、2026年確認)。
ガラス・セメント企業がパッケージを比べるときは、まず確認したい候補の一つです。
特徴と強み
FlexProcessは、部品表だけでは表現しにくいプロセス産業の生産実態を、生産モデルで管理する考え方を採用しています。投入量に対する配合情報や歩留まりに加え、副産物や連産品を基準情報として扱える点が特徴です。リサイクル品や廃棄物なども、基準情報として扱えます。
セメントのように原料から中間品や複数の製品が生まれる工程や、ガラスのように配合変更と品質検査が密接に関わる工程では、このモデルとの適合性を確認しやすいです。
得意領域・実績
生産管理だけでなく、在庫管理、原価管理、品質管理を一つの検討対象にできるため、工場別・品目別の採算を把握したい企業に向いています。
導入時は、現行の配合マスタや原料ロットの単位を整理し、FlexProcessの生産モデルにどこまで標準で載せられるかを確かめます。サイロ在庫や製造実績も、同じ単位で整理しておくと検討が進みます。
バラ車の配車や専用船の入出港管理は、別システムとの連携が必要になる可能性があります。そのため、RFPには物流機能も含めて記載しておく必要があります。
株式会社NTTデータ|ERP・MES・OTをつなぐスマートファクトリー支援
NTTデータは、設計・開発から販売まで、製造業のバリューチェーン全体を対象にしています。構想策定やコンサルティングから、システム開発や運用までを支援しています。
公式ページでは、ERPやMESと工場設備などのOTデータを融合し、4Mデータのモニタリングや改善につなげる方向性が示されています(出典:NTTデータ「製造」、2026年確認)。
複数工場や海外拠点をまたぐ大規模案件で、全体アーキテクチャから検討したい企業に合います。
特徴と強み
NTTデータの特徴は、基幹業務と製造現場のデータを一体で捉え、ERP、MES、設備データを連携させる構想を描ける点です。同社のEXC-MESは、SAP ERPなどとの統合や、装置状態のリアルタイム監視を想定しています。
溶解炉やキルンの温度・稼働状態、検査結果、停止理由も、生産実績と結び付ければ、設備保全と品質改善を同じデータ基盤で考えられます。
得意領域・実績
全社ERPやMES、IoTに加えて、デジタルツインやSCMまで横断する大規模な変革に強みがあります。NTTデータの公式ページでは、世界中の製造業ビジネスに従事する従業員数を4.7K以上、グローバルな拠点を30以上と案内しています(出典:NTTデータ「製造」、2026年確認)。
大規模な案件ほど標準化の影響も大きくなるため、工場単位の例外業務をどこまで標準に寄せるか、現場責任者を含めて早期に決めることが必要です。
富士通株式会社|SAPと現場データを組み合わせた製造業DX
富士通は、製造業向けのSAPソリューションや、生産管理・現場情報を組み合わせたものづくりDXを提供しているIT企業です。
公式資料では、ERP情報とものづくり情報を収集・分析し、経営と現場のリアルタイムな意思決定を支援する方向性が説明されています(出典:富士通「富士通のSAP 製造業ソリューション」、2026年確認)。
既存のSAPを活用しながら工場データを高度化したい企業は、候補として比べやすいです。
特徴と強み
基幹システムに蓄積された受注、在庫、原価の情報と、工場で発生する製造実績や設備情報をつなぎ、経営層と現場が同じ数字を見る仕組みを検討できます。
ガラス・セメント業界では、原料価格の変動や炉の稼働率を、歩留まりや電力使用量とあわせて、収益性と同時に見ることが重要です。
SAPの標準機能を使う部分と、現場のMES・IoTで補う部分を分けることで、全面的な作り直しを避けやすくなります。
得意領域・実績
SAPを中心としたグループ経営、製造実行、設備データ活用を段階的に進めたい企業に向いています。
候補にする際は、SAPの導入経験だけでなく、プロセス製造の配合や副産物を、どのモジュールと追加開発で表現するかを確かめます。
また、高温・粉塵・振動のある現場では、端末の防塵・耐熱、無線の死角、停電時のデータ保持を要件に含めます。デモでは、オフィスの画面だけでなく、作業者が実際に入力する端末まで確認することが大切です。
SAPジャパン株式会社|プロセス製造・レシピ管理に対応するERP
SAPジャパンは、SAP Cloud ERPやSAP S/4HANAなど、企業全体の基幹業務を統合するERPを提供しています。
公式の製造機能では、プロセス指図とマスターレシピに基づくプロセス製造に対応すると説明されています。部品表・配合表や品質管理、生産計画も扱えるとされています(出典:SAP「SAP Cloud ERP 製造」、2026年確認)。
大規模なグループ経営や海外拠点との標準化を重視する企業に向いています。
特徴と強み
販売から会計、原価、品質、生産までを統合し、全社で同じマスタと業務プロセスを使えることが大きな強みです。
ガラス・セメント企業では、調達価格や配合、製造ロットを別々のExcelで管理しがちです。それでも、検査や出荷、CO2排出量まで含めて、ERPを中心にデータのつながりを設計できます。
生産計画や品質情報をリアルタイムで把握し、需給変動への対応を速めたい企業にも合います。
得意領域・実績
海外を含む複数拠点で経理・購買・生産のルールを統一したい企業や、将来の拠点追加を見据える企業が検討しやすい選択肢です。
SAPの導入には相応の期間と体制が必要になるため、最初から全機能を入れず、原料・生産・出荷など効果の大きい領域から段階導入する方法が現実的です。
配合変更の承認やロット追跡、連産品原価を業務シナリオにしたうえで、設備停止時の扱いも含めて、標準機能と追加開発の境界を見極めます。
日本アイ・ビー・エム株式会社|データ連携とサプライチェーン可視化
日本アイ・ビー・エムは、製造業向けのデータ連携、AI、サプライチェーン領域のサービスを展開しています。
IBMの公式情報では、製造データの統合や排出量の測定が、製造業向けiPaaSの用途として紹介されています。サプライチェーン運用と生産スケジュールの同期、IoTデータの取り込みなども、同じ用途として挙げられています(出典:IBM「IBM webMethods – 製造業」、2026年確認)。
既存システムが複数に分かれ、データ連携を軸に刷新したい企業に合います。
特徴と強み
IBMを候補にする場合は、ERPを丸ごと置き換える前提にこだわらず、既存の業務システムをどう接続するかを中心に相談できます。対象には、生産管理や設備監視のほか、物流や販売も含まれます。
サイロの在庫量や入港予定、バラ車の配車や出荷実績を関係者間で共有し、製造計画と物流計画を同期させる構想と相性が良いです。工場の設備データから異常を検知し、保全システムへ通知する連携も検討できます。
得意領域・実績
データ連携基盤やIoTを軸に、サプライチェーン全体を見渡す仕組みや、環境データの集約を重視する企業に向いています。
特に、設備や物流会社など社外を含む複数のデータソースをつなぐ場合は、設計段階でAPIやデータ形式を確認します。認証や障害時の再送も、あわせて確認しておく必要があります。
IBMのサービス名で判断するより、実際に担当するSIパートナーの製造業・素材業界での経験を見ることが大切です。現場に常駐できる体制や保守窓口も、見積書と提案書で確かめます。
ガラス・セメント業界のシステムパートナー選びのポイント

6社は得意領域が異なるため、知名度より、自社の課題に合う提案を比べることが大切です。
RFPには、プラントや原料、製品のデータに加えて、物流や環境のデータを、どの単位で管理したいかを具体的に書きます。同じ条件で提案を受けると、各社の比較がしやすくなります。
システム開発費は規模によって大きく異なり、リサーチノートでは小規模で500万円程度から大規模で3億円以上まで幅があると整理されています(出典:NotebookLMリサーチノート「ガラス・セメント業界のシステム」、2026年)。
業務単位での実績・経験の確認
「製造業の実績」と書かれていても、組立加工業の事例かプロセス製造の事例かは分かりません。そのため、次の点を確かめます。
- 配合・原価:原料の配合、連産品の原価、ロット追跡の実績の有無
- 設備・在庫・配車:設備保全、サイロ在庫、重量物の配車の導入実績の有無
- 導入後の状況:可能であれば同じ業界の担当者に、現場の入力が定着したか、保守費用が想定内か、追加開発がどれだけ出たかを確かめる
要件定義とマスタ整備の責任分担
要件は、システム会社に任せれば自然に決まるわけではありません。発注側が配合マスタや品目コード、設備コード、顧客・納入先のマスタを整え、原料ロットや単位、品質判定ルールを定めておく必要があります。そのうえで、どの業務を新システムの対象にするかを決めます。
リサーチノートでは、発注側の追加要望と開発対象の認識がずれた訴訟事例を、要件凍結と協力義務の重要性を示す教訓として整理しています。
追加要望の受付方法や変更管理を契約書に入れ、承認者と費用負担も明記しておくと、後からの争いを抑えられます。
移行・保守・ロックインまでの総額比較
見積書では開発費だけでなく、次の費用も含めて総額で比べます。
- 周辺の機器・データ:データクレンジング、端末、ネットワーク、センサーなどの費用
- 移行と運用:教育、並行稼働、移行リハーサル、保守にかかる費用
保守費用はリサーチノートで開発費の15〜20%が一つの目安とされており、開発費3,000万円なら年間450万〜600万円程度が基準になります(出典:NotebookLMリサーチノート「ガラス・セメント業界のシステム」、2026年)。
ただし、対応時間や復旧目標、対象範囲、追加開発の単価が曖昧なままでは、各社の見積もりを比べられません。設計書とソースコードの納品範囲を確認し、データ定義やAPI仕様も含めると、将来のベンダー変更を妨げる条件を減らせます。
よくある質問
ガラス・セメント業界のシステム導入では、クラウドかオンプレミスか、パッケージか個別開発か、いつPoCを始めるかが特に迷いやすいです。そこで、候補会社へ相談する前に確認しておきたい質問に、直接答えていきます。
ガラス・セメント業界に合うERPパッケージはありますか?
ありますが、名称だけでなく、プロセス製造への対応範囲を確認する必要があります。
配合や歩留まり、副産物、連産品などの業務シナリオを提示し、標準機能・設定・追加開発・別システム連携のどれで実現するかを比べてください。
クラウドとオンプレミスはどちらを選ぶべきですか?
正解は工場の通信環境やデータ量によって変わり、セキュリティ方針や停止許容度、運用体制も判断に関わります。そのため、構成ごとに次の点を確かめます。
- クラウド:大量の設備データを常時送信する場合は、通信断時の蓄積と再送、利用費の増加
- オンプレミス:老朽化、バックアップ、災害対策
工場現場はエッジ側で一時保存し、クラウドと連携するハイブリッド構成も選択肢になります。
システム導入はどの業務から始めるとよいですか?
最初は、現場と経営の双方で効果を測りやすく、他業務へ広げやすい範囲がおすすめです。たとえば、1工場の原料在庫・配合実績・歩留まりを対象にPoCを行い、入力時間、在庫差異、計画と実績の差を測定します。
AXとして、コードや単位、承認者、入力締め時刻を先に統一しておきます。効果が確認できてから設備保全やバルク物流へ広げると、現場の反発と過剰投資を抑えやすくなります。
まとめ
ガラス・セメント業界のシステム開発では、組立加工業向けの部品表だけでなく、配合や歩留まり、連産品まで含めて考える必要があります。さらに、サイロやバルク物流、設備保全、GXまでを一つの業務設計として扱うことが求められます。
会社選びでは、各社の強みを自社の業務との相性で比べることが大切です。たとえば、NECのプロセス製造向けERPやSAPの統合ERPと、riplaの業務に合わせた柔軟な構築とでは、向く企業が異なります。
業務とデータの洗い出し
発注前に、原料や製品、設備のマスタを一覧にします。顧客や車両のマスタ、配合と検査のルール、紙やExcelに残る業務も、同じように洗い出します。停止できない時間帯も、あわせて確認します。
そのうえで、1ラインまたは1工場のPoCで効果を測定します。無停止移行や切り戻し、教育、保守まで含むロードマップを作成します。
導入そのものよりも、現場が使い続けられる運用を先に設計することが、長期的な成果につながります。
本記事で参照した公式情報
NEC「生産管理システム FlexProcess」、NTTデータ「製造」、富士通「富士通のSAP 製造業ソリューション」の公式ページを参照しています。SAP「SAP Cloud ERP 製造」、IBM「IBM webMethods – 製造業」を参照しています。各社の機能や実績は、導入時点の提供条件・契約・対象製品によって異なるため、最新の提案内容と見積書で確認してください。
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
