コールセンターのAIエージェント開発・構築を成功させるには、AIの性能だけでなく、有人対応への切り替え、既存のPBX・CRM連携、ナレッジ更新まで設計できる会社を選ぶことが重要です。
本記事では、コールセンターのAIエージェント開発・構築で相談しやすい会社を、株式会社riplaを含む6社に整理します。AIエージェントと従来型IVRの違い、導入事例、会社選びの基準、PoCから本番運用までの注意点も、2026年時点で確認できる情報をもとに解説します。
コールセンターのAIエージェントはパートナー選びが重要です

AIエージェントは、質問に答えるだけのチャットボットではありません。音声やテキストから顧客の意図を理解し、社内ナレッジや業務システムを参照しながら、回答・受付・記録・引き継ぎまで実行する仕組みです。そのため、AIモデルの選定だけでなく、業務設計とシステム連携を担えるパートナーが求められます。
AIと人の役割分担を先に決める必要があります
導入前に決めるべきなのは「何割を自動化するか」だけではありません。本人確認、契約変更、返金、解約、クレーム、カスハラ、個人情報や決済情報を扱う問い合わせなど、AIが処理してよい範囲と、有人へ引き継ぐ条件を業務単位で定義します。定型問い合わせをAIに任せ、難しい相談や感情的な対応を人が引き受ける設計なら、効率化と顧客体験を両立しやすくなります。
発注前に確認すべきポイントがあります
候補会社には、音声認識からLLM、音声合成までの構成、PBX・CTI・CRM・認証基盤との接続方法、ログの保管場所、個人情報のマスキング、障害時の有人切り替えを確認します。RAGを使う場合は、FAQを登録するだけで終わらず、誰が週次で更新し、回答の正しさをどの指標で評価するかも聞くことが大切です。価格比較は、初期開発費だけでなく、通話時間、API利用量、保守、チューニング、追加連携の費用を含めて行います。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaに相談する価値は、AI導入を単独のツール導入で終わらせず、業務成果から逆算して設計できる点にあります。コールセンターでは、問い合わせ分類、回答候補の提示、応対要約、CRMへの登録、SVへの通知などを一つの業務フローとして整理できます。音声・チャット・社内検索など複数の機能を組み合わせる場合も、現場の運用に合わせて段階的に構築しやすい体制です。
得意領域・実績
幅広い基幹システムの構築・導入経験を活かし、顧客管理や販売管理など、問い合わせの前後にある業務まで含めて整理したい企業に向いています。特定の製品を先に当てはめるのではなく、既存システムの制約、担当者のスキル、将来の内製化方針を確認しながら、PoCの範囲と本番化のロードマップを設計できます。自社固有の問い合わせ業務に合わせたAIエージェントを開発したい企業の相談先です。
モビルス株式会社|電話対応に強いAIボイスボット

モビルス株式会社は、コンタクトセンター向けのAIボイスボット「MOBI VOICE」を提供する会社です。公式サービス情報では、音声認識と生成AIで意図を解釈し、PBX、CRM、個別データベースとの連携に対応すると説明されています。
特徴と強み
MOBI VOICEは、注文や手続きの一次受付、シナリオの分岐、IVRによる自動音声対応、アウトバウンドコールなど、電話業務を自動化する機能を備えています。ノーコード編集やダッシュボード、自動テキスト化にも対応しているため、現場が会話シナリオを見直しやすい点が特徴です。AIが処理しきれない相談を有人へ転送する運用とも相性がよく、繁忙時間のあふれ呼対策や24時間受付を検討する企業に適しています。
得意領域・実績
モビルス公式サイトでは、SBIいきいき少額短期保険へのAIエージェント型ボイスボット導入や、横浜銀行で住宅ローン年末残高証明書の再発行などの受付について約9割が折り返し不要になった事例が紹介されています(出典: モビルス「MOBI VOICE」公式サービス情報、2026年確認)。ただし、効果は対象業務やナレッジの品質で変わるため、自社の入電分類に近い事例をもとに検証することが大切です。
株式会社PKSHA Technology|音声・チャット・応対分析を横断

株式会社PKSHA Technologyは、コンタクトセンター向けに「PKSHA VoiceAgent」「PKSHA ChatAgent」「PKSHA Speech Insight」などを展開するAI企業です。音声自動応答だけでなく、チャット、音声認識、通話分析まで組み合わせて、センター全体の生産性と応対品質を改善したい企業に向いています。
特徴と強み
PKSHA VoiceAgentは、定型業務の自動化による応答率改善、24時間365日の受付、オペレーター負荷の軽減を訴求しています。PKSHA ChatAgentでは、生成AI・LLMを活用し、曖昧な質問への聞き返しや文脈に応じた回答を可能にするアップデートも公表されています。単純なFAQ検索から、顧客の意図を確認しながら解決へ導く対話へ発展させたい場合に検討しやすい構成です。
得意領域・実績
公式サイトには、明治安田生命、三井住友トラストTAソリューション、東北電力など、各業界の導入企業が掲載されています。また、PKSHAは富士キメラ総研の調査におけるボイスボット市場シェア24.7%を掲載していますが、調査対象や定義は提案時に確認してください(出典: PKSHA Technology「PKSHA VoiceAgent」公式サイト、2026年確認)。既存の応対データを活用して品質評価やVOC分析まで進めたい大規模センターに適しています。
株式会社NTTデータ|大規模運用と業務変革を一気通貫で支援

株式会社NTTデータは、生成AI、AIガバナンス、セキュリティ、コンタクトセンター運用の知見を組み合わせた大規模な業務変革を支援する会社です。2025年に、NTTマーケティングアクトProCXと連携し、「LITRON Customer Engagement」を2025年12月から提供開始すると公表しています。
特徴と強み
NTTデータの強みは、AIを導入する前の業務分析から、システム実装、運用変革までを対象にできることです。公式発表では、同サービスが現行業務の生産性を最大3.5倍に向上させる構想を示しています。これは個別企業で保証される数値ではありませんが、AIエージェントを単なる自動応答ではなく、業務プロセス全体の再設計として検討する際の視点になります。
得意領域・実績
NTTデータグループは、全国39拠点・約7,000席の大規模コンタクトセンターBPO事業との連携を公表しています(出典: NTTデータグループ「AIエージェントを活用した新たなカスタマーサポート業務変革サービス」、2025年)。金融、通信、公共など、セキュリティや監査、安定稼働を重視する企業で、業務とITの両面から刷新したい場合に候補になります。小規模な単機能PoCでは、体制や費用が適合するかを事前に確認する必要があります。
日本電気株式会社(NEC)|検証から運用まで対応するコンタクトセンターAI

日本電気株式会社(NEC)は、LLMを活用したコンタクトセンター向けAIソリューション「NEC Communication Agent」を提供しています。電話、チャット、SNSなどのチャネルを対象に、顧客の自己解決を促しながら、コミュニケーターの負荷を軽減する構成です。
特徴と強み
NEC Communication Agentは、ボイスボットやチャットボット単体から始め、対話履歴とナレッジを一元管理する構成へ拡張できます。NEC Speech Analysis Platformとの連携により、AIとの対話履歴をコミュニケーターが確認できる点も特徴です。公式情報では、NECが検証環境を用意し、顧客ナレッジの登録やプロンプト調整を行う検証サービスを、5週間以上の期間で提供しています(出典: NEC「NEC Communication Agent」公式サイト、2026年確認)。
得意領域・実績
上流コンサルティングからCRM、電話音声基盤を含むインフラ構築、運用までワンストップで対応できる点が、NECの検討ポイントです。Genesys CloudやPBXなどの既存基盤がある企業は、AIだけを追加するのか、コンタクトセンター全体を再構成するのかを相談できます。大規模環境での実証やセキュリティ要件を重視し、社内検証を丁寧に進めたい企業に適しています。
富士通株式会社|コンタクトセンター基盤と生成AIを組み合わせる

富士通株式会社は、コンタクトセンター専用システム、音声コミュニケーション、生成AI基盤を組み合わせて提案できる会社です。公式資料では、コンタクトセンター基盤「LEGEND-V AX」について、ACD、IVR、CTI、通話録音、音声認識、音声解析などを一つの基盤に集約する構成を示しています。
特徴と強み
オンプレミス環境で機密データを扱いたい場合は、「Private AI Platform on PRIMERGY」のように、インターネット接続なしで社内データを活用する構成も検討できます。RAGで社内文書を参照し、電話環境と組み合わせて通話データを業務改善に活用する考え方が示されています。金融、公共、製造など、データの持ち出し制限や既存の電話設備を重視する現場で検討しやすい選択肢です。
得意領域・実績
富士通は、音声基盤、通話録音、応対品質評価、ナレッジ活用までを既存の企業ITと接続したい場合に向いています。生成AIを導入する際は、機密情報を外部へ送らない構成、モデルの更新管理、アクセス権限、ログ監査を要件に含めます。AIエージェントの回答精度だけでなく、電話網の安定性やBCPまで含めた提案を求める企業に適しています。
コールセンターのAIエージェント会社を選ぶポイント

6社にはそれぞれ、電話自動化に強い会社、AI SaaSを横断展開する会社、大規模な業務変革に強い会社、基盤やセキュリティを重視する会社という違いがあります。自社の課題に合わせて候補を2〜3社に絞り、同じ業務シナリオで提案と検証を比較すると、選定の精度が上がります。
実績は数字と業務範囲まで確認します
「導入社数」だけで判断せず、自社と似た業種、入電量、個人情報の扱い、電話基盤、問い合わせの難易度を確認します。受付完結率、折り返し削減率、AHT、ACW、FCR、CSATなど、どの指標が改善したのかも聞きます。AIエージェントの自動化率は業種で差があり、BtoCの定型業務では80%程度、金融・保険では40〜60%、医療・公共では20〜40%という目安が示されることがありますが、自社のPoCで実測することが前提です。
音声・RAG・連携の技術力を評価します
音声AIでは、顧客の発話にかぶせて話せるバージイン、沈黙のタイムアウト、音声認識からLLM、音声合成までの遅延を確認します。遅延が長いと、顧客は聞こえていないと感じて同じ発話を繰り返します。PBXやCTIとの接続では、SIPやVoIPのルーティング、転送時の文脈引き継ぎ、オンプレミスPBXの音声ゲートウェイを設計できるかを確認します。
継続運用と障害対応まで提案を求めます
RAGのデータは、PDFや表計算ファイルをそのまま登録すればよいとは限りません。見出しと本文が分かれたmdやtxtへ整形し、更新日や適用範囲を付け、週次で古い情報を無効化すると回答精度を管理しやすくなります。PCI DSS相当の機密情報を扱う場合は、音声認識の段階でカード番号などを検知してマスキングし、ログや録音の権限も分離します。外部LLMの障害時にシナリオ型ボットへフォールバックするか、全呼を有人へルーティングするかも、BCPとして決めておきます。
よくある質問

ここでは、コールセンターのAIエージェントを比較する際に、多くの担当者が確認する質問へ回答します。AIに任せる範囲、導入期間、既存システムとの連携を具体的にイメージしてください。
コールセンターのAIエージェントとチャットボットは何が違いますか?
チャットボットは、あらかじめ用意したFAQやシナリオから回答する用途が中心です。AIエージェントは、顧客の意図を確認し、ナレッジや業務システムを参照しながら、受付、検索、記録、有人への引き継ぎなど複数の処理を組み合わせて実行します。ただし、すべてを自律化するのではなく、権限とエスカレーション条件を明確にすることが重要です。
コールセンターAIエージェントの費用相場はいくらですか?
費用は、音声かチャットか、既存PBX・CRMと連携するか、RAGのナレッジ量、本人確認や決済処理の有無、運用保守の範囲で大きく変わります。公開された一律の相場だけで判断せず、PoC費用、本番開発費、月額利用料、通話・API従量費、ナレッジ更新費、障害対応費を分けた見積もりを取得してください。まず1業務・1チャネルに絞り、効果が確認できてから範囲を広げる方法が安全です。
最初のPoCではどの業務を選ぶべきですか?
営業時間外の一次受付、予約変更、資料請求、配送状況の確認など、正解が明確で、処理後に人が確認できる業務が適しています。問い合わせ全体を一度に自動化するのではなく、代表的な通話を一定数抽出し、意図分類の正確さ、完結率、有人転送率、顧客満足度を測定します。金融・医療・公共など高配慮領域では、個人情報や権限を扱わない案内業務から始めるとリスクを抑えやすくなります。
まとめ|人とAIが協働できる会社を選びます

コールセンターのAIエージェントは、人員削減だけを目的にするのではなく、定型業務をAIへ移し、人は難しい相談、提案、カスハラ対応、品質改善へ集中するための仕組みです。ripla、モビルス、PKSHA Technology、NTTデータ、NEC、富士通には、得意な領域や導入アプローチに違いがあります。自社の業務、既存基盤、セキュリティ条件、運用体制に合う会社を比較してください。
導入前に確認するチェック項目
最後に、問い合わせ分類と自動化対象、有人へ切り替える条件、PBX・CTI・CRM連携、RAGの更新担当、回答精度の評価方法、音声とログのマスキング、LLM障害時の代替経路、KPIと責任者を確認します。自動化率だけでなく、AHTとACWの短縮、FCRとCSATの維持、オペレーターの心理的安全性を同時に追うことで、長く使えるAIエージェントになります。
本記事で参照した公式情報
モビルス「MOBI VOICE」公式サービス情報(https://mobilus.co.jp/service/voice)、PKSHA Technology「PKSHA VoiceAgent」公式サイト(https://aisaas.pkshatech.com/voicebot/)、NTTデータグループ「AIエージェントを活用した新たなカスタマーサポート業務変革サービス」(https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2025/110600/)、NEC「NEC Communication Agent」公式サイト(https://jpn.nec.com/NCA/index.html)、富士通「Private AI Platform on PRIMERGY」(https://www.fujitsu.com/jp/products/computing/servers/primergy/solution/private-ai-platform/)を参照しています。サービス内容や導入事例は更新される可能性があるため、発注前には各社の最新資料をご確認ください。
AIエージェントの導入は、候補会社へ自社の通話例、FAQ、既存システム構成、目標KPIを共有するところから始まります。まずは小さな業務で効果を測り、現場の声を反映しながら、顧客とオペレーターの双方に価値がある範囲へ段階的に広げていくことをおすすめします。
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
