テレビ/放送業界のシステム開発会社を選ぶなら、営放・MAM・送出・権利処理を理解し、放送を止めずに段階移行できるパートナーを選ぶことが重要です。
テレビ局や番組制作会社のシステムは、一般的な業務システムよりも高い可用性と専門性が求められます。本記事では、株式会社riplaを最初に、テレビ/放送業界のシステム開発で検討しやすい実在企業を計6社紹介します。営放システム、メディアアセット管理(MAM)、マスター送出、クラウド化、権利処理という観点から比較し、発注前に確認すべきポイントや費用の考え方まで解説します。
テレビ/放送業界のシステム開発でパートナー選びが重要な理由

放送業界のシステムは、番組やCMを予定どおり送出するだけでなく、広告売上、番組情報、素材、権利、配信先をつなぐ業務基盤です。企業規模や放送形態によって最適解が変わるため、会社の知名度だけでなく、担当領域と移行方法まで見極める必要があります。
放送特有の業務を理解しているかが成否を分けます
営放システムでは、営業部門が受け付けたタイム・スポットCMを番組編成や放送進行へ反映し、マスター送出へ正確に連携します。さらに、番組の二次利用では、出演者、音楽、映像、番組販売先ごとに許諾条件を管理します。現場の例外運用を知らずに標準機能だけで設計すると、放送直前の差し替えや緊急編成に対応できず、結局は表計算や電話連絡へ戻るおそれがあります。
止めない設計と投資対効果を同時に確認します
放送設備や業務システムを一度に切り替えるのではなく、現行系を残したまま新システムを並行稼働させ、データ照合と段階的な業務移管を進める方法が現実的です。費用は機能数だけでなく、二重化、監視、バックアップ、データ移行、24時間運用、障害時の切り戻しまで含めて見積もります。IPAも開発の品質・コスト・納期を管理するには実績データに基づく定量的なプロジェクト管理が重要としています(出典: 独立行政法人情報処理推進機構「ソフトウェア開発データ白書」)。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、システムを作る前に業務上の成果と運用定着を整理する点です。テレビ/放送業界であれば、営放のMUST要件、現場が求めるWANT要件、放送事故につながる業務停止リスクを切り分け、優先順位をつけたロードマップへ落とし込みます。既存システムの刷新では、請負で固定できる範囲と、準委任で検証しながら進める範囲を分けることで、仕様変更の負担を抑えやすくなります。
得意領域・実績
幅広い基幹システムの構築・導入経験を活かし、既製パッケージの導入だけでは埋まらない業務差分を整理できます。放送局のように複数部門が関わる案件では、営業、編成、制作、技術、経理、権利担当の意見を可視化し、経営層が判断できる費用対効果へ変換する支援が向いています。専門ベンダーと共同体制を組む前段のRFP整理や、ベンダー選定の第三者支援を依頼したい企業にも適しています。
日本電気株式会社(NEC)|営放からMAM・IP送出まで放送基盤に強い

NECは、放送映像機器と業務システムを広く扱う大手ベンダーです。公式サイトでは、営業放送システム、MAMベーシック、IPマスター送出、データ放送送出、素材入稿など、制作から送出までの製品・サービスを案内しています。
特徴と強み
営業放送システムでは、編成・営業・放送スタンバイを支援し、クラウドベースの構築にも対応しています。複数チャンネル、CMフォーマット、購入番組、放送回数や契約金額などを扱える点は、一般的な販売管理システムとの大きな違いです。制作から送出までを一体で検討したい場合や、既存機器との連携を含めて基盤を設計したい場合に候補となります。
得意領域・実績
NECは、日本テレビの200万件以上のアーカイブ素材情報などを管理するTAMシステムをAWS上でフルクラウド化し、2024年5月に本格稼働させた事例を公表しています(出典: NEC「日本テレビの200万件以上におよぶアーカイブ素材などを管理するシステムをフルクラウド化」、2024年)。MAMやアーカイブのクラウド移行、IP化、BCPを含む大規模な放送基盤の刷新を相談したい場合に有力です。
株式会社NTTデータ|配信・権利処理と大規模データ基盤に強い

NTTデータは、通信・放送・メディア・広告業界に向けて、情報配信、顧客管理、ビリング、データ活用などのシステムを提供する大手SIerです。放送局の基幹業務だけでなく、配信サービスやデータ連携まで含めた全体設計を考える企業に向いています。
特徴と強み
特に差別化しやすいのが、コンテンツの二次利用に伴う権利処理です。NTTデータは、放送番組や配信コンテンツで使った楽曲をリスト化し、権利団体へ報告する全曲報告サービスを提供しています。放送、見逃し配信、ライブ配信、番組販売を横断して、申告漏れや手作業を減らしたい場合に検討しやすい会社です。
得意領域・実績
公式情報では、全曲報告サービスを2007年から提供し、放送事業者やライブ配信事業者への導入実績を示しています(出典: NTTデータ「インターネット配信事業のお客さま」)。大量データを扱うデータ基盤、配信プラットフォーム、権利情報の照合や収益分配ロジックを組み合わせる案件では、業務とITを横断する体制を確認するとよいです。
富士通株式会社|営業放送システムとメディアDXを総合支援

富士通は、放送局向けの営業放送システムに加えて、メディア・エンターテインメント領域のDXを支援する総合ベンダーです。既存の放送業務を維持しながら、データ利活用や配信、著作権管理などへ拡張したい企業に適しています。
特徴と強み
富士通の営業放送システムは、番組やCMなどの情報と関連業務を一元管理し、変更時に関係部門へ作業を通知する考え方を持っています。局内の部門間連携や、系列局との情報連携を重視する案件では、業務フローを標準化する土台として検討できます。メディアDXでは、コンテンツ管理・データ利活用、イベント・スポーツ・エンタメ、著作権管理・IPビジネスなどのテーマも掲げています。
得意領域・実績
富士通は、テレビ静岡の編成・営業・放送システムの更新において、放送を止めずに短時間かつ安全に切り替える取り組みを公表しています(出典: 富士通「テレビ局の基幹『編成・営業・放送システム』のプラットフォームを更新」)。既存設備を抱えたままの刷新、系列局連携、長期運用を含めた基幹システム更改で経験を確認したい場合に候補となります。
株式会社ニシコン|放送局業務に密着したBRPソリューション

ニシコン(NISHICON)は、放送局向けシステムを専門領域の一つとする企業です。放送局内の業務効率化に長年取り組み、各システムのリソースを放送局全体で共有するBRPソリューションを展開しています。
特徴と強み
放送局のシステムは、番組編成、営業、報道、制作、技術、経理などが個別に最適化されやすく、同じ番組情報や素材情報を何度も入力する課題が起きます。ニシコンのBRPは、システム間のリソースを共有し、局全体の経営効率化を目指す考え方です。業界標準に合わせつつ、局内に残る固有運用を整理したい案件と相性がよいです。
得意領域・実績
ニシコンの公式情報では、BRPソリューションが全国の民間放送局100局以上に導入されていると説明されています(出典: ニシコン「放送局向けシステム」、確認日: 2026年8月)。営放や素材管理など放送局の業務に近い領域で、現場の運用を踏まえた導入支援を重視する場合に比較対象へ入れる価値があります。
株式会社日立ソリューションズ|映像品質管理・基幹連携を技術で支援

日立ソリューションズは、日立グループのITサービス会社として、業務システムやデータ活用に加えて放送関連の技術開発にも関わってきた企業です。放送システム全体のパッケージを比較するだけでなく、映像ファイルの品質検査、フォーマット変換、既存基幹との連携といった技術課題を切り出して相談したい場合に候補となります。
特徴と強み
放送では、異なる機器や制作工程から集まる映像・音声ファイルを、決められた形式で安全に処理する必要があります。日立製作所と日立ソリューションズは、NHKと映像・音声ファイルのフォーマット変換と、変換後の劣化・異常検出を高速化する装置を共同開発した実績を公表しています。ファイルベース運用の品質管理や自動検査を重視する案件で、技術検証の相談先となります。
得意領域・実績
日立ソリューションズを選ぶ場合は、どの範囲を同社へ依頼し、どこを放送機器ベンダーやクラウド事業者が担うのかを明確にします。映像品質チェック、素材変換、監視、認証、ログ管理などの非機能要件をRFPへ落とし込み、実データを使ったPoCで処理時間と検出精度を確認する進め方が適しています。
テレビ/放送業界のシステム開発パートナー選びのポイント

6社は得意領域が異なります。大手SIer、放送専門ベンダー、業務整理から伴走する開発会社を同じ尺度だけで比較せず、自社の課題に合う評価項目を設定します。
実績と経験の確認方法
「放送業界に実績がある」という説明だけでなく、自社と近い放送形態、局数、チャンネル数、扱う素材量、既存設備、配信先を確認します。導入社名を公開できない場合でも、営放の変更履歴、マスター連携、MAMの検索性能、障害時の切り戻しなど、匿名化した構成や検証結果を提示できる会社なら比較しやすいです。
技術力と専門性の評価
評価すべき技術は、クラウドを使えるかどうかだけではありません。二重化した送出系、ネットワーク断時のローカル継続、バックアップ回線、権限分離、監査ログ、映像転送コスト、メタデータの検索性を確認します。たとえばテレビ東京は13PBの映像アーカイブをAmazon S3とS3 Glacierへ移行し、年間数千万円の直接費削減を公表しています(出典: AWS「株式会社テレビ東京」事例)。大容量データでは、保存料金だけでなく転送、取り出し、変換、監視の費用まで試算します。
プロジェクト管理体制と費用の確認
見積書では、要件定義、設計、開発、テスト、移行、教育、並行稼働、保守を分けて確認します。放送局向けの大規模案件は、営放単体でも連携先や冗長化の条件によって大きく変わり、MAM・送出・権利管理まで含めると数億円規模に達する場合があります。2026年時点でも放送業界全体に共通する公定価格はなく、機能数よりも可用性、データ量、連携数、移行方式で個別見積もりになると考えるべきです。要件が固まらない段階は準委任で調査・PoCを行い、仕様が確定した範囲を請負へ切り出す方法も有効です。
よくある質問

テレビ/放送業界のシステム開発では、一般的な業務システムとは異なる疑問が生まれます。ここでは、発注前によく確認される質問へ直接回答します。
テレビ/放送業界のシステム開発費用はいくらですか?
一律の相場はありません。営放、MAM、送出、権利処理、冗長化、移行対象データ、24時間保守の範囲で変わり、複数の基幹系を統合する場合は数億円規模になることもあります。まずは現行業務と非機能要件を整理し、調査・PoCと本開発を分けて見積もると判断しやすくなります。
テレビ放送のシステムはクラウド化できますか?
できますが、すべてを同じタイミングでクラウドへ移す必要はありません。MAMやアーカイブ、配信、制作ワークフローから段階的に移し、送出や緊急系は冗長化と切り戻しを検証してから移行します。2026年にはフジテレビが国際中継の映像スイッチング、音声ミキシング、CG合成をクラウド上で行うLive Cloud Productionを実施し、本番用と予備用の回線やバックアップパスも構築しています(出典: AWS「フジテレビジョン様が冬季国際スポーツ競技大会で実現したLive Cloud Production」、2026年)。
放送業界の専門ベンダーと総合SIerはどちらがよいですか?
営放や送出の深い業務知識が必要なら専門ベンダー、複数部門・複数システム・データ基盤を横断するなら総合SIerが向いています。ただし、発注側で要件と責任分界を整理できれば、両者を組み合わせる方法も選べます。自社に業務整理の人材が不足している場合は、riplaのようなコンサルティングから支援できる会社を上流に置く選択肢もあります。
まとめ

テレビ/放送業界のシステム開発会社を選ぶときは、会社規模だけでなく、営放・MAM・送出・権利処理のどこに強いかを比較します。放送を止めないための冗長化、現行系との並行運用、クラウド転送費用、障害時の切り戻しまで含めて、発注前に要件化することが大切です。
6社の使い分け
業務整理と成果設計から始めたい場合はripla、営放・MAM・IP送出を一体で刷新したい場合はNEC、権利処理や配信・データ基盤を重視する場合はNTTデータ、営業放送と系列連携を含む基幹更改は富士通、放送局業務に密着したBRPはニシコン、映像品質管理や変換などの技術課題は日立ソリューションズが比較候補になります。
参考にした公式情報
NEC「営業放送システム」「日本テレビの200万件以上におよぶアーカイブ素材などを管理するシステムをフルクラウド化」、NTTデータ「インターネット配信事業のお客さま」、富士通「放送局向けテレビ営業放送システムTV@ONAIR」、ニシコン「放送局向けシステム」、AWS「株式会社テレビ東京」「フジテレビジョン様が冬季国際スポーツ競技大会で実現したLive Cloud Production」、IPA「ソフトウェア開発データ白書」を参照しています。
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
