ドラッグストア業界のシステム開発会社は、POSや在庫管理だけでなく、医薬品の販売規制、調剤レセコン、店舗とECの連携まで設計できる会社を選ぶことが重要です。
ドラッグストアでは、日用品と医薬品を同じ店舗で扱い、多店舗の在庫・発注・販促・調剤業務をつなぐ必要があります。本記事では、株式会社riplaを最初に、実在する開発会社・ベンダー5社を加えた計6社を紹介します。各社の特徴に加えて、薬剤師による情報提供、第1類医薬品の販売、課税・非課税商品の会計、オンライン服薬指導まで見据えた選び方を解説します。
ドラッグストア業界のシステム開発でパートナー選びが重要な理由

ドラッグストアのシステムは、レジを電子化するだけの仕組みではありません。商品マスタ、店舗在庫、本部の発注・仕入、物流センター、会員データ、調剤薬局の業務を連携させ、現場の判断と法令上の確認を同時に支える基盤です。特に調剤併設店では、一般商品と処方箋に基づく調剤の業務が隣接するため、導入範囲を最初に正しく定義する必要があります。
法規制と店舗オペレーションを同時に扱う必要があるためです
第1類医薬品を販売する場合、薬剤師による必要な情報提供が求められます。厚生労働省は、原則として薬剤師に情報提供をさせる必要があると示しており、店舗のレジでは商品区分を判定して薬剤師の確認へ切り替える制御が必要です(出典:厚生労働省「第一類医薬品の販売等における情報提供の取扱について」)。単に「医薬品」というカテゴリを登録するだけでは、資格者の呼び出し、確認記録、販売可否の判断を現場で運用できません。
データ連携と投資回収まで考えなければ定着しないためです
ドラッグストアの投資額は、店舗数、SKU数、既存POSの有無、物流センターの構成、調剤レセコンとの連携範囲で大きく変わります。目安として、小規模な業務改善は300万〜700万円、中規模の店舗・本部連携は700万〜1,800万円、大規模な多店舗基幹システムは1,800万〜4,000万円以上となる場合があります。ただし、これは一般的な受託開発の目安であり、機器費・データ移行・保守費・現場教育を含むかで比較結果が変わります。客捌き数、人件費、廃棄ロス、棚卸し時間をKPIにして、導入後の回収計画まで説明できる会社を選ぶことが大切です。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、業務の整理と開発を切り離さず、現場で使われる状態まで設計する点です。ドラッグストアでは、全店舗へ一律に機能を配るのか、調剤併設店だけ追加機能を持たせるのかで、マスタや権限の設計が変わります。まずMUST要件として、期限・ロット管理、資格者確認、棚卸し、発注、売上集計を定め、WANT要件として購買履歴を使った販促や店舗受け取りを段階的に追加する進め方が適しています。
得意領域・実績
販売管理や顧客管理などの基幹領域を軸に、業態ごとの業務差分を踏まえた受託開発を相談できます。特に、SKU数や店舗数が増えたときのデータ量、既存システムとの連携、現場定着の進め方を一緒に整理したい企業に向いています。ドラッグストア特有の薬機法対応やレセコン連携は、対象製品・運用・導入地域を確認したうえで、必要な専門ベンダーと連携する体制まで含めて提案を求めると安心です。
日本電気株式会社(NEC)|多店舗小売のPOSと本部管理に強い

NECは、小売業向けPOSソリューション「NeoSarf/POS」を提供する大手ITベンダーです。公式情報では、店舗業務の効率化に加えて、DX促進や顧客体験の創出を支える柔軟性・拡張性を特徴として掲げています。また、NECは過去にドラッグストアなど小型店を多店舗展開する海外チェーン向けに、POS、発注・検品・棚卸し、バックオフィス、本部売上管理を組み合わせたソリューションを発表しています。
特徴と強み
多店舗のPOSを本部から管理し、店舗の発注・検品・棚卸しを標準化したい企業に適しています。店舗数が多いほど、商品マスタや価格・販促情報を正確に配信する仕組みが重要です。セルフレジや決済の追加を検討する場合も、既存POSとの接続方式、障害時の店舗継続、機器の保守窓口をあわせて確認してください。
得意領域・実績
POSを中心に、店舗・本部・周辺機器を含む大規模な小売基盤を検討する企業に向いています。一方、調剤レセコンやオンライン服薬指導を組み込む場合は、NECの標準範囲だけで完結するとは限りません。薬局側のシステム、処方箋・患者情報の取り扱い、会計区分をどの製品で担当するのかをRFPに書き、個別提案の対象範囲を明確にしましょう。
東芝テック株式会社|量販店POSと本部からの集中運用に対応

東芝テックは、量販店向けのトータルソリューション「Prime Store」を提供するPOS・店舗システムベンダーです。公式サイトでは、本部が各店舗を一元管理する店舗管理システムとして、店舗規模や運用形態に合わせた構成を提案すると説明しています。本部からPOS設定を一括配信でき、セルフレジを含む店舗運営の効率化を検討しやすい点が特徴です。
特徴と強み
店舗ごとに異なる機器や運用を抱えながら、本部主導で価格、商品、販促、権限を管理したい企業に適しています。ドラッグストアでは、医薬品だけ販売ルールや確認フローが異なるため、売場・レジ・薬剤師カウンターの業務をどのようにPOSへ反映するかがポイントです。セルフレジを導入する場合も、医薬品の販売時に有人確認へ切り替える設計を先に確認しましょう。
得意領域・実績
量販店型のPOS、店舗機器、本部集中管理を軸に、会計業務と店舗運営を効率化したい企業が候補にしやすい会社です。自社の調剤部門が別のレセコンを利用している場合は、売上連携、在庫連携、患者負担金の扱い、非課税・課税の区分をどこまで標準機能で扱えるのかを確認します。導入候補の店舗で業務シナリオを実演してもらうと、カタログだけでは分からない運用差を把握できます。
株式会社NTTデータ|小売DXと医療・データ連携を広く支援

NTTデータは、流通・小売の事業変革に加えて、医療・ヘルスケア領域のシステム開発とデータ活用も手がける総合IT企業です。流通・小売向けには、生活者起点のサービス実装、業務オペレーションの高度化、バリューチェーン変革を支援すると説明しています。また、公式の事例資料では、ココカラファインの顧客管理基盤テンプレート活用が紹介されています。
特徴と強み
多店舗の顧客接点と、調剤・医療データに関わる連携を全体設計したい企業に向いています。将来的に、会員アプリ、EC、店舗受け取り、オンライン服薬指導、電子処方箋などへ拡張する構想がある場合、個別システムを増やすのではなく、データ連携基盤と本人同意・権限管理を先に設計できます。特に患者情報は、購買履歴と同じ感覚で販促に利用できないため、目的・同意・アクセス範囲の整理が欠かせません。
得意領域・実績
小売だけでなく、医療・ヘルスケアや決済、データ基盤まで含めた大規模なDXを検討する企業に適しています。電子処方箋やレセプトの連携を考える場合は、調剤薬局側の業務要件を先に整理し、POSとレセコンのどちらを正として扱うかを決めることが大切です。開発費用や体制は案件ごとに変わるため、店舗数、連携先、セキュリティ要件を伝えて提案を依頼しましょう。
富士通株式会社|店舗POSから運用・保守まで支援

富士通は、店舗向けPOSや小売業の業務システム、導入後のヘルプデスク・保守を提供してきた大手IT企業です。富士通フロンテックの店舗POS関連資料では、店舗業務とPOSシステムの知識を持つ専門オペレーターによる最長24時間365日のコール対応や、マルチベンダーの店舗システムへの対応が紹介されています。
特徴と強み
ドラッグストアのように、店舗が止まると売上と顧客体験へ直接影響する業態では、導入後の運用支援が重要です。レジ障害、通信障害、ハンディ端末の不具合、商品マスタの配信ミスなど、現場では複数の原因が同時に発生します。開発時の機能だけでなく、問い合わせ窓口、復旧目標、代替運用、店舗教育を契約前に確認できる点が候補選定のポイントです。
得意領域・実績
既存の店舗システムを長期間安定運用しながら、POSや周辺機器を更新したい企業に向いています。多店舗で段階導入する場合は、先行店舗で通信・機器・教育の課題を検証し、標準展開の手順を固める方法が有効です。新規開発を依頼するときは、富士通の標準製品で対応する部分と、個別開発・他社連携になる部分を見積書で分けてもらいましょう。
株式会社日立製作所|流通小売のPOS基盤と安定運用を支援

日立製作所は、流通・小売業向けのシステム基盤や運用技術を提供してきた総合電機・IT企業です。公式の事例では、日本NCRの流通小売業向けPOSリアルタイムオンラインシステムに、日立のWebアプリケーションサーバが採用された事例が紹介されています。大規模なチェーンストアで求められる取引データ処理や基盤の安定性を重視する場合に候補となります。
特徴と強み
大量の販売データを扱う多店舗システムでは、店舗数や取引量が増えても処理が滞らない基盤設計が欠かせません。日立の事例のように、POSアプリケーションを支えるサーバやインフラまで含めて検討できる点が強みです。ドラッグストアで採用を検討する場合は、店舗POS、在庫・発注、本部分析、調剤連携のどこを日立へ依頼し、どこを専門ベンダーへ任せるのかを明確にしましょう。
得意領域・実績
既存の小売システムを止めずに段階的な刷新を進めたい企業や、店舗・本部・データセンターを含めた可用性を重視する企業が比較しやすい会社です。フルスクラッチ開発だけを前提にせず、既存POS、WMS、会員基盤からデータを取り出し、経営ダッシュボードや発注改善へつなぐ提案を求める方法もあります。日立の公開事例が自社の想定規模に近いか、ドラッグストア特有の調剤・医薬品要件をどのパートナーが担うかを問い合わせましょう。
ドラッグストア業界のシステム開発会社を選ぶポイント

会社名や導入費用だけで比較すると、稼働後に追加開発が膨らむ可能性があります。ドラッグストアでは、POS、WMS、レセコン、会員アプリ、決済、シフト管理などの境界を事前に決め、業務シナリオで提案を比較することが重要です。特に「薬剤師が不在のときに第1類医薬品をスキャンした場合」「処方箋薬と日用品を同時会計した場合」「通信が切れた場合」をデモで確認してください。
実績は「業界名」だけでなく業務単位で確認します
「小売の実績があります」という説明だけでは不十分です。店舗数、SKU数、物流センターの有無、調剤併設率、セルフレジの台数、既存POSからの移行方法を確認しましょう。医薬品の販売では、第1類医薬品の情報提供、要指導医薬品の取り扱い、薬剤師・登録販売者の勤務状況をどのように記録・制御したかが重要です。厚生労働省の令和5年度調査でも、第一類医薬品の文書による情報提供や理解確認などに遵守率の課題が示されています(出典:厚生労働省「令和5年度医薬品販売制度実態把握調査」)。
連携仕様とセキュリティの責任分界を確認します
レセコン、電子処方箋、会員アプリ、EC、配送、決済をつなぐ場合は、APIの有無だけでなく、データ項目、更新頻度、エラー時の再送、個人情報の保管場所を確認します。調剤システムから店舗POSへ渡す情報、POSから本部へ戻す売上情報、会員基盤へ連携する購買情報を一覧化すると、重複登録や責任範囲の曖昧さを避けられます。患者情報や服薬情報を扱うなら、最小権限、操作ログ、バックアップ、障害時の復旧手順をRFPへ明記します。
段階導入とROIを提案できるかを見ます
最初から全店舗・全機能を切り替えると、移行リスクと教育負担が大きくなります。まず数店舗でPOS、在庫、発注、資格者確認を試し、次に調剤連携、EC・店舗受け取り、CRMを追加するロードマップが現実的です。投資回収は、レジ処理人数、レジ締め時間、棚卸し時間、欠品率、期限切れ廃棄額、発注作業時間を導入前後で測定します。補助金を見込む場合も、採択を前提にせず、通常予算で実行できる最小構成を先に決めておくことが安全です。
よくある質問

ここでは、ドラッグストア業界のシステム開発を検討する担当者からよく寄せられる質問に回答します。法令や製品仕様は改定される可能性があるため、最終的には所管官庁、薬剤師、候補ベンダーへ確認してください。
ドラッグストアのシステム開発費用はいくらですか?
小規模な業務改善は300万〜700万円、中規模のPOS・在庫・本部連携は700万〜1,800万円、大規模な多店舗基幹システムは1,800万〜4,000万円以上が目安です。店舗数やSKU数、レセコン連携、データ移行、機器、保守を含むかで変動するため、機能単価だけではなく、導入対象店舗と連携一覧を添えて見積もりを依頼してください。
POSと調剤レセコンは同じ会社へ依頼すべきですか?
必ずしも同じ会社へ依頼する必要はありません。ただし、POS、レセコン、本部基幹、会員基盤の責任分界を一社または統括会社が管理できる体制が重要です。処方箋薬と日用品を同時に扱う会計、保険負担金、税区分、売上計上、患者情報の権限を業務フローで確認し、連携障害時の問い合わせ先を一本化できるかを比較してください。
オンライン服薬指導や店舗受け取りにも対応できますか?
対応できるかどうかは、候補会社の標準機能と連携実績を確認する必要があります。厚生労働省は、オンライン服薬指導を映像と音声の送受信によって行う方法として整理し、関連する省令・通知を公開しています(出典:厚生労働省「オンライン服薬指導に関する情報」)。処方箋画像の受付、本人確認、薬剤師の判断、決済、配送または店舗受け取り、記録保存を一つの流れとして設計できる会社を選びましょう。
セルフレジで医薬品を販売しても問題ありませんか?
セルフレジを導入する場合も、医薬品の区分と必要な情報提供をシステムと店舗運用の両方で管理する必要があります。第1類医薬品は薬剤師による情報提供が義務となるため、スキャン後に資格者を呼び出す、販売を一時保留する、確認者や時刻を記録するなどの設計を候補会社へ確認してください。法令上の判断をシステム会社だけに任せず、薬事担当者と一緒に業務フローを確定することが大切です。
まとめ

ドラッグストア業界のシステム開発では、POSや在庫管理の機能だけでなく、医薬品の販売規制、薬剤師・登録販売者の配置、調剤レセコンとの連携、課税・非課税の会計、EC・店舗受け取りまで一つの業務設計として確認することが重要です。今回紹介した6社は、株式会社ripla、NEC、東芝テック、NTTデータ、富士通、日立製作所です。大手の標準製品を軸にするか、業務に合わせた受託開発を進めるかは、店舗数・SKU数・既存システム・投資計画によって変わります。
まずは、現場の業務フローを「商品登録」「入荷・検品」「期限・ロット管理」「発注・棚卸し」「通常会計」「医薬品確認」「調剤会計」「会員・EC連携」に分解してください。そのうえで、候補会社へ同じ業務シナリオを提示し、標準機能、個別開発、他社連携、保守範囲、導入後の教育を比較します。参考情報として、NECの小売POS(https://jpn.nec.com/neosarf/pos/index.html)、東芝テックのPrime Store(https://www.toshibatec.co.jp/product/pos-store/pos/primestore/)、NTTデータの流通・小売ソリューション(https://www.nttdata.com/jp/ja/industries/retail-distribution/)、厚生労働省のオンライン服薬指導情報(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakkyoku_yakuzai/onlinefukuyaku.html)も確認できます。複数社へ相談し、自社の規模と将来像に合う開発パートナーを選びましょう。
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
