問い合わせ対応におけるAI活用とは、定型的な質問への自動回答だけでなく、オペレーター支援、応対後の記録、品質評価までを人とAIで分担し、顧客体験と業務効率を同時に高める取り組みです。
問い合わせの増加、人手不足、教育負担に悩む企業にとって、AIは単に担当者を減らすための仕組みではありません。正確なナレッジをもとに一次回答を行い、難しい相談を人へ引き継ぎ、対応履歴を次の改善に生かすための業務基盤です。本記事では、導入支援や問い合わせ対応AIに強い会社を6社紹介し、事例、技術面、選定方法まで解説します。
問い合わせ対応AIのパートナー選びが重要な理由

問い合わせ対応AIの導入成否は、ツールの知名度だけでなく、業務設計と運用改善をどこまで伴走してもらえるかで決まります。AIチャットボットを置くだけでは、古いFAQをそのまま回答したり、有人窓口への引き継ぎで同じ説明を繰り返させたりする可能性があります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
問い合わせ対応では、FAQ、商品情報、契約情報、顧客データ、電話やメールの履歴など複数の情報源を扱います。したがって、回答生成の精度だけでなく、CRMやチケット管理、電話基盤との連携、個人情報の取り扱い、障害時の有人運用まで設計できる会社が必要です。特に金融、医療、通信のように誤回答の影響が大きい業種では、AIが答えてよい範囲と人が判断すべき範囲を最初に明確にします。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、対象チャネル、月間問い合わせ件数、問い合わせの上位分類、利用中のCRMやPBX、参照させる文書、有人へ渡す条件を整理します。PoCでは「回答できた件数」だけでなく、自己解決率、一次解決率、平均処理時間、後処理時間、CSATを測定します。費用は公開価格だけで比較せず、初期設計、データ整備、連携開発、月次のナレッジ更新、AI利用量に応じた従量費まで含めて見積もることが大切です。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、問い合わせ対応を単独のチャットボット導入ではなく、業務プロセス全体の改善として捉えられる点です。たとえば、問い合わせ内容を分類して担当部署へ渡す仕組み、回答候補をオペレーターへ提示する画面、対応後の要約をCRMへ登録する処理を一つの流れとして設計できます。既存システムをすべて入れ替えず、APIやミドルウェアを使って段階的に連携する方針も取りやすいです。
得意領域・実績
基幹システムの構築・導入で培った業務理解をもとに、企業ごとの顧客管理、販売管理、営業管理に合わせた問い合わせ対応基盤を検討できます。生成AIを使う部分と、ルールベースで確実に処理する部分を分け、機密情報のマスキングや権限管理、AIサービス障害時の切り替えも要件に含められます。自社の業務に合わせた開発と、現場に定着させる伴走支援を重視する企業に向いています。
株式会社PKSHA Technology|コンタクトセンター向けAIを総合的に提供

株式会社PKSHA Technologyは、顧客対応や社内問い合わせを対象に複数のAI SaaSを展開する企業です。公式サイトでは、導入企業数4,400社以上、AIエージェント数7,000体以上と案内されています(出典: PKSHA Technology公式サイト、2026年確認)。問い合わせ対応AIをFAQだけでなく、チャット、音声、オペレーター支援、ナレッジ生成まで広げたい企業に適した候補です。
特徴と強み
PKSHAは、PKSHA FAQ、PKSHA ChatAgent、PKSHA VoiceAgent、PKSHA Speech Insight、PKSHA Knowledge Streamなどを提供しています。FAQの作成・公開・評価、自然な対話による自動回答、音声認識、自動要約、応対品質の可視化、応対ログからのFAQ生成を組み合わせられる点が特徴です。2026年3月には、PKSHA FAQ、PKSHA ChatAgent、PKSHA Knowledge Streamを連携する「PKSHA AI FAQ Assistant」の提供開始も発表されています(出典: PKSHA Technologyニュース、2026年3月)。
得意領域・実績
大規模なコンタクトセンターや、電話とWebをまたいだ運用、応対データを使った継続改善を重視する企業に向いています。AGSグループの事例では、FAQが未整備の状態から、AIエージェントが問い合わせ履歴を分析し、FAQ作成を支援する運用が紹介されています。最終的に問い合わせの自己解決率3割を目指す計画であり、導入後にナレッジを育てる考え方が参考になります(出典: PKSHA Technology導入発表、2026年2月)。
株式会社Helpfeel|検索型AI-FAQで自己解決を促進

株式会社Helpfeelは、ユーザーの言い換えや表記ゆれを捉えて回答へ導く検索型AI-FAQ「Helpfeel」を提供しています。FAQを見てもらうだけでなく、問い合わせの意図や検索ログを分析し、ナレッジを改善するサイクルを重視する会社です。公式サイトでは、導入サイト数900以上、問い合わせ削減実績70%、継続率99%と案内されています(出典: Helpfeel公式サイト、2026年1月時点)。
特徴と強み
生成AIが自由に回答する前に、企業が管理するFAQや文書を検索して、ユーザーが必要な情報へ到達しやすくする設計が中心です。問い合わせ管理機能では、AIによる分類や担当者への割り当て、返信案の生成にも対応しています。回答の根拠を管理しやすく、ブランド表現を守りながら自己解決率を上げたい企業に向きます。
得意領域・実績
EC、金融、教育、自治体など、同じ質問が繰り返されるWeb窓口の改善に強みがあります。ベルーナのECサイトでは、Helpfeel導入後に問い合わせ件数が導入前の50%まで減少し、返答時間も半分に短縮され、FAQページのセッション数は2倍になりました(出典: Helpfeel ベルーナ導入事例)。単にFAQを増やすのではなく、ユーザーが実際に入力した言葉をもとに改善したい企業に適しています。
Zendesk|複数チャネルを統合するAIエージェント

Zendeskは、チケット管理を中心にメール、チャット、電話、SNS、ヘルプセンターなどを統合できるカスタマーサービス基盤です。AIエージェントは、メッセージング、メール、Webフォーム、音声などで顧客と対話し、承認済みのシステムでアクションを実行する機能を備えています(出典: Zendesk公式ヘルプ、2026年7月)。既存のサポート運用を一つのプラットフォームにまとめながらAI化したい企業に向いています。
特徴と強み
AIによる返信案、文章作成、記事やチケットの要約、翻訳、インテリジェントな問い合わせ分類など、オペレーター向け機能が多い点が特徴です。AIエージェントは、複数の目的を含む相談に対して追加質問を行い、業務システムと連携して解決まで進める設計を取れます。AIの動作を確認するQAや分析機能も用意されているため、運用データを見ながら自動化範囲を広げられます。
得意領域・実績
海外拠点や多言語窓口を含む企業、サポートチャネルが増えて管理が分散している企業に適しています。公式事例では、イタリアのソフトウェア企業TeamSystemが、Zendesk AIを活用して反復的な問い合わせの最大80%を自動化したと紹介されています(出典: Zendesk TeamSystem導入事例、2026年確認)。ただし、利用プランや自動解決数に応じた料金、既存システムとの接続範囲は個別に確認する必要があります。
株式会社AI Shift|人とAIの協働を前提にしたコンタクトセンター支援

株式会社AI Shiftは、生成AIや音声認識を活用したコンタクトセンター向けサービスを提供する企業です。公式サイトでは、コールセンターの電話対応を自動化するサービスや、人とAIが互いに信頼しながら価値を生む「人とAIの協働」を掲げています(出典: AI Shift公式サービスサイト、2026年確認)。電話中心の窓口を対象に、音声AIと有人対応を組み合わせたい企業の候補です。
特徴と強み
電話対応では、音声認識、発話内容の要約、問い合わせ内容の分類、オペレーターへの引き継ぎが重要になります。AIがすべてを完結させるのではなく、本人確認や契約変更などルールが厳格な処理はシステム連携で制御し、感情的な不満や例外処理は人へ渡す設計が現実的です。AI Shiftのように人とAIの協働を前提とする会社なら、応答率だけでなく応対品質やエスカレーションまで含めて検討できます。
得意領域・実績
電話問い合わせの多い金融、通信、EC、公共サービスなどで、一次受付や定型案内の自動化を検討する場合に適しています。選定時は、音声認識の精度だけでなく、発信者番号や顧客IDとの連携、録音データの保存場所、通話中に人へ切り替える条件を確認します。PoCでは、実際の雑音や方言、商品固有の用語を含む会話データでテストし、平均処理時間と顧客満足度の両方を測定することが大切です。
NTTテクノクロス株式会社|振り分けから応対・分析まで支援

NTTテクノクロス株式会社は、コンタクトセンター向け基盤「CTBASE」と生成AIを組み合わせた支援を展開しています。公式サービスでは、問い合わせの振り分け、応対、分析までを生成AIでトータルに支援する構成が示されています(出典: NTTテクノクロス CTBASE公式サイト、2026年確認)。既存の電話基盤やセンター運用を生かしながら、段階的にAIを組み込みたい企業に適しています。
特徴と強み
大規模なセンターでは、AI導入によって現場の画面や運用が複雑にならないことが重要です。CTBASEのように、入電時の振り分け、オペレーターの応対支援、音声のテキスト化、応対履歴の分析を一連の業務として考えられる基盤は、既存システムとの接続を重視する企業に向きます。自社のPBX、CRM、録音、顧客認証の構成を確認し、どこまで標準機能で、どこから個別開発になるかを見積もる必要があります。
得意領域・実績
電話を含むコンタクトセンター全体の刷新、オペレーター支援、顧客応対データの分析を一緒に進めたい企業に適しています。特にオンプレミスのPBXや既存CRMを使い続ける必要がある場合は、データ連携の方式、ネットワーク分離、障害時の切り戻しを提案段階で確認します。導入期間は連携箇所やセキュリティ審査によって変わるため、単純なツール導入の納期だけで判断しないことが重要です。
問い合わせ対応AIのパートナー選びのポイント

6社にはそれぞれ、業務全体を設計する会社、FAQに強い会社、コンタクトセンター製品を持つ会社、音声AIに強い会社という違いがあります。自社の課題を「問い合わせを減らしたい」「電話を自動化したい」「回答品質を均一化したい」「既存基盤を活用したい」のように言語化してから比較すると、候補を絞りやすくなります。
実績と経験の確認方法
導入社数だけでなく、自社と近い業種、問い合わせ量、チャネル、セキュリティ要件の事例を確認します。事例で見るべき数字は、AI回答率だけではありません。問い合わせ件数の削減率、初回応答時間、平均処理時間、後処理時間、一次解決率、CSATが導入前後でどう変化したかを確認し、測定期間と対象範囲も聞きます。数字がない場合は、PoCで何を測り、誰が検証するのかを契約前に決めます。
技術力と専門性の評価
LLMの選定では、回答精度だけでなく、応答速度、入力と出力のトークン費用、データの学習利用、リージョン、ログ保存を確認します。高性能モデルだけを使うのではなく、意図分類や要約には軽量モデル、重要な回答の下書きには高精度モデルを使い分けると、品質とコストのバランスを取りやすいです。クレジットカード番号やマイナンバーなどは、LLMへ渡す前に検知・マスキングし、許可された項目だけを連携する設計にします。
プロジェクト管理体制の確認
AI導入では、開発会社だけでなく、現場の責任者、FAQを更新する担当者、法務・情報システム、オペレーター教育担当が関わります。誰がナレッジを週次で更新するか、誤回答をどのルートで修正するか、AIの回答を人が監査する頻度、外部APIが停止したときの代替手段を確認します。Ragasなどの評価フレームワークやLLM Observabilityを使って、回答の正確性、根拠、拒否の妥当性を継続的に確認できると、運用後の負担を抑えられます。
よくある質問

問い合わせ対応AIは、導入前に不安を感じやすいテーマです。ここでは、費用、ハルシネーション、人とAIの役割分担について、検討時に特に多い質問へ回答します。
問い合わせ対応AIの導入費用はどのくらいですか?
費用は、FAQやチャットだけを導入するか、CRM・PBX・本人確認・業務処理まで連携するかで大きく変わります。初期費用、連携開発費、ナレッジ整備費、月額利用料、AIの従量課金、運用支援費を分けて見積もり、PoCから本番へ進む条件も確認します。問い合わせ件数と削減目標をもとに、削減できる工数や売上機会と比較して投資判断することが大切です。
AIの誤回答やハルシネーションは防げますか?
完全にゼロにするのは難しいため、答えてよい情報源と答えてはいけない質問を設計し、根拠がない場合は有人へ引き継ぐ仕組みを用意します。FAQやマニュアルを更新し、回答に参照元を表示し、サンプル質問で定期的に評価します。評価結果をダッシュボードで追跡し、重大な誤回答は即時に回答停止できる権限を持たせると、リスクを管理しやすくなります。
問い合わせ対応をAIに任せると人は不要になりますか?
人が不要になるのではなく、人が判断すべき仕事へ集中しやすくなります。定型的な営業時間案内や手続き方法はAI、クレーム、例外処理、契約上の判断、感情への配慮が必要な相談は人というように役割を分けます。AIが収集した会話の要約や候補回答を人が確認する形にすると、経験の浅い担当者の教育や対応品質の均一化にもつながります。
まとめ|問い合わせ対応AIは人と業務を支える基盤として選ぶ

問い合わせ対応におけるAI活用では、チャットボットや音声ボットの導入だけを目的にせず、ナレッジの整備、オペレーター支援、後処理の自動化、品質評価までを一つの業務サイクルとして設計することが重要です。CCAJの2025年度調査では、生成AIをセンター運営の実務で運用している企業は33社で48.5%、PoCや社内検証を含めると55社でした。活用方法は応対内容の要約74.5%、メール文章の生成63.6%、FAQの自動生成61.8%が上位です(出典: 一般社団法人日本コンタクトセンター協会「2025年度コンタクトセンター企業実態調査」)。
会社を選ぶ際は、株式会社riplaのように業務要件の整理から開発・定着まで支援できる会社、PKSHA TechnologyやHelpfeelのようにFAQ・ナレッジ活用に強い会社、Zendeskのように統合プラットフォームを持つ会社、AI Shiftのように音声AIと人の協働に強い会社、NTTテクノクロスのように既存コンタクトセンター基盤との連携を考えやすい会社を比較します。まずは問い合わせ上位の低リスク業務でPoCを始め、自己解決率、FCR、AHT、ACW、CSATを測定し、効果と安全性を確認してから対象範囲を広げてください。
本記事で参照した主な公式情報は、一般社団法人日本コンタクトセンター協会「2025年度コンタクトセンター企業実態調査」(https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/outsourcing_research_2025.pdf)、PKSHA Technology公式サイト(https://www.pkshatech.com/ai-saas/)、Helpfeel公式サイト(https://www.helpfeel.com/)、Helpfeelのベルーナ導入事例(https://www.helpfeel.com/works/belluna)、Zendesk公式ヘルプ(https://support.zendesk.com/hc/ja/articles/10018448457498-Zendesk-AIの機能概要)、AI Shift公式サービスサイト(https://www.ai-shift.co.jp/service)、NTTテクノクロスのCTBASE公式サイト(https://www.ntt-tx.co.jp/products/ctbase/ad/ai_202402_lp/)です。料金、提供機能、導入実績は更新されるため、問い合わせる時点の最新情報も確認してください。
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
