営業支援システムの導入、開発、活用の事例は、発注側の視点で読むと、自社の進め方を判断する手がかりになります。
受注率、データ移行、立て直し、稟議の4場面では、着手点も狙う効果も異なります。全体像は営業支援システムの完全ガイドもご覧ください。
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受注率向上を実現した営業支援システム導入事例
受注率の向上は、導入事例の中でも分かりやすい成果です。情報が個人の頭やExcelに散らばっていると、確度の高い商談を見極めにくくなります。
ただし、導入するだけで成果が出るとは限りません。Gartnerの調査では導入企業の約80%が失敗するとも言われ、運用と定着が課題になります。そこで、SFAで案件の進捗や活動履歴を一覧できるようにし、マーケティング部門の見込み顧客情報とつなぐと、勝てる商談に組織の資源を集中できます。
SFA×MA連携で受注率を約1.75倍に高めた事例
受注率向上を示す代表的な一次データが、エレコムの事例です。同社はSFAとMA(マーケティングオートメーション)を連携させ、受注率を約1.75倍に高めたと報告されています。
- リードの温度感:マーケティングから営業へ共有する情報
- 商談のタイミング:顧客の動きを把握し、逃さず対応する
- 既存システムとの連携:SFA単体にとどめず、施策全体を一体で設計する
同社では、営業が見込み客の状況をリアルタイムにつかみ、確度の高い提案を行えるようになりました。商談データと行動履歴を合わせて見ると、誰にいつ何を提案するかが見えてきます。
この事例では、マーケティングから営業、受注後のフォローまでを一続きにつないだことが成果につながりました。また、導入時には自社の施策と既存システムの連携も合わせて設計します。
利用継続率98%・アクティブ率55%を実現した活用事例
受注率の向上には、現場が日々ツールを使い続ける「定着」が欠かせません。導入後に使われないシステムが多いなかで、利用継続率98%は注目すべき数字です。
Mazrica Salesの一次データでは、アクティブ率(DAU/MAU)は55%です。これはSaaS上位10%の平均28.7%の約2倍にあたります。
- 入力負荷:現場が使い続けやすいよう、入力の手間を抑える
- 日々の記録:次の行動や案件管理に役立つ情報になる
- 定着の理由:機能だけでなく、利用が続く背景を見る
高い定着率の背景には、使うほど現場の手間が減っていく設計があります。加えて、日報や活動記録が次の行動のヒントや案件管理の見通しにつながると、現場は自発的に入力するようになります。受注率の成果は、こうした日々の入力の積み重ねで表れます。
ExcelやFAX台帳からの移行・データ名寄せ事例

導入事例では、既存データの移行が成功と失敗を大きく分けます。顧客情報や商談履歴は、Excelや手帳、名刺で管理されてきた場合があります。
表記の揺れや重複、古い情報を整理しないまま移すと、新しいシステムで使いにくいデータが混ざります。移行を軽く見ると、導入初日からつまずくおそれもあります。
表記揺れの名寄せで顧客データを統合した事例
Excelから移行すると、同じ取引先が別の表記で登録されていることがあります。例として、「株式会社A」「(株)A」「A株式会社」が、それぞれ別々のレコードとして残る状態になります。
- 会社名:表記ルールを決めて統一する
- 重複レコード:同じ顧客の情報を一つにまとめる
- 商談履歴:紐づける先の顧客を見極める
名寄せを行わないまま移行すると、顧客の全体像が見えず、二重のアプローチや機会損失を招きます。一方で、成功事例では移行前に名寄せを済ませています。
手作業だけでは膨大な工数がかかるため、ツールやスクリプトで表記の揺れを補正し、最終的な判断は人が行う方法が現実的です。さらに、全データを一度には入れず、使う顧客データを先に整えて移す判断が、その後の定着を左右します。
手帳やローカルPCの眠れるデータを集約した事例
営業データは、共有Excelにだけあるとは限りません。トップ営業が顧客情報や商談メモを、手帳、ローカルPC、個人メールに保管している場合もあります。
- 情報を集める仕組み:個人が持つデータを吸い上げる
- 現場の協力:抵抗なく情報を出せる雰囲気をつくる
- 共有する利点:本人の業務も楽になる導線づくり
個人が持つ情報を集約できるかどうかが、属人化の解消を左右します。成功事例では、情報を出しやすくする仕組みと雰囲気の両方に取り組んでいます。
ベテラン営業には、情報を出すと自分の存在価値が下がるという心理が働く場合もあります。強制すると、形式だけ入力して重要な情報は出さない事態になりえます。
共有した人を評価する仕組みも、自発的な集約を後押しします。データ移行は技術の作業であると同時に、組織の協力を引き出す取り組みでもあります。この集約は、要件定義や失敗の回避にも密接に関わります。
形骸化したシステムを立て直した再構築事例

実践的な学びがあるのは、一度導入して形骸化したシステムを再構築した事例です。導入済み企業の55%は「課題を解決していない」と回答しています。
また、導入済み企業の51%は「満足していない」と回答しています。立て直しの事例は、これから導入する企業にも、すでに失敗した企業にも価値があります。
過剰カスタマイズをシンプルに巻き直した事例
形骸化の典型は、現場の要望を取り込みすぎて入力項目が増え、誰も使わなくなることです。たとえば、導入当初に各部門の声を集めすぎると、一つの商談に数十項目が必要になり、入力は大きな負担になります。
- 利用状況:活用されているデータと、誰も見ていないデータを切り分ける
- 不要な項目:必須から外すか、項目そのものを廃止する
- 必要な情報:本当に使う項目に絞り込む
立て直しに成功した事例は、機能を足す前に、まず単純化から手を付けています。とくに、意思決定や予実管理に使われていない項目を手放すには、勇気が要ります。
定着では、足し算より引き算が効く場合が多くあります。複雑さそのものが利用を妨げていることもあります。
解約乗り換えと現行再構築を見極めた事例
立て直しでは、別のSaaSに乗り換えるか、現行システムを再構築するかを判断します。
- 乗り換え:新しいUIや機能が得られる一方、移行と定着をやり直す必要がある
- 現行再構築:慣れた環境を活かせるが、原因が運用にあると再発しうる
- 原因分析:前回うまくいかなかった理由を調べる
どちらを選ぶかは、前回なぜうまくいかなかったかで決まります。原因が機能不足か、営業プロセスとの不適合か、運用ルールの欠如かによって、取る道が違ってきます。運用に原因があるなら、ツールを替えても解決しません。
riplaは、フルスクラッチ受託と運用伴走の立場から、SaaSへの乗り換えを前提にはしません。業務に合う形を起点に、既製品のカスタマイズやスクラッチ開発も含めて整理します。事例から得られる核心は、ツールを選ぶ前に自社の業務と運用を見直すことです。
稟議とROI試算で社内を動かした導入事例

営業支援システムの導入では、現場の納得に加えて、経営層の予算承認にあたる稟議も必要です。投資対効果を数字で示せないと、承認が止まるケースもあります。
承認を得た企業は、ROI(投資対効果)を自社の数字に当てはめて試算しています。事例から学べるのは、数字で社内を動かす方法です。
残業削減と受注率改善で投資回収を示した事例
稟議では、月額費用と利用人数、残業削減時間、受注率の改善幅から、投資回収までの期間を示します。なお、SaaS型SFAの相場は月額1,680円〜30,000円/ユーザーです。
- Zoho CRM:月額1,680円〜
- Salesforce Sales Cloud:月額3,000円〜
- 利用費用:月額3,000円のツールを10名で使うと月3万円
この条件では、年間36万円の投資になります。さらに、報告資料作成の時間削減と受注率改善を見積もると、投資回収の筋道を組み立てられます。
営業1人あたり報告業務を1日30分減らせれば、10名で月10時間以上の削減になります。これを人件費に換算すると、数万円規模の効果になります。
エレコムの事例のように受注率が1.75倍に近づけば、効果は投資額を大きく上回ります。人数、単価、受注額を使った試算が大切です。
稟議は、現場の熱意だけでなく、経営が納得する試算表で決まります。「効率化される」という説明は、自社の金額に置き換えて示します。
スモールスタートから全社展開した段階導入事例
稟議を通しやすくする方法の一つが、スモールスタートです。まずは一部で試し、効果を確かめてから全社へ広げる進め方です。
- 試験導入:対象をチームやエリアに絞る
- 効果検証:小さな成功事例を社内に示す
- 全社展開:成果を根拠に次の承認を得る
段階導入は、初期投資を抑えられるのが利点です。事例では、1チームで成果を出し、その数字を使って全社展開の承認を得ています。
kintoneは、ライトコースなら月額780円/ユーザーから始められます。また、HubSpot CRMには無料プランがあり、スモールスタートに合う選択肢です。
低コストで始めて運用ノウハウと現場の納得を蓄積し、本格展開の時に業務に合うシステムへ移る方法もあります。完璧な大規模システムを一度に作るより、小さく始めて成功体験を積み、社内の合意を育てながら広げる進め方が堅実です。
まとめ
成功と立て直しに共通するのは、現場が使い続けられる設計と、数字で示せるROIです。エレコムは、SFA×MA連携で受注率を約1.75倍に高めました。
Mazrica Salesは、アクティブ率55%・利用継続率98%を示しています。データ移行では名寄せが、形骸化の立て直しでは過剰カスタマイズの整理が、成否を分けます。
稟議では、自社の数字を使ったROI試算が欠かせません。事例を読むときは、ツール名だけでなく、現場で使われ成果が出た理由に注目します。
自社の営業プロセスと課題に照らし、スモールスタートで効果を検証しながら、定着とROIの両方を確かめます。
riplaはフルスクラッチ受託、国内開発、運用伴走を組み合わせます。業務から要件を整理し、現場に定着する営業支援システムづくりを支えます。
全体像の確認には、あらためて完全ガイドをご活用ください。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
