広告業界のシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

広告業界のシステム開発では、広告運用から効果測定まで、顧客データやクリエイティブも含めてつなぎ、事業の成果まで支えられるかで会社を比べます。

広告代理店や制作会社では、SaaSが部門ごとに増えて、同じ情報を何度も入力する問題が起こりがちです。ここでは、株式会社riplaを最初に、広告業務向けERP、マーケティング基盤、業務システム開発の実在企業5社を、2026年時点の公式情報をもとに紹介します。

  • 広告業務のデータ連携
  • riplaの支援領域
  • 運用・効果測定
  • 顧客・クリエイティブ管理
  • 選定時の確認事項

広告業界のシステム開発でパートナー選びが重要な理由

案件ごとの粗利と、労務単価や稼働時間、外部発注費、撮影費や媒体費の関係を示す図
売上に加えて案件へ原価を紐付ける構造を示しています。

広告業界のシステムは、顧客管理ツールとは違い、業務の流れ全体に関わります。案件は受注から企画、制作、媒体出稿、納品、請求、入金まで、複数の担当者と取引先が関わります。この流れを理解しないまま機能だけを足すと、入力作業が増えて現場に定着しない可能性があります。

案件別の収支が見えないと経営判断が遅れる理由

広告案件は、売上を見ただけでは利益が分かりません。案件ごとの粗利を判断するには、社内の労務単価を営業やディレクター、デザイナー、動画編集者などの稼働時間に掛けます。さらに、外部クリエイターへの発注費や撮影費を、印刷費や媒体費とともに案件に紐付けます。

見積時点の想定原価と実績原価を比べられれば、赤字化の兆候を納品前に把握できます。

クリエイターの入力負荷と業務定着まで含めた設計

システム導入の目的を粗利の可視化に置いても、現場が毎日細かい工数を手入力する形になれば、情報が欠けてしまいます。

スマートフォンからの簡単な入力、カレンダーやタスクとの連携、作業ログの候補提示など、クリエイティブの時間を奪わないUIを、開発会社と一緒に検討します。

2025年に公表されたIPAの「DX動向2025」でも、DXの成果には経営層・IT部門・業務部門の協調や、現場主体の取り組みが関係すると整理されています(出典: IPA「DX動向2025」)。

ポイント

判断の目安は、案件別の収支が見えることと、現場の入力負荷を増やさないことを両立できるかどうかです。一方しか満たせない計画は、現場に定着しにくくなります。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。

営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの強みは、開発前に業務の流れと投資優先度を整理し、MUSTとWANTを分けて段階導入の計画に落とし込める点です。

広告会社であれば、案件登録、見積、受注から請求までを一連のデータとして定義します。さらに、工数や外注費、媒体費も同じ流れに含めると、営業・制作・経理が同じ情報を使える状態を目指せます。

既存のSFAや会計ソフトは残したまま、不足する部分だけを追加する方法も検討できます。

得意領域・実績

無形商材を扱う企業や、案件ごとに利益構造が異なる企業に向いています。

広告業界では、媒体マージン率やクライアント請求、媒体社への支払い、入金消込のルールが特に重要です。これらは会社ごとに異なるため、riplaは標準機能に無理に当てはめず、要件として整理します。

現場の入力を減らしながら経営に必要な数字を蓄積したい場合や、全面刷新よりも小さく始めたい場合に相談しやすい会社です。

株式会社オロ|広告業の案件管理と会計を統合するクラウドERP

株式会社オロは、クラウドERP「ZAC」を提供する企業です。公式サイトでは、ZACが広告業の会計処理や案件管理に対応し、広告業の導入事例を多数紹介しています。

広告業のベストプラクティスを集約したシステムとして案内されています。そのため、案件・工数・原価・請求を標準化したい企業にとって、比較対象にしやすいベンダーです。

特徴と強み

ZACは、プロジェクト型ビジネスを前提としたERPです。販売管理や工数管理、購買管理などを連携して扱う考え方で、経費や請求、債権、管理会計もその中に含まれます。

広告案件では売上の計上タイミングや外注費の扱いが複雑になりやすいため、標準化された業務フローを導入することで、Excelの集計や部門間の転記を減らせる可能性があります。

公式の導入事例には、広告業で複数クライアント分の媒体費がまとめて請求される課題への対応例も掲載されています。

得意領域・実績

広告代理店や制作会社、PR会社、コンサルティング会社などで、案件単位の売上と原価を管理したい企業に向いています。公式サイトでは累計800社以上の導入企業や、広告業・広報PR業の導入事例を案内しています。

パッケージの標準機能に業務を寄せられる範囲を確認します。そのうえで、独自の媒体マージン計算や特殊な帳票だけを追加開発すると、カスタマイズが膨らむのを抑えられます。

ポイント

判断の目安は、案件・工数・原価・請求を標準機能で扱えるかどうかです。独自の媒体マージン計算や特殊な帳票をどこまで追加するかで、カスタマイズの範囲が決まります。

電通総研|マーケティング変革と業務システムを組み合わせて支援

電通総研は、電通グループの総合力と先端テクノロジーを活用し、業務システムから生活者とのコミュニケーションを設計するプラットフォームまで扱うシステムインテグレーターです。公式サイトでは、システムの企画・開発・提供に加え、マーケティング変革を支援するコミュニケーションIT領域を案内しています。

特徴と強み

電通総研のデジタルマーケティングソリューションでは、施策立案、システム基盤づくり、施策後の効果測定と運用を支援すると説明されています。

広告会社が自社の業務システムを刷新する場合、社内の案件収支と、広告施策の顧客データ・効果データを分断させない設計が重要です。基幹業務と顧客接点の両方を大規模に設計したい企業にとって、候補になります。

得意領域・実績

複数部門・複数会社にまたがる業務プロセスや、顧客接点データを統合したい企業に適しています。

電通総研の公式情報では、幅広い産業向けのシステム構築・運用経験と、電通グループ各社との協業によるマーケティング領域のデジタル化ノウハウを融合するとしています。

発注時は、広告会社の独自の原価・請求ルールをどこまで標準機能で扱い、どこから個別設計にするかを確認します。

株式会社博報堂テクノロジーズ|マーケティング×テクノロジーで新しい体験を開発

株式会社博報堂テクノロジーズは、博報堂DYグループのテクノロジー戦略会社です。公式サイトでは、得意先の課題解決に向けたテクノロジー戦略の立案・実施、プロダクト・ソリューション・サービス開発を事業内容として掲げています。

広告・マーケティングの現場に近い視点で、デジタルサービスや業務支援ツールを作りたい場合に検討できます。

特徴と強み

DXソリューションセンターでは、AIやIoTを活用したプロトタイプ開発、MVPの作成、改善サイクルを公式に紹介しています。

広告業界には、変化が速く、最初から仕様を固定しにくい業務があります。たとえば、クリエイティブの承認や素材管理、広告入稿といった業務です。レポート作成も、そうした業務の一つです。

小さく試して利用データをもとに改善する開発体制は、こうした業務と相性がよい可能性があります。

得意領域・実績

顧客向けのマーケティングサービス、AI活用、データを使った新規プロダクトなど、顧客体験を変える開発を重視する企業に向いています。

公式サイトにはAIアバター、自動交渉システム、AIクローンなどのソリューションが掲載されています。

社内の案件収支を管理する基幹システムを依頼する場合は、広告業務の会計・原価管理を担当できる体制と、既存ERPや会計システムとの連携範囲を個別に確認します。

株式会社NTTデータ|データ基盤と業務変革を大規模に伴走

株式会社NTTデータは、大手SIerとして幅広いサービスを提供しています。業務コンサルティングからデータ活用、アプリケーション開発、運用までが対象です。

公式のマーケティングDXコンサルティングでは、マーケティング戦略やデジタル化構想だけでなく、人材・業務プロセス・システムのデータを横断管理する組織設計も支援しています。

特徴と強み

NTTデータは、分断されたデータを統合し、AIやデータ活用を現場の業務へ定着させる支援を公式に案内しています。

広告会社では、顧客・案件・媒体のデータと、制作物・工数・請求のデータを統合できます。これにより、経営指標と現場の活動をつなぎやすくなります。

既存システムを一度に捨てず、インテグレーション基盤を介して段階的に連携する案も比較できます。

得意領域・実績

グループ会社や大規模な組織をまたいで統合したい企業に向いています。対象は、データ基盤やCRM、業務アプリ、AI活用などです。

公式サイトでは、構想策定からデータ基盤整備、業務への導入と定着までを伴走するサービスが確認できます。

比較的小規模な会社が単一の案件管理だけを導入する場合は、必要な範囲を絞り、体制・費用・導入期間が過大にならないかを確認する必要があります。

ポイント

判断の目安は、大規模な統合が必要かどうかです。単一の案件管理だけであれば、必要な範囲を絞り、費用と導入期間が過大でないかを確かめます。

サイボウズ株式会社|kintoneで広告会社の業務アプリを柔軟に構築

サイボウズ株式会社は、業務アプリを現場主導で構築できるクラウドサービス「kintone」を提供しています。公式の導入事例では、インターネット広告事業などを展開するサイバーエージェントが、販売管理や購買管理を支える基盤としてkintoneを導入した事例が紹介されています。

業務の変化が多く、部署ごとの小さな改善を積み重ねたい企業に検討しやすい選択肢です。

特徴と強み

kintoneは、案件管理や顧客管理などのアプリを組み合わせて使えます。タスクや申請、問い合わせにも対応できます。必要に応じて、連携やカスタマイズも検討できます。

営業が持つ案件情報と制作部門のタスク、経理の請求申請を段階的につなげるような進め方に向いています。さらに、入力画面を現場と一緒に改められる点も、クリエイターの定着を重視する企業が確認したい強みです。

得意領域・実績

まず案件台帳や承認フローを整え、利用部門を増やしながら業務を標準化したい企業に適しています。

サイバーエージェントの事例では、グループ会社が70社を超えるなかで販売管理・購買管理の基盤を強化したと説明されています。

複雑な媒体マージン計算、会計仕訳、債権管理まで厳密に一体化する場合は、kintone単体で足りるか、専門サービスや連携開発を組み合わせるかを見積もり時に分けて確認します。

広告業界のシステム開発会社を選ぶポイント

開発会社を比較する際の、業務デモ、データの正本、契約形態と段階導入費用の確認項目を示す図
業務の実演、連携責任、費用の見方を並べています。

6社は、広告業特化ERP、マーケティング基盤、大規模SIなどで得意領域が分かれます。柔軟な業務アプリを得意とする会社もあります。

各社を比べる基準は、自社の経営課題と現場課題を切り分けたうえで、どのデータをいつ正確に残したいかです。知名度や機能数は、そのうえで見る材料の一つです。

案件・原価・媒体費の業務シナリオによる実績の確認

発注側は、「広告業界に実績があります」という説明だけでなく、案件登録から請求までのデモを依頼します。

確認するのは、クライアントごとの売上や担当者の稼働、外注費、媒体費です。手数料や値引き、入金については、どの画面で管理し、どの帳票へ出力できるかを確かめます。

可能なら自社の実データに近いサンプルを使い、例外処理や月末締めの操作まで見せてもらいます。

SaaS連携とデータの責任分界の確認

SFAやチャット、タスク管理などのSaaSは、すべて置き換える必要はありません。会計や勤怠、請求書、媒体管理についても、同じことが言えます。

既存サービスを残すなら、API・CSV・iPaaSのどれで連携するのか、データの正本をどこに置くのか、同期エラーを誰が直すのかを決めます。

個人情報や広告素材、顧客の機密情報を扱うため、要件には権限や操作ログ、バックアップも含めます。退職者のアカウント停止や委託先のアクセス範囲も、要件に入れます。

契約形態と段階導入の費用比較

広告業務の基幹システムは、連携先や移行データ、権限が増えるほど費用が上がります。帳票やテストケースの数も、費用に影響します。

小規模な案件管理なら数百万円から、複数部門・複数会社の基幹刷新なら1,500万〜4,000万円程度まで、幅が出ることがあります。ただし、これは要件による概算で、固定の相場ではありません。請負契約は仕様を固定して納品する契約で、準委任契約は要件を調整しながら進める契約です。

保守や追加開発、クラウド費用は、契約の違いを見たうえで分けて見積もります。2026年のデジタル化・AI導入補助金では、枠によって補助率が1/2〜4/5とされ、ITツール・ハードウェアの補助上限は3,000万円と示されています(出典: 中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026」)。対象要件は、申請時点の公募要領で確認します。

ポイント

比べる基準は、自社がどのデータをいつ正確に残したいかです。知名度や機能数よりも、その基準にどこまで応えられるかで判断します。

よくある質問

広告会社や制作会社が発注前に確認したい質問に回答します。答えは、自社の取引条件や既存システムによって変わるものがあるため、RFPやベンダー面談の確認項目として活用してください。

広告業界のシステム開発費用はいくらですか?

案件管理だけの小規模な導入と、原価・媒体・請求・会計まで統合する基幹刷新では費用が大きく異なります。

目安として数百万円から数千万円まで幅があり、1,500万〜4,000万円程度になるケースもあります。費用は、案件数や連携数、移行データ、追加開発の量で変わります。

見積書は、初期開発とライセンスを分けて比べます。さらに、クラウド、保守、追加改修の費用も、それぞれ分けて見ます。

パッケージとオーダーメイド開発はどちらがよいですか?

案件・工数・請求など共通業務を早く標準化したいなら、広告業向けERPや業務アプリを使う方法が有力です。

媒体マージン、独自の請求サイクル、特殊な制作フローが競争力に直結するなら、パッケージを基盤に連携や個別開発を加える方法もあります。

全機能を最初から作るより、MUSTを先に実装し、運用結果からWANTを決めるほうが、投資判断を修正しやすくなります。

クリエイターが入力してくれない場合はどうすればよいですか?

入力項目を減らし、作業の開始時に細かい登録を求めない設計を検討します。既存の予定やタスク、チャットから候補を出す方法も、あわせて検討します。

入力の目的は「監視」ではなく、赤字案件の早期発見、負荷の偏りの解消、見積精度の向上だと、現場に共有します。導入初期は一つのチームで試し、入力時間や粗利把握の改善を数値で示してから、対象を広げます。

広告媒体の仕入れとクライアント請求を連携できますか?

連携できる可能性はありますが、媒体ごとの請求書形式や手数料率、値引きのルールを先に整理する必要があります。税込・税抜、締め日、入金消込についても、事前の確認が欠かせません。

システム会社には、媒体社からまとめて届く請求をクライアント別・案件別に配賦する方法、例外的な手修正の履歴、会計への連携方法を確認します。

広告業の取引ルールを標準機能で扱えるか、追加開発が必要かを分けて見積もることが大切です。

ポイント

迷ったときは、自社の取引条件や既存システムによって答えが変わる点を、ベンダー面談の前に整理します。費用も、初期開発やライセンス、保守に分けて比べます。

まとめ

広告業界のシステム開発では、顧客管理やタスク管理にとどまらず、案件別の原価や粗利まで一続きに設計する必要があります。媒体の仕入と販売、クリエイターの稼働、請求と入金も、その流れに含めます。

株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で、企業ごとの業務要件に合わせた柔軟な支援を検討できます。

株式会社オロは広告業向けERP、電通総研はマーケティング変革とSIが得意です。博報堂テクノロジーズはマーケティング×テクノロジー、NTTデータは大規模なデータ・業務変革が持ち味です。サイボウズはkintoneによる柔軟な業務アプリ構築に強みがあります。

候補会社へ相談する前に、案件の登録単位や原価の計算方法、媒体マージンを整理しておきます。さらに、請求・支払サイクル、既存SaaSとの連携範囲、現場が入力できる最小限の項目も洗い出します。

経営層が判断できるROIと、現場が使い続けられるUIの両方を要件に含め、段階導入と運用定着まで提案できる会社を選ぶことが成功への近道です。

本記事で参照した公式情報: 株式会社オロ「広報/PR業の導入事例」、電通総研「システムインテグレーション」、博報堂テクノロジーズ「会社概要」、NTTデータ「マーケティング領域のDXコンサルティング」、サイボウズ「サイバーエージェント導入事例」、IPA「DX動向2025」、中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026」です。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。