目標管理システムの導入事例は、進捗の可視化、1on1との連携、評価制度の刷新、定着の進め方を示します。いずれも、納得感や評価の公平性を高める取り組みです。
自社に近い規模や制度の事例は、投資判断の材料として生かせます。全体像は完全ガイドもご覧ください。
▼全体ガイドの記事
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Excel・紙の評価シート脱却で進捗を可視化した事例

目標管理システムの導入で分かりやすい成果が出るのは、Excel・紙の評価シートから脱却できる点です。多くの企業では、期初に各自がExcelへ記入し、上司がメールで集めて手作業で集約しています。
期末にも再び集めて評価する運用が定着しています。手作業では、進捗がリアルタイムで見えず、入力が徹底されないまま情報も古くなって、形骸化を招きます。
進捗の可視化で期末の集約工数をなくした事例
Excel運用をシステムへ移すときは、業務がどう変わり、その効果がどれほどあるかを、発注側と開発会社で具体的に確かめておきます。
- 進捗確認:上司や人事から見た、目標の進み具合
- 期末集約:Excelを集めて手作業でまとめる工程の省略
- 評価分布:自動で集計される、評価の散らばり具合
効果を漠然とした効率化で終わらせず、自社の実際の運用工数に当てはめて数字にしておきます。稟議で回収の見通しを説明するうえでも、この数字が土台になります。
兼任の人事担当者が評価期ごとに数十時間を費やして集約していた企業では、その工数がほぼゼロに近づいた事例があります。削減効果は、自社の評価対象人数と1人あたりの集約・確認時間をもとに概算できます。さらに、人事担当者の人件費単価を掛ければ、年間の削減時間と金額を試算できます。
費用の目安として、一次データでは、人事評価・タレントマネジメント領域のシステムは初期30万〜100万円未満で、月額は1名あたり500〜999円が相場とされます。この費用と、削減できる兼任担当者の工数を照らし合わせれば、投資の見込みを示せます。そのうえで、事例の数字は自社の運用に置き換えて検討します。
全社の目標がつながり方針浸透が進んだ事例
目標を見える形にすると、工数の削減に加えて、会社の方針と個人の目標の関係を伝えられます。一方で、Excelの個別シートでは、他の人や上位部門の目標を見られませんでした。
- 目標の連鎖:全社・部門・個人の目標をツリー状に並べた表示
- 期中のフォロー:期の途中で上司が目標の進捗をこまめに確認すること
- 目標の見直し:期中に行う修正
会社の方針が現場の業務までつながると、メンバーの目標への納得感が高まります。また、期中に進捗を確認できれば、目標を立てたまま放置し、期末に帳尻を合わせるような形骸化も減ります。
ある事例では、四半期ごとに目標を見直し、環境の変化に合わせて修正できるようになりました。進捗と目標のつながりを見えるようにすることが、Excel脱却の第一歩です。
OKR・MBOと1on1を連動させ納得感を高めた事例

目標管理システムは、目標設定(OKR/MBO)と1on1の対話を一つの流れにつなぎ、目標を立てて終わりにしない仕組みを整えます。
1on1記録と目標を結びつけ離職予兆を捉えた事例
1on1の記録を目標の進捗と結びつけると、対話を目標達成の支援に生かせます。
成功事例では、対話の内容をシステム上に記録し、目標の進捗と並べて確認しています。一方で、記録が個人のメモに分散し、目標と連動していない企業もあります。
- 面談前の確認:目標と前回の対話の振り返り
- 具体的な対話:前回の課題の状況から始める会話
- 早期フォロー:変化が大きくなる前の対応
パルスサーベイ(短いアンケート)と記録を組み合わせた事例では、コンディションの低下や目標への迷いを早く察知しました。
目標の停滞はモチベーションの低下につながり、放置すると離職に至りやすいものです。そのため、対話の蓄積で変化を捉え、上司が手遅れになる前に支援へ動けた事例があります。さらに、目標管理は評価だけでなく、人材の定着にも役立ちます。
OKRを全社展開し挑戦目標を文化にした事例
MBO(目標による管理)に加えて、OKR(目標と主要な成果)を全社に広げた事例があります。OKRは、達成度100%が前提のMBOとは異なる手法です。
- 挑戦目標:60〜70%の達成を想定した、あえて高めの目標
- 目標の公開:全社で誰が何に取り組むかが見える状態
- 制度との切り分け:OKRとMBOを別の目的で運用すること
目標が透明になると、部門間の連携が生まれ、挑戦を称える文化が育ったと報告されています。反対に、未達を評価で罰すると、背伸びした目標は立てにくくなります。
成功企業は、OKRを成長や学習の指標として使い、評価・報酬に直結するMBOとは分けています。そのうえで、自社の制度に合わせた運用をシステムで表現できる柔軟性があるかが、成否を分けます。
評価制度の刷新とあわせて導入した事例
評価制度の刷新とセットで進めると、目標管理システムの導入効果を高められます。古い目標管理をそのままデジタル化しても、制度の問題は残ります。そこで、制度とツールを同時に見直す進め方が求められます。
評価のばらつきを抑え公平性を高めた事例
評価制度の刷新では、評価のばらつきを是正できたことが大きな成果になります。
評価分布を見える形にすると、評価者ごとのばらつきを把握できます。一方、Excelでは、評価者の甘辛の差を確かめる手段がありませんでした。
- 偏りの把握:部門や上司ごとの評価分布
- 目線合わせ:評価会議で分布を示し、評価者の認識をそろえること
- 根拠の共有:面談で評価を説明するための記録
「頑張っても評価されない」「上司の好き嫌いで決まる」という不信感は、離職の大きな要因です。評価の根拠やプロセスが透明になれば、こうした不信感を和らげられます。
ある事例では、目標と評価の記録をもとに、面談で評価の理由を具体的な事実から説明できるようになりました。その結果、被評価者の納得感も大きく向上したと報告されています。
ROIが数値で現れるまでの時間軸を見据えた事例
事例で見落とされやすいのは、効果が数値に現れるまでの時間の差です。集約工数は導入直後から削減できますが、ほかの効果には運用とデータの蓄積が必要です。
- 短期の効果:初年度から示せる、集約・集計工数の削減
- 中長期の効果:複数年で見る、離職率や目標達成率
- 効果の時期:いつ、どの効果が出たかの確認
成功事例では、短期で効くROIと中長期で効くROIを切り分けて、経営に説明しています。目標の質やエンゲージメントの改善、離職率の低下は、数か月から年単位の運用後に現れます。そのため、導入直後は変化を感じにくいのです。
離職を1人防ぐと、採用・育成コストとして数百万円規模が浮く計算になります。ただし、短期と中長期のROIを分けて説明すれば、過度な期待による失望を避けられます。
形骸化からの軌道修正で定着させた事例

事例は成功談だけでなく、使われなくなった理由と立て直し方からも学べます。導入側は、その両方を知っておくと判断の材料が増えます。
実際、一次データでは、課題が発生したと答えた企業は62.1%でした。対象はタレントマネジメント・目標管理領域のツールを導入した企業です。約3社に2社が何らかのつまずきを経験しており、その教訓は投資判断にも役立ちます。
「入力が面倒で使われない」から立て直した事例
操作性の悪さから現場に浸透しないことは、よくある失敗です。多機能なシステムでも、入力項目が多く操作が複雑だと更新されません。その結果、データが古くなり、誰も見ない箱になることもあります。
- 入力項目:「目標」「進捗」「1on1メモ」に絞った構成
- 追加の時期:運用が定着したあとに行う、項目の追加
- 入力方法:スマートフォンからも更新できる仕組み
課題を経験した企業では、操作性の問題を挙げた人が537人で最多でした。なかでも、ある企業では導入半年で入力率が3割を切り、Excel運用へ戻りかけました。
こうした見直しで入力率が大きく改善した事例もあります。機能の豊富さよりも、現場が無理なく続けられる軽さが鍵になります。
運用体制とKPIを整え定着させた事例
失敗から立て直すには、運用体制とKPIの整備も欠かせません。「システムを入れれば自動的に目標管理が回る」という期待は、ほぼ確実に裏切られます。一方で、立て直しに成功した企業は、運用を担う推進チームを置いています。
- 運用KPI:入力率、1on1実施率、目標の見直し回数
- 個別フォロー:入力率が低い部門への支援
- 利用促進:管理職研修と好事例の共有
riplaは、フルスクラッチ受託と運用伴走の立場から、業務に必要な機能を絞り、KPIで定着まで支える進め方を重視しています。
性能の高さよりも、運用の準備が成否を分けます。既製のSaaSが自社の評価制度に合わない場合は、カスタムやスクラッチも選択肢になります。
事例を読むときは、華やかな成果だけでなく、なぜ現場に使われ続けたのかという視点を持つと、形骸化を避ける近道になります。
まとめ
成功も形骸化からの回復も、現場の運用から逆算した設計に行き着きます。進捗の見える化を起点に、制度の刷新と運用の定着まで一体で進めることが要点です。
Excel・紙からの移行は集約工数の削減につながります。OKR・MBOと1on1の連携は目標への納得感を高め、制度刷新は評価の公平性を支えます。一方で、課題の発生率は62.1%で、入力が面倒になって使われない事例もあります。
事例を読むときは、機能だけでなく、現場で利用が続いた理由と効果が出た時期を見ます。そのうえで、自社の制度や運用工数に照らし、進捗の見える化から無理なく始めます。
riplaは、フルスクラッチ受託と国内開発を組み合わせ、制度に沿った要件の整理から定着まで支援しています。全体像の確認には、完全ガイドもご活用ください。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
