電機/電子機器業界のシステム開発では、設計変更の多さ、膨大な部品表(BOM)、国内外にまたがる調達網を同時に扱える会社を選ぶことが重要です。おすすめの開発会社は、株式会社riplaをはじめ、富士通株式会社、株式会社NTTデータ、SCSK株式会社、株式会社日立ソリューションズ・クリエイト、NECの6社です。
本記事では、電機/電子機器業界のシステムに必要な要件を整理したうえで、各社の特徴と選び方を紹介します。単に有名な会社を並べるのではなく、ECN(設計変更通知)への対応、代替部品やEOL(生産終了)管理、海外EMSとの連携、トレーサビリティ、大量BOMを扱うインフラ設計という実務上の比較軸で検討できる内容です。
電機/電子機器業界のシステム開発でパートナー選びが重要な理由

電機/電子機器業界では、販売管理だけをデジタル化しても十分な効果が出ません。設計、調達、製造、品質、物流、保守が同じ製品情報を参照し、変更履歴と実績をつなげて初めて、納期と品質を両立できるためです。
サプライチェーン寸断が経営問題になるためです
電子部品は一つの欠品でも製品全体の組立を止めることがあります。クボタの基幹システム導入トラブルでは、電子制御機器などを担う中堅・中小企業主体の部品サプライヤーからの調達が一時全面的に止まったと報じられており、システム移行は自社だけの問題ではありません。切り替え時の並行稼働、受発注データの検証、緊急時の切り戻しまで設計できる会社が必要です。
BOMと現場運用を同時に変える必要があるためです
電機製品は、数百から数千の部品を組み合わせることが少なくありません。リサーチでは、1,000件以上のBOMを登録する場面で、クラウド回線では数分待つ一方、社内LANのオンプレミス環境では数秒で登録できた事例が確認されています。導入会社には、機能一覧だけでなく、データ量、利用拠点、通信経路、現場端末を踏まえて実測する力が求められます。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、システムを作ること自体ではなく、業務成果と定着まで見据えて伴走できる点です。電機/電子機器業界では、設計部門が管理するE-BOMと、製造部門が使うM-BOMの間に差分が生じると、旧部品の発注や廃棄につながります。現場の業務を聞き取り、変更承認のルール、マスタの責任者、例外処理を整理してから機能に落とし込む進め方が適しています。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理を横断する基幹システムを、企業ごとの要件に合わせて構築・導入したい場合に相談しやすい会社です。まずは部品、工程、取引先、在庫のマスタを棚卸しし、ECNの承認から調達・製造への反映までを小さく可視化すると、段階的な改善計画を作りやすくなります。既存システムとの連携や、現場が使い続けられる運用設計を重視する企業に向いています。
富士通株式会社|統合化部品表を軸に設計から保守まで連携

富士通は、製造業の設計・生産・購買をつなぐ統合生産管理の提案を行う大手IT企業です。公式情報では、ECObjectsを統合化部品表を中心とした生産管理総合ソリューションとして位置付け、設計、試作、購買、生産、保守をシームレスに統合すると説明しています。
特徴と強み
部品表を単なる品目一覧ではなく、製品開発の情報基盤として扱いやすい点が特徴です。設計変更の履歴を試作や購買へ伝えるには、設計上のE-BOMと製造上のM-BOMの関係を明確にし、どの版が有効かを追跡できなければなりません。図面や仕様書も含めた技術情報管理を重視する企業では、検討候補になりやすいです。
得意領域・実績
複数工場や複数製品を持ち、設計から保守までの情報を統合したい企業に適しています。富士通の公開事例には、実装ラインの生産統合や電子部品をタイムリーに準備する部品管理の取り組みもあります。導入前には、既存CAD・PDM・ERPとの連携範囲、代替部品の有効期限管理、海外拠点の通信要件を確認すると、自社との適合度を判断しやすくなります。
株式会社NTTデータ|グローバルSCMとMESを一体で支援

NTTデータは、製造業の設計・開発から製造、物流、販売までを対象に、構想策定、コンサルティング、システム開発、運用まで支援する企業です。公式サイトでは、製造実行システムのEXC-MESや、国内外の情報を可視化・最適化するグローバルSCMサービスを案内しています。
特徴と強み
海外EMSや複数のサプライヤーを含む企業間SCMを設計したい場合に強みを発揮しやすいです。調達、製造、在庫、物流、販売のデータをつなげれば、半導体不足や輸送遅延が起きたときに、代替部品への切り替えや生産計画の変更を検討しやすくなります。現場のMESデータと経営側のERP・SCMをつなぐ構想が重要です。
得意領域・実績
国内外の工場、物流拠点、取引先をまたぐ大規模な改革や、既存ERP・MESとの統合を計画する企業に向いています。NTTデータは2026年にも、製造業のSCMにおける需要変動や供給制約への対応、部門横断の意思決定高度化に関する実証を公表しています。契約前には、標準機能と個別開発の境界、海外拠点の運用体制、データ連携の責任分界を確認することが大切です。
SCSK株式会社|組立加工製造業向けの標準化と拡張性

SCSKは、50年培った製造業の業務ノウハウをもとに、組立加工製造業向けの生産管理システム「atWill」を提供しています。公開情報では、標準テンプレートと顧客固有の業務に対応するローコード開発基盤を組み合わせ、短期間で最適なシステムを実現する考え方が示されています。
特徴と強み
パッケージの標準機能を活用しながら、自社固有の工程や原価管理を追加したい企業に適しています。フルスクラッチ開発は自由度が高い一方、初期費用が1,000万円から数億円に膨らむ場合があります。業種に合う標準機能を土台にすれば、要件を絞り込みやすく、開発期間と将来の保守負担を抑えやすいです。
得意領域・実績
組立加工、個別受注、繰返生産が混在する工場で、生産計画、原価、在庫、実績をまとめたい場合に検討しやすいです。電子機器や部品の商流では、EDIや調達購買の電子化も成果に直結します。佐鳥電機のような半導体・電子部品を扱う企業の事例を確認し、自社と似た取引形態、拠点数、セキュリティ要件に対応できるかを具体的に質問すると安心です。
株式会社日立ソリューションズ・クリエイト|電子部品にも対応する生産管理

日立ソリューションズ・クリエイトは、製造業向けの生産・販売・原価管理や、生産管理パッケージ「TPiCS-X」の導入支援を行う会社です。公式サイトでは、TPiCS-Xの導入分野として電子部品、デバイス・電子回路、情報通信機械、電気機械器具などを挙げ、2,100社以上で利用されていると説明しています。
特徴と強み
繰返生産と個別受注生産など、異なる生産形態が混在する現場に対応しやすい点が特徴です。受注、MRP、生産スケジュール、製造実績、在庫、出荷を一元化し、部材の欠品や過剰在庫を見える化できます。電子部品業界では、部品の代替可否や有効期間を品目マスタに持たせ、設計変更の承認状態と連動させることが重要です。
得意領域・実績
現場の生産管理を早期に整備し、将来はPLM、MES、WebEDIへ拡張したい企業に向いています。日立ソリューションズ西日本の公開情報でも、PLMによる設計情報活用、MESによるIoTデータ収集、WebEDIによる仕入先とのリアルタイム交換を周辺機能として紹介しています。候補にする際は、電子部品のロット・シリアル管理と、海外EMSとのデータ授受が標準か追加開発かを確認してください。
NEC|グローバルSCMとものづくりの知見を活用

NECは、自社グループのものづくりで培った知見を活かし、製造業のシステムモダナイゼーション、データマネジメント、グローバルSCM改革を支援する会社です。公式情報では、IFS Cloudのパートナーとして、海外を含むものづくりや生産現場のDXを支援する取り組みも紹介されています。
特徴と強み
生産管理だけでなく、調達、物流、品質、設備、データ分析まで含めて全体最適を考えたい企業に適しています。電子機器メーカーでは、製品のシリアル番号を出荷、修理、回収まで追跡できる仕組みが安全性と顧客対応に直結します。工場ごとに異なる業務を標準化しつつ、国や拠点の法規・運用差を吸収する設計力が比較ポイントです。
得意領域・実績
海外工場を含む全社改革や、既存システムを段階的に刷新したい企業で候補になります。過去のNECの公開事例では、生産業務プロセスの標準化、グローバルSCM、設計図面・仕様書・部品表を統合管理するPLMの構想が示されています。大規模案件では、拠点ごとの移行順序、マスタ統合の責任者、障害時の事業継続計画を提案段階で確認することが重要です。
電機/電子機器業界のシステムパートナー選びのポイント

会社名や導入社数だけで決めず、自社の製品構造とサプライチェーンを実際に再現できるかで比較します。特に電子部品業界では、標準機能の多さよりも、変更と例外を安全に処理し、データを正しく受け渡せることが重要です。
同業種実績とデータ量を確認します
「製造業に実績がある」という説明だけでなく、電子部品、デバイス、電気機械器具、組立加工のどれに近いかを確認します。BOMの階層数、品目数、改訂頻度、図面容量、1日あたりのトランザクションを提示し、実データに近いサンプルで検索や展開を試してください。1TBを超える図面や1,000件超のBOMを扱う場合は、通信遅延が業務時間に与える影響を測定する必要があります。
ECN・代替部品・トレーサビリティを確認します
選定時には、設計変更を申請、承認、通知、適用するワークフローを確認します。さらに、EOL日、最終購入日、代替候補、互換条件、承認者を管理できるか、代替部品を使った場合に製品構成と品質記録を追跡できるかを質問してください。出荷後の不具合対応では、製品シリアル、ロット、使用部品、製造工程、検査結果をトレースバックできることが重要です。
移行計画と定着支援の体制を確認します
システム導入の成否は、開発会社の技術力だけでなく、発注者側のマスタ整備と現場運用で決まります。部品・工程・取引先マスタの責任者を決め、要件を凍結する時期、受入テストの担当、旧システムとの並行期間、切り戻し条件を契約や計画書に明記してください。パッケージ導入の相場は100万〜500万円程度から検討できるケースがある一方、対象範囲や拠点数で大きく変動します。見積もりは初期費用だけでなく、ライセンス、移行、教育、保守、追加開発を分けて比較します。
よくある質問

電機/電子機器業界のシステム開発では、費用や期間だけでなく、既存データと現場の運用をどう移行するかが疑問になりやすいです。ここでは、比較検討時によくある質問に回答します。
電機/電子機器業界のシステム開発費用はいくらですか?
対象範囲、拠点数、連携システム、データ移行量で大きく変わります。業種特化パッケージの活用では100万〜500万円程度から検討できるケースがありますが、複数工場のERP・PLM・MESを統合する場合は、フルスクラッチ開発で1,000万円から数億円規模になることもあります。要件定義とデータ移行を別項目にした見積もりを取得してください。
クラウドとオンプレミスはどちらが良いですか?
拠点数、通信品質、図面・BOMのデータ量、セキュリティ方針によって適解が変わります。クラウドは海外拠点や取引先との接続を拡張しやすく、オンプレミスは社内LANで大量データを扱う際の応答性を確保しやすいです。実際のBOMと図面で検索・展開時間を測定し、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドを比較してください。
開発会社に最初に何を伝えればよいですか?
製品構成、部品点数、設計変更の頻度、EOL対応、工場・倉庫・EMSの拠点数、現在の業務フローを伝えてください。加えて、止められない業務、許容できる停止時間、既存システム、必要なトレーサビリティ単位を共有すると、現実的な提案を受けやすくなります。完成した要件定義書がなくても、現場ヒアリングから支援できる会社を選ぶ方法があります。
まとめ

電機/電子機器業界のシステム会社を選ぶときは、知名度や価格だけでなく、ECNによる設計変更、EOLと代替部品、海外EMSとのSCM、シリアル単位のトレーサビリティ、大量BOMの処理性能を確認してください。株式会社riplaは、コンサルティングから開発、定着支援まで一気通貫で進めたい企業に適しています。大規模なグローバルSCMならNTTデータやNEC、統合化部品表なら富士通、組立加工の標準化ならSCSK、電子部品を含む生産管理パッケージなら日立ソリューションズ・クリエイトが候補になります。
まずは部品・工程・取引先のマスタと、設計変更が製造・調達へ伝わる現在の流れを整理してください。そのうえで、実データを使った性能検証、移行計画、現場教育、保守体制まで比較すると、導入後に使われ続けるシステムへ近づけます。
参考情報:富士通「統合化部品表を中心にした統合生産管理システム」、NTTデータ「製造」、NTTデータ「グローバルSCM」、SCSK「atWill製品概要」、日立ソリューションズ・クリエイト「TPiCS-X」、NEC「製造業向けグローバルICTソリューション」(いずれも2026年8月確認)
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
