AIエージェント開発の費用相場は、読み取り中心の小規模PoCで300万〜800万円、単一業務の実用版で800万〜2,000万円、複数システム連携まで行うと2,000万〜5,000万円程度が目安です。ただし、これはAI特有のデータ整備・評価・権限設計を含めた概算推定であり、連携先や自動実行の範囲によって大きく変わります。
AIエージェントを導入したい企業にとって、モデルの利用料金だけを見ていると、想定外の開発費や運用費が発生しやすくなります。この記事では、AIエージェント開発の費用相場、初期費用とランニングコストの内訳、価格が変動する要因、見積もりで確認すべき項目、コストを抑えながら効果を出す進め方を、2026年時点の情報をもとに解説します。
▼全体ガイドの記事
・AIエージェント開発の完全ガイド
AIエージェント開発の全体像

AIエージェントは、質問に答えるだけのチャットボットではありません。利用者の目標を理解し、作業を複数の手順へ分解し、社内データを検索し、必要に応じて業務システムを操作し、結果を確認しながら次の処理へ進むシステムです。費用を考えるときは、AIモデルの性能ではなく、どこまで業務を動かす仕組みを作るかを基準にする必要があります。
チャットボットやRAGと何が違いますか?
チャットボットは、あらかじめ定めた会話や質問回答を返す仕組みが中心です。RAGは社内文書やFAQを検索し、検索結果を根拠として回答の精度を高める技術です。一方、AIエージェントは、RAGで得た情報を使って計画を立て、CRMへの案件登録、カレンダーへの予定作成、在庫照会、メールの下書きなど、複数のツールを呼び出して処理を進めます。
そのため、RAGだけの社内検索よりも認証、権限、API連携、実行ログ、失敗時の停止処理が必要になります。読むだけのシステムから、登録・更新・送信まで行うシステムへ広げるほど、開発工程とテスト工程が増え、費用も上がると考えると分かりやすいです。
どこまで自動化するかで費用が変わります
最初に、自動化の範囲を「読み取り」「承認付きの書き込み」「完全自動の外部アクション」に分けることが重要です。社内規程を検索して回答するだけなら、データ整備と検索基盤が中心になります。AIが作成した見積書を担当者が確認してから保存する場合は、承認画面や変更履歴が必要です。発注、顧客へのメール送信、個人情報の更新まで自動化する場合は、許可リスト、二重確認、監査ログ、停止手順が欠かせません。
この違いを曖昧にしたまま「AIエージェント一式」と発注すると、PoCでは安く見えても本番化の段階で追加費用が発生します。見積書には、AIが参照できるデータ、呼び出せるツール、書き込み可能な項目、人間の承認が必要な操作を明記してもらうことが大切です。
AIエージェント開発の進め方

AIエージェントの費用を抑えるには、いきなり複数部門の業務を自律化するのではなく、成果を測れる1業務から段階的に進めます。企画、データ準備、PoC、本番設計、運用の各工程で確認すべき内容が異なるため、工程を分けて見積もると予算の妥当性を判断しやすくなります。
企画・要件定義で業務とKPIを決めます
最初に「AIを導入する」ではなく、「問い合わせの初回回答時間を短縮する」「営業担当者の提案書作成時間を減らす」のように業務成果を決めます。対象業務の現行フローを、入力、判断、ツール操作、承認、記録、例外処理に分解し、最終的な責任者も確認します。たとえば社内規程検索なら、正しい文書を提示できた割合、回答までの時間、担当者へのエスカレーション率をKPIにできます。
この段階で業務を広げすぎると、データや権限の確認対象が増えて費用が膨らみます。まずは利用頻度が高く、失敗しても人間が確認でき、効果を測定しやすい業務を1つ選びます。企画・要件定義の費用は開発会社や支援範囲で変わりますが、後工程の手戻りを防ぐために独立した見積項目として確保する価値があります。
データ準備と小規模PoCを行います
次に、規程、FAQ、商品情報、議事録、CRMの項目など、AIに参照させるデータを棚卸しします。文書が古い、重複している、アクセス権が整理されていない状態では、モデルを高性能にしても回答の根拠が不安定になります。データの分類、不要文書の除外、更新担当者の決定、個人情報のマスキングまでをPoCの前提に含めます。
PoCでは、代表的な成功ケースだけでなく、誤回答、情報が見つからない質問、権限のない利用者、悪意のある文書、ツール実行の失敗もテストします。精度だけでなく、処理時間、1回あたりの推定利用料、承認に回った割合、停止できた割合を計測します。小規模PoCは1〜2か月程度を想定することが多く、開発費の目安は300万〜800万円です。ただし、このレンジは統一された公的統計ではなく、類似する業務システム開発費にAI固有の評価・データ整備工程を加えた概算推定です。
本番化・運用設計までを開発範囲に含めます
PoCで効果が確認できたら、認証、権限、画面、API連携、ログ、監視、障害時のフォールバックを本番向けに設計します。AIエージェントが呼び出すAPIは最小権限にし、登録・更新・削除などの操作は許可リストで制限します。金額確定、発注、顧客への送信、個人情報の変更は、原則として人間が確認してから実行できるようにします。
本番化後は、モデルやプロンプトの変更、ナレッジの更新、利用量の増加によって挙動とコストが変わります。月次の評価、ログ確認、誤作動時の停止、再評価、利用者教育、問い合わせ対応まで含めた運用設計が必要です。開発会社に依頼するときは、納品時点だけでなく、運用開始後の保守と再評価の責任分界も確認します。
AIエージェント開発費用の相場

AIエージェント単体の国内受託開発費を、2025〜2026年の案件条件をそろえて集計した公的な市場統計は確認できません。そこで、以下はNotebookLMリサーチで確認した業務システム開発の小規模300万〜700万円、中規模700万〜1,800万円、大規模1,800万〜4,000万円以上という目安を基礎に、AI特有のデータ整備、評価、ガバナンス工程を加味した概算推定です。実際の見積もりでは、ユーザー数、連携先、書き込み権限、データ品質、可用性、セキュリティ要件によって変わります。
小規模PoCは300万〜800万円程度です
小規模PoCは、1つの業務を対象に、RAGまたは1〜2個のAPI連携を組み合わせ、読み取り中心で効果を検証する段階です。社内規程の検索、営業資料の候補提示、問い合わせ内容の分類、会議後タスクの下書きなどが対象になります。期間は1〜2か月程度が目安で、簡易画面、少人数の評価、基本的なログを含めると300万〜800万円程度のレンジが考えられます。
この費用には、モデルの学習費用だけでなく、データの取り込み、検索精度の確認、プロンプト設計、評価用テストセットの作成、利用者ヒアリングが含まれる場合があります。逆に、複数の基幹システムへの書き込み、厳格な監査、24時間監視まで含めると、PoCと呼んでいても実用版に近い費用になります。
単一業務の実用版は800万〜2,000万円程度です
単一業務の実用版では、PoCで作った試作品を複数の利用者が継続的に使える状態へ整えます。シングルサインオン、部署や役職ごとの権限、ナレッジ更新、エラー表示、操作ログ、評価画面、既存SaaSとの連携を加えるため、800万〜2,000万円程度が概算の目安になります。期間は2〜4か月程度を見込みます。
たとえば、社内問い合わせエージェントであれば、回答の根拠となる文書の表示、機密文書のアクセス制御、回答できない場合の担当部署への引き継ぎが必要です。単にチャット画面を公開するよりも、業務フローに組み込むための設計と検証に費用がかかります。
複数システム連携は2,000万〜5,000万円程度です
CRM、ERP、SFA、ファイル管理、メール、カレンダーなどを横断し、AIが状況に応じてツールを使い分ける場合は、2,000万〜5,000万円程度のレンジが目安になります。期間は4〜8か月程度です。APIの仕様調査、データ項目のマッピング、認証情報の管理、システムごとの障害処理、承認フロー、結合テストが増えるためです。
特に、古い基幹システムにAPIがない場合は、追加の連携基盤やRPA、ファイル連携が必要になることがあります。既存システム連携だけでも数十万〜100万円程度、期間1〜3か月程度の別工程になるケースがあるため、連携先ごとに調査費と実装費を分けて見積もると、予算超過の原因を追いやすくなります。
エンタープライズ型は5,000万円〜1.5億円以上です
複数部門で利用し、複数のエージェントを連携させ、閉域またはハイブリッド環境、厳格な監査、24時間運用、災害対策まで求める場合は、5,000万円〜1.5億円以上になる可能性があります。期間も8〜18か月程度と長くなります。これは「AIの利用料」が高いからではなく、業務システム全体の再設計、データ統合、セキュリティ審査、運用組織づくりが開発範囲に入るためです。
大規模案件では、最初から全社展開の金額だけを比較するのではなく、対象部門、連携システム、許可する操作、運用時間を段階に分けます。初年度の導入費、2年目以降の保守費、利用量に応じた従量課金、モデル変更時の再評価費を分けることで、投資判断をしやすくなります。
AIエージェントの料金・コストの内訳

AIエージェントの総額は、開発会社へ支払う初期費用だけでは決まりません。人件費、データ整備、クラウドとモデルの利用料、監視・保守、セキュリティ対応、利用者教育を分けて考えます。見積書の合計額だけで比較すると、安い提案に見えても、必要な工程が別料金になっていることがあります。
企画・開発・評価の人件費です
最も大きな初期費用になりやすいのが、業務整理、要件定義、アーキテクチャ設計、プロンプト設計、API実装、画面開発、テスト、プロジェクト管理の人件費です。AIに詳しい技術者だけでなく、現場業務を理解する担当者、セキュリティ担当者、データ管理者が必要になります。
AIエージェントでは、正解データの作成と評価も重要です。100件の質問に答えられるか、根拠を示せるか、権限のない情報を出さないか、危険な操作を拒否できるかを確認するテストセットを準備します。開発費を抑えるために評価を省くと、本番運用後の誤回答や手戻りでかえって高くつくため、評価工数は削らないことが大切です。
データ整備・検索基盤・連携基盤の費用です
文書の収集、形式の統一、重複除去、アクセス権の整理、個人情報のマスキング、更新ルールの策定には費用がかかります。RAGを使う場合は、検索エンジンやベクトルデータベース、メタデータ管理、再インデックスの仕組みも必要です。基幹システムとの連携では、APIの認証、データ項目の対応付け、タイムアウト時の再実行、処理結果の記録まで設計します。
データが社内の複数部署やファイルサーバーに分散している場合、AI開発費の前にデータ管理の整理費用が必要になることもあります。見積もりでは「データは支給済み」とだけ書かず、対象文書の件数、形式、更新頻度、権限情報、品質確認の担当範囲を明示します。
モデル・クラウド・監視のランニングコストです
ランニングコストには、LLMや埋め込みモデルのAPI利用料、検索・データベース・ストレージ・実行基盤の料金、ログ保管、監視、バックアップ、保守対応が含まれます。利用回数、入力データの長さ、出力の長さ、モデルの種類、同時実行数、保存期間で毎月の金額は変わります。
AWSが公開するAmazon Bedrock Agentsの構成例では、2025年2月27日時点で、50人が1日10回、月30日利用し、外部記事を要約する構成の概算料金を月額450.74ドルとしています。1ドル150円で機械的に換算すると約6.8万円ですが、これは特定のクラウド構成における利用料の試算で、開発費、データ整備、運用担当者、セキュリティ審査は含みません(出典:AWS公式「Amazon Bedrock Agentsを用いてAIエージェントを作成したい」、2025年2月27日時点)。自社の利用量に置き換えて試算することが必要です。
セキュリティ・ガバナンス・教育の費用です
業務システムへ接続するAIエージェントでは、認証・認可、データ保管場所、暗号化、監査ログ、脆弱性確認、プロンプトインジェクション対策、個人情報や著作権の確認が必要です。経済産業省とIPAなどが公表するAI事業者ガイドライン第1.2版は、2026年3月31日に掲載されており、適正利用、透明性、説明責任、セキュリティなどを検討する際の基準になります(出典:経済産業省・IPA「AI事業者ガイドライン第1.2版」、2026年3月31日)。
また、利用者に使い方を教え、AIの回答を鵜呑みにしない運用を定着させる教育も必要です。NISTは2026年のAIエージェント安全性に関する資料で、AIが外部データを読み、ツールを使い、現実のシステムへ影響を与えることに固有のリスクがあると整理しています。書き込み権限、停止方法、インシデント対応を見積もりから外さないことが重要です(出典:NIST CAISI「Summary Analysis of Responses to the Request for Information Regarding Security Considerations for AI Agents」、2026年)。
AIエージェントの費用が変動する要因

同じAIエージェントという名称でも、利用者数や業務の危険度が違えば必要な費用は変わります。特に見積もりの差が出やすいのは、連携するシステム数、データ品質、AIに許可する操作、セキュリティと可用性の要件です。
連携システム数とAPIの有無です
メールやファイルを参照するだけの構成と、CRM、ERP、在庫、会計、ワークフローを横断する構成では、連携の数だけ調査とテストが増えます。標準APIが整備されたSaaSは接続しやすい一方、古い基幹システムでは専用アダプター、バッチ連携、RPAなどが必要になる可能性があります。
APIがある場合でも、読み取りだけ許可するのか、登録・更新まで許可するのかで設計は変わります。見積もり依頼では、システム名だけでなく、参照するデータ項目、更新する項目、処理頻度、認証方式、エラー時の扱いを一覧にします。
データ量・品質・更新頻度です
AIに読ませる文書が多いほど、取り込み、分類、アクセス権の付与、検索精度の評価に時間がかかります。文書のタイトルや更新日が不明確で、同じ規程の旧版が残っている場合は、AIの回答以前にナレッジ管理の整理が必要です。毎日更新される在庫や価格情報では、最新データを取得する連携とキャッシュの設計も必要になります。
データ整備を発注側が行えるか、開発会社が支援するかによって初期費用は変わります。発注側で対応する場合も、対象件数と完了条件を決めておかないと、データ準備の遅れで開発期間が延びます。データ品質の確認を、開発の前提条件として契約書に記載すると安全です。
権限・承認・監査の厳しさです
AIが回答するだけなら、誤回答時に人が修正できます。しかし、発注、返金、契約更新、顧客連絡などを自動実行する場合は、利用者の権限を引き継ぐ仕組み、操作の許可リスト、金額上限、承認者、二重チェック、完全な監査ログが必要です。危険な処理ほど人間の承認を挟む設計にすると安全性は高まりますが、その分の画面開発とテスト費用が増えます。
また、AIエージェント自身のIDと権限をどう管理するかも重要です。NISTが指摘するように、外部データに含まれる悪意ある指示や、想定外のツール利用は、通常のチャットより深刻な影響につながります。見積もりでは、権限設計、攻撃を想定したテスト、停止ボタン、ログ保管期間を別項目にしてもらいます。
利用量・可用性・保守レベルです
利用者が数人の検証環境と、全社員が日中に使う本番環境では、必要な処理能力、同時実行数、ログ量が異なります。営業時間外も稼働させる、障害時に短時間で復旧させる、複数リージョンへバックアップする、といったSLAを求めれば、クラウド構成や監視体制の費用が増えます。
モデルの料金は、入力・出力トークン数や利用回数に連動する従量課金が一般的です。長い社内文書を毎回モデルへ渡す設計を避け、検索で必要な情報だけを渡す、回答をキャッシュする、処理に応じてモデルを使い分けると、月額費用を抑えられる可能性があります。ただし、キャッシュによって古い情報を返さないよう、更新条件も設計します。
AIエージェントの見積もりを取る際のポイント

見積もりを比較するときは、総額の安さだけでなく、何が含まれていて、何が含まれていないかをそろえます。特にPoC費用と本番費用、開発費と毎月の利用料、標準機能と追加開発、データ整備と運用保守を分けて確認すると、提案の違いが見えやすくなります。
対象業務・データ・成功条件をRFPに書きます
開発会社へ相談する前に、対象業務の担当者、利用者数、1日あたりの処理件数、参照データ、連携先、現在の作業時間、困っている例外を整理します。「問い合わせを自動化したい」ではなく、「規程とFAQから根拠を示して回答し、答えられない場合は担当部署へ引き継ぐ」のように、入力と出力を具体化します。
成功条件は、回答精度だけにしません。平均処理時間、削減できた作業時間、担当者への引き継ぎ率、誤った書き込みの件数、1処理あたりの費用、利用率などを設定します。KPIが定まっていれば、過剰な機能を作らずに済み、PoCを継続するか本番化するかも判断しやすくなります。
複数社を同じ条件で比較します
複数社へ見積もりを依頼する場合は、同じ業務フロー、同じデータサンプル、同じ利用者数、同じ連携範囲を提示します。比較する項目は、要件定義、PoC、データ整備、UI、API、認証・権限、テスト、監視、保守、教育、クラウド・モデル利用料です。提案会社が独自の前提を置いた場合は、前提条件と追加費用を確認します。
クラウドやモデルの提供会社と、実際に業務システムを実装する開発会社の役割も分けて見ます。標準機能を導入するだけならSaaSやCopilotが適する場合がありますが、基幹システムとの複雑な連携や独自の承認フローがある場合は、要件定義から運用まで対応できるSIerや開発会社が候補になります。
契約・成果物・移行条件を確認します
AIエージェントの開発では、ソースコード、プロンプト、評価データ、ナレッジ、ログ、設定値の所有権と利用権を確認します。モデルやクラウドを変更したいときに移行できるか、データを返却してもらえるか、解約後に削除されるかも重要です。特定のベンダーに依存しすぎると、モデル料金の変更やサービス終了時に選択肢が狭くなります。
契約には、モデル変更時の再評価、障害時の復旧時間、ログの保管期間、誤作動時の報告、サポート時間、追加開発の単価を含めます。AIの出力を業務判断に使う場合の最終責任者も明記します。納品物が画面だけでなく、運用手順書、テスト結果、権限一覧、停止手順まで含むかを確認すると、導入後の不確実性を減らせます。
AIエージェントのコストを最適化するポイント

コスト最適化の基本は、安いモデルを選ぶことではなく、不要な自動化を作らないことです。業務成果に直結する範囲を小さく始め、利用量と品質を測り、効果のある処理だけを広げます。安全性やデータ品質に関わる工程を削ると、本番障害や誤作動のコストが大きくなるため、削る場所と残す場所を分けます。
読み取り中心の業務から小さく始めます
最初から発注や顧客送信を自動化せず、社内検索、資料の要約、回答案の作成、候補の比較など、担当者が確認できる業務から始めます。読み取り中心なら、誤りがあった場合に人が修正でき、リスクを抑えながら利用データを集められます。効果が確認できたら、承認付きの登録・更新へ段階的に広げます。
Microsoftの公式事例では、東京建物がMicrosoft 365 Copilotなどを活用し、全社展開から1年弱で約500体のAIエージェントを現場部門から作成しています。月間アクティブ率は平均約80%、業務効率化を実感した社員は70%以上とされています(出典:Microsoft Customer Stories「東京建物:市民開発で約500体のAIエージェントを展開」、2026年5月掲載)。標準ツールと現場主導の小さな改善から始める方法は、個別開発費を抑え、利用を定着させる選択肢になります。
標準機能・既存クラウドを優先します
社内でMicrosoft 365、AWS、Azureなどを利用している場合は、既存の認証、ストレージ、監視、契約を活用できないか検討します。標準のCopilot、マネージドなAI基盤、既存の検索サービスを使えば、独自のモデル学習やサーバー運用を避けられる可能性があります。標準機能で足りない部分だけを追加開発することで、初期費用と保守範囲を抑えられます。
ただし、標準機能の導入費とライセンス費用がなくなるわけではありません。ユーザー数、対象データ、管理者権限、外部連携、データ保管条件を確認し、標準機能で実現できる範囲をPoCで確かめます。クラウドの従量課金も、利用者数とリクエスト数を置いた月次試算で確認します。
利用量・品質・効果を継続的に計測します
月ごとに、リクエスト数、入力・出力トークン、モデル別の利用料、検索件数、ツール呼び出し数、エラー率、エスカレーション率を確認します。使われていないエージェントや、長い文書を毎回処理している機能を見つければ、停止、キャッシュ、検索範囲の見直し、モデルの使い分けができます。
同時に、回答の正確性、根拠の提示、作業時間の削減、利用者の満足度も追跡します。費用だけを下げて業務時間が増えれば、導入の意味がありません。1件あたりの費用と、1件あたりに削減できた担当者の時間を比較し、継続・改善・停止の基準を決めておくと、AIエージェントが増えすぎることを防げます。
よくある質問

AIエージェントの費用は、利用するサービス、開発範囲、データ、権限、運用体制によって変わります。ここでは、発注前に特に質問されやすい内容へ、相場の考え方と一緒に回答します。
AIエージェントの開発費用は最低いくらからですか?
読み取り中心の小規模PoCであれば、300万〜800万円程度が概算の目安です。ただし、対象データの整理、認証、評価、API連携をどこまで含むかで変わるため、最低価格だけで判断できません。既存の標準ツールを使い、発注側でデータを整え、対象業務を絞れば費用を抑えられる可能性があります。
開発後のランニングコストは月いくらですか?
小規模な利用で月5万〜50万円、業務利用が定着した本番環境で月50万〜300万円、複数部門・高頻度・高可用性の構成で月300万〜1,000万円以上を見込む概算モデルがあります。ただし、これは公開統計ではなく、モデル/API、検索基盤、実行基盤、監視、保守、利用者教育を含めた利用量別の推定です。AWSの公式構成例のように、ユーザー数と月間リクエスト数を置いて個別に試算してください。
パッケージと個別開発はどちらが安いですか?
対象業務が標準的で、既存のクラウドやSaaSにデータがまとまっているなら、パッケージやCopilotなどの標準機能が安く始めやすい場合があります。複数の基幹システムをまたぐ独自業務、閉域環境、細かな権限、書き込み・承認フローが必要なら、個別開発の方が業務に合わせやすいです。初期費用だけでなく、ライセンス、従量課金、保守、移行性を含む3〜5年の総額で比較します。
セキュリティ対策費は開発費に含まれますか?
含まれるかどうかは開発会社の見積もり次第です。認証・権限、ログ、データ保管、脆弱性確認、プロンプトインジェクション対策、攻撃を想定した評価、インシデント対応を、基本機能と別項目で確認します。特に発注やメール送信などの外部アクションを許可する場合は、承認、操作制限、停止手順を省かないことが大切です。
まとめ

AIエージェント開発の費用相場は、小規模PoCで300万〜800万円、単一業務の実用版で800万〜2,000万円、複数システム連携で2,000万〜5,000万円、エンタープライズ型で5,000万円〜1.5億円以上という概算レンジです。これらは公的な統一統計ではなく、業務システム開発費にAI固有のデータ整備、評価、権限、運用工程を加味した推定です。
費用は自動化の範囲と運用まで含めて判断します
予算を決めるときは、AIモデルの料金だけでなく、データ、API、認証、承認、監視、保守、教育を含めた総額で考えます。読み取り中心の業務から始め、KPIを測り、効果のある処理だけを承認付きの更新へ広げると、リスクと費用を管理しやすくなります。見積もりでは、初期開発費、月額・従量課金、追加開発、再評価、移行条件を分けて確認します。
発注前に業務フローと見積条件をそろえます
発注前には、対象業務、利用者数、データの種類と品質、連携先、AIに許可する操作、承認者、成功指標を整理します。複数社へ同じ条件で相談し、PoCで精度だけでなく費用、処理時間、権限逸脱、失敗時の停止を評価します。自社の業務に適した開発会社と運用体制を選ぶことが、AIエージェントを継続的な成果へつなげる近道です。
▼全体ガイドの記事
・AIエージェント開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
