Amazon ElastiCacheのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

Amazon ElastiCacheのシステムを発注・外注するなら、キャッシュを作るだけでなく、対象データの鮮度、アプリケーション改修、障害時の切り替え、AWS利用料まで含めて設計できる会社へ依頼することが重要です。

「RDSの応答が遅いのでElastiCacheを導入したい」「ValkeyとRedis OSSのどちらを選べばよいか分からない」「開発会社から受け取った見積もりを比較できない」と悩む担当者に向けて、発注形態の選び方、RFPの作り方、契約形態、費用相場、委託先選定のポイントを順番に解説します。2026年時点のAWS公式情報と、営業・CRM・MAなど業務システムで起こりやすい実務上の注意点も取り上げます。

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・Amazon ElastiCacheのシステム開発の完全ガイド

Amazon ElastiCacheのシステムを発注・外注する前に知っておきたい全体像

Amazon ElastiCacheのシステムを発注する全体像

Amazon ElastiCacheは、アプリケーションとAmazon RDSやAmazon Auroraなどのデータベースの間に置く、マネージドなインメモリデータストアです。よく参照されるデータをメモリへ一時保存し、データベースへの読み取り回数や応答時間を抑えます。したがって、発注する仕事はAWSコンソールでキャッシュを作成することだけではなく、業務データをどの条件で保存し、いつ削除し、障害時にどの経路へ戻すかをアプリケーションへ組み込むことです。

キャッシュは原本データベースの代わりではありません

営業・CRM・MAシステムでは、顧客一覧、ログインセッション、ダッシュボード集計、リードスコア、APIのレート制限などがキャッシュ候補になります。一方、契約状態、請求金額、在庫、権限の最終判定のように正確性が必要な情報は、キャッシュを表示に使えても、更新や確定処理は原本データベースで確認する設計が安全です。TTL(有効期限)だけで済むデータか、更新時に明示的な削除が必要かを、発注前に業務担当者と決めます。

導入効果を考える際は、AWS公式のJuspay事例も参考になります。JuspayはAmazon Auroraの前段にElastiCacheを組み込み、通常時の最大10倍にあたるトラフィックや最大5万TPSを扱い、複数リージョン・複数AZの構成で99.99%のインフラ稼働率を維持したと紹介されています(出典: AWS公式Juspay事例、2026年確認)。これは大規模決済事業者の個別事例であり、自社で同じ数値を保証するものではありませんが、ピーク時の吸収層と可用性をRFPへどう落とすかを考える材料になります。

導入すべき企業と、まだ急がなくてよい企業を分けます

アクセスピークが明確で、同じデータを何度も読むためRDSやAuroraの負荷が高い企業は、ElastiCacheの検証効果を見込みやすいです。反対に、遅さの原因が未整理のSQL、ネットワーク、外部API、画面処理にある場合は、先に計測とボトルネックの切り分けが必要です。原因を確認せずにキャッシュを追加すると、問題を隠すだけになったり、古いデータを速く表示するだけになったりします。発注先には、導入前後でP95・P99レイテンシー、DB負荷、ヒット率、データ鮮度を測る計画まで提案してもらいます。

Amazon ElastiCacheの発注形態はどれを選べばよいですか?

Amazon ElastiCacheの発注形態

発注形態は、目的と社内の技術体制によって決めます。要件が固まっていない段階でいきなり一括請負にするより、現状分析とPoCを切り出し、効果と構成を確認してから本番開発へ進む方式が、ElastiCacheでは失敗を抑えやすいです。新規システム、既存CRMの改善、24時間運用の委託では適した形が異なります。

まず小規模なPoCだけを外注する方法

キャッシュ対象や効果が不明な場合は、代表的な画面やAPIを一つ選び、2〜6週間程度のPoCを外注します。PoCの成果物は、ElastiCacheの環境だけでなく、キー設計、TTL、無効化ルール、負荷試験結果、導入前後のP95・P99、DBのCPUや接続数、障害時のフォールバック確認を含めます。AWS公式では、2025年1月からEC2とElastiCacheの接続設定をコンソールから簡素化できる機能が案内されていますが、接続できることと、業務システムとして安全に運用できることは別です(出典: AWS公式、2025年)。

アプリ・データベース・AWSを一体で外注する方法

既存アプリへキャッシュを組み込む場合は、AWS設定だけを別会社へ依頼すると責任分界が複雑になります。アプリケーション改修、RDSやAuroraのクエリ分析、VPC・Security Group、IaC、CI/CD、監視、負荷試験までを同じチームへ任せる一括型が向いています。特にキャッシュミス時のDBアクセス、タイムアウト、リトライ、サーキットブレーカーを誰が実装するかを契約書と設計書へ明記します。

構築後の監視・保守まで委託する方法

本番環境を社内だけで監視できない場合は、構築と運用保守を分けずに依頼します。メモリ使用率、CPU、接続数、キャッシュヒット率、Evictions、レイテンシー、レプリケーション遅延などの監視項目と、通知を受けてから一次切り分けを開始する時間を定めます。24時間対応が必要なら、営業時間外の担当者、エスカレーション先、復旧手順、AWSへの問い合わせ方法、月次レポートの範囲も見積もりへ含めます。運用を委託しても、業務上どのデータを止めてよいか判断する責任は発注者側に残ります。

Amazon ElastiCacheの発注・外注を進める手順

Amazon ElastiCacheのシステム発注の進め方

発注は、相談先を探す前に社内で現状と目標を整理し、候補会社へ同じ情報を渡して提案を受けると比較しやすくなります。要件定義を短くしすぎると、後工程でキャッシュ対象や可用性の前提が変わり、追加費用や納期延長が起きやすいです。以下の順番で、技術要件と業務上の判断を一緒に固めます。

現状分析と導入目的を整理します

まず、遅い画面やAPI、対象データ、利用者数、通常時とピーク時のリクエスト数、DBのCPU・接続数・遅いクエリを確認します。顧客一覧が遅いのか、ログインが集中するのか、集計処理が重いのかによって、キャッシュ設計は異なります。目標は「高速化する」ではなく、「検索APIのP95を何ミリ秒以下にする」「ピーク時のDB CPUを何%以内にする」「キャッシュ停止時も注文処理を継続する」のように測定できる形にします。

キャッシュ対象と業務ルールを決めます

次に、キー、値の形式、TTL、最大容量、更新時の削除、再作成の方法、古い値を許容できる時間を決めます。顧客情報を丸ごと保存するのではなく、短期間のセッション情報や検索結果の識別子だけに限定できないかを検討します。データが更新されたときにキャッシュを先に削除するのか、原本更新後に再生成するのかも必要です。表記揺れや重複した顧客マスタを整理しないまま高速化すると、誤ったデータをすばやく返すだけになるため、データ品質もRFPの前提に含めます。

PoC、設計、実装、試験、本番化の順に進めます

代表的なAPIで小さく試した後、Valkey・Redis OSS・Memcached、Serverless・ノードベース、Multi-AZやレプリカの構成を決めます。実装ではアプリ側の読み書き、タイムアウト、リトライ回数、DBフォールバック、キャッシュスタンピード対策を組み込みます。試験では通常負荷だけでなく、ピーク負荷、キャッシュ全消失、ノード障害、AZ障害、更新直後の読み取り、バックアップからの復旧を確認します。最後にRunbookと監視アラームを整え、段階的に本番トラフィックを移行します。

RFP・要件整理には何を書けばよいですか?

Amazon ElastiCacheのRFPと要件整理

RFPは、開発会社へ「ElastiCacheを導入してください」と伝えるだけの資料ではありません。背景、対象範囲、性能目標、データ鮮度、セキュリティ、運用、納品物、見積条件を同じ前提で提示し、各社の提案を比較するための資料です。完全な設計書を発注者が作る必要はありませんが、業務上譲れない条件と、提案会社に検討してほしい条件は分けて記載します。

背景・対象業務・利用量を具体化します

背景には、現在困っている画面や業務、導入しない場合の影響を書きます。対象業務には、顧客検索、セッション、案件一覧、スコアリング、ランキング、レート制限などを記載し、対象外の処理も明示します。利用量は、データ容量、1秒あたりの平均・最大リクエスト数、読み取りと書き込みの比率、ピークの時間帯、データ増加量、同時接続数を可能な範囲で入れます。実測値がない場合は推定であることと、PoCで計測する項目を示します。

非機能要件とセキュリティ条件を明記します

性能だけでなく、可用性、RTO・RPO、許容できるデータの古さ、障害時の業務継続、対応時間、ログ保存期間、バックアップ、リージョン、個人情報の扱いを指定します。VPCのプライベートサブネット、Security Group、TLS、保管時暗号化、IAMまたはAUTH、RBAC、Secrets管理、IaCの利用を必須にするかも判断します。発注先には、条件を満たす構成図と、満たせない条件がある場合の代替案を提出してもらいます。

納品物・評価基準・見積の分け方を指定します

納品物には、要件定義書、構成図、パラメータ、TerraformやAWS CDKなどのIaC、アプリケーションのソース、テスト仕様書と結果、監視設計、Runbook、障害訓練記録、運用引き継ぎ資料を含めるかを明記します。受入基準は「構築完了」ではなく、目標APIのP95、DB負荷、データ鮮度、障害からの復旧時間、バックアップ復元の確認結果で定めます。見積は、要件定義、PoC、アプリ改修、AWS構築、性能試験、移行、保守、AWS利用料を分けてもらうと、後から増えた範囲が分かりやすくなります。

契約形態は請負・準委任・ラボ型のどれが適していますか?

Amazon ElastiCacheの契約形態

ElastiCacheの案件では、要件が決まった部分と、検証しながら決める部分が混在しやすいです。そのため、全工程を一つの契約形態に固定せず、要件定義・PoCは準委任、本番構築は請負、運用保守は準委任またはサービス契約と分ける方法が実務的です。契約の名称だけでなく、成果物、作業範囲、責任、変更手続き、検収の条件を確認します。

請負契約は成果物と受入基準が固まっている場合に向きます

請負契約は、決めた成果物を完成させ、定めた条件で検収する形に向いています。たとえば、既存APIへのキャッシュ連携、指定されたAWS環境、負荷試験報告書、IaC、運用手順書を納品し、P95や復旧試験を受入条件にします。ただし、発注後にキャッシュ対象を増やしたり、ノードベースからServerlessへ変更したりすると、追加見積もりが発生する可能性があります。変更の承認者と金額・納期の算定方法を契約前に決めます。

準委任契約は調査・設計・改善を進めながら決める場合に向きます

準委任契約は、専門家の作業や技術支援を受ける形で、要件が変わりやすい現状分析、PoC、アーキテクチャ検討、継続的な性能改善に向いています。作業時間や体制を基準にするため、成果物の完成責任や性能保証を請負と同じように期待することはできません。月次の作業内容、稼働時間、定例会、報告書、設計判断の記録、未消化タスクの扱いを合意しておくと、支援の価値を評価しやすくなります。

ラボ型・アジャイル型は継続的な開発体制を作る場合に向きます

ラボ型は、一定期間にわたって開発会社のチームを確保し、優先順位を毎月見直す方式です。CRMの機能追加と性能改善を同時に進めたい企業や、利用状況を見ながらキャッシュ対象を広げたい企業に適しています。一方で、発注者側に優先順位を決めるプロダクト責任者が必要です。月額だけで比較せず、チーム構成、稼働時間、成果物の所有権、品質管理、メンバー交代時の引き継ぎを確認します。

Amazon ElastiCacheのシステム発注費用・料金相場

Amazon ElastiCacheのシステム発注費用と料金相場

費用は、AWSへ支払う利用料と、開発会社へ支払う人件費・保守費を分けて考えます。ElastiCacheの公式料金に一律の月額相場はなく、保存量、ECPU、ノード数、リージョン、レプリカ、バックアップ、データ転送、利用時間で変わります。以下の金額は東京リージョンの確定見積もりではなく、AWS公式の料金例と一般的なクラウド開発案件から作る初期検討用の推定レンジです。

AWS利用料はServerlessとノードベースで計算方法が異なります

AWS公式料金表では、ElastiCache Serverlessは保存データ量をGB時間、リクエストをECPUで計算し、オンデマンドノードはノード時間を基本に計算します。2026年8月時点の同料金表では、Serverless for Valkeyは最低保存量が100MBで、ほかの対応エンジンより保存量の価格が33%低いと案内されています。Valkeyは新規案件の候補になりやすい一方、既存Redis OSSとの互換性、利用ライブラリ、運用担当者の経験を確認してから決めます(出典: AWS公式Amazon ElastiCache料金表、2026年8月確認)。

同じ料金表の米国東部(バージニア北部)の例では、10GBのデータを平均5万リクエスト/秒で使うServerless for Valkeyが1時間1.254米ドルです。730時間で単純換算すると約916米ドル/月ですが、これは特定リージョン・データ量・リクエスト条件の例です。ピーク時に100GB、1秒あたり100万リクエストを想定した12ノード構成の例では、データ転送込みで1時間5.6552米ドル、単純換算で約4,128米ドル/月となります(出典: AWS公式料金表、2026年8月確認)。円換算や東京リージョンの請求額をこの数字から断定せず、AWS Pricing Calculatorで自社の条件を入力します。

開発会社への発注費は範囲別に見積もります

ElastiCache単体の初期設定と簡単な接続確認に限定する場合は、開発費100万〜300万円程度が初期検討用の推定レンジです。既存Web・CRMとのキャッシュ連携、IaC、CI/CD、監視、負荷試験、障害時のフォールバックまで含む標準的な本番導入は、300万〜800万円程度を見込みます。複数リージョン、Redis自前運用からの移行、厳格な監査設計、24時間運用まで含める場合は、800万〜2,000万円以上になる可能性があります。いずれもElastiCache固有の公定価格ではなく、要件と工数から置く推定です。

期間は、現状分析とPoCで2〜6週間、標準的な本番導入で2〜4か月、大規模移行や高可用性設計で4〜9か月程度が初期目安です。営業・CRM・MA全体の一般的な案件相場として、小規模10万〜500万円、中規模500万〜5,000万円、保守は初期開発費の年10〜20%という整理もありますが、これはキャッシュ基盤だけの公定相場ではありません。発注時は、要件定義費、実装費、試験費、AWS利用料、保守費を混ぜずに記載してもらいます。

見落としやすい追加費用を分けて確認します

見落としやすい費用は、レプリカやMulti-AZ、バックアップ保存、AZ間・リージョン間のデータ転送、CloudWatchのログとメトリクス、負荷試験環境、AWS Support、休日や夜間の運用対応です。AWS公式料金表ではバックアップ保存が1GiB月あたり0.085米ドル、同一リージョンで別AZへ転送する場合はEC2側に標準のリージョン内転送料金がかかると説明されています。古いRedis OSSを使い続ける場合は、Extended Supportが1〜2年目に通常料金の80%、3年目に160%のプレミアムになる案内もあるため、バージョンアップ費用を将来計画へ入れます(出典: AWS公式Amazon ElastiCache料金表、2026年8月確認)。

Amazon ElastiCacheの委託先選定と見積比較のポイント

Amazon ElastiCacheの委託先選定と見積比較

委託先は、AWSの初期設定ができるかだけでなく、アプリケーション、データベース、セキュリティ、性能試験、運用を一体で説明できるかで選びます。会社の知名度や「AWS対応」という表現だけでは、キャッシュの更新漏れや障害時の雪崩を防げるか判断できません。同じRFPを複数社へ渡し、提案の前提、成果物、体制、費用の内訳、リスクの説明を揃えて比較します。

ElastiCache・Valkey・Redisの実績を具体的に聞きます

実績確認では、「AWS案件が何件ありますか」と聞くだけでは不十分です。ElastiCacheまたはValkey・Redisの構築で、どのデータをキャッシュし、どの程度のリクエストを処理し、P95やDB負荷をどう改善したかを確認します。RDS・Aurora・ECS・EKSとの連携、Multi-AZ、レプリカ、バックアップ、IaC、負荷試験、障害時のDBフォールバックについて、匿名化した構成や成果指標を説明できる会社が望ましいです。守秘義務で数値を出せない場合も、質問へどう答えられるかを見ます。

見積もりの前提と作業範囲を同じ粒度でそろえます

見積比較では、合計金額の安さより、何が含まれているかをそろえます。要件定義、設計、アプリ改修、AWS構築、テスト、移行、監視、ドキュメント、教育、保守を分け、工数、期間、担当者、前提条件を確認します。AWS利用料を開発会社が立て替えるのか、発注者のAWSアカウントへ直接請求するのかも重要です。安い見積もりが、負荷試験や運用設計を含まないため安く見えている場合もあるため、除外項目を必ず質問します。

運用体制・成果物・権利関係を契約前に確認します

本番後に自社で変更できるよう、AWSアカウント、ソースコード、IaC、設定値、ログ、監視ダッシュボード、手順書の所有者とアクセス権を決めます。委託先だけが本番環境を操作する状態にすると、契約終了時の引き継ぎが難しくなります。24時間監視を頼む場合は、対応時間、一次回答、復旧目標、障害報告、再発防止、第三者サービスの費用をSLAや運用契約へ落とし込みます。成果物の納品と協力義務を曖昧にしないことが、将来の移管や追加開発を容易にします。

個人情報を扱うElastiCacheの外注で確認するセキュリティ

Amazon ElastiCacheのセキュリティと個人情報保護

顧客情報や営業履歴をキャッシュへ置く場合は、性能要件と同じレベルで、データを最小化する設計と委託先の管理を検討します。キャッシュは一時データでも、バックアップやログ、スナップショットに残る可能性があります。どの項目を保存し、いつ期限切れにし、顧客削除や利用停止の依頼が来たときにどの経路で削除するかを、業務・法務・セキュリティ担当者と確認します。

TLS・暗号化・認証・権限分離を確認します

AWS公式のElastiCacheセキュリティ資料では、Valkey・Redis OSSについて転送中の暗号化、保管時の暗号化、IAMやAUTHによる認証、RBACによる操作権限の制御が案内されています。実際の発注では、TLSを有効にするだけでなく、どのアプリケーションから接続できるかをSecurity Groupで絞り、開発者・運用者・アプリケーションの権限を分けます。認証情報をソースコードやログへ出さず、Secrets管理の方法とローテーションの担当も決めます(出典: AWS公式「Data security in Amazon ElastiCache」、2026年確認)。

委託先の監督と漏えい時の連絡を契約へ入れます

個人情報を扱う場合は、委託先の選定、再委託の条件、アクセス権、ログの確認、事故時の報告期限、削除と返却、監査への協力を契約へ含めます。個人情報保護委員会の通則編ガイドラインは、2026年6月に一部改正され、安全管理措置や委託先の監督、漏えい時の報告・本人通知に関する項目を示しています(出典: 個人情報保護委員会、令和8年6月一部改正)。法的な適用判断は自社の法務担当者や専門家へ確認し、開発会社には実装・運用上の協力事項を具体的に依頼します。

障害時にキャッシュを使わず業務を継続できるか確認します

ElastiCacheが停止したときに、アプリケーションが無限リトライを続けたり、DBへ一斉にアクセスして障害を拡大したりしない設計が必要です。タイムアウトを短くし、リトライ回数を制限し、キャッシュなしで原本データベースへ戻れる処理と、重要な処理を一時停止する処理を分けます。テスト環境で全キー削除やノード障害を再現し、業務担当者が「どの画面は遅くても使える」「どの処理は止める」と判断できるRunbookを作ってもらいます。

Amazon ElastiCacheのシステム発注・外注に関するよくある質問

Amazon ElastiCacheの発注に関するよくある質問

Amazon ElastiCacheの発注では、費用だけでなく、どの範囲まで委託するか、導入後に誰が運用するか、障害時にどう復旧するかを確認する必要があります。ここでは、相談前によくある質問へ直接回答します。

Amazon ElastiCacheのシステム発注費用はいくらですか?

初期設定だけなら100万〜300万円程度、既存アプリ連携・IaC・監視・負荷試験まで含む標準導入なら300万〜800万円程度、大規模移行や複数リージョン・厳格な監査まで含む場合は800万〜2,000万円以上が初期検討用の推定レンジです。AWS利用料は別途で、保存量、リクエスト量、ノード、レプリカ、通信、バックアップで変わります。確定金額ではないため、RFPの範囲と実測値を揃えて個別見積もりを取得します。

ElastiCacheの導入はAWSに詳しい社員だけでできますか?

小規模な検証なら、既存のAWS・アプリ・データベースを理解する社員が進められる場合があります。ただし、本番で個人情報を扱い、複数AZ、障害時のフォールバック、性能試験、24時間監視が必要なら、社内体制だけで不足する領域を外注する方法が安全です。AWS設定だけでなく、データ鮮度やアプリのリトライ設計まで責任を持てるかを基準に、内製と委託の境界を決めます。

Valkey・Redis OSS・Memcachedの選定も開発会社へ任せられますか?

任せられますが、最終判断を丸投げせず、比較根拠を提出してもらいます。Valkeyは新規開発の候補になりやすく、Redis OSSは既存互換性や利用中の運用知識、Memcachedは単純な揮発キャッシュへの適性を確認します。Serverlessとノードベースも、アクセス変動、容量予測、可用性、Global Datastoreの要否、運用負荷、5年程度のTCOを並べ、PoCの実測結果を踏まえて選ぶと納得しやすいです。

ElastiCacheに顧客情報を保存しても問題ありませんか?

一律に問題ないとはいえません。保存する項目を識別子や短期間のセッション情報へ絞り、TLS、保管時暗号化、認証、権限分離、ログ・バックアップの管理、削除連携、委託先の監督を設計します。個人情報保護法や社内規程への適合は、データの種類、利用目的、委託先、保管場所によって変わるため、開発会社の説明だけで判断せず、法務・セキュリティ担当者へ確認します。

まとめ:Amazon ElastiCacheの発注は要件・契約・運用を分けて比較します

Amazon ElastiCacheのシステム発注のまとめ

Amazon ElastiCacheのシステムを発注・外注するときは、最初に「どの処理を何ミリ秒まで改善したいか」「どの程度の古さを許容するか」「キャッシュ停止時に業務を続けるか」を整理します。そのうえで、PoC、要件定義、本番開発、監視・保守を必要な範囲で委託し、AWS利用料と開発会社への費用を分けて見積もります。

発注前にRFPと比較基準を整えます

委託先へは、現状の遅い処理、利用量、対象データ、TTLと更新ルール、性能目標、セキュリティ条件、納品物、運用体制をRFPで伝えます。提案を受けたら、Valkey・Redis・Memcachedの選定根拠、Serverless・ノードベースの料金前提、負荷試験、障害時のフォールバック、IaCとドキュメントの納品範囲を同じ質問で比べます。金額だけでなく、将来の変更と委託終了を見据えた透明性を評価することが大切です。

小さく検証してから本番へ広げます

ElastiCacheは、適切なデータを適切な期限で扱えば、RDSやAuroraの負荷を下げ、顧客検索やセッションなどの応答を改善できる基盤です。一方で、要件定義を省いた導入や、現場の更新ルールを無視した高機能構成は、費用と不整合を増やします。まず代表的なAPIで効果を測り、データ鮮度、P99、DB負荷、障害復旧、月額TCOを確認してから、必要な範囲だけ本番へ広げる進め方をおすすめします。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。