Apache Derbyのシステム開発会社は、調査から移行、運用まで一続きで任せられるかで選ぶのが基本です。Derbyは2025年10月10日に退役し、新規リリースとバグ修正も終わったため、株式会社ripla、NTTデータ、IBM、SCSK、富士通、NECの計6社を、既存保守と移行の観点で比べます。
- Java・JDBC資産と現行環境の調査
- 代替DBへの移行方式とクラウド化の比較
- 保守・運用と発注前の確認事項の整理
Derbyの新規採用、既存システムの保守、PostgreSQLなどへの移行では、必要な支援範囲が異なります。
▼全体ガイドの記事
・Apache Derbyのシステム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
Apache Derbyのシステム開発でパートナー選びが重要な理由

Apache Derbyは、Javaで動作する軽量なリレーショナルデータベースです。組み込みエンジン、Network Server、JDBCドライバー、SQL実行ツールなどを備えていますが、現在はプロジェクトが読み取り専用の状態に移行しています。
発注先には、画面開発だけでなく、現行資産の洗い出しと将来の保守方針まで任せられることが求められます。
退役後に「無料のOSS」だけでは判断できない理由
Apache Derby公式のダウンロードページでは、2025年10月10日に開発者がプロジェクトを退役させ、開発とバグ修正を終了したと案内しています。今後のリリースはなく、配布物も現状有姿で提供されます(出典: Apache Derby公式Downloads、2025年)。
ライセンス料がかからないことと、将来にわたって安全に運用できることは別の問題です。
開発会社に相談する移行と運用の範囲
Derbyの既存システムは、データベースのJARファイルを交換するだけでは移行できるとは限らず、移行先に合わせた確認が要ります。
SQL方言、日付や数値の扱い、LOBは、移行の前に確認が要る部分です。インデックスやトランザクション分離、例外コードも押さえる必要があります。さらに、バッチ処理とバックアップ復元手順まで、移行計画の中で見ておきます。
そのため、発注先には現行調査、PoC、データ移行を見積もりに含めてもらう必要があります。また、性能試験、切替リハーサル、ロールバックも対象に入れてもらいます。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、業務上の成果とシステムの定着支援に強みがあります。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaは、システムを入れること自体を目的にせず、業務上の成果と定着まで見据えて相談できる点が特徴です。
Apache Derbyを使った既存システムでは、まず利用部門の業務フローと現行仕様を整理します。そのうえで、継続利用、段階移行、再構築の選択肢を比べる進め方が適しています。
要件定義の段階で、利用者数、同時接続数、データ量を言葉にし、処理時間と障害時の復旧目標も明確にします。こうして、開発会社と業務部門の認識を合わせます。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理などの基幹業務を横断して整理したい企業に向いています。
ただし、Derby専用の現行商用サポートを公式にうたっている会社として紹介するものではありません。そのため、Derbyのバージョン、JDK、JDBCの利用状況、移行先候補を示し、対応可否を個別に確認してください。
riplaは、小さくPoCを始めてから本開発へ進めたい場合や、システム導入後の社内定着まで伴走してほしい場合にも、相談しやすい候補です。
NTTデータ|大規模Java業務システムと上流工程の強み

NTTデータは、Javaをベースとした開発基盤「TERASOLUNA」とシステムインテグレーションを組み合わせ、業務システムを上流から構築する大手企業です。公式ページでは、金融機関の基幹系システムや官公庁の電子申請システムなど、大規模システムでの利用実績が豊富と説明されています。
大規模なDerby資産を組織的に調査し、業務・基盤・運用を含めて刷新したい場合の比較候補になります。
特徴と強み
TERASOLUNAは、設計・製造・テストの自動化や、業務ロジックと基盤を分ける考え方を打ち出しています。DerbyのJDBC呼び出しが多く、アプリケーションとデータアクセス層を整理し直す必要がある案件では、現行コードの分析から業務要件の再定義、標準的なJava基盤への移行まで一体で検討できます。
金融・公共のように、品質、監査、ドキュメントの要求が高い企業では、工程ごとにどこまでを誰が受け持つかを細かく決めやすい点も強みです。
得意領域・実績
複数部門が利用する業務システム、基幹連携、長期運用を前提とした刷新に向いています。
ただし、Apache Derby専用の現行サポートや特定のDerby移行事例は、公式ページで確認できるとは限りません。そのため、提案時にはDerbyの継続利用を前提にせず、PostgreSQLなどへの移行案を求めてください。データ変換方針、移行期間、切替後の保守窓口も、あわせて確認してください。
大規模な体制を組むぶん、小規模PoCでは費用や意思決定の進め方が合うかを、初回に確かめることが大切です。
IBM|Javaアプリケーションのモダナイゼーションの強み

IBMは、既存アプリケーションの評価と移行を、モダナイゼーションやクラウド活用とあわせて支援する企業です。公式のアプリケーション・モダナイゼーション・サービスでは、アプリケーションポートフォリオをもとに戦略を決めたうえで、ハイブリッドクラウド移行や既存アプリケーションの変革を進めるサービスが公開されています。
Derbyを使ったJava資産について、単純な移行にとどめず、将来の運用基盤まで含めて見直す案件では候補になります。
特徴と強み
IBMの公開情報では、レガシーコードの評価とドキュメント作成を含むモダナイゼーションの考え方が示されています。Javaなどへのリファクタリングやデータマイグレーションも、そのなかに含まれています。
Derbyの利用箇所が複数のサービスやバッチに分散している場合でも、アプリケーション、データ、実行環境を分けて移行ロードマップを作りやすい点が魅力です。また、既存環境を残す部分とクラウドへ移す部分を組み合わせる、ハイブリッド構成も検討できます。
得意領域・実績
複数年使ってきたJavaシステムを段階的に刷新したい企業や、クラウド移行とデータ移行を同時に進めたい企業に向いています。ただし、Derbyの公式サポートを現在提供している会社という意味ではありません。Javaアプリケーションとレガシー資産の近代化を相談する候補です。
見積もりでは、現行分析に使うツール、データ変換の自動化範囲、性能検証を分けてもらうと、総額の妥当性を判断しやすくなります。加えて、移行後のランタイム保守やクラウド費用も、別に示してもらうとよいでしょう。
SCSK|業務システム構築から運用・監視までの範囲

SCSKは、システム構築や開発支援に加えて、テンプレート、データ統括・連携などを扱う総合ITサービス企業です。公式の「システム構築・スクラッチ開発」ページでは、エンタープライズWebシステムの開発基盤やOSSアプリケーション基盤を案内しています。統合システム監視やジョブ管理についても、あわせて紹介されています。
既存Derbyシステムを移行するだけでなく、業務アプリケーションと運用監視をまとめて再設計したい案件で比較しやすい会社です。
特徴と強み
Webシステムを早く作り、柔軟に育てるための開発基盤があります。OSSアプリケーション基盤(Red Hat Application Servicesなど)や、JP1による統合監視・ジョブ管理もあり、開発後の運用を意識した選択肢が揃っています。
DerbyのNetwork Serverを使っている場合は、接続経路と認証、バックアップ、障害時の復旧をまとめて評価できます。ジョブや監視も同じ会社で見られる点が利点です。
開発と運用を別々の会社に分けるより、どこまでを誰が受け持つかを整理しやすいケースがあります。
得意領域・実績
部門横断の業務システム、外部サービスとのデータ連携、運用監視やジョブ管理まで含む案件に向いています。
SCSKの公開ページだけでは、Apache Derbyの正式対応を断定できません。そのため、Derbyのデータ形式やJDBCの利用方法、移行先DBの候補を最初に伝えてください。
24時間運用の要否も、あわせて伝えておくとよいでしょう。新しいDBへ移行する場合は、開発だけでなくデータ連携の停止時間とリカバリーポイントも、見積もりに含めることが重要です。さらに、監視項目と運用担当者への引き継ぎも対象に入れます。
富士通|Java基盤と安定運用を重視する企業向け

富士通は、Enterprise Application Platformを通じて、Javaの標準仕様、クラウドネイティブな実行環境、エンタープライズ向けの信頼性と運用性を組み合わせています。公式情報では、OpenJDK 21、Jakarta EE、MicroProfileへの対応や、24時間365日の保守サポートを案内しています。
Derbyから別のDBやJava実行環境へ移行し、長期的な安定稼働を重視する企業にとって比較候補になります。
特徴と強み
富士通のプラットフォームは、既存Java資産を活用しながら、標準技術に合わせて実行環境を更新する方向と相性があります。
アプリケーションの異常監視、自動再起動、ログ強化といった運用機能が公開されています。クラスターサービス連携も含まれています。このため、可用性や障害対応を要件に入れたい案件では、具体的な確認をしやすいです。Derbyのデータベース部分を移行しつつ、Javaアプリケーションの実行基盤も整えたい場合に検討できます。
得意領域・実績
基幹システム、複数環境の統合、可用性や運用体制を重視する企業に向いています。
Derby専用の保守会社として見るより、Javaランタイムやアプリケーションサーバーも含めた全体刷新の候補として比べるとよいでしょう。監視やクラウド移行も対象になります。
提案依頼では、既存Derbyを一時的に残す場合のサポート範囲と、代替DBへ切り替える場合の性能見込みを確認すると、導入後の想定外を減らせます。さらに、24時間365日運用の費用と障害時の一次対応時間も、あわせて確かめてください。
NEC|Java資産の可視化から段階的なモダナイゼーション

NECのSystemDirector Enterpriseは、オープンな開発言語に対応したインターネット・クラウドシステムの構築を支援する開発環境です。
公式ページでは、Java向けのモデルとして、Spring、POJO、JDBCへの対応が示されています。JPAやMyBatisにも対応しています。さらに、業務アプリケーション資産の可視化・診断や設計支援を扱う、モダナイゼーションのメニューも案内されています。
Derbyの利用箇所を整理し、段階的に作り替えたい企業に向いています。
特徴と強み
NECの公開情報では、Javaモデルのオンライン処理・バッチ処理と、既存資産の可視化・診断を組み合わせた支援が示されています。Derbyの組み込み構成で作られた古い業務アプリケーションでは、DB呼び出しが画面、バッチ、帳票に埋め込まれていることがあります。
コードと設計書の差分を把握し、優先度の高い機能から移行する計画を立てると、全機能を一度に止めるリスクを抑えられます。
得意領域・実績
既存Javaアプリケーションを段階的に調査・刷新したい企業や、オンライン処理とバッチ処理を分けて移行したい企業に適しています。
SystemDirector EnterpriseがApache Derbyを正式にサポートするとは限りません。そのため、Derbyのバージョンや利用しているJDK、SQLの利用範囲を提示してください。そのうえで、移行先DBも示し、対応する製品バージョンと保守条件を確認してください。
モダナイゼーションの対象範囲を小さく区切り、診断、PoC、本番移行の順で契約できるかどうかも重要な確認事項です。
Apache Derbyのシステム開発パートナーを選ぶポイント

6社を比べるときは、会社の規模や知名度に頼らず、Derby固有の課題を同じ条件で示すことが重要です。現行システムの調査と将来の移行を切り分けて、各社に同じ粒度で提案と見積もりを出してもらうと、価格の安さだけに引っ張られにくくなります。
Derby対応の有無で分けた実績と経験の確認
「Javaに強い」「データベースに強い」という説明だけでは不十分です。
まず、Derbyの組み込みかNetwork Serverか、Javaのバージョン、アプリケーションフレームワークを伝えます。続けて、データ量と同時接続数も示します。
そのうえで、類似するJava/JDBC資産の調査、DB移行、切替を担当した経験があるかを確認してください。公開できる社名や金額がない場合は、匿名化した工程例でも構いません。どこまで担当し、どのようなテストを行ったかを説明してもらいます。
移行先DBとテスト計画まで含めた技術力の評価
Apache Derbyの10.17.1.0はJava SE 21以上を対象とし、JDBC 4.2をサポートしています(出典: Apache Derby 10.17.1.0 Release、2023年)。ただし、既存環境がJava 8、11、17の場合は、JDKの更新とDB移行の影響を同時に受ける可能性があります。
SQLの予約語やNULL、日付の扱いを検証します。採番やLOB、トランザクション、文字コードも確かめます。そのうえで、業務シナリオや性能、障害、バックアップ復元、セキュリティの試験を工程として見積もれる会社を選びます。
プロジェクト管理と納品範囲の確認
要件定義から運用引き継ぎまで、工程ごとに責任者を明確にしてもらいます。次に、月次の進捗や課題、リスク、変更管理の進め方を確かめます。
納品物には、ソースコード、DB定義、SQL、データ移行手順を含めてもらうとよいでしょう。さらに、テスト仕様書と結果、監視設計、バックアップ・復元手順、障害対応手順も含めると、ベンダーロックインを抑えられます。
見積もりは、初期開発費だけでなく、3〜5年の総保有コストで比べます。その際、年間保守を初期費用の10〜20%程度とする一般的な目安も参考になります(出典: 業務システム全般の費用整理、2026年)。
よくある質問

Apache Derbyの会社選びでは、退役後も使えるのか、どの会社に相談できるのか、費用はいくらかという疑問が多くあります。発注前に特に確認されやすい質問へ、直接答えます。
Apache Derbyを新規の業務システムに採用しても問題ありませんか?
新規の業務システムでは、原則として保守とセキュリティ対応が継続している代替DBを第一候補にすることをおすすめします。Derby公式は2025年10月10日に退役し、開発とバグ修正を終了しているためです。
どうしても採用する場合は、まず社内で保守責任を負える体制を整えます。そのうえで、脆弱性調査やJava更新、バックアップ復元、将来移行の予算と期限を決めてから判断してください。
既存のApache Derbyシステムはすぐに停止して移行すべきですか?
すぐに停止するよりも、まず現行環境と業務への影響を調べ、延命と移行を並行して計画するのが現実的です。
利用中のDerbyバージョンやJDKを一覧にします。データ量と増加率、同時接続数もあわせて整理します。さらに、障害時の復旧時間と外部連携も洗い出し、代替DBのPoCでSQL互換性と性能を確かめます。
移行期限、切替リハーサル、ロールバック条件を合意できれば、業務を止めるリスクを抑えながら移行できます。
Apache Derbyの移行やシステム開発にはいくらかかりますか?
費用は規模によって変わりますが、技術検証なら50万〜150万円、小規模な社内業務システムなら150万〜500万円、既存Derby資産のDB移行なら300万〜1,200万円程度を、初期の検討レンジに置けます。これはDerby公式の価格表ではありません。2026年の業務システム開発の相場と、Java/JDBC移行の作業を組み合わせた目安です(出典: 業務システム開発の費用相場、2026年)。
実際の金額は、現行調査の範囲や画面数、外部連携、データ量で変わります。停止できる時間や性能要件も関わるため、工程別の見積もりを取得してください。
まとめ

Apache Derbyのシステム開発会社を選ぶときは、Derbyに詳しいと名乗る会社を探すだけでは不十分です。2025年10月にDerbyの開発とバグ修正が終了しているため、Java/JDBC資産を調査し、業務を止めずに保守・移行・運用できる提案かどうかを見極める必要があります。
今回紹介した6社の使い分け
株式会社riplaは、業務整理から開発、定着まで一気通貫で相談したい企業に向いています。大規模なJava業務システムならNTTデータ、既存アプリケーションのモダナイゼーションならIBMが候補になります。開発から運用・監視まで含めて考えたい場合はSCSK、Java基盤と安定運用を重視するなら富士通、Java資産の可視化と段階移行を重視するならNECが候補です。
5社については、Apache Derby専用の公式サポートを断定していないため、対応可否は必ず個別に確認してください。
発注前に同じRFPで6社を比べる方法
問い合わせの時点で、Derbyのバージョンや、JDK、構成、データ量、利用者数をまとめておきます。さらに、主要SQLや外部連携、バックアップ方法、障害時の復旧目標も書き出しておきます。
そのうえで、現行調査と継続利用、代替DBへの移行を分けた提案を依頼してください。クラウド化やテスト、切替、保守も、それぞれ区切って出してもらいます。
初期費用だけでなく、3〜5年間の保守・クラウド・移行準備費用まで比べると、自社に合うパートナーを選びやすくなります。
▼全体ガイドの記事
・Apache Derbyのシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
