勤怠管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

勤怠管理システムの開発費用は、勤務形態の複雑さ、打刻方式、外部システムとの連携範囲によって、100万円から2,000万円以上まで大きく変わります。

規模や勤務形態の組み合わせによっても費用は変わり、前提がそろっていない見積もりは比べられません。全体像は、勤怠管理システム開発の完全ガイドもご覧ください。

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勤怠管理システム開発の費用相場とコスト構造

開発費用は、システムの規模、機能の複雑さ、開発会社の規模、契約形態によって異なります。

全体の費用感とコスト構造をつかんでおくと、予算計画の精度を高められます。

開発費用の全体感

規模と勤務形態を分けて見ると、開発費用の目安を比較しやすくなります。

  • 小規模:50名以下で100万〜500万円
  • 中規模:100〜500名で500万〜2,000万円
  • 大規模:500名以上で2,000万円以上

小規模はシンプルな勤務形態、中規模は複数の勤務形態を前提にしています。さらに大規模では、複数拠点と複雑な勤務形態を含む想定です。

クラウド型SaaSをベースにしたカスタマイズ開発は、同規模のスクラッチ開発より30〜60%程度に抑えられる場合があります。

初期費用とは別に、年間の保守・運用費用も継続してかかります。保守・運用費用の目安は、初期費用の10〜20%程度です。

法改正への対応費用が毎年発生する可能性もあるため、保守契約に何が含まれるかを、契約前に確かめておきます。

費用の内訳と比率

見積もりを読むときは、工程ごとの比率と作業範囲を分けて確認します。

  • 要件定義・業務分析:就業規則や勤務形態を整理
  • 設計:画面、DB、外部連携の仕様を設計
  • 開発・実装:打刻、集計、申請などを実装
  • テスト・品質管理:計算と給与データを検証
  • 環境構築・定着支援:利用環境と導入を支援

要件定義・業務分析は全体の15〜20%を占めます。就業規則の分析や勤務形態の整理、To-Be設計、要件定義書の作成に工数がかかり、とくに勤怠管理では、法令要件の確認と計算ロジックの仕様化に時間がかかります。

設計は全体の10〜15%で、基本設計と詳細設計に加えて、画面設計、DB設計、連携設計を含みます。

開発・実装は全体の40〜50%で、開発全体で最大のコスト項目です。打刻機能や集計ロジックを作るほか、申請承認ワークフローと連携機能も組み込みます。

テスト・品質管理は10〜15%で、計算ロジックやユーザー受け入れ、給与システムとのデータ突合を確認します。

インフラ・環境構築は5〜10%で、サーバー、クラウド環境、打刻デバイス連携の設定を行います。

リリース・定着支援も5〜10%です。マニュアル作成、操作トレーニング、ヘルプデスクの初期対応まで含みます。

スクラッチ開発 vs SaaSカスタマイズの費用差

構築方式を比べると、費用と対応力のどちらを優先するかが見えてきます。

  • スクラッチ開発:自社要件への対応力が高い方式
  • SaaS導入:月額数千円〜数万円で標準機能を使う方式
  • SaaSカスタマイズ:標準機能と独自要件を組み合わせる方式

スクラッチ開発はゼロから構築するため、就業規則や勤務形態、業務フローに完全に対応できます。その反面、費用と期間は最も大きくなります。

クラウド型SaaSには、KING OF TIME、ジョブカン、マネーフォワードHRなどがあります。

そのまま導入する場合にかかるのは、月額数千円〜数万円のサブスクリプション費用だけです。

そのまま導入すると、最もコストを抑えられます。ただし、自社固有の要件への対応には限界があります。

SaaSをベースにしたカスタマイズ開発は、標準機能を活かしながら独自要件を追加で実装する方式です。

たとえば、予算が限られる場合は、まずSaaSを使い、要件が明確になってから追加開発する進め方もあります。

ポイント

予算は、初期費用と年間の保守・運用費用を分けて立てます。構築方式によって費用差が大きいため、スクラッチ開発とSaaSカスタマイズを同じ前提で比べると、判断しやすくなります。

機能・規模別の費用目安

勤怠管理システムの小規模・中規模・大規模それぞれの費用目安を並べた図解。
対象規模の区分に応じて、費用レンジを見比べられます。

費用は、勤務形態の複雑さと実装する機能の範囲によっても変わります。

規模ごとに、どこまでの機能を含むかを見ると、費用の目安を理解しやすくなります。

小規模システム(100万〜500万円)

小規模では、対象人数と勤務形態を絞ったうえで、基本的な勤怠機能を実装します。

  • 対象規模:50名以下、1〜2拠点
  • 勤務形態:固定時間制のみ
  • 基本機能:打刻、集計、休暇管理、CSV出力

打刻はPCブラウザまたはスマートフォンに対応し、勤務時間の自動集計、残業時間の見える化、有給休暇の残日数管理も行います。

月次の勤怠データはCSVで出力し、給与計算へは手動で取り込みます。

SaaSベースのカスタマイズ開発なら100〜300万円台で構築できる場合があり、スクラッチ開発では300〜500万円が目安です。

なお、APIによる給与計算システムとの自動連携は含まれていません。連携機能が必要な場合は、その分の費用が上乗せになります。

中規模システム(500万〜2,000万円)

中規模では、複数の勤務形態と拠点を扱い、外部連携も組み込みます。

  • 対象規模:100〜500名、複数拠点
  • 勤務形態:固定時間、フレックス制、シフト制
  • 連携:給与計算・人事システムとのAPI連携

打刻は、ICカード、スマートフォン、PCの複数方式に対応します。残業、有給、特別休暇の申請承認ワークフローも含まれます。

36協定アラート、管理者向けの勤怠集計レポート、人事システムとのAPI連携も対象です。

費用はクラウド型かオンプレミス型かによって変わり、マルチデバイス対応の品質レベルや連携するシステム数も影響します。開発期間は6〜12ヶ月が一般的です。

大規模・複雑なシステム(2,000万円以上)

大規模では、多拠点、多様な勤務形態、複数の外部システムを扱います。

  • 対象規模:500名以上、グループ会社を含む多拠点
  • 連携先:複数の給与計算・人事システム
  • 高度な要件:認証、海外対応、複雑な計算

多様な雇用形態と勤務形態が混在するケースを想定します。生体認証は、指紋認証や顔認証を含む高度な打刻デバイスを管理します。

海外拠点やグローバル展開、高いセキュリティ要件にも対応します。金融・医療などの要件を含むほか、みなし残業や固定残業、各種手当の自動計算も対象です。これらが加わると、費用は一段と増えます。

開発期間は12ヶ月以上が一般的です。規模によっては、並行稼働期間を含めて2年近くかかる場合もあります。

ポイント

同じ規模の区分でも、勤務形態や連携先の数によって費用は動きます。自社がどの区分に近いかは、勤務形態と連携の要件から先に決めておくと、目安を比べやすくなります。

費用を左右する要因

勤怠管理システム開発の費用要因として、勤務形態・就業規則、打刻方式・デバイス、外部システム連携を示す図解。
見積もりの前提をそろえる際は、この3領域を押さえます。

主なコスト要因を把握しておくと、予算計画の精度を高められます。そのうえで、費用対効果の高い開発範囲を組むため、勤怠管理に固有の条件を確かめます。

勤務形態・就業規則の複雑さ

対応する勤務形態と就業規則の複雑さは、費用に大きく影響します。

  • 固定時間制:一般的な9〜18時のみなら比較的シンプル
  • フレックスタイム制:清算期間などの計算が必要
  • シフト制:変更承認や複数パターンを管理

フレックス制やシフト制と組み合わせて、裁量労働、高度プロフェッショナル制度、テレワークを扱うと、計算ロジックが複雑になります。

フレックスタイム制では、清算期間が1ヶ月または最大3ヶ月に及びます。そのため、期間をまたぐ時間外労働や、コアタイムなしの深夜割増も計算する必要があります。

シフト制では、シフトパターンや変更承認、当日の急な変更への対応が必要です。また、勤務形態が多いほど工数が増え、要件定義から設計、実装、テストまで影響が広がります。

打刻方式・デバイスの種類と数

打刻方式と対応デバイスの数も、見積もりの幅を左右します。

  • PCブラウザ:最もシンプルで低コスト
  • ICカード:カードリーダーとの連携が必要
  • スマートフォン:iOS・Android対応の開発工数が発生
  • 生体認証:指紋認証・顔認証デバイスを統合
  • GPS打刻:位置情報と安全性への対応が必要

PCブラウザだけならシンプルですが、デバイスが増えるほど費用も増えます。スマートフォンアプリは、Webアプリとは別に開発工数がかかります。

GPS打刻では、テレワークや外出先での位置情報付き打刻を実装します。位置情報を扱うため、セキュリティとプライバシーへの配慮も追加の工数になります。

入退室管理システムやセキュリティゲートとの連携には、連携設計・実装費用が加算されます。

外部システム連携の数と複雑さ

連携先の数と仕様を早期に確定すると、見積もりの前提をそろえられます。

  • 給与計算:API連携が必要になることが多い
  • 人事システム:社員・組織情報を連携
  • 入退室・精算系:管理や申請データを連携

給与計算の連携費用は、クラウド型給与計算SaaS、大手給与パッケージ、自社独自システムで変わります。人事システムでは、社員情報と組織情報のマスタデータを連携します。

入退室管理、交通費精算、経費管理など、連携先が増えるほど費用が上積みされます。APIが公開されていない場合は、スクレイピングやCSVによる手動連携が必要です。

手動連携は利便性が下がる一方で、コストを抑えられる選択肢です。連携要件を早期に確定させて見積もりに含めておくと、比較の前提がそろいます。

ポイント

費用を大きく動かすのは、勤務形態の複雑さ、打刻方式とデバイスの種類、連携先の数の3点です。依頼前にこの3点の条件を決めておくと、各社の見積もりを同じ前提で比べられます。

見積もり依頼の進め方

複数社の見積もりを比べる際に確認する、要件定義・計算ロジック・データ突合・保守契約のチェック項目。
4項目をそろえると、各社の見積もりを同じ軸で追えます。

費用感をつかむには、複数の開発会社から見積もりを取って比べます。ただし、依頼前に自社の情報を整理しておかないと、前提の違う見積もりが集まり、比べられなくなります。

見積もり前に準備すべき情報

勤務形態や連携の範囲は見積もり額を大きく左右するため、依頼の前に次の8項目を整理しておきます。

  1. 従業員数と拠点数:現在と将来の見込み
  2. 勤務形態の種類と該当人数:固定時間・フレックス・シフト・裁量労働など
  3. 打刻方式:PCブラウザ・スマートフォン・ICカード・生体認証
  4. 申請承認:残業・有給・特別休暇・テレワーク申請と承認ルート
  5. 外部連携:給与計算・人事・入退室管理とAPI仕様の有無
  6. 構築方式:クラウド型またはオンプレミス型の希望
  7. スケジュール:開発開始時期・リリース目標時期・給与締め処理への対応期限
  8. 予算感:大まかな上限でも提示すると精度が高まる

これらを整理しておくと、各社の見積もりを同じ前提で比べられます。

ベンダー選定時の費用比較ポイント

複数社を比べるときは、合計金額だけで判断せず、作業範囲をそろえて確認します。

  • 要件定義:就業規則分析のフェーズを含むか
  • 計算ロジック:すべての勤務パターンと例外処理のテストを含むか
  • データ突合:給与計算システムとの確認を含むか
  • 保守契約:法改正対応の内容と費用が明記されているか
  • 定着支援:リリース後の期間と内容が含まれるか

各社の見積もりに含まれる範囲が違うと、金額を単純に比べられません。たとえば、「法改正への対応は別途費用」という条件があるかどうかで、長期的な総コストが大きく変わります。

ポイント

見積もりは複数社から取り、従業員数や勤務形態、連携先の条件をそろえたうえで比べます。金額だけでなく、作業範囲と保守の扱いまで含めて判断の材料にします。

費用を抑えるためのアプローチ

予算に対する効果を高めるには、開発範囲を設計する段階から費用対効果を考えることが大切です。

勤怠管理では、SaaSの活用、段階的な拡張、業務フローの標準化が有効です。

クラウド型SaaSの活用によるコスト削減

法令対応が求められる勤怠管理では、クラウド型SaaSの選択肢が充実しています。

  • 標準機能:勤務形態、休暇、残業を管理
  • 申請と打刻:承認ワークフローとスマートフォン打刻
  • 保守負担:インフラやパッチ適用の負担を削減
  • 導入判断:無料トライアルで対応可否を確認

SaaSの多くは、標準的な勤務形態、有給管理、残業管理に対応します。

申請承認ワークフローやスマートフォン打刻も備え、法改正にはベンダーが対応します。

SaaSなら、スクラッチ開発より初期費用を抑えられるうえ、インフラ管理やセキュリティパッチ、更新にかかる保守費用も減らせます。

就業規則が標準機能の範囲に収まるなら、SaaSが最も費用対効果の高い選択肢になります。そのうえで、無料トライアルで対応可否を確かめ、カスタマイズや独自開発が要るかを判断します。

開発スコープの段階的拡張

全機能を一度に作らず、利用状況を見ながら開発範囲を広げます。

  1. フェーズ1:打刻、集計、基本ワークフローを開発
  2. フェーズ2:高度な申請ワークフローと外部連携を追加
  3. フェーズ3:高度な分析レポートを追加

段階的に進めると、初期投資を抑えながらシステムを育てられます。

将来必要になるかもしれない機能は、必要性を確かめてから追加します。こうすると、不要な開発投資を防ぎ、現場への定着を確かめながら機能を足せます。リリース後の定着率向上にも貢献します。

業務フローの標準化による開発費用削減

開発を機に業務フローを標準化すると、計算パターンを減らせます。

  • 承認ルート:部署ごとの残業申請を全社統一
  • 休暇の種類:特別休暇を整理・統廃合
  • 端数処理:打刻端数のルールを標準化

歴史的な経緯で特例ルールが積み上がり、就業規則が複雑な企業もあります。例外ルールを整理・統合し、勤務形態を標準化すると、対応する計算パターンが減ります。

計算パターンが減ると、システム側の複雑さが下がり、開発工数と費用を削減できます。さらに、業務標準化は法令面と労務リスク管理面にもメリットがあり、システム開発と合わせて取り組む価値があります。

ポイント

費用を抑える手段は、SaaSの活用、段階的な拡張、業務フローの標準化を組み合わせて考えます。いずれも開発範囲を決める段階で検討すると、効果を出しやすくなります。

勤怠管理システム開発のご相談先:ripla

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる勤怠管理システム開発会社です。

就業規則の分析、費用対効果の高いスコープ設計、SaaSカスタマイズとスクラッチ開発の判断を支援します。

設計や実装から給与システムとの連携、定着支援まで、プロジェクト全体をサポートします。

初回相談と費用感の提示は無料です。まずはお気軽にご相談ください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。