オーソリシステムの開発会社は、決済範囲、接続実績、障害対応と運用体制を比べると、自社に必要な役割を任せやすい会社を選べます。
取り上げる6社は、接続先や担当範囲がそれぞれ異なります。そのため、社名や規模で並べるより、担当範囲ごとに比べます。
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オーソリシステムの開発会社選びが重要な理由

オーソリシステムは、店舗やECサイトからの決済要求を受けて、カードや口座の情報、加盟店、取引条件を照合する基盤です。そのうえで、リアルタイムに承認または拒否を返します。
売上確定から入金までを一つの機能として扱うと、範囲が広がります。そのため、今回の開発範囲を最初に切り分けておくと、後の議論が整理しやすくなります。
担当範囲と責任分界の整理
加盟店側のアクワイアリング、カード発行会社側のイシュアプロセッシング、両者をつなぐゲートウェイでは、必要な知識と接続先が異なります。そのため、どこを誰が担当するかを先に確かめる必要があります。
CAFISなどの接続先や、3-Dセキュア、不正検知といった周辺機能について、どこまで自社と開発会社が受け持つかを確かめます。国際ブランド網、PSP、会員・与信・請求基幹も、同じ観点で見ます。自社と開発会社の担当を図にすると、各社の提案を同じ条件で比べられます。
事業継続を左右する非機能要件
決済を安定して続けるには、正常時の処理だけでなく、性能や障害時の対応も見ておく必要があります。
- 異常時の処理:正常時の承認に加えて、タイムアウト、再送、取消、リバーサル、重複取引までの設計。
- 障害の想定:ネットワーク分断やカード会社の停止も、設計の対象に含めます。
- 性能・可用性:平均応答時間、ピーク時TPS、同時接続数、年間停止許容時間、RTO、RPOを数値で提示できる会社を選びます。
- 障害時の対応:代行承認や切り戻し方法を確認できる会社が候補です。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。さらに、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制も整えています。
特徴と強み
決済領域と社内業務がつながる案件では、決済電文だけでなく業務フローも整理します。また、要件定義では、顧客情報や注文、会員ランクといったデータを扱います。
利用枠や売上・返金の扱い、問い合わせ、管理者権限も、同じ要件定義の範囲に入ります。さらに、既存基幹との連携方針も設計します。このように、riplaは業務課題を言語化し、必要な機能へ落とし込む進め方に向いています。
得意領域・実績
幅広い基幹システムの経験を活かし、オーソリ判定基盤や決済管理画面を含む全体設計を相談できます。
会員・顧客管理、販売管理、社内データ連携も対象です。また、大規模なカードネットワーク接続を専門会社と分担する場合にも適しています。
発注者側の業務要件、データ連携、プロジェクト管理をまとめたい企業が候補です。なお、対象範囲が未確定なら、現状整理やRFP作成から相談できます。
TIS株式会社|クラウド型オーソリ基盤と高レジリエンスに強み

TIS株式会社は、金融・決済を含む大規模システムを開発する実在企業です。2025年5月には、株式会社Kort Valutaとの共同開発の開始を発表しました。
対象はAWSクラウド基盤上の決済オーソリゼーションシステムです。また、決済事業者の内製化を支援する事例として、刷新内容を確認できます。
特徴と強み
発表内容から、TISの技術面で確認できる点を整理します。
- 高レジリエンスの知見:オーソリゼーションと、耐障害性を重視した開発の知見の提供。
- AWS上の処理:ミッションクリティカルかつ高スループットな処理の実現を目指します。
- 検証スタック:独自に動作を確かめたソフトウェアスタック「Lerna」を用います。
高可用性とスループットを検証していますが、検証環境の計測値はサービスレベルの保証ではありません。そのため、自社のピークTPSとSLAで再検証する必要があります。
得意領域・実績
TISの適用先と今後の展開について、発表内容から確認できる点を整理します。
- クラウド移行:専用ハードウェアやレガシーアーキテクチャから、クラウドへの切り替えを考えるFinTech事業者。
- 複数の支払手段:プリペイド・デビット・クレジットなどを将来扱いたい企業。
- サービス展開:共同開発後、他のFinTech・決済事業者へクラウド型オーソリサービスを広げる計画。
採用時は、対応ブランド、カード発行・残高管理の範囲、データベースやHSMの責任分界を確かめます。そのうえで、運用をどこまで内製化するかも確認してください。
株式会社NTTデータ|CAFIS接続と24時間365日の決済運用
株式会社NTTデータは、キャッシュレス決済基盤「CAFIS」を提供する大手IT企業です。CAFISセンタ間接続では、加盟店や決済代行事業者の決済サーバーとCAFISをつなぎます。
また、カード会社への与信照会などもオンラインで処理できます。国際ブランドや国内カード会社ごとの接続を一つずつ実装せず、国内決済網との接続を効率化したい場合に候補です。
特徴と強み
CAFIS経由で加盟店サーバーからカード会社などのセンターを往復する時間は、公開情報で約2秒程度とされています。なお、これは机上値です。
CAFISは東京・大阪の2センター構成です。そのうえで、カード会社センターの休止・故障時には、代行処理も提供します。接続基盤と運用設計を重視する企業にとって、この点は比較の材料になります。
得意領域・実績
店舗、EC、決済代行からカード会社へつながるアクワイアリング側の接続が対象です。国内カードやデビット、電子マネーのほか、障害時の代行処理を重視する案件に適しています。
CAFISを使っても、加盟店アプリや注文管理、独自の会員・与信ルールは自動では揃いません。そのため、担当範囲を電文・障害パターンごとに確認します。
株式会社ディーエスエス|CAFIS・CARDNET接続に詳しい専門会社
株式会社ディーエスエスは、金融システム開発を専門領域の一つとする実在企業です。公式案内では、クレジットカードのオーソリで使われるCAFIS・CARDNETとの接続実績が多数あるとしています。
ディーエスエスは、決済網との接続や周辺システムを、金融業務に詳しい開発会社へ相談したい企業に向いています。
特徴と強み
CAFIS・CARDNETは、接続仕様、電文変換、接続試験、障害時の再送や取消など、確認事項が多い領域です。そのため、接続経験がある会社なら、承認後の売上処理やタイムアウト後の状態照合まで含めて相談しやすくなります。
ディーエスエスの公式案内では、PCI DSSやFISCなど金融機関向けコンプライアンスへの対応も支援するとされています。
得意領域・実績
既存決済サーバーを活かして国内網へ接続したい企業に適しています。決済処理と会員・加盟店管理の連携や、金融機関向けセキュリティ要件の整理にも対応できます。
確認するときは、接続したカード会社・ブランド・電文種別と、開発のみか保守までかを聞きます。さらに、ピーク時の性能試験をどこまで行ったかも確かめてください。
SCSK株式会社|不正検知と高可用性を補完するベンダー
SCSK株式会社は、クレジットカード業界向けの不正検知システム「CARDSavior」や、高可用性を支える「everRun」シリーズを提供しています。そのため、オーソリ判定を一から作る会社だけでなく、不正検知や障害耐性を補うベンダーとして比較できます。
特徴と強み
CARDSaviorは、取引データによる不正チェック、加盟店・端末管理、ルール作成を支援します。さらに、スコアリングやオーソリ単位のモニタリングにも対応します。
不正利用を抑えながら承認率を高めたい場合に検討できます。なお、オーソリ処理と不正判定の応答時間は、分けて設計します。不正検知の運用も含め、審査担当者の業務まで検討の対象になります。
得意領域・実績
SCSKを候補にする場合は、不正検知の運用とオーソリ基盤との役割分担を確認します。
- 不正ルールの改善:カード会社や決済事業者で、不正の判定ルールを継続的に見直したい場合の候補です。
- 監視の強化:会員情報、取引履歴、加盟店情報を使った監視の幅を広げたい場合にも検討できます。
- everRunの利用例:SCSKの公開情報では、利用要件にクレジットカード・オーソリゼーションが挙げられています。
- 担当範囲とテスト:CARDSaviorの判定・監視と、電文処理・利用枠管理の受け持ちを明確にし、連携遅延や障害時の動作を試します。
日本電気株式会社(NEC)|店舗・端末を含む決済ゲートウェイ
日本電気株式会社(NEC)は、複数の決済手段に対応する電子決済端末「IM28」を提供しています。クレジットカードや電子マネー、QRなどを扱います。公開情報では、データセンターはPCI DSSに準拠しています。
全国の保守網で、24時間365日の決済業務を支援します。また、店舗から決済センターまでの接続を重視する場合に候補です。
特徴と強み
マルチサービスゲートウェイは、決済端末と店舗POSから決済センター、カード会社までをつなぎます。この構成では、カード会員情報の保護、端末のセキュリティ、障害時の保守窓口を一体で考えやすい点が特徴です。そのため、実店舗の多い小売・外食企業や、複数の決済手段を一つの運用にまとめたい事業者に適しています。
得意領域・実績
店舗・端末導入や決済手段の追加、POS接続で候補になります。また、決済データを活用する案件でも候補になります。一方で、カード発行会社の会員・与信・残高を扱うイシュアプロセッサとは、支援範囲が異なる場合があります。
IM28などのゲートウェイと、自社で作る判定・与信基盤との境界を確認します。さらに、PCI DSSの責任分界、保守時間、障害時のオフライン・代行処理も押さえます。
オーソリシステムの開発会社・ベンダー選びのポイント

6社を知名度や規模だけで順位づけせず、自社の役割をどこまで任せられるかで比べます。また、決済APIの接続会社と、カード会社側の判定基盤を開発する会社とでは、見積の前提も異なります。
担当範囲まで確認する実績
実績確認では、決済案件の経験だけでなく、担当範囲を具体的に聞きます。
- 立場と接続先:イシュア側かアクワイアラ側か、CAFIS・CARDNET・国際ブランドのどこに接続したか。
- 担当機能:オーソリ本体か周辺機能か、開発後の運用も含むか。
- 運用実績:障害訓練、ピーク取引量、移行期間、切り戻しの実績。
可能であれば、匿名化した構成図を提示してもらいます。公開事例が少ない領域では、守秘義務に配慮した説明の具体性が判断材料になります。
技術力とセキュリティの評価軸の統一
提案を比べる際は、性能や整合性、障害対策などを、同じ質問票で確かめます。
- 性能と整合性:ピークTPS、通常時・ピーク時の応答時間、重複排除の確認。
- 障害対策:リバーサル、2センター構成、監視、HSMの有無。
- 周辺連携:トークン化、3-Dセキュア、不正検知との関係の見極め。
PCI DSSは、カード会員データ環境を保護する国際基準です。2024年6月にはv4.0.1が公開されました。
また、2025年3月31日以降に有効化された要件もあります。そのため、「準拠済み」という表示だけでなく、保存・処理・伝送の範囲と責任分界を確かめます。
3〜5年単位での見積と運用体制の比較
企画初期の費用は、既存接続を使うか新規に構築するかで幅があります。
- 既存PSP・決済代行API接続:300万〜1,000万円。
- 国内網ゲートウェイ接続:CAFIS・CARDNETなどで1,000万〜3,000万円。
- パッケージ・クラウド型プロセッサ導入:2,000万〜8,000万円。
- 自社オーソリ基盤の新規構築:5,000万円〜3億円程度。
これらは企画初期の概算で、公的な一律の相場ではありません。金額は、取扱高やピークTPS、接続ブランド、既存基幹で左右されます。
費用は、2センター、監査範囲、24時間運用の有無でも変わります。
参考になる近接領域の資料として、経済産業省の2026年のカードAPI連携検討資料があります。同資料では、API未対応事業者の初期対応と接続先追加で投資規模が大きく異なるという意見が示されています。ただし、オーソリ本体の価格表ではなく、既存基盤を活かせるかで費用の桁が変わることを示す公開情報です。
初期費だけでなく、3〜5年のTCO(総所有コスト)で比較します。TCOには、クラウド、ネットワーク、HSMの費用を含めます。加えて、監視、PCI DSS監査支援、ブランド仕様変更も入れます。
脆弱性対応、データ移行、障害訓練も、費用に加えてください。
よくある質問
最適な会社は、決済方式や発注範囲によって変わります。比較の初期によく出る質問を、順に並べます。
オーソリシステムと決済代行APIは何が違いますか?
決済代行APIは、決済代行会社が加盟店向けに接続やカード情報処理をまとめて提供する仕組みです。一方で、オーソリシステムは裏側でカードや取引を照合し、承認・拒否を返す判定基盤です。
案件は、API接続だけで足りるものと、独自の利用枠・会員・不正判定が必要なものに分けて検討します。
オーソリシステム開発にはいくらかかりますか?
既存API接続なら300万〜1,000万円程度から検討できます。国内網接続や複数ブランドを含めると、費用は上がります。
会員・与信、HSM、2センター、24時間運用まで含めると、数千万円から数億円規模になります。これは公開定価ではなく、企画初期の概算です。
見積は、ピークTPSや応答SLA、移行対象を記したRFPをもとに、監査や保守時間も含めて複数社に依頼します。
開発会社には何を確認すればよいですか?
まず、CAFIS・CARDNET・国際ブランドの接続実績と、イシュア・アクワイアラの対応範囲を確かめます。そのうえで、ピークTPSや応答SLA、2センターについて聞きます。さらに、障害時の代行処理とPCI DSSの責任分界も尋ねます。
3-Dセキュア、不正検知、HSMへの対応も確認します。また、トークン対応や、並行稼働・切り戻しを含む移行の進め方、運用監視も質問します。
ブランド仕様変更や契約終了時のデータ・トークン返却も確認しておくと、追加費用やベンダーロックインを抑えやすくなります。
まとめ
開発会社は、決済のどの部分を任せたいかで選びます。候補ごとに見ると、riplaは業務要件の整理と基幹連携、TISはクラウド型基盤に強みがあります。
NTTデータはCAFIS接続と運用に、ディーエスエスはCAFIS・CARDNET接続に強みがあります。SCSKは不正検知と可用性、NECは店舗・端末を含むゲートウェイが特徴です。
自社に必要な役割による候補の絞り込み
選定の前に、加盟店側かカード会社側か、オーソリ本体か接続ゲートウェイかを決めておくと、候補を絞り込みやすくなります。また、既存基幹を残すか刷新するかも整理します。
RFPには、承認・拒否だけでなく、タイムアウトや重複も含めます。さらに、リバーサルや障害切替も記載します。加えて、監査ログと保守も入れ、同じ条件で提案と見積を比べます。
最初の相談での現状と目標の整理
最初の相談では、現状の把握から開発会社への確認まで、必要な項目を順に整理します。
- 現状の整理:取扱件数やピークTPSが未確定でも、決済経路、接続先、利用枠や会員データの所在をつかめば方式を比べられます。
- 将来条件:許容停止時間や、将来追加したい決済手段を決めます。
- 開発会社との取り決め:作る機能と作らない範囲、運用分担、3〜5年のTCO、移行後の変更方法。
- 構成の選定:事業の成長に合わせて拡張できる構成を選びます。
▼全体ガイドの記事
・オーソリシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
