AWS導入・構築の費用は、AWS利用料に、設計・構築、移行・テスト、保守・運用の費用を加えて考えます。
規模別の目安は、小規模で初期20万円〜50万円、中規模で100万円〜300万円、大規模で500万円〜3,000万円以上です。月額は要件と利用サービスで変わるため、3年〜5年のトータルコストで比べます。
▼全体ガイドの記事
・AWS導入/構築の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
AWS導入/構築の費用概要

AWS導入・構築の費用は、初期費用と月額ランニングコストに分かれます。初期費用は、外部のシステム開発会社やSIerへ設計・構築を委託する費用などです。
月額は、AWSサービス利用料と保守・運用費用です。専門人材がいない場合は、外部委託も含めて予算を組みます。
費用の種類と全体像
AWS導入費用は、次のように分けて考えます。AWSサービス利用料は、EC2・RDS・S3・CloudFrontなどを使った分だけかかる従量課金です。
設計・構築費には、ネットワーク、セキュリティ、インフラ、IaC実装が含まれます。移行・テスト費は、データ移行や動作検証、性能テストに、保守・運用費は、監視や障害対応、セキュリティ管理、定期メンテナンスにかかります。
- AWS利用料:使ったサービスと量に応じて課金
- 初期作業費:設計・構築、移行・テストを含む
- 運用費:稼働後の監視・保守を含む
無料利用枠(Free Tier)では、EC2(t2.microまたはt3.micro、750時間/月)、S3(5GB)、RDS(20GB)などを12ヶ月間無料で使えます。そのため、小規模な検証環境なら、ほぼ無料で始められる場合があります。
規模別の費用目安
規模別の目安は、構成と要件の複雑さによって前後します。
- 小規模:EC2(t3.small)×1、RDS(db.t3.micro)、Route 53。初期20万円〜50万円、月額5,000円〜2万円程度
- 中規模:EC2複数台、RDSマルチAZ、ALB、CloudFront、WAF。初期100万円〜300万円、月額3万円〜15万円程度
- 大規模:マルチリージョン、DR、高度なセキュリティ、マイクロサービス。初期500万円〜3,000万円以上、月額50万円〜300万円以上
小規模の例は、コーポレートサイトやランディングページです。中規模の例は、社内業務システム、ECサイト、Webアプリケーションです。大規模の例は、基幹システムや金融系、大規模ECサイト、エンタープライズシステムです。
初期費用の内訳
初期費用は設計・構築と移行・テストに分かれます。人月換算では、AWSエンジニアは70万円〜150万円程度、AWS認定資格保有のシニアエンジニアは150万円〜200万円程度になることがあります。
設計・構築費用
稼働までの作業は、要件整理・設計・構築に分けて見ていきます。
- 要件定義・ヒアリング:小規模10万円〜30万円、大規模50万円〜100万円程度
- インフラ設計:小規模20万円〜50万円、中規模80万円〜200万円程度
- 環境構築:小規模20万円〜80万円、大規模200万円〜1,000万円以上
構築では、開発会社がVPCやサブネット、セキュリティグループ、IAMを設計し、EC2・RDS・ロードバランサー・CloudFrontを設定します。
IaCでは、TerraformやCloudFormationなどを利用できます。さらに、CI/CDやCodePipeline・GitHub Actions連携などのDevOps環境を整える場合は、50万円〜200万円程度かかることがあります。
移行・テスト費用
既存のオンプレミス環境や他のクラウドから移行する場合は、データ移行と検証の費用が追加になります。
- データ移行:中規模システムで30万円〜150万円程度
- 性能・負荷テスト:小規模10万円〜30万円、大規模50万円〜150万円程度
- セキュリティ診断:脆弱性診断やペネトレーションテストで20万円〜100万円程度
AWS DMSは比較的安価ですが、OracleからAurora PostgreSQLなどへ移す場合は、スキーマ変換にSCTの作業が必要です。
負荷テストには、Apache JMeterやLocustを使います。金融・医療・個人情報を扱うシステムでは、診断が必須となる場合があります。
月額・ランニングコストの内訳

ランニングコストは、AWSサービス利用料と保守・運用費用の2つです。初期費用だけで判断せず、3年〜5年のトータルコストで比べます。
AWSサービス利用料の目安
東京リージョンのオンデマンド料金を基準にした、主な目安です。
- EC2:t3.micro約1,800円、t3.small約3,600円、t3.medium約7,200円、m5.large約1万5,000円/月
- RDS・S3:db.t3.micro約2,000円〜3,000円、db.t3.medium約7,000円〜1万円、S3は1GB約2.6円/月
- 周辺サービス:CloudFront 100GB約1,140円、ELB月額3,000円〜1万円、WAF月額5,000円〜3万円程度
m5.xlargeは月額約3万円で、RDSのマルチAZはシングルAZの約2倍です。S3は100GBで約260円ですが、GETやデータ転送の費用が別途かかります。
WAFは、WebACL単位で約600円かかり、リクエスト課金を含めると月額はさらに増えます。構成ごとの月額の目安は、小規模Webサイトが1万円〜2万円、中規模Webアプリケーションが8万円〜20万円程度です。
保守・運用費用
MSPへの委託費は、サービス範囲と規模によって変わります。
- 最小限プラン:監視・アラート対応で月額5万円〜15万円程度
- 標準プラン:障害対応・バックアップ・パッチ適用で月額15万円〜50万円程度
- フルマネージド:最適化レポート・月次報告・性能改善で月額50万円〜150万円程度
自社で運用すれば外部費用は抑えられますが、24時間365日の対応には複数名が必要です。一方、AWSビジネスサポートは、月額1万円〜または月額費用の3%のいずれか高い方で、テクニカルサポートを24時間365日受けられます。
中規模の月額は、AWS利用料と保守運用費を合わせて20万円〜80万円程度が一般的です。
コスト最適化のポイント

オンデマンド料金を使い続けると費用は膨らみやすく、施策によっては月額を20%〜70%程度削減できるケースがあります。
適切なインスタンスタイプの選び方
まずCost ExplorerでCPU・メモリ・ネットワーク転送量を確認し、実際の使用量に合うサイズへ調整します。
- ダウンサイジング:m5.largeからt3.mediumへ変更すると月額約7,800円、約52%削減
- 世代更新:m4やt2からm6iやt3へ移行すると10%〜15%程度削減
- Graviton:対応アプリならx86比で同等性能を最大20%安くできる
AWS Compute Optimizerは使用率を分析します。平均CPU使用率10〜20%程度の過剰スペックもあるため、m5.largeで平均CPU使用率が15%以下なら、t3.mediumを検討できます。
リザーブドインスタンスとスポットインスタンスの活用
利用期間と、中断を許容できるかどうかに合わせて、料金オプションを選びます。
- RI:1年または3年のコミットで最大72%割引。前払いは全額・一部・なしの3方式
- Savings Plans:Computeは最大66%、EC2 Instanceは最大72%割引で柔軟性がある
- スポット:最大90%割引だが中断があり、バッチ・機械学習・開発・テスト向け
m5.largeは、オンデマンドで約1万5,000円、1年全額前払いで月額換算約9,000円(約40%削減)、3年で約5,800円(約61%削減)です。なお、本番では中断対策を講じたうえで、慎重に適用します。
コスト管理ツールの活用
公式ツールを定期的に使うと、無駄なコストを早く見つけられます。
- Cost Explorer:サービス・リージョン・タグ別に12ヶ月分を無料分析
- AWS Budgets:上限超過または超過見込みをメール・SNS通知
- Compute Optimizerほか:適正サイズ、未使用リソース、料金試算を支援
Trusted Advisorは、セキュリティ・可用性・性能・コストを確認できます。また、Pricing Calculatorは構成変更の試算に使えます。
一部の機能はビジネスサポート以上が必要です。そのうえで、月次レビューを運用の流れに組み込んでおきます。
見積もりを取る際のポイント
見積もりは、要件をそろえたうえで依頼します。前提が曖昧なままだと比較が難しく、後から追加費用やスコープ変更が発生します。
要件明確化と仕様書の準備
RFPに判断材料をまとめておくと、各社へ同じ条件で依頼できます。
- システム条件:目的・機能、ユーザー数・同時接続数・データ量と増加率
- 品質条件:RTO・RPO、個人情報・PCI DSS・ISO 27001などの要件
- 実行条件:外部連携、希望稼働日、移行の有無
要件定義書の作成が難しい場合は、1〜2社に要件整理だけを依頼します。その後、構築を複数社の競合見積もりにかける方法もあります。
複数社比較と注意点
最低3社、理想は5社程度に依頼し、金額だけでなく前提と体制を比べます。
- スコープ:AWS利用料、保守、テスト、文書化の含有
- 内訳:単価と人月、安価な場合の追加費用リスク
- 体制・契約:APN認定の有無、固定価格か準委任か、割引の有無
APNアドバンスドまたはプレミアコンサルティングパートナーは、実績や技術力の目安になります。要件が明確なら固定価格、不確実なら準委任のほうが柔軟です。
AWSパートナー経由では、ボリュームディスカウントを受けられる場合もあります。
まとめ
AWS導入費用は、規模・要件・発注先・サービス構成によって変わります。目安は、小規模で初期20万円〜50万円・月額1万円〜10万円、中規模で初期100万円〜300万円・月額10万円〜50万円、大規模で初期500万円〜3,000万円以上・月額50万円〜300万円以上です。
費用を抑えるには、RI(最大72%割引)やスポット(最大90%割引)、Savings Plansを使い分け、公式ツールで無駄を見つけます。そのうえで、詳細なRFPをもとに最低3社へ依頼します。判断では、初期費用だけでなく3年〜5年の費用対効果で見ます。
▼全体ガイドの記事
・AWS導入/構築の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
