AWS導入/構築の開発期間・スケジュール・納期について

AWSの導入・構築プロジェクトを検討する際、経営層や情報システム部門が最初に気にするのが「どのくらいの期間で立ち上がるのか」「いつ本番稼働できるのか」という開発期間・スケジュール・納期の見通しです。オンプレミスと異なり、AWSではEC2やRDS、S3といったリソースを数分で用意できるため、期間を決めるのはハードウェアの調達ではなく、要件定義・アーキテクチャ設計・データ移行・テストといった人の作業工程です。つまり「クラウドだから早く終わる」という漠然とした期待だけで進めると、サービス選定やマルチアカウント設計、データ移行の見積もりの甘さから、想定した納期を大きく超過してしまうことが珍しくありません。AWSは国内のパブリッククラウド市場で長年にわたり高いシェアを維持してきた実績があり、豊富なサービス群とAWS Well-Architected FrameworkやLanding Zoneといった設計の指針が整っている一方で、その豊富さゆえに「どのサービスをどう組み合わせ、どの順序で構築するか」という設計判断がスケジュールを大きく左右します。

本記事では、AWS導入・構築プロジェクトの開発期間・スケジュール・納期に焦点を当て、AWS導入・構築が対象とする範囲と開発工程の全体像、規模別・フェーズ別の期間の目安、開発期間に影響するAWS特有の要因(サービス選定とWell-Architectedレビュー、マルチアカウント設計・Landing Zone整備)、納期遅延の典型要因と対策、そしてスケジュールを守るための発注・体制づくりのポイントまでを、AWSというプラットフォームに固有の観点から体系的に解説します。AWSでプロジェクトを計画する担当者が現実的な納期を描き、遅延を未然に防ぐための判断軸が身に付く内容です。

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AWS導入・構築の全体像と開発の進め方

AWS導入・構築の全体像と開発の進め方

AWS導入・構築プロジェクトの開発期間を見積もるには、まず「そのプロジェクトが何を対象としているのか」と「どのような工程で進むのか」を押さえる必要があります。ここでは、AWS導入・構築が対象とする範囲を整理したうえで、要件定義からリリースまでの開発工程の全体像を解説します。

AWS導入・構築が対象とする範囲

AWS導入・構築のプロジェクトは、大きく三つの型に分けて考えると整理しやすくなります。第一が、新規システムの構築です。新たに立ち上げるWebサービスや業務システムを最初からAWS上に構築するケースで、EC2やコンテナ実行基盤(ECS・EKS・Fargate)、RDS、S3、CloudFront、Route 53などを組み合わせてアプリケーションの実行環境を作り上げます。既存資産の制約が少ないため、マネージドサービスを最大限に活かした設計がしやすく、比較的スケジュールを引きやすい型です。第二が、既存システムのクラウド移行(マイグレーション)です。オンプレミスで稼働している基幹システムや業務システムをAWSへ引っ越すケースで、サーバーをそのまま持ち上げるリフト&シフトから、RDSやLambda、S3といったマネージドサービスへ作り替えるモダナイゼーションまで幅があり、既存システムの調査・データ移行・連携維持が期間を大きく左右する、見積もりの難しい型です。第三が、マルチアカウント基盤の整備です。全社でAWSを本格活用するにあたり、AWS OrganizationsやControl Towerを用いて複数のAWSアカウントを一元的に統制し、セキュリティ・課金・監査の土台を整えるケースで、いわゆるLanding Zoneの構築がこれにあたります。個別システムの構築に先立って、あるいは並行してこの基盤整備を行うかどうかで、プロジェクト全体の期間感が変わります。自社の案件がどの型に当たるのか、あるいは複数の型が組み合わさるのかを最初に見極めることが、現実的な納期を描く出発点になります。

開発工程の全体像(要件定義からリリースまで)

AWS導入・構築プロジェクトは、一般的に要件定義、アーキテクチャ設計、構築・移行、テスト、リリースという工程で進みます。要件定義では、システムに求める機能要件に加えて、可用性・性能・セキュリティ・拡張性といった非機能要件を数値目標として明確にします。AWSではこの非機能要件がそのままサービス選定やアーキテクチャ設計に直結するため、ここでの詰めの甘さが後工程の手戻りを招きます。次のアーキテクチャ設計では、要件をもとにどのAWSサービスをどう組み合わせるかを決め、VPCによるネットワーク設計、IAMによる権限設計、可用性を確保するための複数アベイラビリティゾーン構成などを固めていきます。この段階でAWS Well-Architected Frameworkの観点からレビューを行い、設計の妥当性を確認するのが望ましい進め方です。構築・移行では、設計に基づいて実際にAWS環境を作り込み、既存システムからのデータ移行やアプリケーションの配置を行います。近年はCloudFormationやTerraformといったIaC(Infrastructure as Code)でインフラをコード化し、環境構築を自動化・再現可能にする進め方が主流です。テストでは、機能テストに加えて負荷テストや障害試験を行い、想定したピークアクセスに耐えられるか、障害時に自動復旧するかを検証します。最後のリリースでは本番切り替えと初期の安定稼働確認を行い、CloudWatchやCloudTrailによる監視・監査の運用体制へと引き継ぎます。これらの工程は一直線に進むとは限らず、PoC(概念実証)を挟んで設計の妥当性を早期に確かめたり、移行対象を分割して段階的にリリースしたりと、案件に応じて組み替えることになります。

規模別・フェーズ別の開発期間の目安

規模別・フェーズ別の開発期間の目安

AWS導入・構築の期間は、システムの規模と、各フェーズにどれだけの工数を配分するかによって決まります。ただし、AWSは同じ「中規模」でも、リフト&シフトで素早く移すのか、マネージドサービスへ作り替えるのかで工数が大きく変わるため、月数だけで一律に語るのは危険です。ここでは、費用レンジを規模感の代理指標として用いながら、フェーズ別の工数配分を軸に期間の目安を解説します。

小規模・中規模・大規模での期間感

検証環境の構築や小さな機能をAWS上に立ち上げる小規模な取り組みは、費用にして20万〜30万円程度が一つの目安です。EC2を一台、RDSを一台、Route 53を組み合わせたシングル構成で設計から動作確認までを行うレベルで、期間としては数週間程度で立ち上がるのが一般的です。単一システムの構築や比較的シンプルなクラウド移行を含む小規模全体でも、20万〜150万円程度に収まります。次に、業務システムの新規構築や、ある程度まとまった規模の既存システムのクラウド移行を伴う中規模のプロジェクトは、150万〜500万円前後が目安になります。VPCの設計、複数アベイラビリティゾーンによる可用性確保、RDSやS3、CloudFrontを組み合わせた本格的な構成となり、要件定義から本番稼働まで数か月規模を見込むのが現実的です。そして、基幹システムの構築やSaaSの立ち上げ、全社的なマルチアカウント基盤の整備を含む大規模なプロジェクトになると、500万〜3,000万円以上に達し、期間も半年から一年以上に及ぶことも珍しくありません。これらの数字はあくまで目安であり、同じ費用帯でも、リフト&シフトのように既存構成をそのまま持ち上げる進め方と、マネージドサービスへ作り替えるモダナイゼーションとでは工数が大きく異なります。自社の案件がどの型でどの規模に当たるのかを踏まえ、費用レンジを物差しにしつつフェーズ別の工数配分で期間を積み上げていくのが、精度の高い見積もりへの近道になります。

要件定義・設計に工数の20〜30%を割くべき理由

AWS導入・構築のスケジュールを健全に保つうえで、ぜひ意識していただきたいのが、要件定義・設計フェーズに全体工数の20〜30%程度を充てるという配分です。実装を早く始めたい気持ちからこの上流工程を圧縮してしまうプロジェクトは少なくありませんが、それはかえって期間を延ばします。その根拠となるのが、いわゆる「デバッグコストの法則」です。開発に着手した後で仕様変更や要件の見落としが発覚した場合、その修正にかかるコストは、要件定義の段階で修正する場合に比べて10倍以上に膨れ上がるとされています。AWSの構築では、この法則の影響が特に大きく現れます。VPCのネットワーク設計やIAMの権限設計、アカウント分割の方針といった土台にあたる部分は、構築が進んでから作り直そうとすると、その上に載せたあらゆるリソースに影響が及び、広範囲の作り直しを強いられます。だからこそ、上流工程で非機能要件を数値まで落とし込み、アーキテクチャの妥当性をAWS Well-Architected Frameworkの観点で検証しておくことが、結果的に全体の期間短縮につながります。

開発期間に影響するAWS特有の要因

開発期間に影響するAWS特有の要因

AWS導入・構築の期間は、一般的なシステム開発と共通する要因だけでなく、AWSというプラットフォームに固有の要因によっても大きく変動します。豊富なサービス群からどれを選ぶかという設計判断、そして複数アカウントをどう統制するかというガバナンス設計は、AWSならではの検討事項であり、これらにかける時間がプロジェクト全体の期間を左右します。ここでは、サービス選定とアーキテクチャ設計、そしてマルチアカウント設計・Landing Zoneの整備という、二つのAWS特有の要因について解説します。

サービス選定・アーキテクチャ設計とWell-Architectedレビュー

AWSには数多くのサービスが用意されており、同じ要件を満たすにも複数の実現手段が存在します。たとえば、アプリケーションの実行基盤一つをとっても、仮想サーバーのEC2上に自前で構築するのか、コンテナをECSやEKS、Fargateで動かすのか、あるいはLambdaによるサーバーレスで組むのかで、開発の進め方も工数もまるで変わります。この「選択肢の多さ」はAWSの強みである一方で、選定に時間をかけすぎると、それ自体がスケジュールを圧迫する要因になります。そこで有効なのが、AWS Well-Architected Frameworkを設計の羅針盤として使うことです。運用上の優秀性・セキュリティ・信頼性・パフォーマンス効率・コスト最適化・持続可能性という六つの柱の観点から選定と設計を評価することで、場当たり的な判断を避け、要件に対して過不足のない構成を効率的に導き出せます。このWell-Architectedレビューは、構築がすべて終わった後に行うと大きな手戻りになるため、設計フェーズで一度行い、さらにPoCや構築の一環として要所で挟むことで、設計の妥当性を早期かつ継続的に確認するのが望ましい進め方です。EC2上に自前でミドルウェアを構築する代わりに、RDSやLambda、S3といったフルマネージドサービスを活用すれば、インフラの構築・管理工数を大幅に削減でき、結果として開発期間の短縮につながります。

マルチアカウント設計・Landing Zone整備にかかる期間

全社的にAWSを本格活用する場合、個々のシステムを構築する前に、あるいは並行して、複数のAWSアカウントをどう束ねて統制するかという設計が必要になります。開発・検証・本番といった環境ごと、あるいは部門・システムごとにアカウントを分割し、それらをAWS Organizationsで一元管理する構成が一般的です。この際、AWS Control Towerを用いると、ベストプラクティスに基づいた初期環境のテンプレートであるLanding Zoneを比較的短期間で立ち上げられます。Landing Zoneには、アカウントの階層構造、共通のセキュリティガードレール、集約したログ管理、統一した課金の仕組みといった、全社利用の土台となる要素が含まれますが、この基盤整備は個別システムの構築とは別に相応の工数を要する工程であり、プロジェクト全体のスケジュールに織り込んでおく必要があります。マルチアカウント設計を後回しにして個別システムを先に作り込むと、後からガバナンスの枠組みに載せ替える際に、権限設計やネットワーク構成の見直しといった手戻りが発生しかねません。逆に、Landing Zoneを最初に整えておけば、その上に構築する各システムは共通のセキュリティ・監査基盤を前提に設計できるため、二つ目、三つ目のシステム構築は加速していきます。つまり、マルチアカウント基盤の整備は初期にまとまった期間を要する投資である一方、全社でAWS活用を広げていく局面では、その後の各プロジェクトの立ち上げ期間を短縮する土台にもなります。

納期遅延の典型要因と対策

納期遅延の典型要因と対策

AWS導入・構築プロジェクトで納期遅延が起きるとき、その原因の多くは共通したパターンに集約されます。とりわけ、既存システムからのデータ移行にまつわる見積もりの甘さと、非機能要件の詰めの不足による手戻りは、AWS移行案件でくり返し見られる代表的な遅延要因であり、いずれも事前の対策で大きく軽減できます。ここでは、二つの典型的な遅延要因とその対策について具体的に解説します。あらかじめ落とし穴を知っておくことが、スケジュールを守る第一歩です。

データ移行・帯域幅見積もりの甘さによる遅延

AWS移行案件で最も見落とされやすいのが、データ移行にかかる時間と、その前提となるネットワーク帯域の見積もりです。オンプレミスからAWSへ大量のデータを移す際、既存の回線容量が不足していると、データの転送そのものに想定外の日数がかかり、机上では数日で済むはずの移行が実際には何倍もの時間を要することがあります。さらに、既存データが部門ごとにフォーマットの異なるまま管理されていたり、重複や不整合を含んでいたりすると、そのままではAWS側のデータベースやストレージに載せられず、データクレンジングという想定外の工数が発生します。加えて、移行対象のシステムが他システムと連携している場合、その連携をどう維持しながら切り替えるかの検討が甘いと、移行後に連携不具合が発覚して手戻りとなります。こうした遅延を防ぐには、まず移行前に自社システムを精査し、データ量・データ品質・システム連携の実態を正確に把握することが欠かせません。そのうえで、実データを用いた転送速度の検証を早い段階で行い、帯域が不足するようであれば専用線の増強やオフラインでのデータ移送手段の活用を検討します。移行対象を分割し、段階的に進めることも、想定外の事態が全体を止めるリスクを抑えるうえで有効です。

非機能要件の未定義による手戻り

もう一つの代表的な遅延要因が、スケーラビリティや可用性といった非機能要件を数値として定義しないまま構築を進めてしまうことです。機能要件はユーザーの目に見えるため議論されやすい一方で、「ピーク時に何リクエストまで耐えるか」「障害時にどれだけの時間で復旧すべきか」「どの程度の稼働率を保証するのか」といった非機能要件は、あいまいなまま先送りされがちです。ところが、これらの数値目標はAWSのアーキテクチャ設計を根本から左右します。たとえば、後から高い可用性が求められると判明すれば、単一構成で組んでいたものを複数アベイラビリティゾーンにまたがる冗長構成へ作り直す必要が生じ、急激なアクセス増への対応が求められれば、オートスケーリングを前提とした設計へと組み替えることになります。こうした設計レベルの手戻りは影響範囲が広く、当初計画に対して1.3倍から2倍程度のコスト超過を招くことも珍しくありません。この手戻りを防ぐには、要件定義の段階で業務フローを可視化し、どの処理にどれだけの負荷がかかるのかを整理したうえで、非機能要件を具体的な数値まで落とし込むことが不可欠です。そのうえで、数値目標の妥当性をPoCによる負荷検証で早期に確かめておきます。AWSは従量課金であるがゆえに、オンプレミス時代の感覚で過剰なスペックを積むとコストが高騰し、逆に見積もりが甘いと性能不足に陥るため、非機能要件を数値で握ることが、コストと期間の両面でプロジェクトの安定に直結します。

スケジュールを守るための発注・体制づくりのポイント

スケジュールを守るための発注・体制づくりのポイント

AWS導入・構築のスケジュールを守れるかどうかは、技術的な計画だけでなく、誰と、どのような体制で進めるかによっても大きく左右されます。AWSの設計・構築には専門性が求められるため、実績あるパートナーやAWS認定資格を持つエンジニアをどう確保し、自社の内製とどう組み合わせるかが、期間の予見性を高める鍵になります。ここでは、パートナー選定の見極め方と、内製と外部委託を組み合わせたハイブリッド体制の進め方について解説します。

AWS認定資格保有エンジニア・実績あるパートナーの見極め方

AWSの構築を外部に委託する場合、パートナーの技術力を見極めることがスケジュールの安定に直結します。その判断材料の一つが、AWS認定資格の保有状況です。AWSにはSolutions Architect(AssociateおよびProfessional)、DevOps Engineer Professional、SysOps Administrator、Security Specialtyといった認定資格があり、これらの資格保有者はAWSの設計・運用に関する体系的な知識を証明しています。とりわけ複雑なアーキテクチャの設計を担うSolutions Architectの上位資格保有者は市場での需要が高く、その分だけ単価も高い傾向にあります。人材の単価という観点では、初級クラスが月額25万〜50万円、ミドルクラスが50万〜80万円、シニアやアーキテクトクラスになると80万〜120万円以上が目安で、AWS認定資格を持ち設計経験が豊富なエンジニアの場合は月額100万円を超えるケースも多く見られます。安さだけでパートナーを選ぶと、経験の浅い体制ゆえに設計の見直しが頻発し、かえって期間もコストも膨らみかねません。パートナー選定にあたっては、資格の保有状況に加えて、自社と同種のシステム構築や移行の実績があるか、AWSのパートナープログラムにおいて相応の認定を受けているか、Well-Architectedの観点でレビューを行う体制があるかといった点を、発注前の打ち合わせで具体的に確認することが大切です。

内製と外部委託のハイブリッド体制での進め方

AWS導入・構築を進める体制として、近年、費用対効果の面で最も優れた現実解とされるのが、内製と外部委託を組み合わせたハイブリッド体制です。すべてを内製で賄おうとすると、AWSの高度な設計を担える専門人材の採用・育成にコストと時間がかかり、24時間の運用体制を自前で組む負担も重くのしかかります。一方で、すべてを外部に委託すると、ノウハウが社内に蓄積されません。そこで、自社の業務やサービスの中核に関わる部分は内製で握り、AWSの高度なアーキテクチャ設計やセキュリティ実装、マルチアカウント基盤の構築、そして24時間の監視といった専門領域は外部の力を借りる、という役割分担が有効になります。この進め方であれば、外部パートナーの専門性を活かして立ち上げのスピードと品質を確保しつつ、内製メンバーがプロジェクトに深く関わることで、リリース後の運用や改善を自社でリードできる素地が育ちます。また、要件が固まっている構築部分は請負契約とし、PoCや性能改善のように試行錯誤を伴う部分は準委任契約とするなど、契約形態を工程の性質に応じて使い分けると、無理のないスケジュール管理がしやすくなります。自社にどれだけのAWS人材がいるのか、リリース後に何を自社で担いたいのかを見据えて内製と外部委託の境界を設計することが、スケジュールを守りながら長期的な自走力も育てる進め方につながります。

まとめ

AWS導入/構築の開発期間・スケジュール・納期についてのまとめ

本記事では、AWS導入・構築プロジェクトの開発期間・スケジュール・納期について、対象範囲と開発工程の全体像、規模別・フェーズ別の期間の目安、開発期間に影響するAWS特有の要因、納期遅延の典型要因と対策、そしてスケジュールを守るための発注・体制づくりのポイントまでを、AWSというプラットフォームに固有の観点から体系的に解説しました。AWSでは、EC2やRDS、Lambda、S3といった豊富なサービス群からどれを選び、どう組み合わせるかという設計判断が期間を大きく左右し、AWS Well-Architected Frameworkを羅針盤として設計フェーズから継続的にレビューを行うことが、手戻りの少ない進行の鍵になります。納期遅延の多くはデータ移行・帯域幅見積もりの甘さと非機能要件の未定義による手戻りに起因するため、要件定義・設計に全体工数の20〜30%を割き、非機能要件を数値で握り、PoCで早期に検証するという上流重視の進め方が、結果的に最短の納期につながります。体制面では、AWS認定資格を持つ実績あるパートナーを見極めたうえで、内製と外部委託を組み合わせたハイブリッド体制を組むことが有効です。まずは小規模なPoCでアーキテクチャと非機能要件の妥当性を確かめ、そこで得た見通しをもとに本開発の規模とスケジュールを固めていく段階的な進め方で、AWS導入・構築を着実に成功へ導くことをお勧めします。AWSに精通した開発パートナーへの相談から始めるとよいでしょう。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。