Azure App Serviceのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Azure App Serviceのシステム開発費用は、業務の複雑さや運用要件で大きく変わります。目安は、初期費が300万〜1億5,000万円以上、月額が1万〜150万円以上です。

費用の相場、内訳、開発の進め方を順に見ていきます。

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Azure App Serviceのシステム開発費用を決める要因

Azure App Serviceのシステム開発費用は、クラウド基盤の料金だけでなく、業務アプリを作り込む工数と運用要件を合わせて決まります。特に業務システムでは、ログイン画面や一覧画面の数よりも、権限や承認、帳票、外部連携が見積もりを左右します。既存データの移行や障害時の復旧設計も、見積もりに大きく関わります。

App Serviceプランとアプリは別の単位

アプリとApp Serviceプランは別の単位なので、費用と運用への影響をそれぞれ分けて検討します。

  • アプリ:WebサイトやREST APIなどの実行単位。
  • プラン:CPU、メモリ、ストレージなどのコンピュート資源をまとめたもの。
  • 課金:Basic以上は原則として、プランのインスタンス数に応じて料金が発生します。
  • 共有:同じプラン内のアプリは資源を共有し、3アプリをまとめると費用を抑えられる場合があります。
  • 分離:性能や障害の影響を見て、開発・検証・本番やアプリごとに分けること。

公開APIの負荷が社内ポータルに影響する場合は、費用より性能や障害の分離を優先します。

環境の分離、権限、障害時の影響範囲も、プランを共有するかどうかを判断する材料です。

予算の3層:初期開発費、Azure月額費、保守改善費

初期費用だけでなく、Azure利用料と保守改善費も含めて、予算を分けて考えます。

  • 初期開発費:要件定義からリリースまでの費用。
  • Azure月額費:App Serviceやデータベースなどの利用料。
  • 保守改善費:リリース後の保守や機能改善にかかる費用。

App Serviceを使うと、サーバーOSやミドルウェアのパッチ作業は減らせます。ただし、業務変更や脆弱性対応は残ります。監視や問い合わせ、データ復旧テストも、引き続き必要です。

費目を混ぜて考えると、「クラウドだから初期費用が安い」「PaaSだから運用費はほとんどかからない」と誤解しやすくなります。

見積書では、開発会社への支払いとAzure請求を分けて見ます。さらに、保守契約内の作業と追加料金の作業も区別しておくと、予算差を抑えられます。

ポイント

費用は、業務アプリを作り込む工数と運用要件の合計で決まります。プランとアプリの単位、予算の3層に分けて見ると、見積もりの差を読み取りやすくなります。

Azure App Serviceのシステム開発費用の相場と期間

小規模・中規模・大規模のシステム開発における初期費用の目安を横棒で比較した図。
規模が上がるにつれて、費用レンジも大きく広がります。

金額は、業務システム全般の相場と、App Service固有の構成要素を踏まえた予算策定用のレンジです。

小規模は300万〜800万円、中規模は800万〜3,000万円が目安です。

基幹連携を含む大規模案件は、3,000万〜1億5,000万円以上になります。

金額は、要件と構成を置いた試算で、公式の見積もりではありません。

小規模な社内Webシステムの目安:300万〜800万円、2〜4か月

小規模システムは、数十〜数百人が使い、ログインや権限付きの登録・検索・更新を中心に行うものです。

  • 初期費用:300万〜800万円程度が目安。
  • 主な機能:登録・検索・更新、一覧、CSV出力など。
  • 構成:Azure App Service、Azure SQL Database、CI/CD、基本的なログ監視を使います。
  • 期間:移行データが少なければ、要件定義から本番まで2〜4か月程度。

承認ルートが複雑だったり、Excel帳票や他社サービスとの認証連携があったりすると、工数は増えます。

月額のAzure利用料は、開発・検証・本番を含めて1万〜8万円程度からです。

データベース性能や通信量などを条件に入れ、料金計算ツールで再計算してください。

ワークフローや外部連携を含む場合の目安:800万〜3,000万円、4〜9か月

中規模では、機能連携やデータ移行を含めて費用と納期を見積もります。

  • 対象範囲:申請・承認、部門別権限、帳票、外部API、通知を含みます。監査ログやデータ移行も対象です。
  • 初期費用:800万〜3,000万円程度が目安。
  • 開発期間:4〜9か月程度。
  • 月額Azure費:5万〜30万円程度から検討する額。

要件定義やデータクレンジングに時間がかかると、実装だけを短くしても納期全体は縮みません。

周辺には、Azure SQLやBlob Storage、Application Insightsなどが必要です。また、Key Vault、バックアップ、ネットワーク接続も見込みます。

App Service以外の周辺費が、プランの費用を上回る場合もあります。

開発環境を常時稼働させるか、検証時だけ起動するかも確認しておきます。

基幹連携や厳格なセキュリティ要件の場合の目安:3,000万〜1億5,000万円以上

大規模案件では、移行、可用性、セキュリティの各要件によって、費用と期間が変わります。

  • 構成要件:旧.NET移行、基幹との双方向連携、複数リージョン、Private Endpoint、VNet統合。
  • 追加要件:監査ログ、災害対策、数年分のデータ移行を含む場合があります。
  • 初期費用:3,000万〜1億5,000万円以上になる可能性。
  • 開発期間:9〜18か月以上を見込み、段階リリースや先行PoCを組む場合があります。
  • 月額運用費:20万〜150万円以上になる場合。

高性能プランや複数インスタンス、待機系の構成は、費用を押し上げます。データベースやネットワークの費用も加わります。WAFや監視などのほか、ログ、バックアップ、データ転送も費用の対象です。

Microsoft Learnでは、App ServiceがAzure請求全体の一部であり、連携サービスの料金も考慮するよう説明されています(出典:Microsoft Learn「App Serviceのコストの計画と管理」、2025年更新・2026年確認)。

ポイント

規模の目安は、小規模で300万〜800万円、中規模で800万〜3,000万円です。基幹連携を含む大規模は3,000万〜1億5,000万円以上になり、範囲が大きく広がります。

Azure App Serviceのシステム開発費用の内訳

システム開発費用を初期開発費、Azure月額費、保守改善費の3層に分けて示した図。
費目を分けると、初期と運用後の予算を見通せます。

見積書では、金額だけでなく、工程と構成要素ごとの費用配分も見ておきましょう。

開発費の配分の目安は、要件定義が10〜15%、基本設計が15〜20%です。

詳細設計は10〜15%、製造は30〜40%が目安です。

テストは15〜20%、移行・導入は5〜10%程度を仮に置けます。ただし、この割合は案件ごとに変わります。

初期開発費は要件定義・設計・製造・テストの工数

初期開発費は、工程ごとの作業工数で構成されます。

  • 要件定義:利用者と業務、権限、データを決めます。さらに、保存年限、連携、性能、RTO・RPOも決めます。
  • 設計:各機能とクラウド資源の役割。
  • 製造・テスト:画面やAPIを作り、単体・結合・総合のテストに加えて、負荷、脆弱性、復旧のテストも行います。

設計では、App Serviceの画面とAPIの責務を分けておきます。さらに、Azure SQLやPostgreSQL、Blob Storageなどの役割も設計に含めます。加えて、Entra IDやKey Vault、監視の役割も、同じ設計の中で決めます。

既存データの移行は、別工程として扱います。移行では、抽出や重複・表記ゆれの修正、コード変換が必要です。さらに、リハーサル、件数照合、切り戻し手順も欠かせません。

移行をCSVの取り込みだけと考えると、納期と費用が後から膨らみます。

Azure月額費は、App Serviceと周辺サービスの合計

Azure月額費は、App Serviceプランだけでなく、周辺サービスの費用も含めて考えます。

  • 基盤:App Serviceプランとデータベース。
  • 保存・監視:ストレージ、監視・ログ、バックアップ。
  • 通信・保護:ネットワーク、セキュリティサービス、データ転送。
  • 環境数:開発・検証・本番の各リソースが、固定費に影響します。

App Serviceプランだけを見て月額数千円と判断すると、実際の請求とずれる恐れがあります。アクセス数のほか、DB処理量やログ保存期間を確認します。ほかに、バックアップ世代、ファイル容量、外部API通信量も見ておきます。

見積もりを通常月と繁忙期、障害対応やバックアップ復元の月に分けておくと、予算の上振れを把握できます。

保守・改善費の一般的な置き方:初期開発費の年15〜20%

保守費と改善費は、契約の範囲を分けて見積もってもらいます。

  • 保守:障害受付から原因調査、軽微な修正まで。さらに、Azure設定、脆弱性対応、監視、バックアップ確認、問い合わせを含みます。
  • 改善:画面追加、帳票改修、外部APIの仕様変更は、別費用になる場合があります。
  • 費用目安:初期開発費の年15〜20%。3,000万円なら年間450万〜600万円。
  • 上振れ条件:24時間365日監視、厳格なSLA、複数環境、頻繁な改善では、割合を超える場合があります。

契約前には、月間の対応時間と対象外の作業を確認してください。加えて、追加改修の単価やAzure利用料を抑える支援の内容も確かめておくとよいでしょう。

ポイント

見積もりは、開発費、Azure月額費、保守改善費に分けて比べます。金額を比べるときは、この分け方がそろっているかを先に確かめてください。

Azure App Serviceの料金体系と価格帯

App Service料金は、プランの価格レベルやインスタンスのサイズと数で変わります。さらに、OSやリージョン、利用期間、他のAzureサービスの利用量も関わります。

料金ページの表示は、ドル建てやリージョン別です。そのため、為替や税、契約形態によって、日本円の請求額は変わります。

最終的な金額は、契約中のサブスクリプションとAzure料金計算ツールで確かめてください。

B1・B2・B3の月額表示例:54.75ドル、109.50ドル、219ドル

Windows App ServiceのBasicプランの表示価格例は、次のとおりです(2026年確認)。

  • B1:月54.75ドル。
  • B2:月109.50ドル。
  • B3:月219ドル。

1ドル150円で換算すると、約8,200円、約1万6,400円、約3万3,000円になります。ただし、これは為替・税・契約条件を含まない計算上の目安です。

専用コンピュートは、インスタンス数に応じて課金されます。たとえば、2インスタンスなら、1インスタンスの約2倍で試算します。

FreeとSharedは、試用・学習・開発・検証向けです。SLAがなく、本番運用向けにはサポートされていません。

この扱いは、Microsoft Azureの「App Serviceの料金(Windows)」にも記載されています(2026年確認)。

本番では、可用性や性能を基準に、Basic、Standard、Premiumなどから選びます。TLSやスケール、デプロイスロットも、選ぶ際の基準にします。

App Service以外にも、Azureサービスの費用がかかります。データ、認証、監視、ネットワークの各領域で発生します。

  • データ:Azure SQL Database、PostgreSQL、Blob Storage、バックアップ。
  • 認証・監視:Key Vault、Application Insights、Azure Monitorなど。
  • ネットワーク:DNS、Private Endpoint、VPN、WAFなど。
  • 料金要素:性能、容量、要求数、保存期間、通信量で変わる。

詳細ログを長期保存すると料金が増えるため、検索用の短期保存と監査用の長期保管は分けて考えます。

アプリを停止しても、App Serviceプランの課金が残る場合があります。そのため、夜間に使わない開発環境では、不要なプランや関連リソースの削除も検討します。

削除は設定やデータの復元に影響するため、IaC、バックアップ、再作成手順と合わせて運用してください。

費用を変動させる主な要因:インスタンス数・環境数・通信量

費用は、利用者数だけでなく、負荷、運用、契約条件によっても変わります。

  • 負荷:同時接続数、API頻度、処理時間、データ容量。
  • 運用:バックアップ世代、ログ期間、開発・検証・本番の環境数。
  • 可用性:可用性要件とリージョン。
  • 契約:OS、予約、節約プランの適用可否。

監査ログを長く保存する金融・医療系では、アクセスが少なくても、ストレージ費と運用費が上がります。

Private EndpointはBasic、Standard、Premium系のほか、IsolatedV2などで利用できます。

Microsoft Learnによると、この機能を使うと、公開ネットワークを使わずに、仮想ネットワークとPrivate Link経由で接続できます(出典:Microsoft Learn「プライベート エンドポイントを使用して App Service アプリにプライベートに接続する」・2026年確認)。

見積もりには、Private Endpointのほか、VNetやDNSを含めます。さらに、VPNやExpressRoute、監視、運用手順も見込みます。

Azure App Serviceのシステム開発の進め方

Azure App Serviceの開発を要件定義、設計、テスト・移行・リリースの順に示したフロー図。
要件と設計を固めてから、本番移行の確認へ進みます。

まず、現行業務と非機能要件を整理します。そのうえで、App Serviceを含む構成を決めます。

App Serviceは、Webアプリ、REST API、モバイルバックエンドをホストするフルマネージドPaaSです。

対応言語は、.NETやJava、Node.jsなどです。Python、PHPにも対応しています(出典:Microsoft Learn「Azure App Serviceのドキュメント」、2026年確認)。

要件定義で決める利用者・データ・性能・復旧目標

要件定義では、利用者と業務を明確にし、データと復旧目標も決めておきます。

  • 業務・権限:誰が何を登録・検索・承認・出力するかを、部署や役職ごとに整理。
  • データ:個人情報、件数と増加量、ピーク、外部連携、保存年限の確認。
  • 復旧:復旧時間を示すRTOと、戻すデータ時点のRPOの決定。

RTOとRPOが決まると、冗長化やバックアップの費用を見積もりやすくなります。

App Serviceで完結する業務と、別に分ける処理を整理します。分ける先には、Azure FunctionsやWebJobs、Logic Appsのほか、Service Busがあります。

既存の.NET資産は、リホストで済む部分と、コード修正や業務の見直しが必要な部分に分けます。

設計で先に決める環境分離・CI/CD・認証・監視

設計の段階では、環境の分離や自動配信、認証、監視の前提をそろえておきます。

  • 環境・CI/CD:開発・検証・本番を分け、自動デプロイする構成。
  • 認証:Microsoft Entra ID、Key Vault、マネージドIDの利用と、RBACによる権限の絞り込み。
  • 通信・監視:通信はHTTPSとTLS、アクセス制限まで。加えて、VNet統合、Private Endpoint、監査ログ、アラートを設計書に残します。

Standard以上であれば、デプロイスロットを使い、ステージングで確認してから本番へ切り替えられます。

Microsoft LearnではStandard、Premium、Isolatedで利用でき、切替前に検証できると説明されています(出典:Microsoft Learn「ステージング環境を設定する」、2026年確認)。

認証やネットワーク設計を後回しにすると、リリース直前に作り直すことになり、追加費用と納期の遅れにつながります。

テスト・移行・リリースで確かめる復旧と切り戻し

本番移行の前には、テストとデータ移行を確認します。切替手順と復旧方法も、あらかじめ確かめておきます。

  • テスト:権限のない利用者によるデータ閲覧、同時アクセス、外部API停止時の業務継続の確認。
  • データ移行:件数と代表データ、文字コード・日付、移行後の帳票。
  • 本番切替:手順、担当者、実施時間、バックアップ、切り戻し条件、連絡網の取り決め。

リリース後は、Application InsightsやAzure Monitorで、エラー率や応答時間を追います。CPUやメモリ、依存サービスの状態も確認します。

初月の実績を見て、プランやログ保存量を見直します。

Azure App Serviceの見積もりを取る際のポイント

相見積もりを取るときは、同じ要件書を渡したうえで、価格だけでなく成果物と前提条件を比べます。一式金額だけでは、安い理由が要件不足なのか、保守やテストが含まれていないのかを判断できません。

最初に押さえたいのは、Azure利用料と開発会社の作業費を、別々に出してもらうことです。

利用者・機能・データ・非機能要件を1枚にまとめた要件書

見積もりの前提をそろえるため、要件書に次の内容を書き込みます。

  • 利用・機能:利用者数、同時接続、画面・API、権限。通知、帳票、外部連携も含みます。
  • データ:データ件数、移行対象、保存年限、個人情報の有無。
  • 運用:稼働時間やRTO・RPOを記し、未確定の項目も明示する。

未確定の項目が残ったまま各社が見積もると、前提がばらばらになり、金額を比べられません。

利便性を優先する機能と、法令・監査で必須の機能は分けて考えます。そのうえで、最小限の業務フローで始め、第2段階へ回す機能を決めると、初期費用と失敗リスクを抑えられます。

工程別の人日・単価、Azure利用料、保守範囲を分けた提示

開発会社には、工程別の工数とAzure料金、保守範囲を分けて示してもらいます。

  • 工程:要件定義、設計、製造、テストの工数。移行、導入、管理の工数も示す。
  • 見積条件:人日と単価、担当ロール。前提、対象外作業、変更管理の方法も明記。
  • Azure料金:プラン、インスタンス数、リージョン、環境。DB性能とログ量も併記。
  • 保守:受付、初動、復旧、対応範囲。責任分界、脆弱性、復元テスト、月次報告も明記します。

ソースコードや設計書、IaCは納品されるかを確認しておきます。CI/CD設定や運用手順書の納品有無も、将来のベンダー変更や内製化に影響します。

Azureの資格に加え、業務理解と運用移行の実績

開発会社については、資格だけでなく、業界や規模、移行の難しさが近い実績を見ます。

  • 業務理解:業務要件を整理し、現場の課題を要件に反映できるか。
  • 技術設計:App Service、Azure SQL、Entra ID、Key Vaultの設計経験。
  • 運用移行:障害対応と運用引き継ぎを説明できるか。

個人情報を扱う場合は、委託先と再委託先、保管場所を確かめておきます。さらに、アクセス権や監査、事故報告、契約終了時の返却・消去も確認します。

提案書の文面よりも、要件定義の担当者や現場ヒアリングの回数、納品後の運用引き継ぎ先を見たほうが、成功確率を測れます。

ポイント

相見積もりでは、同じ要件書を渡し、Azure利用料と開発会社の作業費を別々に出してもらいます。保守やテストの範囲も比べると、金額の差の理由を判断しやすくなります。

Azure App Serviceのコスト最適化のポイント

コスト最適化とは、必要な性能・可用性・セキュリティを満たしながら、使っていない資源を減らし、利用量に合った構成へ継続的に調整することです。最初から最も安いプランを選ぶことは、その中に含まれません。

Azure料金は要件と利用実績で変わるため、導入時と運用開始後の両方で見直します。

環境とアプリの共有と、負荷に合わせたスケール

プランは、環境の稼働時間とアプリの分離要件に合わせて使い分けます。

  • 開発・検証:本番同等の高性能環境は常時稼働させず、必要な時間だけ起動。
  • 共有:安全に共有できるアプリを、同じプランにまとめること。
  • 分離:負荷や障害の影響を分けたいアプリは、別プランに置くこと。

Standard以上の自動スケールは、CPU、メモリ、時間帯に応じてインスタンス数を調整します。

Microsoft Learnでも、低利用時に余分なインスタンスを減らす方法が案内されています(出典:Microsoft Learn「App Serviceのコストの計画と管理」、2025年更新・2026年確認)。

急な負荷に備えて上限を決め、データベース性能やスケール時のセッション設計も検証しておきます。

長期利用の予約・節約策と、予算超過の監視(Cost Management)

本番の必要インスタンス数が1年以上ほぼ一定なら、予約や節約策を検討できます。

  • 対象:条件に合うPremium V3などのコンピュート。
  • 予約期間:1年または3年から選べます。
  • 削減率:インスタンスあたり最大55%。
  • 予算監視:Azure Cost Managementで見る実績、サービス別・環境別費用、予測。

予約期間中は、使わなくても支払いが発生します。そのため、利用量が安定してから適用します。開発環境や短期案件には、安易に使わないようにします。

サブスクリプションやリソースグループに予算を設定します。さらに、「開発」「検証」「本番」「部門」「案件」のタグで、利用元を追えるようにします。予算アラートは、担当者が見直すきっかけとして使います。

標準機能の優先と、作り込み・ログ・バックアップの見直し

例外業務をすべて初期リリースに含めると、画面や処理が増えて、開発やテスト、保守が複雑になります。

  • 標準機能:必須の統制と利便性を分けたうえで、標準画面・権限・承認を優先。
  • カスタマイズ:NotebookLMの調査には、過剰なカスタマイズで予算が2,000万円から4,200万円へ増えた例があります。
  • ログ:障害調査と監査の保存期間を分け、古いログを低コスト保管先へ移す。
  • バックアップ:世代数と復元テスト頻度を、RPO・RTOに合わせる。
  • データベース:インデックスやクエリの改善と、過剰なスケールアップの回避。

ポイント

コスト最適化は、必要な性能や可用性を満たしたうえで、使っていない資源を減らすことです。導入時と運用開始後の両方で、利用量に合わせて構成を見直してください。

よくある質問(FAQ)

Azure App Serviceのシステム開発では、サービス料金と開発会社への支払いを分けて考えることが欠かせません。費用を検討する際によく挙がる質問に、前提条件を含めて答えます。

Azure App Serviceで業務システムを作る費用はいくらですか?

小規模の初期費用は300万〜800万円、中規模は800万〜3,000万円が目安です。基幹連携や厳格なセキュリティを含むと、3,000万〜1億5,000万円以上になります。

金額は、要件や開発体制、データ移行によって変わります。テストや運用設計も、金額に影響します。この金額は、App Serviceの利用料金だけを示すものではありません。

Azure App Serviceの月額料金だけで業務システムを運用できますか?

App Serviceの月額料金だけでは業務システムを運用できないため、周辺サービス費も見積もります。

  • 周辺基盤:Azure SQLなどのDB、ストレージ、監視、バックアップの組み合わせ。
  • 認証・接続:認証、秘密情報管理、ネットワークも必要。
  • 追加機能:必要に応じて、WAFやPrivate Endpointも加える。
  • 月額目安:小規模1万〜8万円、中規模5万〜30万円、基幹系20万〜150万円以上。

料金計算ツールに利用量を入れて、各構成の月額を再計算してください。

FreeやSharedプランを使えば本番費用を抑えられますか?

本番環境では、FreeやSharedを使わないでください。両プランは試用や学習、開発・検証向けです。SLAがなく、運用ワークロード向けにはサポートされていません。

本番では、可用性や性能、デプロイスロットを確認し、Basic以上やStandard以上から適切なプランを選びます。加えて、アクセス制御やPrivate Endpointも確認します。

Azure VMよりApp Serviceの方が安くなりますか?

一概にはいえません。VMとApp Serviceは、料金だけでなく、運用負担や必要な実行環境も比べて考えます。

  • App Service:OSやミドルウェアの運用をAzure側へ寄せられます。
  • 人件費:サーバー管理の人件費や作業工数を含めると、有利になる場合があります。
  • VM等が適する条件:特殊OS設定、常駐プロセス、ドライバー、完全なネットワーク分離。

これらが必要な場合は、VMやApp Service Environmentなどが適する場合があります。

比べる際は、開発・運用・障害対応を含めた総保有コストで見てください。

まとめ

Azure App Serviceの初期開発費は300万〜1億5,000万円以上、Azure月額は1万〜150万円以上が目安です。

小規模・中規模・基幹系で、構成と期間は異なります。予算には、Azure SQLや監視、バックアップも含めます。ネットワークやセキュリティ、データ移行、保守改善費も対象です。

開発費・Azure月額・保守改善費の切り分け

見積もりを依頼する前に、利用者や業務フロー、権限、データ量を整理しておきます。さらに、ピーク負荷や外部連携、個人情報を確かめ、RTO・RPOと環境数も決めておきます。

3社以上へ同じ要件を渡して、工程別の工数やAzure料金の前提を比べてください。保守範囲や追加改修の単価、納品物も、あわせて比べます。

安さだけでなく、運用と将来の改善まで含めた判断

App Serviceは、インフラ運用の負担を軽くし、業務ロジックや利用者向け機能に集中しやすい基盤です。

  • 費用:PaaSが最安とは限らず、サービス制限やデータ移行も含めた判断。
  • 運用:監視、セキュリティ、ベンダーとの責任分界。
  • 改善:初期要件の整理と、運用開始後のコスト分析の継続。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。