AKSのシステム開発費は、開発規模、ノード構成、運用範囲によって、100万円から1億円以上まで変わります。
費用の内訳、規模別の相場、費用を変える要因、コストの抑え方、見積もりで確認する点を、順に取り上げます。
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Azure Kubernetes Serviceのシステム費用の内訳と全体像
AKSの費用は、開発会社に支払う初期費用、Azureの月額利用料、保守・運用費の3つに分けて考えます。
コントロールプレーンの管理はAzureに任せられます。ただし、ノードや周辺サービスは有料です。
初期の開発・導入費の範囲
初期費用には、要件整理とAKSの適性判断、ネットワークと権限の設計が含まれます。
コンテナー化やCI/CDの構築から、テスト、移行、本番リリースまでが対象になります。
.NETやJavaのモノリス移行では、ソースの修正だけでなく、セッション管理、ファイル保存、バッチ実行も確認する必要があります。また、外部接続とDB切り替えも対象です。
単純なサーバー移設より工数が増えるのは、こうした確認が加わるためです。
見積書に「AKS構築一式」とだけ書かれている場合は、作業範囲をひとつずつ分けて確認しておきます。
- 基盤:Landing Zone、VNet、Private Cluster、Entra ID
- 周辺機能:Key Vault、ACR、監視、バックアップ
- 納品物:ロールバック、IaC、運用手順書
含まれていない作業が本番直前に追加されると、当初予算との差が大きくなります。だからこそ、作業範囲は見積もりの段階で分けておくことが大切です。
月額利用料と運用費を分けて考える理由
Azureの利用料と保守・運用費は、初期の開発費とは別に考える必要があります。それぞれの項目について、どの条件で金額が変わるかを確認しておきましょう。
AKSを導入する目的は、サーバーを持つことではなく、事業の変化に合わせて運用することです。
開発費だけで会社を選ぶと、稼働後の総額が高くなる場合があります。
- Azure月額:稼働ノード数、VMサイズ、ディスク、転送量、DB性能、ログ量、監視で変動
- 保守・運用費:24時間365日監視、脆弱性対応、Kubernetes更新、障害一次対応の範囲で変動
- AKSの効果:負荷対応、独立デプロイ、更新自動化、障害時の再配置も評価
保守を委託すると、Azureの請求とは別に月額費がかかります。
費用対効果は、初期費用だけでなく、リリース時間、障害復旧時間、担当者の工数も含めて評価します。
AKSの料金体系とAzure月額費用の内訳
AKSの管理料金層は、Free、Standard、Premiumの3種類です。Freeは開発・検証向け、Standardは本番向け、PremiumはLTSが必要な長期運用や規制業界向けです。
ただし、料金層を選んだだけでは月額は決まりません。ノードや周辺のAzureサービスの実費も別にかかるためです。
Free・Standard・Premiumの使い分け
料金層は、用途と必要なサポート期間を基準に選びます。
- Free:学習・小規模開発向け。コントロールプレーン管理料は無料
- Freeの実費:ノードVM、ディスク、ネットワーク、ACR、DB、監視は別料金。財務的に裏付けられた稼働率SLAもない
- Standard:本番向け。Azure Architecture Centerの例は1クラスター毎時0.10米ドル
- Premium:Standardの特性に加え、Kubernetesの長期サポートが必要な場合
Premiumを作成するときにLTSを有効にする手順は、Microsoft Learnの資料で示されています(出典: Microsoft Learn「AKS Free・Standard・Premium Pricing Tiers」、2026年7月更新)。
Standardの料金例は、リージョン、契約、為替、価格改定によって変わります。そのため、固定の円価格としては扱えません(出典: Microsoft Learn「Cost Management for Kubernetes」、確認日: 2026年8月)。
LTSを使っても、更新、脆弱性対応、アプリの互換性検証は必要です。そのうえで、業務停止を避けるための更新計画と検証環境を、見積もりに別途含めておきます。
最も大きくなりやすいノード・コンピューティング費用
AKSのアプリは、エージェントノード(Azure VM)の上で動きます。そのため、VMの構成と稼働時間が月額を大きく左右します。
- VM構成:ノード数、CPU・メモリ、OS、VMファミリー、稼働時間
- ノードプール:システム用とアプリ用の分け方
- 高性能ノード:GPU、メモリ最適化VM、WindowsはLinuxより高い場合がある
Microsoft Learnによると、費用の基準はノードプールのVMクラス、数、サイズです。OS・データディスクは、これとは別に見積もります(出典: Microsoft Learn「Cost Management for Kubernetes」、2026年8月確認)。
たとえば、本番で3ノードを常時稼働させる場合と、開発環境を平日だけ動かす場合では、月額が異なります。
ネットワーク・ストレージ・監視・DBの費用
月額に加わる周辺費用は、サービス構成とデータ量によって変わります。
- ネットワーク:VNet、サブネット、ロードバランサー、Application Gateway、Firewall、NAT、Private Endpoint
- 保存・DB:Azure Files、Managed Disk、Blob Storage、Azure Database、ACR
- 転送・保護:外部転送、リージョン間複製、長期バックアップ
- 監視:Container Insights、Log Analytics、Managed Prometheus、Grafana、アラート、分散トレーシング
個人情報の閉域化や多重化は安全性を高めます。その分、ネットワークと運用の費用も増えます。
大量ログの収集と長期保存は障害対応に役立ちます。ただし、取り込みと保存の料金も増えます。
AKS Cost Analysis add-onを使うと、クラスターやNamespace単位で、Compute、Network、Storageの費用を確認できます(出典: Microsoft Learn「Understand AKS usage and costs」、2025年1月更新)。
全ログを無期限に残すのは避け、監査と障害調査に必要な期間を決めておきます。
Azure Kubernetes Serviceの開発・導入費用の規模別相場

以下の金額は、AKS公式の固定見積ではなく、リサーチノートに基づく概算です。一般的な業務システム開発費に、AKS基盤・運用の追加作業を合わせて見ています。
金額は、体制、既存システム、利用者数で変わります。また、データ量やセキュリティ要件も影響します。リージョンや契約形態も関わるため、ここに示す数字は初期予算の幅として使います。
最終的には、同じ要件で複数社から見積もりを取って比べます。
PoC・学習用の費用目安(100万〜300万円)
PoC・学習用では、AKS、ACR、簡易なCI/CD、1〜3個程度のサービスを扱います。基本的なログ確認も含めて、100万〜300万円、1〜2か月が目安です。
代表的なサービスをコンテナー化し、本番品質への移行前に試す位置づけです。デプロイやスケールの動き、障害時の再起動、監視の手応えを見極めます。
PoCでは画面の表示だけでなく、本番移行を見据えた動作も確かめます。
- ピーク負荷時のノード増減
- イメージ脆弱性の検知、DB接続、Pod再配置
- バックアップ復旧、ロールバック
- 開発者自身でのリリース可否
検証項目を省くと、本番移行の時点で追加の設計費や作り直し費用が生じ、PoCを行った意味も薄れます。
小規模な本番業務システムの費用目安(300万〜1,000万円)
小規模な本番では、費用の内訳と、そもそもAKSを使う必然性があるかを条件に沿って見極めます。
- 構成・費用:3〜6ノード、Entra ID、Key Vault、基本監視・バックアップ、負荷試験、手順書で300万〜1,000万円
- 期間:2〜4か月程度。管理画面やAPIが少なく、データ移行が限定的なら下限に近づく
- 追加要件:Private Cluster、複数環境、可用性ゾーン、基幹連携で上限を超える場合がある
- AKSの適性:負荷変動、独立リリース、チーム分割、Windows・Linux混在を見積もり前提にする
単一のWebアプリを少人数で運用するだけなら、Azure App ServiceやAzure Container Appsの方が安くなる可能性があります。
中規模以上の費用幅(1,000万〜1億円以上)
中規模・大規模では、基盤の範囲と運用の条件によって、費用の幅が大きく広がります。
- 中規模:複数サービス・環境、Private Cluster、可用性ゾーンなどで1,000万〜3,000万円程度
- 大規模:基幹刷新、複数リージョン、DR、監査、24時間運用で3,000万〜1億円以上の場合がある
- 期間とAzure月額:9〜18か月以上の場合があり、月50万〜200万円程度から月200万〜1,000万円以上
中規模では、複数のノードプールやデータ移行を想定します。加えて、段階リリースと運用の引き継ぎも見込みます。
大規模事例の同時接続数や処理量は、AKSのスケール能力を知る参考になります。ただし、同じ費用対効果が得られるとは限りません。利用者数、ピーク時間、SLA、データ保持、復旧目標を自社の条件で試算します。
AKSの開発期間と工程別の進め方

AKS案件では、安全に移行して運用に乗せるまでに、一定の期間が必要です。要件やデータ移行を急ぐと、ネットワークや権限の設計などが後から必要になり、費用と期間が増えます。
現実的なのは、小さな代表サービスで検証してから、段階的に本番へ進める方法です。
要件定義とLanding Zone設計(1〜2か月)
まず要件と現行業務を整理し、そのうえで基盤を設計してから、採用するサービスを決めます。
- 業務要件:利用者、業務フロー、ピーク負荷、可用性、RTO・RPOを整理
- 運用・データ:保管地域、個人情報、運用時間、既存システムとの接続を確認
- ネットワーク:サブスクリプション、VNet、サブネット、名前解決、アクセス経路を設計
- 基盤管理:Entra ID、RBAC、ログ、ポリシー、予算アラートを設定
- サービス選定:AKS Automatic、AKS Standard、Azure App Service、Azure Container Appsを比較
候補を比べたうえで、Kubernetesを使う理由を発注側と開発会社が合意しておきます。
現行業務に手作業や二重入力が残っていないかも確認します。表記の揺れや例外処理、マスタの欠損も、この段階で洗い出します。
データ品質や業務ルールの曖昧さは、クラウド移行とは別に整理する必要があります。発注者側で先に整理しておけば、調査の工数や追加費用を抑えられます。
コンテナー化とCI/CD構築(1〜4か月)
見積もりでは、コンテナー化からデプロイまでの作業と、既存アプリの確認事項を分けて見ます。
- ビルド・配備:イメージをACRへ格納し、GitHub ActionsやAzure DevOpsでAKSへ配備
- 構成:Deployment、Service、Ingress、Namespace、ConfigMap、Secretを設計
- 環境管理:Workload Identity・Helmで開発・テスト・本番の差分をコード管理
- サービス間設計:通信、リトライ、タイムアウト、認証、分散トレーシングを設計
Windowsや.NETのアプリは、大きく書き換えずに段階的に移行できる場合があります。その前提として、ファイルやWindowsサービス、ライセンス、外部接続への依存を確認します。
Microsoftの事例では、Relativityがデプロイの周期を6か月から1日に短縮しました。ただし、これは大規模サービスの実績で、自社でも同じ効果が出ると保証するものではありません(出典: Microsoft Learn「Windows AKS customer stories」)。
テスト・移行・運用引き継ぎ(1〜3か月)
本番移行の前の検証、切り替え方式、運用の引き継ぎは、見積もりに含めておきます。
- テスト:機能、負荷、障害、セキュリティ、権限、バックアップ・復元、ノード更新、Pod再配置
- 移行データ:件数に加え、コード体系、重複、欠損、日付形式を検証し旧システムと突合
- 本番切替:一括切替のほか、カナリア、ブルー・グリーン、段階移行を比較
- 成果物:IaC、Helmチャート、構成図、障害対応手順、費用監視ルールの引き継ぎ
外部サービスが止まったときの挙動も試し、業務の停止を抑えられる切替方法を選びます。
運用体制では、アラートの担当者、エスカレーションの条件、復旧を始めるまでの時間を決めておきます。加えて、Kubernetesとノードイメージの更新時期も定めます。
AKSの費用が変動する要因

AKSの費用は、要件と常時稼働させる資源の数によって変わります。さらに、可用性やセキュリティの水準、移行の難しさ、運用担当も、開発費と月額を左右します。
見積もりを見るときは、金額だけでなく、どの条件を前提にした数字なのかを読み取ります。
利用者数・ピーク負荷・可用性要件
負荷と可用性の前提をそろえてから、費用と性能の両面で構成を比べます。
- ピーク負荷:利用者が少なくても、平均だけでなく集中時のノード数とDB性能を見る
- スケール余力:HPA・KEDAにノード、IP、ロードバランサー、DBが追従するか確認
- 可用性:ゾーン、複数ノードプール、冗長DB、DRは安定性を高める一方、常時資源を増やす
基盤側が追いつかない場合は、費用だけが増えて、性能は改善しないことがあります。
閉域化・監査・セキュリティ要件
閉域化や監査の要件は、採用する機能と運用の証跡も含めて見積もります。
- ネットワーク:Private Cluster、ExpressRoute・VPN、Private Endpoint、ネットワークポリシー
- セキュリティ:WAF、Key Vault、イメージスキャン・署名、Defender
- 監査・保護:監査ログの長期保存、インシデント通知、バックアップ暗号化
- 業界要件:金融・医療・公共では保管地域、アクセス記録、委託先管理を確認
これらは、設計と運用の工数を増やします。要件に適合させるには、Azureの機能を有効にするだけでなく、規程と証跡に沿った設計が必要です。
既存アプリの改修・データ移行・外部連携
既存システムの依存関係と移行データの状態は、追加の作業と期間に影響します。
- アプリ依存:ローカルファイル、固定IP、共有フォルダー、長時間バッチ、セッション、特定OS機能
- 外部連携:基幹、認証、決済、物流、IoT、外部APIの経路を設計
- 障害時処理:再送、重複登録、タイムアウトへの対応を設計
移行の途中でマスタの不備が見つかると、業務部門との調整に時間がかかり、期間が延びます。
運用時間と契約範囲
保守費については、初期開発費の年15〜20%程度という目安があります。
AKSの24時間運用やSREを含める場合は、範囲と対応時間に応じて保守費が上振れします(出典: NotebookLMリサーチノート「Azure Kubernetes Serviceのシステム」、2026年8月作成)。
- 対応時間:平日日中か、24時間365日監視・一次切り分けか
- 保守作業:更新、脆弱性パッチ、証明書、容量予測、費用レビュー
- 追加対応:障害訓練まで委託すると保守費が上がる
AKSのコスト最適化の方法
コスト最適化は、安いVMを選ぶだけでは実現しません。可用性と性能を保ちながら、未使用の時間や過剰な資源、不要なログ、重複した環境を減らすことが必要です。
利用部門やサービスごとに費用を見える化し、初期の段階で予算の上限と指標を決めておきます。稼働後は、実績を見ながら調整します。
VMサイズとオートスケールの適正化
実測値をもとに資源を調整し、ワークロードに合ったスケール方式を選びます。
- リソース指定:CPU・メモリrequestsとlimitsを実測に合わせる
- ノード構成:システム用・アプリ用に分け、適したVMサイズを選ぶ
- 自動拡縮:HPA・Cluster AutoscalerでPodとノードを調整
- 間欠処理:バッチ・イベントにはKEDA、開発用ノードには停止予定を検討
AKS Automaticは、AKS Standard層、稼働率SLA、Pod readiness SLAがあらかじめ構成されています(出典: Microsoft Learn「Deployment and Cluster Reliability Best Practices for AKS」、2026年確認)。
Automaticには、ノードの自動プロビジョニング、スケーリング、更新が組み込まれています。そのため、人員が限られる新規案件では、設定と管理の工数を減らせる可能性があります。
個別のネットワークや特殊なノードの要件がある場合は、Standardとの適合性を比べます。
割引と停止スケジュールの使い方
本番の安定稼働分と、検証環境の停止分を分けたうえで、割引や削減策を検討します。
- Azure Reservations・Savings Plan:実績を見てから契約し、将来量を根拠なく固定しない
- 環境停止:検証環境を夜間・休日に停止する
- 不要資源:ディスク、パブリックIP、ロードバランサー、古いイメージ、スナップショットを整理
- Spot VM:中断に備え、SLA不要で再実行できるバッチやCIに限定
予約は、従量課金と比べて最大72%削減できる場合があります。ただし、対象の製品、期間、地域によって条件は異なります(出典: Microsoft Learn「Cost Management for Kubernetes」、2026年8月確認)。
特に、開発・検証向けの節約策を本番の可用性要件にそのまま当てはめないことが大切です。
タグ付けとCost Managementによる費用の見える化
費用を構成の単位で把握し、定例のレビューや委託範囲と結びつけます。
- 分類:クラスター、Namespace、環境、部門、サービス、オーナーにタグ・ラベルを設定
- 可視化:Azure Cost Management、AKS Cost Analysis add-on、Azure Advisorを利用
- 月次指標:予算差、1リクエスト単価、Pod稼働率、ログ量、アイドルノード、転送量を確認
- FinOps報告:定例報告が月額内か、最適化提案が有償かを契約書に記載
- 変更作業:作業単価を契約書に記載
判断は、費用、性能、可用性、運用負荷のバランスで行います。
請求額だけを下げようとすると、ログを削りすぎて障害の原因を追えなくなったり、冗長性を落として停止のリスクが高まったりすることがあります。
AKSの見積もりで確認するポイント
見積もりでは、初期開発費、Azure月額、保守・運用費を分けてもらいます。そのうえで、開発会社に相談する前に、利用者数やピーク負荷、サービス数を整理しておきます。環境数とデータ量も押さえておきます。
SLAやRTO・RPO、データ保管地域、運用時間もまとめます。既存システムと希望納期も、あわせて伝えます。未確定の項目は仮定として明記し、その仮定が変わったときに費用がどう増減するかも確認します。
工程別・サービス別の費用の分け方
費用は工程ごとに分けてもらいます。要件定義や設計、実装、テストに加えて、移行、導入支援、運用設計も、それぞれ別に記載してもらいます。
工程ごとの工数や人日の配分を比べるときは、次の目安を使います。
- 要件定義:10〜15%
- 設計:基本設計15〜20%、詳細設計10〜15%
- 実装・単体テスト:30〜40%
- 結合・総合テスト:15〜20%
- 移行・導入:5〜10%
AKSでは、基盤設計、セキュリティ、監視、障害訓練を別項目にしておくと、比較がしやすくなります。
Azureの費用は、料金層、VMのサイズと台数、稼働時間、ストレージ、ネットワークに分けて示してもらいます。加えて、DB、ACR、監視、バックアップ、転送も、個別に記載してもらいます。たとえば、3環境を24時間動かす案と、開発を平日停止する案を比べ、運用の差を判断します。
AKSの本番実績と責任分界
本番での経験、納品物、責任分界は、見積もりの段階で照らし合わせておきます。
- 経験:AKS本番、ノード障害・更新、似た規模・業界・データ量での担当範囲
- 作業・納品:コンテナー化範囲、IaC・Helm・ソース、24時間監視の有無
- 責任分界:Azure、開発会社、社内IT、業務部門の担当を表にする
- 運用作業:更新、脆弱性修正、イメージ再構築、DBバックアップ復旧試験、証明書、障害連絡、請求確認の担当
Microsoftのパートナー資格やクラウドの導入実績は、判断の参考になる情報です。
責任の範囲や未対応の作業が曖昧なままだと、保守契約を結んだあとに追加費用が生じます。
同じ条件での3社程度の比較
3社程度に同じ条件を示し、提案内容と契約条件を比べます。
- 提案条件:同じ要件書、ユーザー数、SLA、納品物を提示
- 体制:1社は大規模SI、1社はAKS基盤、1社はアプリ開発・運用に強い会社などを比較
- 提案内容:価格、工程、リスク説明、発注者作業、変更管理を評価
- 契約条件:見積有効期限、Azure料金変動・為替、追加変更単価、検収、終了時引き継ぎ
Azure料金計算ツールで自社の条件を試算し、見積もりと照らし合わせます。差が出た場合は、ノード数、稼働時間、監視、バックアップ、転送、サポートを確認します。
Azure Kubernetes Serviceのシステム費用に関するよくある質問
AKSの費用について、発注側からよく聞かれる質問を取り上げます。
料金は、リージョン、契約、リソース、為替、利用時間によって変わります。そのため、以下の回答は固定の価格ではなく、要件を整理するための目安として読んでください。
AKSは無料で利用できますか?
Free層で無料になるのは、コントロールプレーンの管理料金だけです。AKSのシステム全体が無料になるわけではありません。
- 別料金:ノードVM、ディスク、ネットワーク、ACR、DB、監視、バックアップ
- 開発・検証:停止予定を設定して利用料を試算
- 本番:SLA付きのStandard以上を候補にする
費用は、Azure料金計算ツールで試算できます。
小規模なシステムでもAKSを導入するべきですか?
単一のWebアプリを少人数で運用し、負荷変動や独立デプロイの必要が小さい場合は、Azure App ServiceやAzure Container Appsの方が適する可能性があります。
判断は、初期費用だけでなく、運用の工数と将来の拡張計画をもとに行います。
- 代替候補:単一アプリならAzure App ServiceやAzure Container Appsも候補
- AKSの利点:複数サービスを別々にリリースしたいとき
- 将来要件:大規模化、Windows・Linux併用、社内Kubernetes標準も判断材料
AKSの保守費用は開発費の何%が目安ですか?
一般的な業務システムでは、保守費を開発費の年15〜20%程度とみる考え方があります。
- 試算例:開発費3,000万円なら年450万〜600万円、月37万〜50万円程度
- 含有範囲:24時間監視、SRE、脆弱性・休日対応、継続改善を含む固定価格ではない
- 個別確認:対応時間、SLA、作業、月次報告、追加変更を見積もる
AKS AutomaticとStandardは費用面でどちらが有利ですか?
どちらが常に安いとは言えないため、月額費用と人件費を合わせた総保有コストで比べます。
- Automatic:自動設定、拡縮、更新で管理工数を減らしやすい
- Standard:ノードプール、ネットワーク、Terraform・Helm・GitOpsを制御しやすい
- 選定軸:必要機能、社内スキル、運用体制、ワークロードの変動
まとめ:費用の内訳と運用責任まで含めたAKSの比較
開発費は、PoC・学習用が100万〜300万円、小規模な本番が300万〜1,000万円です。中規模は1,000万〜3,000万円、大規模は3,000万〜1億円以上が概算になります。
Azure月額は、ノードVMやディスク、ネットワークで変わります。さらに、DBやACR、監視、バックアップ、転送の量も影響します。月額の幅は、月3万〜15万円程度から月200万円以上までと大きく、要件と利用状況に基づく推定です。
費用対効果の判断軸
AKSを選ぶ判断は、技術の面よりも、事業上の目的に合うかどうかを基準にします。
- 目的:負荷変動、独立デプロイ、既存資産の段階移行
- 運用面:可用性や運用標準化も判断に含める
- 比較軸:開発・月額・保守費、リリース速度、障害対応力
単純なWebアプリでは、Azure App ServiceやAzure Container Appsが適する場合もあります。
発注前に確認する費用区分と前提
発注の前に、費用の区分と見積もりの前提をそろえておきます。
- 費用:開発・導入費、Azure月額、保守・運用費を分ける
- 前提:ノード、VM、稼働時間、SLA、データ量、監視、バックアップ、運用時間
- 委託範囲:本番実績、責任分界、IaC・手順書の納品、更新・障害対応、FinOpsを確認
複数社から同じ条件で提案を受け、要件に合う構成と体制を選べば、予算超過や導入後の負担を抑えられます。
▼全体ガイドの記事
・Azure Kubernetes Serviceのシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
