BASEのシステム開発を発注・外注するなら、まずBASEで販売を始める範囲と、外部システムに任せる業務を切り分けることが重要です。BASEはショップ開設、商品・注文管理、決済などを短期間で利用できますが、在庫・POS・会計との連携や独自業務の自動化まで、すべてが同じ方法で実現できるわけではありません。
この記事では、BASEのシステム開発を依頼する際の発注形態の選び方、RFPと要件の整理、契約形態、費用相場、委託先の選定、見積書の比較方法を順番に解説します。小規模ショップが必要最小限で始める場合と、多店舗・倉庫・基幹システムまでつなぐ場合を分けて説明しますので、自社に必要な発注方法を判断しやすくなります。
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・BASEのシステム開発の完全ガイド
BASEのシステム開発を発注する前に知るべき全体像

BASEへの発注相談で起こりやすい失敗は、「BASEでECサイトを作りたい」という一言のまま見積もりを依頼することです。同じBASE案件でも、初期設定と商品登録の支援、デザイン調整、業務改善、API連携、別のEC基盤への移行では、必要な技術と責任範囲が大きく異なります。最初に相談内容を分解すると、過剰な開発と後からの追加費用を抑えやすくなります。
標準機能を使う発注と、個別開発を頼む発注は別物です
商品管理、カテゴリ、注文処理、配送設定、クーポン、決済、ショップデザインなどが標準機能で足りるなら、開発会社には初期設定、商品登録のルール作成、デザイン調整、操作説明を依頼します。この場合は「システムを作る」というより、BASEを正しく使い始める導入支援に近い仕事になります。自社で商品データを用意できるか、画像加工やコピー作成まで委託するかによって作業量が変わります。
一方、実店舗POSとの在庫同期、倉庫への出荷指示、会計システムとの売上連携、独自の受注審査などが必要なら、BASEの外側に連携基盤や業務画面を設計します。BASE Developersの資料にはOAuth 2.0を使った連携方法が示されていますが、公式APIドキュメントには2022年2月21日付の新規受付終了に関する注記もあります。APIを使える前提で発注せず、利用登録、権限、エンドポイント、現在の受付状況をBASE側へ確認することが必要です。
小規模ショップと成長企業では発注の正解が変わります
小規模ショップであれば、最初からフルスクラッチ開発をするより、BASEの標準機能と公式・外部アプリを使い、運用上のボトルネックだけを外注する方法が現実的です。商品点数が少なく、注文数もまだ読めない段階では、開発費より商品撮影、配送ルール、販売導線の整備に予算を配分した方が成果につながりやすい場合があります。
複数店舗、複数倉庫、BtoB価格、会員ランク、海外販売などが関係する場合は、BASEを販売フロントとして残すのか、別のEC基盤へ移行するのかを早めに比較します。BASEを使い続けながら外部に業務管理画面を作る方法、連携ミドルウェアを使う方法、ShopifyやEC-CUBEなどへ移行する方法には、それぞれ費用、自由度、保守負担の違いがあります。発注先には、BASEに合わせる案だけでなく、将来の出口を含めて提案してもらいます。
BASEのシステム開発で選べる発注形態はどれですか?

発注形態は、作業を誰に任せるかだけでなく、業務整理と意思決定を誰が担うかで選びます。ショップ制作会社、システム開発会社、連携サービス提供会社、フリーランスなどの候補があり、同じ「BASE対応」でも得意領域は異なります。自社に要件をまとめる人がいない場合は、制作だけでなく上流工程を担える会社を選ぶことが大切です。
一社にまとめて委託する方法は窓口を減らせます
企画、要件整理、デザイン、連携開発、テスト、公開後の保守までを一社に委託する方法は、発注者側の管理負担を減らしやすい形態です。業務フローを理解した担当者が設計から運用まで伴走できる会社なら、ショップ画面だけ整ってバックオフィスが使いにくいという問題も避けやすくなります。
ただし、一社にまとめる場合は、再委託の有無と責任分界を契約で確認します。BASE、決済事業者、外部連携サービス、制作会社のどこで障害が起きたか分からないと、注文や在庫の不整合を解消するまでに時間がかかります。担当範囲、問い合わせ窓口、復旧目標、データの引渡しを見積書だけでなく契約書や仕様書にも残します。
複数社に分けて発注する方法は専門性を生かせます
BASEのショップ制作は専門会社、POSや在庫連携は業務システム会社、運用改善は別の支援会社というように、領域ごとに発注する方法もあります。既存の連携サービスを使える部分は個別開発を減らせるため、導入期間を短縮できる可能性があります。自社に技術責任者がいる場合や、すでに信頼できるベンダーがいる場合に向いています。
その反面、システム境界の設計と総合テストを自社で管理する必要があります。商品コード、注文番号、在庫数、キャンセル状態などの定義が会社ごとに違うと、個別には正しく動いても全体で不整合が起きます。複数社発注では、責任者を一人置き、データ項目一覧、連携頻度、エラー時の再送方法を共通仕様として管理します。
最初は小さく外注し、検証後に拡張する方法もあります
要件が固まっていないときは、いきなり本開発を発注せず、現状調査、業務フロー整理、API可否確認、簡易プロトタイプなどを先行して委託します。ここで「何を自動化しないか」まで決めると、必要な開発範囲が見えます。調査成果物を次の開発会社へ引き渡せる形にしておけば、最初の会社に本開発まで依存するリスクも抑えられます。
たとえば、商品数、月間注文数、返品数、在庫更新回数を一か月記録し、手作業にかかる時間とミスの件数を計測します。その結果、CSVの整形だけで解決できるのか、日次連携が必要なのか、リアルタイム同期が必要なのかを判断します。小さな検証に費用を使うことは、後から大きな手戻りを減らすための発注です。
RFPと要件を整理してBASEの発注内容を明確にする方法

RFPは、発注者が実現したい目的、対象業務、前提条件、納品物、見積条件を開発会社へ伝える資料です。細かな画面仕様を最初から書き切る必要はありませんが、現状の困りごとと成功条件は具体的にします。「使いやすくする」ではなく、「注文情報を毎朝9時までに在庫システムへ反映し、担当者の二重入力をなくす」のように書くと、提案と見積もりを比較しやすくなります。
最初に業務量と現状のデータを記載します
RFPには、ショップ数、商品数とSKU数、月間注文数、繁忙期の注文数、担当者数、出荷拠点数、利用中のPOS・在庫・会計・CRM、商品登録から出荷までの手順を記載します。現在Excelで管理している項目、二重入力している項目、ミスが発生した場面も重要です。個人情報を含むデータがどこに保存され、誰が閲覧できるかも初期段階で整理します。
連携を依頼する場合は、商品、価格、在庫、注文、顧客、配送、キャンセル、返品のどのデータを対象にするかを明示します。同期方向をBASEから外部システムへ送るのか、外部システムを正本としてBASEへ返すのか、更新頻度をリアルタイム、数分ごと、日次のどれにするのかも分けます。ここが曖昧なままだと、同じ在庫を二つのシステムで編集してしまいます。
法令・セキュリティ・運用条件をRFPに入れます
通信販売では、販売価格、送料、支払時期と方法、商品の引渡時期、返品・解約条件、事業者名、住所、電話番号などの表示が必要です。消費者庁の特定商取引法ガイドは、広告だけでなく申込み段階の最終確認画面についても、価格や返品条件を明確に表示する考え方を示しています。BASEの標準画面を利用する場合でも、表示内容を誰が確認し、改修時に誰がテストするかをRFPに書きます。
個人情報を扱う連携では、管理者の多要素認証、最小権限、通信の暗号化、操作ログ、バックアップ、脆弱性対応、事故発生時の連絡手順を要求します。IPAの「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」は、SaaS型サービスを利用する事業者や外部委託先も対象に、ログとバックアップの保護、管理画面へのアクセス制限などを確認項目として挙げています。カード情報を独自システムに保存・通過させない設計と、BASE・決済事業者・開発会社・自社の責任分界も確認します。
納品物と成功条件を先に決めます
納品物には、画面や連携プログラムだけでなく、要件定義書、データ項目一覧、設定値一覧、テスト結果、操作マニュアル、障害時の復旧手順、ソースコード、ソースコード以外の設定ファイルを含めるかを記載します。BASE側の設定や外部サービスの契約情報が納品対象になるかも確認します。将来別の会社へ切り替える可能性があるなら、データを標準形式で取り出せることも条件にします。
成功条件は、たとえば「商品登録の二重入力をなくす」「日次照合でBASEと在庫システムの差分を確認できる」「注文キャンセルを再送しても二重計上しない」といった業務結果で定義します。画面が完成しただけでは、運用が成功したとは限りません。検収時にどのデータとシナリオを確認するかを、RFPと契約書で一致させます。
BASEのシステム開発を発注してから公開するまでの進め方

発注後は、要件定義、設計・開発、テスト・移行、公開・運用の順に進めます。工程を省略して早く見せると、後で仕様変更やデータ不整合が発生しやすくなります。特にBASEと外部システムをつなぐ案件では、正常な注文だけでなく、キャンセル、返品、通信失敗、同じ注文の再送を含む業務シナリオを早い段階で合意します。
要件定義では業務の正本と例外処理を決めます
要件定義では、誰が、いつ、どの画面やデータを操作するかを業務フローにします。商品情報はBASEで管理するのか、基幹システムで管理するのか、在庫の引当はどこで行うのかを決めます。システムごとに正本を一つに決め、他方は参照または連携結果として扱うと、更新の衝突を減らせます。
API連携を検討する場合は、利用可能なエンドポイント、認証情報の管理、呼び出し制限、データの取得単位、失敗時の再試行を確認します。BASEの公式APIを使えない場合は、CSV、既存の連携サービス、手作業を残した段階導入などを比較します。APIの可否が確定していない段階で「API連携一式」と発注することは避けます。
設計・開発では小さな単位で確認します
設計では、画面、データ項目、連携方式、権限、エラー通知、ログの内容を決めます。商品コードの桁数や重複ルール、在庫がマイナスになったときの扱い、注文がキャンセルされたときの在庫戻しなど、普段は起こらない事象を仕様に書きます。判断を保留した項目には担当者と期限を付け、開発者の推測だけで進めないことが大切です。
開発中は、全機能の完成を待つのではなく、商品一件、注文一件、キャンセル一件のような代表データで連携を確認します。自社の担当者が実際の業務手順で操作し、入力しにくい点や、確認できないエラーを早期に見つけます。見た目のデザインだけでなく、担当者が毎日続けられる運用かを確認します。
テスト・移行・公開では復旧方法まで確認します
テストでは、商品登録、価格変更、在庫更新、注文、決済、出荷、キャンセル、返品、返金、顧客情報の更新を一連で確認します。通信タイムアウト、外部サービス停止、権限不足、同一注文の再送、在庫が0になる瞬間も対象にします。連携エラーを担当者が発見でき、再送しても二重登録にならないことが重要です。
データ移行では、商品名、商品コード、バリエーション、価格、画像、在庫、顧客、注文履歴の対応表を作成します。移行前後の件数と金額を照合し、差分が出た場合の判断者を決めます。公開日は繁忙期を避け、旧運用へ戻す条件と、公開後に問い合わせを受ける窓口を準備します。
BASEのシステム開発で選ぶ契約形態と責任範囲

契約形態は、要件の確定度と変更の多さに合わせて選びます。初期設定や仕様が固まった小規模改修は請負契約、要件整理や継続的な改善は準委任契約が向いている場合があります。名称だけで判断せず、成果物、作業時間、検収、変更手続き、責任範囲を契約書で確認します。
請負契約は成果物と検収条件を明確にします
請負契約では、合意した成果物を完成させ、検収を受けることが中心になります。画面一覧、機能一覧、連携仕様、テスト仕様、納期、検収期間、瑕疵や不具合への対応を具体化します。「BASE連携一式」「ECサイト構築一式」のような表現だけでは、完成の基準が分からず、追加請求や納期延長の原因になります。
要件変更が発生した場合の扱いも必要です。たとえば、合意済みの機能を変える場合は、変更内容、追加工数、費用、納期への影響を双方が承認してから着手する手順にします。外部APIの仕様変更や、BASE側の利用条件によって実現できない機能が判明した場合の代替案と精算方法も確認します。
準委任契約は上流整理と継続改善に向いています
準委任契約では、専門家が要件定義、設計、開発支援、運用改善などの業務を行い、作業時間や体制に応じて精算する形が一般的です。APIの可否や業務の正本がまだ決まっていない段階で、成果物を固定して請負にすると、前提変更のたびに契約変更が必要になります。まず準委任で調査・設計を行い、その成果をもとに本開発を別契約にする方法もあります。
準委任でも、作業内容が曖昧でよいわけではありません。月ごとの作業項目、担当者、稼働時間の上限、定例会、報告書、レビュー方法、成果物の扱い、秘密保持、再委託、個人情報の取扱いを決めます。発注者側が意思決定を遅らせると期間だけが延びるため、確認者と回答期限を社内にも置きます。
権利・保守・障害対応を契約に残します
ソースコード、設定ファイル、データ項目定義、テストデータ、操作マニュアルの所有権と引渡し条件を確認します。著作権の扱い、改変や別会社への移管、第三者素材のライセンス、再委託先の開示を契約に記載します。将来の乗り換えを考えるなら、納品物が特定の担当者の手元にだけ残る状態を避けます。
保守契約には、営業時間、受付方法、重大障害の初動時間、復旧目標、原因調査、再発防止、BASEや連携先の仕様変更への対応、バックアップと復元テストを含めます。保守費用は、単に「月額サポート」とまとめず、監視、問い合わせ、改修、障害対応のどこまで含むかを分けます。外注先が決済情報や個人情報に触れる場合は、事故時の報告期限と調査協力も定めます。
BASEのシステム開発にかかる費用相場とコストの内訳

BASEの月額・販売手数料と、開発会社へ支払う外注費は別に考えます。BASE公式料金ページの2026年8月確認時点では、スタンダードプランは初期費用0円、月額0円で、売上発生時に決済手数料3.6%と1注文あたり40円、サービス利用料3%がかかります。グロースプランは年払いの月額換算16,580円、月払い19,980円で、決済手数料2.9%、サービス利用料0円です。Pay IDアプリ経由や決済方法による例外があるため、契約前に公式料金表で再確認します。
BASE利用料と開発会社の費用を分けて試算します
BASEの利用料は、ショップを持ち続けるためのサービスコストです。一方、初期設定、デザイン制作、商品登録支援、連携開発、テスト、教育、保守は外注費です。たとえば「無料で始められる」ことだけを見て開発会社への費用をゼロと考えると、実際の予算と大きくずれます。売上規模ごとにBASEの手数料を試算し、初期費用、月額保守、外部アプリ費、データ移行費を加えて比較します。
スタンダードとグロースの損益分岐点は、単純な売上だけでなく、客単価、注文数、Pay ID経由の割合、決済方法、年間契約の有無で変わります。発注先にプランを断定してもらうのではなく、自社の月次売上と注文数を入れた試算表を作り、毎月の固定費と変動費を確認します。
案件タイプ別の初期費用は推定レンジで見ます
BASE専用の全国統計として公表された発注価格は確認できないため、次の金額はリサーチノート、2026年のEC開発費目安、BASE公式の機能・API情報を組み合わせた推定レンジです。Casuallyの2026年目安では、小規模ECサイトの初期開発費は50万〜300万円、納期は4〜12週間とされています。BASEの案件では、商品数、デザインの自由度、連携先、データ移行、テスト水準によって実際の金額が変わります。
開設、初期設定、テンプレート調整の支援は20万〜60万円程度、期間は2〜6週間が一つの推定目安です。小規模なデザイン改修やCSV整備、簡易な業務改善は50万〜300万円程度、期間は1〜3か月程度です。BASEとPOS、在庫、会計、CRMを連携する案件は300万〜1,000万円程度、期間は3〜6か月程度、複数店舗・倉庫・基幹連携や大規模移行を含む案件は500万〜3,000万円程度、期間は4〜10か月程度になる可能性があります。
これらはBASE公式の開発価格ではなく、一般的な業務システム・EC開発の相場をBASE案件へ当てはめた推定です。相場より安い見積もりが直ちに悪いわけではありませんが、要件定義、テスト、移行、保守が含まれているかを確認します。逆に高い見積もりでも、データ照合、障害時の再送、監視、教育まで含んでいれば、単純な画面制作より高くなる理由があります。
保守費用と5年TCOまで含めて比較します
ランニングコストには、BASEのプラン料金と販売手数料、外部アプリや連携サービスの利用料、サーバーや監視の費用、保守契約、決済・配送サービスの費用が含まれます。リサーチノートでは、一般的な運用保守の目安として初期開発費の年15〜25%、または月15万〜80万円程度が示されています。ただし、BASEの標準機能だけを使う場合と、外部連携を常時監視する場合では必要な保守量が異なるため、作業項目別に提示してもらいます。
5年TCOでは、初期開発費に60か月分の保守、BASE利用料、外部サービス費、追加改修、仕様変更対応、障害対応、将来の移行費を加えます。初期費用だけが安い提案は、保守や追加開発が高く、長期では逆転することがあります。反対に、最初からすべての機能を作り込む提案も、使われない機能の費用を抱える可能性があります。段階導入と出口戦略をTCOに含めることが大切です。
BASEのシステム開発を委託する会社の選び方

委託先は、BASEの制作実績だけでなく、依頼したい業務の実績で選びます。ショップのデザインが得意な会社と、POS・在庫・会計をつなぐ会社では、確認するポイントが違います。候補会社には同じRFPを渡し、提案の前提、対象外、体制、価格、スケジュールをそろえて比較します。
BASEの制作実績と業務連携の実績を分けて確認します
制作実績を見るときは、BASEのショップを作った数だけでなく、商品・注文・在庫のどこまで扱ったかを質問します。公開事例の画面がきれいでも、在庫の正本、キャンセル処理、返品、再送、会計連携の経験がなければ、自社の課題を解決できない可能性があります。実績紹介で確認できない部分は、匿名化された画面やテスト仕様、導入後の運用体制を説明してもらいます。
BASEのAPIを使う提案なら、現在の利用可否と権限確認をどの段階で行うかを聞きます。APIが使えない場合の代替案を出せる会社は、技術的な前提が変わっても計画を立てやすい傾向があります。外部連携サービスを使う提案では、データの保存場所、障害時の窓口、解約時のデータ取得、料金改定時の扱いも確認します。
担当者と開発体制の説明が具体的かを見ます
提案時の営業担当者だけでなく、要件定義をする人、設計・開発をする人、テストを担当する人、公開後の保守担当者を確認します。担当者が変わる場合の引継ぎ方法、再委託先、連絡可能な時間帯、定例会の頻度も比較材料です。専門用語を並べるだけでなく、在庫ずれや二重注文のような自社のリスクを具体的に説明できる会社を選びます。
見積もりの前提や対象外を質問したときに、曖昧な「対応できます」だけで終わる場合は注意が必要です。できること、確認が必要なこと、対応できないことを分けて説明し、代替案と追加費用の条件を提示する会社は、発注後の認識差を減らしやすくなります。
公開後の運用とデータ引渡しまで確認します
BASEのシステムは公開して終わりではありません。商品登録のルール、在庫照合、注文エラーの確認、ユーザー権限の棚卸し、バックアップ、BASEや外部サービスの仕様変更確認を続けます。委託先が運用まで支援するなら、月次レポートの内容と改善提案の範囲を確認します。自社運用へ戻すなら、マニュアルと教育の時間を見積もりに含めます。
データと権利の引渡しは、会社選びの初期に確認します。商品・注文・顧客データをどの形式で取り出せるか、設定情報や連携ログを誰が保管するか、契約終了時にどの期間で削除・返却するかを決めます。開発会社を変える可能性を考え、ソースコード、設定ファイル、設計書、テスト結果、運用手順を納品物として扱うかを確認します。
BASEのシステム開発の見積もりを比較するポイント

複数社の見積もりを比較するときは、合計金額だけでなく、同じ範囲を見積もっているかをそろえます。要件定義、設計、実装、テスト、移行、教育、公開、保守、外部サービス費を行単位で確認し、含まれない作業を明示してもらいます。一式表記が残る場合は、作業内容、工数、前提、成果物を補足資料で確認します。
見積書は工程・工数・前提の三つで読みます
見積書では、要件定義の回数、設計書の種類、実装する機能、連携するデータ項目、テストケース数、移行対象、教育回数を確認します。人月で示される場合は、担当者の役割と単価を分けます。リサーチノートにある2026年の一般的な目安では、PMは月90万〜150万円、SEは月65万〜110万円、プログラマーは月50万〜90万円、テスターは月45万〜80万円程度です。これはBASE専用の価格表ではなく、比較時の参考レンジです。
工程配分もチェックします。一般的な目安として、要件定義10〜12%、設計・環境構築22〜24%、実装48〜50%、テスト15〜17%程度という考え方があります。会社によって分類は異なりますが、要件定義とテストが極端に少ない提案は、リスクを発注者の確認作業や公開後の障害対応へ移している可能性があります。
安い見積もりより抜け漏れの少なさを評価します
価格差が大きいときは、機能の数ではなく、責任の範囲を比べます。最も安い提案に、データ移行、総合テスト、エラー通知、公開立会い、マニュアル、保守が含まれていないことがあります。見積もりの対象外を足した再見積もりを依頼し、同じ条件で総額を比べます。
納期が短い提案では、前提となる自社作業も確認します。商品データの整備、画像の準備、業務ルールの決定、BASE側のアカウントや権限の用意を発注者が行う計画なら、その作業時間を自社のコストとして見積もります。公開を急ぐ場合でも、決済、個人情報、返品、在庫に関する確認を削らないことが大切です。
提案会社へ確認する質問をそろえます
問い合わせ時には、「BASEの標準機能で対応する範囲はどこですか」「APIの利用可否はいつ確認しますか」「商品・注文・在庫の正本をどこに置きますか」「キャンセルと返品の再送をどう扱いますか」「公開後の障害窓口はどこですか」と質問します。さらに、「見積もりに含まれない作業は何ですか」「契約終了時に何を引き渡しますか」「再委託先はありますか」と聞くと、提案の実務的な差が見えます。
回答の内容だけでなく、質問への向き合い方も評価します。分からない点を確認事項として残し、調査方法と期限を示す会社は、未確定のAPIや外部サービスを無理に断定しません。発注者と委託先が同じ前提で会話できることは、価格と同じくらい重要な選定条件です。
BASEのシステム発注・外注でよくある質問

BASEの発注では、無料で始められることと、業務を自動化するための外注費を混同しないことが大切です。ここでは、発注前に多く寄せられる疑問へ直接回答します。
BASEは無料なので、システム開発も無料で依頼できますか?
BASEのスタンダードプランは初期費用0円、月額0円で始められますが、開発会社へ依頼する制作・連携・設定・保守の費用は別に必要です。商品登録、デザイン調整、POSや在庫との連携、運用設計を委託する場合は、作業範囲に応じた外注費が発生します。BASEの販売手数料や外部サービス費も含めて、初期費用と月額費用を分けて確認します。
BASEのAPI連携を前提に外注しても問題ありませんか?
API連携を前提にする前に、BASE側の利用登録、権限、対象エンドポイント、現在の受付状況を確認します。BASE Developersの公式ドキュメントにはOAuth 2.0の説明がある一方、新規受付終了の注記もあるため、古い事例だけで実現可能と判断することは危険です。利用できない場合にCSVや連携サービスなどの代替案を出せる委託先へ相談します。
BASEを使わずスクラッチ開発した方がよいのはどのような場合ですか?
独自の受注・価格・会員・決済・在庫ルールが事業の中心で、BASEの制約を外部連携では解消できない場合は、別のEC基盤やスクラッチ開発を比較します。ただし、決済、個人情報、脆弱性対応、監視、バックアップまで自社の責任で構築・運用する負担が増えます。BASEで販売を始め、売上と業務要件が成長した時点で移行する段階的な方法も有力です。
BASEの発注先は何社に見積もりを依頼すべきですか?
比較可能なRFPを用意したうえで、少なくとも複数社へ相談する方法が現実的です。会社数を増やすこと自体より、BASE制作、業務連携、運用保守のどこを得意とする会社かを分けて選ぶことが重要です。金額、納期、含まれる作業、対象外、体制、APIの確認方法、公開後の窓口を同じ項目で比較し、最安値だけで決めないようにします。
まとめ

BASEのシステム開発を発注するときは、BASEで使う標準機能、外注する業務改善、外部システムとの連携、将来の移行を分けて考えます。最初に商品数、注文数、業務フロー、在庫の正本、連携対象、法令・セキュリティ要件を整理し、RFPにまとめると、委託先から同じ条件の提案を受けられます。
小さく始めるか、連携まで一度に進めるかを決めます
小規模ショップでは、初期設定やデザイン、商品データ整備から始め、売上と作業量を見ながら改善を追加する方法が向いています。複数店舗や倉庫、POS、会計と連携する企業では、APIの利用可否を確認し、データの正本とエラー時の復旧まで含めた設計を先に行います。BASEを使い続ける案と別基盤へ移行する案を、初期費用だけでなく5年TCOで比べます。
見積もりは範囲・責任・公開後まで確認してから決めます
見積もりを比較するときは、要件定義、開発、テスト、移行、教育、保守を分け、含まれない作業を確認します。請負か準委任かにかかわらず、検収、変更、再委託、権利、障害対応、データ引渡しを契約に残します。BASEのシステム発注は、安い会社を探すだけではなく、自社の販売業務を理解し、実現できないことも含めて説明できるパートナーを選ぶことが成功への近道です。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
