設備工事業向け工程管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

設備工事業向け工程管理システムの費用は、導入形態、業務範囲、連携先によって、月額数千円から1億円超まで変わります。

設備工事では、電気や空調、給排水衛生などの工程が建築本体の予定と並行して進むため、管理する範囲によって費用が変わります。

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設備工事業向け工程管理システムの費用相場

設備工事業向け工程管理システムの価格は、利用する形態によって大きく異なります。たとえば、工程表や日報、写真、案件共有だけに絞れば、低コストで始められます。

一方で、実行予算や原価の管理、会計、BIMや基幹システムとの連携まで広げると、設定や開発の工数が増えます。初期費用だけでなく、運用を含めた総額で比べる必要があります。

導入形態別に見た初期費用と月額費用の目安

導入形態によって初期費用と月額費用は異なります。次の目安は、支援範囲を含めた金額として見てください。

  • SaaS・クラウド:初期費用は0円から60万円程度、月額は1ユーザー数百円から数千円、または全体で1万円前後からです。
  • パッケージ:ライセンスや利用契約は30万円から300万円程度です。導入支援や連携費用が、別途かかる場合があります。
  • 個別開発のMVP:工程や日報を中心に、写真、書類、簡易原価まで絞ると、500万円から1,500万円程度です。
  • 中規模開発:複数拠点や協力会社、発注・会計・API連携まで含めると、1,500万円から4,000万円程度です。
  • 大規模開発:スクラッチ開発やERP連携の場合は、4,000万円から1億円超の推定レンジです。

SaaSの初期費用は、設定、初期教育、データ取り込みの支援範囲によって変わります。

例として、サクミルは月額9,800円(税別)で30アカウントまで利用でき、31アカウント目以降は1アカウント月額100円(税別)です(出典:株式会社プレックス「サクミル」公式サイト、2026年8月確認)。こうした公開価格は、小規模な設備工事会社が比較の出発点にできます。

なお、個別開発の目安は、リサーチノートにある生産・製造系業務システムの相場と公開事例を設備工事に置き換えた推定です。設備工事専用システム全体の統計とは別のものです。

価格だけでなく、対象業務と利用人数をそろえた比較

費用対効果を判断するには、比較の条件をそろえることが先です。見積もりでは、次の条件を統一します。

  • 利用範囲:現場数と、社内・外部それぞれの利用者数、利用する工種。
  • 保存対象:写真や図面の容量、必要な帳票。
  • 連携先:会計や既存システムなど、接続する範囲。

月額が安くても、工程表だけが対象だと原価や請求がExcelに残ることがあります。また、機能が多くても、現場作業員や協力会社が入力しなければ、管理部門の二重入力が増えます。

初めて導入する会社には、工程や日報、写真、検査記録を標準機能で使う方法が現実的です。原価や請求も同じデータで扱う場合は、パッケージやローコード連携を検討できます。

自社固有の工程や承認が競争力に直結する場合は、専用開発も選択肢になります。ただし、全社の基幹システムを一度に作り替える前に、費用と定着リスクを分けて考えます。

ポイント

月額だけで比べると、対象業務の範囲が違ったまま金額を見ることになります。初期費用に運用と保守を加えた総額を、同じ業務範囲のもとで比べてください。

設備工事業向け工程管理システムの費用内訳

工程管理システムの導入費用を、業務整理、開発、データ移行、教育・保守の4項目に分けた図。
画面制作以外の作業も見積もり範囲に含まれます。

見積もりは、画面の制作費以外にも多くの作業を含みます。業務の聞き取りや設計、データ移行のほか、スマートフォン入力や権限設定も費用に含まれます。さらに、テストや教育、稼働後の保守も見積もりの一部です。

見積書で項目ごとに金額を分けてもらうと、差が生じる理由をたどれます。特に、要件定義から保守までの範囲を、工程ごとに見ておきます。

要件定義と業務整理にかかる費用

要件定義では、業務の流れと例外処理を確認します。まず、次の業務を整理して、工程や承認の違いを早く洗い出します。

  • 通常業務:受注から請求までの流れです。積算や実行予算、材料発注、施工などを含みます。
  • 例外処理:雨天中止や機器の納期遅延、設計変更などの想定外の事態。
  • 現場ごとの差:協力会社の未入力や図面差し替え、工種ごとの承認者や工程粒度。

要件定義を省くと、開発中に承認者や工程粒度の違いが判明し、追加費用や納期遅延につながります。また、導入支援は、対象範囲が限られる場合は数十万円から、複数部門や拠点にまたがると100万円から数百万円規模になることがあります。

この金額は会社規模と対象範囲によって変わるため、一律ではありません。そのうえで、業務フローや機能一覧、権限表が見積もりに含まれるかを確認します。データ項目、連携一覧、受け入れ条件も、同じ前提で確かめます。

設計・開発・テストにかかる費用

個別開発費は、参加する人の工数で決まります。次に示すのは、2026年時点の生産・製造系システム開発の単価を職種別にしたものです。

  • PM:1人月90万円から150万円。
  • SE:1人月65万円から110万円。
  • PG:1人月50万円から90万円。
  • テスター:1人月45万円から80万円。

この単価は、開発会社の見積単価を確かめるときの参考になります。設備工事専用システムの確定価格として使うものではありません。

同ノートでは、開発費の60%から80%程度が人件費とされています。工程別の参考配分は、要件定義が10%から12%、設計・環境構築が22%から24%です。また、実装は48%から50%、テストは15%から17%です。

モバイル入力やオフライン同期、写真圧縮を加えると、設計やテストの工数が増えます。図面版数や承認履歴、監査ログが加わると、さらに工数は膨らみます。見積もりを比べる際は、実装費だけでなく、品質確認と現場受け入れが含まれるかも見ます。

データ移行・教育・保守にかかる費用

移行するデータの状態と量は、費用に影響します。そのため、既存システムや紙資料から何を移すのかは、事前に範囲を決めておく必要があります。

  • 既存データ:ExcelやFileMaker、販売管理、会計などから、案件や顧客、協力会社、工事履歴を移行します。担当者や工種、予算のデータも対象になります。
  • データ整備:列名やコードが不統一なら、クレンジング、重複排除、欠損確認が必要です。
  • 紙資料:図面や写真を全件データ化する場合、スキャンや命名、案件との紐付けが別見積になることがあります。

教育費用には、管理者や現場監督向けの研修が含まれます。協力会社向けの説明会や操作マニュアル、問い合わせ対応も、教育費用の一部です。また、保守費は、初期開発費の年15%から25%程度を目安に置く場合があります。

さらに、クラウド利用料やサーバー費、追加ストレージは、別途かかる場合があります。外部APIや端末費用も、費用に加わることがあります。

保守は「一式」にまとめず、障害対応時間や改修、バックアップを分けて確認します。更新やデータ返却についても、条件を個別に確かめておきます。

ポイント

見積書の金額差は、要件定義から保守までのどの作業が含まれているかで読み解けます。範囲が曖昧な作業は、契約前に工程ごとに並べて確かめてください。

設備工事業向け工程管理システムの費用が変動する要因

工程管理システムを中央に置き、機能・連携、現場利用・権限、データ移行、運用体制の注釈を添えた図。
必要な機能と運用条件の広がりが見積もりに反映されます。

工程表を共有するだけの仕組みと、見積から請求までを一貫させる仕組みでは、必要な機能が異なります。さらに、工種ごとの工程粒度や建築本体との依存関係も、費用を左右します。

機器搬入や試運転、検査、竣工書類も、設備工事特有の検討事項です。金額が高い理由は、機能数よりも業務上の複雑さから読み解くと分かりやすいです。

機能範囲と外部システム連携の多さ

扱う機能と連携方法を絞ると、設計範囲を調整できます。次の要素が増えるほど、データや権限の設計が複雑になります。

  • 業務機能:工程や日報、写真のほか、図面や検査、原価、請求も含みます。
  • 連携先:会計や販売管理、購買、勤怠が対象になります。電子契約やクラウドストレージ、BIM、CADも対象です。
  • 連携処理:API仕様や認証、再送の方法。重複防止と、連携先の改修による影響も含みます。

APIが公開されていない場合は、CSV連携や手動確認が必要になり、想定外の工数が発生します。そのため、連携では、リアルタイムが必要なデータと日次のCSVで足りるデータを分けておきます。

案件番号と請求金額は日次で足りても、現場の進捗や見込原価は当日中に確かめたい場合があります。そのうえで、意思決定に必要なデータの鮮度を定めておくと、開発範囲を現実的に絞り込めます。

現場利用、協力会社、権限、セキュリティの要件

現場の入力方法と情報管理の要件は、画面や運用の設計に影響します。まず、パソコン中心で使うか、協力会社も使うかを整理します。

  • 端末別の入力:PC中心なら一般的なWeb画面で対応します。スマートフォンでは、写真や人工、進捗、問題点の入力や、一時保存、後同期を検討します。
  • アカウント運用:利用者が増えると、管理や教育の費用も増えます。一方、入力率が低いと投資効果が下がります。
  • 権限とセキュリティ:会社や拠点、現場ごとに、閲覧・編集・取得の権限を分けます。工種や協力会社、担当者ごとの設定もあります。

二要素認証やSSO、操作ログなどを要件に入れると、初期費用は上がる可能性があります。一方で、情報漏えいや誤操作のリスクは抑えられます。また、退職者の停止やバックアップ、復旧目標も、要件に入れる対象になります。

国土交通省のICT指針も、工種や工程、要求精度に合う機器と、下請業者との連携・協働を留意点に挙げています(出典:国土交通省「建設業におけるICTの導入・活用に向けた施策」、2025年公開情報)。

データ量、移行範囲、運用体制

保存量と移行する期間によって、ストレージや移行費が変わります。対象を段階に分ければ、初期費用は調整できます。

  • 保存量:現場数や写真枚数に応じて、ストレージや検索、バックアップなどが変わります。
  • 移行期間:過去10年分を移すか、新規案件だけを対象にするかで、金額が異なります。
  • 移行区分:「進行中」「直近2年の参照データ」「それ以前の保管データ」に分ける方法があります。

導入後は、マスタや権限、問い合わせを担当する人が必要です。担当者が不在だと、工種コードや協力会社の情報が古くなり、工程や原価の集計が崩れることがあります。

開発費だけでなく、年間の担当工数や端末更新まで含めて考えます。教育やサポート契約も加えたTCO(総所有コスト)で判断してください。

ポイント

費用の差は、機能数だけでなく、連携先の数や現場の運用条件から読み取ります。連携の仕様や入力する人の範囲が曖昧なままでは、見積もりを同じ条件で比べられません。

開発期間と費用の関係

期間の目安は、標準SaaSが即日から数週間、パッケージが数週間から6か月、MVP開発が3か月から6か月です。中規模の個別開発は6か月から12か月、大規模な基幹連携は12か月から24か月以上です。

期間が長くなると、人件費だけでなく、要件変更や法制度、取引条件の変化、既存システムの改修待ちも増えます。そのため、開発計画では、各工程の確認範囲も決めておきます。

要件定義からリリースまでの標準的な流れ

開発は、要件の整理から設計、実装へ進み、テストや受け入れで仕上げます。工程ごとに確認する内容を分けておきます。

  1. 要件定義・企画:数週間から2か月程度です。現場監督や職長、積算の担当者から業務を聞き取り、購買や経理、協力会社の代表者からも話を聞きます。
  2. 設計・環境構築:画面やデータベース、権限を設計し、連携や通知、バックアップの方法を決めます。
  3. 実装・単体テスト:決定した設計に沿って機能を作り、個々に確認します。
  4. 結合テスト:案件登録から請求まで、工程や日報、写真、検査、原価のデータが途切れないかを確認します。
  5. 受け入れテスト:現場担当者が、工程変更や雨天中止、機器搬入の遅れ、協力会社の未入力、図面差し替えを実際に試します。

テスト期間を削ると、リリース後の修正費用が膨らむおそれがあります。初期見積もりの段階で、異常時の確認時間も確保しておきます。

MVPに絞った導入による費用と期間の管理

全社で一度に導入せず、一工種や一拠点、少数の現場でMVP(Minimum Viable Product)を試す方法があります。まず、最初に扱う機能と後段へ回す機能を分けます。

  • 初回に絞る機能:案件や工程、日報が中心です。写真や書類、簡易的な予算対実績も含みます。
  • 次の段階に回す機能:会計や高度なBIM連携。
  • 試行時の確認:入力が続くか、遅延の発見日数や日報回収率。

効果を確かめてから機能を増やすと、投資の失敗を抑えられます。一例として、日立ソリューションズ東日本のSynViz S2は、工程表と成果物の共有、設備・要員の負荷把握、遅延の早期発見を特徴として案内しています。

同じ公式サイトでは、400社を超える導入実績と1か月の無料トライアルも案内しています(出典:株式会社日立ソリューションズ東日本「SynViz S2」公式サイト、2026年8月確認)。個別開発を選ばない場合でも、実際の操作感と自社の工程表への適合性を先に確かめる考え方は参考になります。

期間と費用を膨らませるプロジェクト上のリスク

要件の追加や確認の遅れは、期間と費用を膨らませます。見積もりの前に、次の原因を押さえておく必要があります。

  • 意思決定:決定者が不明確なまま要件が増える。
  • 対象範囲:現場ごとの例外をすべて初期機能に含める。
  • 準備・連携:既存データが未整備、または連携先の仕様確認が遅れる。
  • 協力会社対応:利用条件を後から加え、アカウントや権限、通知、教育を設計し直す。

要件を「稼働初日から必要」「導入後3か月以内に必要」「将来検討」に分け、変更時の費用と期間への影響を記録しておきます。

発注側は、見積もりに含む作業と含まない作業を明記し、追加開発の単価と承認方法を契約前に決めておくと、予算の見通しを立てる材料になります。

ポイント

期間が延びると、人件費だけでなく要件変更や改修待ちの分も費用に響きます。テスト期間を削らず、各工程で確認する範囲を先に決めておくと、判断が揺れにくくなります。

設備工事業向け工程管理システムのコストを抑えるポイント

標準機能に合わせる業務の選定、KPIでの効果測定、導入後のTCO管理を示すチェックリスト図。
導入前の範囲決めから導入後の運用まで確認します。

コストを抑えるには、安い製品を選ぶことより、現場の入力が続く仕組みを作ることが大切です。そのうえで、工程遅延や原価差異を早く把握し、二重入力や確認電話を減らせるよう、必要な範囲で導入します。

初期費用や月額、保守を合計し、教育や移行、社内運用、機会損失も加えて考えます。削減できる作業時間や防げる損失を試算すると、投資の判断材料になります。

標準機能に合わせる業務と独自開発する業務の分け方

標準機能に合わせる業務と、独自要件として残す業務を分けます。業務の成果との関係を基準に、カスタマイズの範囲を検討します。

  • 標準機能に合わせる部分:製品の機能に業務を合わせられる箇所。
  • 独自要件として残す部分:法定帳票や社内承認、原価計算などです。
  • 投資を抑える部分:工程表の色や帳票の細かな見た目だけを大量に変えるケース。

見た目だけのカスタマイズが多いと、更新時の確認と保守費が高くなります。そのため、成果に直結する要件に投資を集中させる方法が有効です。

標準機能にないデータは、API、CSV、クラウドストレージなどで補える場合があります。将来の更新や移行に備えて、案件番号や現場コードなど、主要なコードを共通化しておきます。

小規模な試行と、KPIによる効果測定

PoCやMVPでは、導入前にKPIを決めておきます。現状値を測っておくと、追加投資の優先順位を判断できます。

  • 現場業務:日報回収率、工程会議の準備時間、遅延を見つけるまでの日数。
  • 情報管理:写真を探す時間、予算対実績の更新頻度。
  • 問い合わせ:協力会社から寄せられる件数。

コミクスは、工程表と見積書のPDFから案件情報を抽出し、登録や予定反映、書類整理を半自動化する設備工事向けの事例を公開しています。

同社の発表では、1案件あたり約10〜20分、月100案件で約17〜33時間の削減が見込まれ、案件登録関連業務を約50〜70%圧縮できる可能性も示されています(出典:株式会社コミクスの2026年3月18日発表)。ただし、これは個別導入の期待値で、PDF形式や確認作業によって変わります。自社データで効果を検証する必要があります。

導入後のTCOと運用負荷の管理

導入後は費用と運用を定期的に見直し、使わない機能やアカウントのコストを減らします。

  • アカウント:利用しないものを整理し、協力会社分は現場単位で発行・停止する。
  • 保存データ:写真や図面の保存ルールを決め、不要なデータを保管階層へ移します。
  • 月次確認:利用率や入力率、問い合わせ数などを見て、機能追加はKPIで判断する。

月額料金に端末や通信環境、現場教育を加えると、実際の支出は変わります。さらに、管理者工数や外部連携の保守も含めて考えます。

月100件の案件登録にかかる事務時間が減り、工程遅延や請求漏れを防げるなら、単純な月額比較より投資効果が高くなる場合があります。また、3年または5年の総額を並べると、導入形態を公平に比べられます。

設備工事業向け工程管理システムの見積もりを取る際のポイント

依頼前に、現在の業務と導入後の姿をまとめます。誰が、いつ、どのデータを入力・承認し、どの帳票や経営指標に反映するかを示すと、各社が同じ前提で見積もれます。

RFPに入れるべき業務・データ・連携の項目

RFPには、業務量と利用者の条件、機能やデータの条件を記載します。見積もりの前提がそろうよう、次の項目を具体化します。

  • 業務量と利用者:対象工種と年間案件数を示します。同時稼働現場数や利用者の内訳、協力会社数も含めます。
  • 工程と記録:工程の粒度や日報項目、写真・図面の容量を示します。検査記録から実行予算、発注、請求、帳票までを含めます。
  • 現場固有の要件:承認ルートや図面版数、オフライン入力、機器番号や施工箇所の履歴。

会計や販売、購買との連携では、連携項目や頻度、データ責任者、エラー時の対応も記載します。勤怠や電子契約、BIM、クラウドストレージとの連携についても、同じ項目を記載します。

セキュリティでは、会社や現場、協力会社ごとの権限と二要素認証、操作ログを質問します。バックアップや復旧時間、解約時の返却と消去についても、あわせて質問します。

条件があいまいなままだと、各社の見積範囲がずれて、金額を比べられなくなります。

2〜3社の同条件での比較と、金額差の分解

立場の異なる2〜3社へ、同じ条件で依頼します。比較表では費用項目を分けて、標準機能に含まれる範囲も確かめます。

  • 依頼先:SaaS提供会社、建設・設備工事向けパッケージ会社、業務システム開発会社。
  • 初期・継続費:初期設定やライセンス、開発、連携などの初期費用と、移行や教育、保守などの継続費。
  • 追加費:追加ユーザーや追加ストレージ、帳票改修。

公開価格のある製品でも、標準機能に含まれる範囲は確かめておく必要があります。個別見積もりの会社と比べるには、前提をそろえることが欠かせません。

設備工事の実績や、現場アプリの入力しやすさ、工程と原価の連携を評価します。協力会社の条件やAPI・CSV、移行も、同じ質問で確認します。さらに、セキュリティや障害時のSLA、教育・伴走も確かめます。

日立ソリューションズ東日本の公式サイトのように、工程表だけでなく、設備・要員の負荷や遅延の把握まで説明しているかを見ると、製品の得意領域と照らし合わせられます。

隠れた追加費用と契約条件の確認

表示価格からは、導入後の費用や契約条件が見えにくい場合があります。契約前に、追加費用とサポート範囲を確かめておきます。

  • 導入時の追加費:初期データ登録や操作教育、個別帳票、API連携にかかる費用。
  • 利用中の追加費:追加アカウント、保存容量、サポート。
  • 解約・試用条件:データ出力、トライアル後の課金、サポート範囲。

無料トライアルでは、本番へのデータ移行の可否や、利用期間後の課金、サポート範囲も確かめます。

個別開発では、検収後の軽微な修正や仕様変更、OS・ブラウザ対応を契約で確認します。脆弱性対応や復旧テスト、問い合わせ時間は、どこまでが契約に含まれるかを見ます。

著作権やソースコード、再委託の扱いも、契約に明記されているかを確かめます。クラウド環境の所有者や障害時の連絡体制も、確認します。

安さだけでなく、後から発生する費用と責任の分け方を明確にすることが、長期的に費用を抑えることにつながります。

ポイント

見積もりを比べる前に、誰が何を入力・承認するかを同じ前提で示しておくと、金額差の理由を読み解けます。RFPの項目をそろえ、2〜3社へ同じ条件を渡して比べてください。

設備工事業向け工程管理システムのよくある質問

設備工事業向け工程管理システムについては、費用のほかに、現場で使えるかどうかもよく質問されます。既存の管理方法をどこまで変えるかや、導入後のサポートも確認されます。導入前に特に確かめたい疑問へ、直接答えていきます。

設備工事業向け工程管理システムは500万円以内で開発できますか?

工程や日報、写真、書類に絞ったMVPは、500万円から1,500万円程度の推定レンジに入る可能性があります。500万円以内かどうかは、要件によって変わります。

金額を左右するのは、利用者数や画面数、データ移行の範囲です。さらに、スマートフォン対応や外部連携などの条件も影響します。初回に必要な機能と後回しにする機能を分けて見積もる方法が現実的です。

月額制のクラウドと個別開発はどちらが安いですか?

初期費用を抑えて早く始めるなら、標準機能が業務に合うクラウドが有利です。独自の工程や原価計算を重視する場合は、個別開発が適することがあります。権限や会計連携が重要な場合も、個別開発が選択肢になります。

個別開発は、初期費用と保守費用が大きくなる可能性があります。3年から5年の総額で比べる際は、月額や追加ユーザー、教育、移行などを合計します。運用担当の工数や二重入力の削減効果も、あわせて見ます。

補助金を使って工程管理システムを導入できますか?

補助金の対象や申請時期、対象経費、登録製品などは、制度ごとに異なります。そのため、利用できるとは断定できません。公式の公募要領と対象製品を、必ず確かめてください。

国土交通省はICT導入施策のページで、中小企業省力化投資補助金に関する建設業の登録状況や、申請できる製品カテゴリを案内しています。採択されない場合も含めて、資金計画を立てておく必要があります。

協力会社にもアカウントを発行すると費用は増えますか?

課金の単位や権限はサービスごとに異なるため、増額の有無は製品ごとに確かめます。社内と現場、協力会社で扱いが分かれる場合もあります。

また、サクミルのように、30アカウントまでの基本料金と追加分の料金を公開するサービスもあります。外部ユーザーの閲覧だけを無料にする製品もあります。

協力会社が入力する項目やアクセス期間、現場終了後の停止方法を整理したうえで、見積もりを依頼します。

まとめ

標準クラウドは月額数千円から1万円前後、パッケージや導入支援は数十万円から数百万円が目安です。一方、専用開発は、MVPで500万円から1,500万円程度、中規模で1,500万円から4,000万円程度、大規模で4,000万円から1億円超です。

金額は、機能や利用人数、現場数に加えて、連携や移行などによっても変わります。ここで示したのは目安であり、特定の金額を保証するものではありません。

費用相場を判断するときの結論

導入範囲を決める際は、工程表のデジタル化だけでなく、案件や工程、人員、図面、原価、請求などを、どこまで一つの流れにするかを考えます。

そのうえで、現場で入力が続く仕組みを優先し、標準機能で解決できる業務と独自開発が必要な業務を分けると、過剰なカスタマイズを抑えながら投資効果を確認できます。

見積依頼前に進めたい次の一歩

見積依頼に備え、準備する資料と比較条件を整理します。

  • 現状資料:工程表や日報、見積、実行予算などの資料。発注書や写真、検査記録も含みます。
  • 導入条件:対象工種と現場数、利用者、連携先、保存期間。
  • 改善KPI:工程遅延の発見、日報回収、原価見込の更新、書類検索など。
  • 見積依頼先:2〜3社へ同じRFPを渡して比較。
  • 比較項目:初期費用と月額、3年または5年のTCO、導入期間。教育や保守、解約時のデータ扱いも比べます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。