校正管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

校正管理システムの発注は、業務範囲を整理し、発注形態を選び、RFPと契約条件を合意する順に進めます。この順で進めると、必要な証跡の確保につながります。

発注形態、要件と契約、費用相場、委託先の比較の順に見ていきます。全体像は校正管理システム開発の完全ガイドもご覧ください。

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・校正管理システム開発の完全ガイド

校正管理システムを発注する前に押さえる全体像

この記事で扱う校正管理は、計測器を標準器と比較し、測定結果の信頼性を保つための管理です。

文章の校正管理とは意味が異なるため、発注先にもこの前提を最初に伝えておきます。製品検査に使った計測器の妥当性を、あとから追跡できるようにするためです。

発注対象の範囲:台帳ではなく「証跡がつながる業務」

機器の情報、校正の結果、修理や調整の履歴を一つの記録でつなぎ、監査や異常調査の際に、機器の状態と校正の経緯をさかのぼって示せるようにします。管理項目は4つのグループに分けて整理します。

  • 基本情報:管理番号、メーカー、型式、シリアル番号、測定範囲、分解能
  • 所在と利用:設置場所、管理部署、使用者、状態、校正周期
  • 校正記録:最終・次回日、方法、標準器、測定値、不確かさ、許容差、合否
  • 履歴と証跡:調整・修理の記録、実施者と承認者、機器レコードから検索できる証明書と体系図

監査や異常調査に備えるには、台帳に加えて記録と証跡が欠かせません。たとえば校正不合格や期限超過が起きたとき、該当機器を止めるだけでなく、過去の測定対象まで追跡するかを決めておく必要があります。追跡範囲を製品、ロット、検査結果まで広げるかで、期限管理ツールと品質保証システムの開発費が変わります。

システム要件と運用要件の切り分け

システム機能と、人が決める運用要件は分けて整理します。運用要件は品質マニュアルや顧客要求に基づいて決めるため、システムの機能とは別に扱う必要があります。

  • システム要件:通知、検索、権限、承認、ログ、帳票、ファイル保管
  • 運用要件:校正方法、標準器、不確かさ、許容差、力量、期限例外、証明書承認

ISO 9001やISO/IEC 17025への適合は、システムの導入によって自動的に保証されるものではありません。

RFPでは「規格対応」とだけ書かず、必要な記録と承認を具体的に記載します。

NITEの方針でも、測定結果を標準につなぐ比較の連鎖と、校正・検証の記録が重要とされています(出典: 独立行政法人製品評価技術基盤機構、試験所における測定のトレーサビリティに関する方針)。

発注前に品質保証責任者、校正担当者、情報システム担当者、監査対応者を集め、誰が何を判断し、どの証跡を残すかを合意しておきます。発注先に曖昧さを残さないためです。

ポイント

迷ったときは、監査や異常調査で機器の校正履歴と判定の経緯を示せるかを基準にします。システム要件と運用要件は、その基準を満たすために分けて決めます。

校正管理システムの発注形態の選び方

SaaS、パッケージ、スクラッチを、それぞれの適用条件と並べた図解。
必要な連携や業務の独自性が方式選びの分かれ目になります。

台数が少なく、標準機能で足りるならSaaSが候補になります。一方で、複数工場やQMS・ERPとの連携が必要な場合は、パッケージやハイブリッドが向いています。

独自工程や影響調査が品質競争力に直結する場合は、スクラッチ開発を検討します。

いずれの方式でも、まず一工場のMVP(Minimum Viable Product)やPoCで入力負荷と証跡を確かめ、そのあとで対象を広げます。

SaaSの向き先:早く始めたい企業と少数台の試行

SaaSは、サーバーの構築や更新を自社で抱えずに済み、台帳、期限通知、証明書保管を短期間で導入できます。

  • SOKADA:5台まで無料で、50台までのプランは月額2,900円からです(出典: SOKADA公式サイト、2026年8月確認)。
  • JQA MiX:4,000円/ID/月、追加IDは1,000円/月です。
  • 契約条件:台数や管理者の数え方、PDF容量、移行、API、通知、保存期間
  • 終了・障害:データ返却、障害連絡、復旧目標を確かめます。
  • 現場利用:工場内の電波状況と端末共用、実機での試用

500台を超える場合は追加料金がかかります。また、2026年8月時点で新規申込みを停止しています(出典: 日本品質保証機構、計測器管理システムMiX、2026年8月確認)。

本記事の数字は公開価格の参考値で、SaaS全体の平均相場ではありません。

パッケージの考え方:標準機能を活かした差分の追加

台帳や校正履歴、期限通知などが標準で用意された製品は、パッケージを選ぶ候補になります。

基本は Fit to Standard とし、監査や顧客要求に欠かせない差分だけを設定・開発します。ただし、部署ごとに画面や承認経路を作り込みすぎると、更新時の検証費用と運用負荷が増えます。

  • 期限・判定:期限切れと校正不合格の処理を操作して確かめる
  • 証明書・修理:証明書差替えと修理後の再校正を試す
  • 権限・監査:権限外編集と監査履歴の出力

標準機能、設定、追加開発を機能ごとに分けておくと、見積を比べやすくなります。

スクラッチ開発:独自工程と連携要件が費用に見合う場合

標準製品との差分が大きければ、スクラッチ開発が候補になります。

  • 業務独自性:標準器の階層や複雑な承認がある場合は候補になります。
  • データ連携:試験データや拠点別権限が標準製品と異なる場合は検討の対象です。
  • 影響調査:OOT発生時にロット影響を追跡する要件にも対応できます。

要件定義と設計、テストなどの責任は、自社と委託先のどちらが担うかを分けて決めます。

工場ネットワークをクラウドにつなぐ場合は、IT部門だけでは決められません。

外部接続やサプライチェーンの拡大に伴う工場のリスクは、経済産業省のガイドラインでも示されています(出典: 経済産業省、工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン)。

RFPには、閉域網、認証、権限などの要件に加え、ログやバックアップの扱い、委託先の責任分界も含めます。

ポイント

SaaS、パッケージ、スクラッチは、台数、連携の範囲、業務の独自性で選びます。迷ったときは、一工場のMVPで入力負荷と証跡を確かめてから対象を広げます。

RFPと要件整理で具体化する項目

RFPに含める現状業務、機能要件、移行データ、受入確認の4項目を示す図解。
業務の流れから受入条件までを同じ提案前提に揃えます。

「校正管理システムを作ってください」とだけ書いたのでは、RFPとして不十分です。機器の種類や台数、拠点を記し、台帳の形式や証明書の件数と容量も書きます。

校正の内製か外注か、利用者の役割、監査記録、既存連携も明記します。そのため、提案会社は同じ前提で見積もれます。

現状業務と発注後の業務フロー

計測器の購入から廃棄までを、担当者と証跡を含めて時系列で整理します。

  1. 購入・登録と貸出・返却
  2. 校正依頼、受付、実施、証明書の受領
  3. 判定、承認、ラベル貼付、修理、廃棄

各工程には担当者と承認者を決め、入力項目、期限、例外、証跡の保存先も付けます。

Excelや紙、メールの情報を移すだけでは、責任者や承認ルールが抜け落ちてしまいます。そのため、現行の手順をそのまま移さず、業務の役割から見直します。

校正周期は一律にするか、種類や使用頻度、過去のドリフトに応じて例外を設けるかを決めます。あわせて、30日前と7日前の通知、期限超過時の停止、再校正後の解除も定義しておきます。

証明書の差替え履歴など、現場が迷いやすい条件を先に決めておくと、あとからの個別改修を抑えやすくなります。

機能要件の書き方:できることより判定と証跡

校正業務に必要な機能と、システム全体に求める品質条件は、分けて整理します。

  • 校正機能:台帳、検索、期限通知、校正記録、証明書PDF
  • 現場と統制:QR・バーコード、貸出・所在、承認、権限、変更履歴
  • 出力・連携:監査ログ、帳票、CSV・API連携を要件に含める
  • 非機能:稼働時間、応答性能、同時利用者数、保存年数、PDF容量
  • 安全性:バックアップ、復旧目標、ログ改ざん防止、認証、権限分離、端末管理

機能名だけでなく、誰がどの条件で入力し、誰が承認し、何を残すかまで書きます。

許容差を外れた結果は不合格とし、使用中の機器を抽出して承認者へ通知します。そのうえで、影響調査の記録を残すところまで定義します。

通信が途切れたときの動作と、個人情報・顧客情報の扱いも決めておきます。

スマートフォンやタブレットは、QR読取だけでなく手袋での入力も検証します。特に、工場の照明や電波環境で使えるかは、PoCで確かめます。

RFP段階で決める、データ移行と受入テストの範囲

移行と受入テストでは、データの品質、見積の範囲、業務上の合格条件を具体的に決めます。

  • 移行データ:重複番号、表記ゆれ、期限不明、廃棄済み機器の洗い出し
  • 証明書整理:ファイル名の不一致と履歴欠落の確認、クレンジング担当の決定
  • 費用前提:初期登録の件数と、見積に示すPDFの件数・合計容量
  • 受入確認:期限直前・超過、不合格、再校正、差替え、権限外編集、通知失敗、通信断、検索、監査出力の各場面を試す
  • 合格条件:正しい通知と履歴が残り、必要なPDFを検索できる状態

ポイント

RFPには、現状業務、機能要件、移行、受入条件を具体的に書きます。「規格対応」のような曖昧な語で済ませず、台数や件数、判定と証跡まで書くのが目安です。

校正管理システムの契約形態の選び方

契約形態は、要件の確定度、変更の多さ、成果物での品質判断、運用後の改善頻度から選びます。変更費用、検収、知的財産権の条件を確認します。さらに、データ返却、再委託、障害対応、保守範囲も契約前に見ておきます。

請負契約:要件と検収条件を固めてからの利用

請負契約は、委託先が成果物を完成させ、発注者が検収する契約です。

  • 成果物:台帳、画面、帳票、API、移行データ、テスト仕様書、操作マニュアル
  • 検収項目:証明書検索、期限通知、承認ログ、権限、移行精度
  • 変更管理:受付、影響調査、見積承認、リリース判定の手順

要件が曖昧なまま全工程を請負にすると、追加費用や納期の延長につながります。そこで、要件定義を別契約にし、成果物を確認してから開発を請け負う二段階方式もあります。

準委任契約:要件定義や伴走支援との組み合わせ

準委任契約は、専門知識や作業時間を提供し、委託先と一緒に業務を進める形です。

  • 支援範囲:要件整理、業務分析、プロジェクト管理、PoC、運用改善に適した作業
  • 向く案件:校正方法や既存データが不明で、複数部署の合意が必要な案件
  • 契約条件:作業範囲、担当、稼働時間、会議体、報告、品質指標、成果物、再委託の取り決め
  • 継続判断:登録率、期限内校正率、証明書紐付け率、未解決課題数を月次で見る

準委任契約でも、成果に対する責任は残ります。

SaaS・保守契約:データと責任分界

SaaSや保守の契約では、費用と運用、データ、責任分界を分けて確認します。

  • 料金項目:利用料、初期設定、移行、追加ユーザー、容量超過、API、サポート
  • 保守範囲:障害対応時間、更新、バックアップ、脆弱性対応、窓口、軽微な改修
  • 記録の返却:終了時に証明書PDFや校正履歴をCSV・PDFで出力できるかの確認
  • 責任分界:クラウド、ネットワーク、工場設備それぞれの担当を文書で残す
  • 障害対応:アカウント、端末紛失、通信障害、誤削除、復旧テストの担当

校正管理システムの費用相場の目安

費用を中央に置き、台数、拠点、連携、移行を周囲に配した図解。
見積条件を揃える際は、規模と追加作業の前提を確認します。

費用は、台数や拠点、証明書の量で変わります。さらに、利用者数やQR・RFIDも金額に影響します。そのほか金額に影響する要素は、4つの観点に分けて整理します。

  • 承認:複数工場の承認や、承認経路の複雑さ
  • 連携:QMS・ERPなど、外部システムとの連携
  • 移行:過去データの移行
  • セキュリティ:閉域構成や認証、権限などの水準

ここで挙げる金額は、公開価格と類似システムから整理した参考の幅で、公的な平均価格ではありません。正確な額は、自社のRFPを提示して個別見積を取ると分かります。

公開価格のあるSaaS:初期0〜20万円、月額数千円からの入口

小規模なSaaSは、公開価格を出発点にして、機能と総保有コストを確かめます。

  • 公開価格:初期費用0〜20万円程度、月額2,900〜4,000円/ID程度からです。
  • サービス例:SOKADAは5台まで無料・月額2,900円から、JQA MiXは4,000円/ID/月です。
  • 追加費用:台数、容量、登録代行、追加ユーザー、API、サポートによる総額の変動
  • 機能適合:複数工場の承認、QMS・ERP連携、厳格なログ、特殊判定への対応
  • 総保有コスト:3年分の利用料、データ整備、教育、保守、返却費の比較

JQA MiXは、2026年8月時点で新規申込みを停止しています。

パッケージは50〜300万円、小規模カスタムは300〜1,000万円の一つの目安

規模と見積範囲を分けて、パッケージと個別開発の参考額を比べます。

  • パッケージ:ライセンス、設定、移行、帳票、権限、教育を含め50〜300万円程度です。
  • 小規模開発:単一工場の台帳、証明書、ワークフロー、QR、通知、基本ログで300〜1,000万円程度です。
  • 開発期間:小規模開発は3〜6か月程度が目安で、要件によって変わります。
  • 人月単価:2025年時点でPMは70〜130万円、シニアは80〜120万円です。
  • 中堅単価:中堅エンジニアは50〜70万円程度です(出典: 株式会社ripla公開のシステム開発費用情報)。

これらは類似システムや公開情報からの推定です。見積もりでは、品質保証の設計や移行、テスト、教育、セキュリティの費用も忘れずに含めます。

複数拠点・基幹連携の費用:1,000万円以上を想定した見積

複数拠点では、閉域構成や過去データの移行も費用を左右します。運用費は、初期費用と分けて見積もります。

  • 複数拠点:複数工場、拠点権限、QMS・ERP連携、OOT調査、モバイル対応で1,000〜5,000万円程度の可能性があります。
  • 大規模構成:数万台、複数地域、冗長構成では5,000万円〜1億円以上も想定されます。
  • 運用費:保守、クラウド、端末、QR機器、RFID、ネットワーク、校正委託
  • 標準器:購入・維持費を、初期費用とは分けて見る
  • 保守の目安:初期費用の年15〜25%とする見積もあります。

金額は要件が確定する前の粗い目安です。SaaSの月額や個別SLAとは算定方法が異なるため、前提と対象範囲を確かめます。

ポイント

費用は、方式と規模、拠点数で大きく変わります。公開価格や参考レンジは入口の目安にとどめ、同じRFPで取った個別見積と運用費を合わせて判断します。

校正管理システムの委託先と見積を比較するポイント

委託先は、知名度や最安値よりも実績で比べます。校正業務と現場端末の実績を中心に、証跡設計や連携、保守の経験も確かめます。

校正機関、パッケージ会社、開発会社は得意領域が異なります。そのため、発注形態に合う2〜4社程度に絞って提案を依頼します。

校正業務と製造現場の実績

校正業務の実績と、委託する作業の責任分界を確かめます。

  • 業務経験:台帳、校正周期、証明書、トレーサビリティの実績
  • 現場機能:QR・バーコード、貸出・所在、承認、監査ログの対応状況
  • 導入事例:同規模顧客のデモや運用、非開示の場合は業種・台数・工程・移行件数
  • 校正会社:証明書登録者、判定・承認者、JCSS・ISO/IEC 17025の対応範囲の切り分け
  • 開発会社:品質保証側が方法と判定基準を提示し、解釈を委ねない体制

顧客名を開示できない場合でも、連携先と保守体制は確認します。

見積の比較:総額より前提条件と内訳

見積は、作業範囲、数量の前提、期間ごとの総額を揃えて比べます。

  • 内訳:要件定義、設計、開発、連携、データ整備、移行、インフラ
  • 付帯費用:セキュリティ、テスト、教育、マニュアル、保守、ライセンス
  • 一式項目:「移行・連携・テスト一式」は件数、接続先、回数、成果物の確認
  • 比較項目:価格、納期、標準機能、追加開発、移行、保守、返却、実績、体制
  • 総額:初年度・3年・5年で比べ、同じRFPとサンプルデータを各社に渡す

証明書登録や現場教育が別料金になっていないかも、あわせて確かめます。

導入失敗のリスクと提案段階での検証

提案の段階で、データや現場定着、異常時対応などを検証します。

  • 移行品質:重複台帳や不明な期限を含む実データで移行を試します。
  • 現場定着:入力負荷の確認と、QR読取から記録登録までの試行
  • 証跡:通知だけでなく、異常時の影響調査、権限、証明書差替え履歴まで確かめる
  • 委託先管理:引き継ぎ、再委託、障害連絡、終了時のデータ返却
  • 停止時対応:契約前の復旧テスト、通信断と手書き記録の事後登録を受入条件にする

異常時にも、測定結果の信頼性を説明できるかを確かめます。

ポイント

委託先は、校正業務と製造現場の実績で2〜4社に絞り、見積は総額より前提条件と内訳を揃えて比べます。提案の段階で移行と現場定着を確かめると、導入後のずれを減らせます。

発注から稼働までの進め方

発注後は、要件定義と設計・開発から始めます。移行以降は段階ごとに押さえる点が違うため、3つに分けて整理します。

  • 移行・テスト:旧データの移行と受入テスト
  • 教育・稼働:管理者と作業者への教育と、稼働の準備
  • 改善:稼働後の指標を見ながら、期限管理から品質分析へ広げる

最初は機器と拠点を絞ったMVPから始め、全工場への切り替えは後に回します。期限通知と証明書検索を定着させてから、連携やOOT影響調査を追加します。

最初の段階の対象範囲とKPI

最初は測定しやすい対象とKPIを定め、実データを使ってPoCを行います。

  • 対象範囲:一工場、100〜500台程度、品質保証と一つの製造部門などへの絞り込み
  • KPI:期限超過件数、期限内校正率、検索時間、所在不明件数、登録不備率
  • 影響調査:OOT時の調査時間の計測と、証明書検索時間の導入前後の比較
  • PoC:実機器と証明書を使い、作業者、校正担当、承認者、監査対応者が操作する
  • 移行検証:表記ゆれ、旧番号、証明書差替え、期限例外を含むデータ

リリース前の運用ルールと教育

リリース前に、責任者、暫定運用、教育、稼働後の確認方法を決めておきます。

  • 担当と権限:依頼先、証明書の受領者、判定・承認者、停止・期限変更の権限者
  • 移行・障害・文書:旧Excelを参照専用にする時期、紙記録の登録方法、通信障害時の手順
  • 管理者教育:マスタ、権限、周期、証明書、ログ、帳票の管理
  • 作業者教育:QR読取、貸出・返却、結果入力、異常報告を短い手順で伝える
  • 稼働後確認:1〜3か月の問い合わせ、入力漏れ、通知失敗、期限超過を定例で見る

品質マニュアルを変更する場合は、承認日と適用日を管理します。

画面の改修より先に、運用上の詰まりを解消します。

稼働後の期限管理から品質分析への広がり

稼働後は基本指標を安定させてから、品質分析や拠点連携へ段階的に広げます。

  • 初期指標:登録台数、期限内校正率、証明書紐付け率、通知成功率を安定させる
  • 品質分析:修理費、不合格率、測定値のドリフト、使用頻度、所在不明
  • 周期変更:記録と品質リスクで判断し、設定変更と承認履歴を残す
  • 拠点・連携:共通・拠点別マスタを分け、機器ID、場所、状態、判定から始める(全同期は行わない)
  • 変更管理:拡張ごとの受入テストと権限レビューで、変更を説明できる状態にする

よくある質問(FAQ)

費用、運用、規格に関する質問に答えます。答えは、自社の台数や監査要求に置き換えてRFPに活用します。

校正管理システムは無料や低価格のSaaSで十分ですか?

必要な機能とネットワーク条件に照らしたうえで、公開価格だけでなく導入総額で判断します。

  • 少数台:台帳、通知、証明書保管なら無料枠や月額数千円から試せます。
  • 複雑な要件:複数拠点の承認、厳格な履歴、連携、OOT調査は、他方式も比べる対象です。
  • 閉域環境:パッケージや個別開発も選択肢に入ります。
  • 総額判断:公開価格に、移行、教育、保守を加えて比べます。

システムを導入すればISO 9001やISO/IEC 17025に対応できますか?

システムは記録管理を支援しますが、規格対応は自社の運用要件とあわせて進めます。

  • システムの役割:計画、記録、証明書、承認、履歴、トレーサビリティの管理
  • 自社の運用:校正方法、標準器、不確かさ、力量、判定、是正処置を自社で担う
  • 要件整理:対象規格と顧客要求から、必要な証跡を定義する

規格適合や認証取得は、システムの導入によって自動的に保証されるものではありません。

RFPが作れない場合はどこまで委託できますか?

準委任契約で現状整理とRFP作成を支援してもらい、発注者が要件案を承認してから開発へ進みます。

  • 委託できる作業:現状調査、業務フロー、台帳と証明書の洗い出し、要求一覧の作成
  • 発注準備:優先順位付け、製品比較、RFP作成まで支援を依頼できます。
  • 発注者の情報:監査課題、台数・拠点、現場制約、既存システム、予算、希望時期
  • 開発への移行:品質・セキュリティ・予算の発注者による確認と承認

校正そのものの外注先とシステム開発会社は同じですか?

同じ会社が担う場合もありますが、校正作業とシステム開発は役割を分けて考えます。

  • 校正会社:測定、証明書、標準器に強みがあります。
  • システム会社:業務フロー、連携、権限、画面、移行、保守に強い傾向があります。
  • 一括委託:判定責任、データ所有権、証明書登録者を契約で確かめる
  • 障害時:システム停止中の暫定運用

まとめ

校正管理システムの発注では、台帳、記録、証明書、所在、承認をどこまで管理するかを、まず決めます。

期限超過やOOT時の影響調査も対象に含めます。そのうえで、標準機能と独自要件から方式を比べます。

RFPには、対象範囲、業務フロー、非機能要件、移行、受入条件を記載します。

比較の観点:価格より証跡・現場定着・責任分界

費用幅は方式や規模で異なるため、各社の見積条件と運用費を揃えて比べます。

  • SaaS:初期0〜20万円程度、月額2,900〜4,000円/ID程度からが公開価格の参考です。
  • パッケージ:50〜300万円、小規模カスタムは300〜1,000万円程度です。
  • 大規模構成:複数拠点や基幹連携は1,000万円以上の可能性があります。
  • 見積比較:同じRFPとサンプルで複数社に依頼し、初期、移行、教育、保守を確認します。
  • 継続費用:3年分の利用料の合算

発注前に品質保証と現場を交えた小さな検証

発注の前に現状を整理したうえで、小規模な検証から段階導入へ進みます。

  • 現状整理:機器台数、拠点、証明書数、期限管理、監査上の課題
  • 候補先への提示:代表機器と証明書、業務フロー、受入条件
  • 段階導入:通知、証明書検索、承認を定着させ、KPIを確認して拠点連携・品質分析へ広げます。
  • 運用改善:各部門と委託先での役割の共有、運用と証跡の継続的な改善

規格対応は、システムを入れた後の運用まで含めて進める必要があります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。